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8話 3回目の転生で『賢者』

 (仁君聞こえますか?地球担当です。あなたには特別に前回と同じ両親の元へ生まれるように転生させました。しかし、あなたには創造神様から授かった力によって以前とは違った人生を歩むでしょう。どうかその力を正しく使って下さいね、あなたの人生の幸運を祈っています。)


 知らない声が聞こえたと同時に身体が温かく包まれたような感覚があった、これがきっと加護なんだろう。地球の神様ありがとうございます。本当に色々と感謝してます、だけどテンプレイベントって何だよ、神様ラノベ好きすぎだろう!


「とうちゃん、かあちゃん、ただいま・・・。」


 俺は多分泣いていたんだと思う。母親から抱きかかえられ、父親が心配そうに俺の顔を覗きこんでいた。


「仁君どうしたんでちゅか~?・・・あれ、なんだろうよく分からないけど涙が、ってなんであなたまで泣いてるんですか。」


「わかんねぇけどよ、なんかこう、胸にジンときちまったんだよ。きっと子供が生まれて嬉しい涙だろうよ。」


 覚えていないはずの両親も泣いていた、親の愛情って理屈じゃないんだろうな。俺って本当は愛されてたんだな、それに気が付かないで自分は不幸だって思って親不孝ばっかしてホントなにやってたんだろうな。ごめん。こんな素晴らしい両親に生んでもらって、だけど俺は転生したいって思ってる、最低だよな。だけどもう決めてるんだ、だからせめてこっちに居る間はいっぱい親孝行するからな。


 それからの時間はあっという間だった。6歳の時に宝くじで1000万当たった、間違いなく『無限の運』の力だと思う。神様から貰ったチートスキルが全力で俺の人生にテンプレイベントを発生させるのだが俺はことごとくフラグを折ってやった。幼馴染と恋愛イベントに運動会、学園祭、入学式、成人式、大学のサークル、大体のパターンが読めていたので回避は簡単だった。

 そうやってちょっといい大学を出てちょっといい企業に就職した。いっぱい親孝行もした。転生したら俺が存在していた痕跡は消える事を神様に確認しているので今回は準備万端でその時を迎える事が出来た。


 見なれた大きな金色の門、今回は最初から創造神様が座っていた。そしてこれまでと違うのは両脇に想像を絶するような美女が立っていたことだ。あまりの美しさに我を忘れて見入っていると声を掛けられた。


「よく来たの、今回は二人が直接話してみたいと言うのでな、来て貰ったんじゃ。」


「直接会うのは初めてですね。地球を担当しております、桜と申します。仁君の事はよく知っていますよ、会えて嬉しいです。私の加護気に入って貰えましたか?」


「えぇ、見事なテンプレイベントでしたよ。残念ながら地球ではフラグは折らせて貰いましたが凄く理想的な展開でした。」


 桜様は綺麗なピンクの髪が似合う和服美人さんだ。桜様の加護は本当に素晴らしいと思う。これでハーレムの夢が捗りそうです、本当にありがとうございます。


「気に入って貰えたようでよかったです、アドゥライトでは是非役に立てて下さいね、私ちゃんと見てますからね!」


 ちょっと喰い気味で引いてしまった、神様ってそんなにヒマなんだろうか。


「こやつはこういう話が大好きじゃからな、勘弁してやってくれんか。」


「次は私の番ですね、初めましてアドゥライトを担当する女神アリスティルです。以後お見知りおきを。」


 アリスティル様は水色の髪のどこか幼さが残る美少女だった。正直ものすごくタイプだ。


「ありがとうございます、お気持ちだけ受け取っておきますね。実は私からも加護を与えようと思います、受け取って頂けますか?」


 さりげなく流されてしまった、悲しい。


「ありがたく頂戴いたします。」


「私の加護は夢で『交信』出来る力です。なにかあれば私のことを深く意識して寝てください、可能な限り交信に応じます。」


 これは嬉しい、夢だとしてももう一度会えるのか。まさに夢が膨らむ状態だ。


「えっと、本当に大事な時だけにしてくださいね?」


「これ、女神を困らせるでない、罰が当たるぞ。」


 怒られてしまった、ちょっとテンションが上がりすぎてたな、冷静になろう。


「さて、こやつらの話も終わったことじゃし、そろそろ転生する時間じゃな、今回は何か欲しいものはあるかの?」


「その前に1つ質問してもよろしいでしょうか?またここに来ることは出来ますか?」


「うーむ、なかなか難しい質問じゃな。再びここに来ることは出来る、しかし転生出来るのは今回が最後じゃ。地球の諺にあるじゃろ、「仏の顔も三度まで」、「二度あることは三度ある」そういうことじゃ。今答えられるのはここまでじゃな。」


 なるほど、とりあえず転生は今回までという事が分かっただけでもありがたい。これで転生してからの人生プランが立てやすくなった。スキルは以前から考えていたアレにしよう。


「スキルは『無限収納』でお願いします!いっぱい入って内部の時間が止まる高性能なやつで!」


 前回のアドゥライトで収納出来るようなスキルや道具は失われていると学んだからな、一応過去の遺物として高価な物は存在したがやはり転生なら何でも入るイベントリは必要だよね、持ち歩く荷物が減るってすごい大事だって実感したし。


「わかった、本当にそれでいいんじゃな?」


 何か引っかかる言い方だが問題ない、お願いします。


「よし、それではお主に『無限収納』を授ける。神様の特別性じゃ触るだけで収納可能でリストで管理出来る上に時間経過のない容量無限のスペシャルバージョンじゃ。行くがよい。」


「ありがとうございます。今までお世話になりました、今度こそ童貞卒業してハーレム作って幸せになります!」


 ジンが転生するのを見届けた創造神は一人で考えていた。


「あの者なら可能性があるかもしれんな・・・。」



New『無限収納』・・・創造神お手製のスペシャルバージョン。

New『アリスティルの加護』・・・アドゥライトの神に愛された者。※女神と『交信』が可能になる。

New『賢者』・・・異世界の称号。果てしない時間童貞を貫いた者。※INT+15 MP消費量が1/2になる。





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