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隣のアイツ、後ろのアノコ  作者: 吉良美弥子
3/4

否 残り物には福がある。

その日は本当に何でもない、ごく普通の日常だった。


いつも通り、友達と喋り、真面目に授業を受け、先生の手伝いでノートを運ばされたり。



それは何気ない日常に過ぎなかったのが。



帰りのホームルーム。


「今から席替えするから窓側の席から順にくじ引いてけー!」


うちの担任の少しサバサバしている女教師がそう言うと続々と生徒達が先生手作りのクジの入ったボックスに手を入れる。ちなみに私は廊下側の一番前なのでクジを引くのは最後の方だ。


残り物には福があると言うが果たしてどうなる事やら。



ついに自分の番になり先生お手製ボックスに手を突っ込み一番最初に手に触れたくじを手に取る。


"7"


それの数字を確認するとまた自分の席に戻る。

うちのクラスの席替えというのは先生が毎回ランダムに席に番号を振り分け、くじを引き決まる。

先生の作った数字の書かれた座席表から早速7という数字を探す。


(ラッキー♪)


それを見つけると心の中でそう呟く。

残り物には福があるとはよく言ったものだ、まさしくそうで私の席は窓際の一番後ろ。

すなわち教室の隅。今の私にはうってつけの席だった。


「よし、じゃあ動け〜」


どうやら私が考えていたうちに全員がくじを引き終わっていたようだった。

その一言で全員が一斉に動きだす。



早速"7"の座席に移動する。

本当にいい席だ。誰からも視線を送られることのないこの席は私にとって本当に最高な席である。


そう考えたのも束の間。


「よろしくねー、七瀬さん!」


隣の席から聞きたくなかった声が確かに聞こえた。





前言撤回。

残り物に福なんて無かった。



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