だらだらと時間を消費される現状
とりあえず魔女っ娘の方は落ち着いた様子…
だが剣士の兄さんは、まだ麻痺したままなのでどうしたものかと考えていると…
「あぁ…酷い目にあった…おいッ!!いきなり何してくれるんだよ、このクソガキがッ!!」
「クソガキじゃない…私には、ちゃんとフィーニアって名前がある…」
アレ?うちが魔女っ娘って呼んだときは「ちゃんと名前が~」な件は無かったんだけど…
もしかして当然、好かれてはいないだろうとは思うけど名も教えて貰えないほど嫌われてる?まぁそれは後にでも聞くとして、さっさと話を進めないとじいさん’sが戻って来る…
「ゴメン、その話は後でお願いします。今はあのじいさん’sが帰って来る前に言いたい事があるので…」
剣士の兄さんが一瞬、何かを思い出す様な素振りを見せて
「あぁ…そういえば、俺達に何かやらかして無いか?とか、神官のじいさんが俺達の帰って来るのを考えて無いとか言ったな…」
なんとか話が出来そうな雰囲気になって良かった…
「そうですね、あのじいさん’sは、うちらを使い捨てにするつもりだと思います。」
「何で、あんたにそんな事がわかるんだ?」
「まず第一に祝福でしたっけ?アレを貰う前に儀式が強制的に終了してる事…そちらの常識では召喚されたら必ず一つ祝福を持ってるらしいので、それが無いのにまともに戦って魔王の城とやらに行ける訳が無いですよね?」
そう言って剣士の兄さんを見つめ答えを待つ。
「だけどよ祝福を貰わなかったにしても普通に剣とか持って戦えるだろ?」
「それが、こっちの世界の人なら出来ると思いますが残念な事に、うちは異世界から拐われて来た人間なので自分でで言うのもなんですが全く戦える要素が無いんです…」
「そんなバカな話があるか?」
まぁ斬ったはったが日常的な世界の住人は、そう考えるよねぇ…
「こっちの様に日々何らかの危険がある世界と大きな戦争もここ数十年起きてなく魔物なんて実在しない絵空事だと言われている世界で人の身体的な能力が同じ訳が無いでしょ?安全、平和な日常が続けば意図的に身体を鍛えてる人以外は当然弱くなるんですよ。」
とはいえ、そう簡単には理解したり信用は出来ないだろうなあ…だいたい思想やら環境の違いが理解出来ずに争いが起こるのは今の地球でも無くならないのだから完全に常識の違う、こちらの世界の人達には想像も出来ないかも…
「世界が違えば、そんな事もあり得るのか?」
剣士の兄さんがフィーニアさんに問いかける。
「うん、私たちでも種族の違いで身体的にも魔力的にも大きな違いがあるから世界そのものや常識が圧倒的に違えば私たちが普通に思ってる事も向こうでは異常な事もあるはず…」
「って事は本当にまともに戦えないのか…」
「かなり高い確率で役立たず。」
うわぁ~事実なんだけどフィーニアさん、それは直球過ぎませんかね?やっぱり嫌われてるっぽいのかな?と、それよりも…
「まぁ納得は出来なくても概ね理解してもらえた様なので話を続けますが」
「ん…あぁ…」
ここで横やりが入らなければ良いなと思いつつ本題にいこう…