表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/60

2話 はじめての異世界

 気が付くとやわらかいモノに包まれていた。ベッドの上だろう。


「あぁ、ぅ。」


 言葉は出ない、身体もうまく動かないしすごく眠い。もう1度寝よう。


「リリー、生まれたのか!?」


 部屋の扉が勢いよく開いた。きっと父親だろう。シャツにズボン、黒髪に黒目、だけど日本人には見えない。背も高いし鼻も高い、まだ20歳くらいだろうか?


「ええ、生まれたわよダン。とってもかわいいでしょ。」


 透き通るような青い髪にきれいなグリーンの瞳、すこし幼く見える女性はきっと母親だと思う。不思議と感じることが出来た。


「この子はジン、『ジン=フォレスト』だ!俺たちの子だぞ!はははっ!」


両親はとても嬉しそうに俺を見ていた。きっと幸せな家庭だと、そう感じた。


 生まれてから3ヶ月が経過した。母親に抱かれて見る景色はとても輝いて見える。木製のベッド。そして木の壁。きっと裕福ではないであろう家も今のボクには素晴らしい場所だ。そして不思議と周りの言葉や文字も理解出来る。その理由はステータスにあった。


(ステータス)


ジン=フォレスト

職業:村人

HP 10/10

MP 10/10

STR 1

DEX 1

VIT 1

AGI 1

INT 16

CHR ∞

LUK 1

<スキル>

『無限の魅力』・・・神の力によって限界を超え留まる事を知らない魅力。

『異世界言語理解』・・・異世界の全ての言語を理解し読み書きが可能。

<魔法>

<称号>

『魔法使い』・・・異世界の称号。30歳まで童貞を貫いた者。

         ※INT+5 基本属性全てに適正を得る。

『異世界からの来訪者』・・・転移・転生など異世界からの来訪者

             ※INT+10 スキル『異世界言語理解』


 ステータスと念じる事で自分のステータスが理解出来た。これを見る限り称号によって得たスキルのおかげで周りの言葉や文字が理解出来るのだと思う。ついでにINT=知力が高いことも要因の1つかもしれない。


 そしてボクは創造神様の最後の言葉の意味を必死で考えていた「また会おう」ってどういう意味だろう。前回の転生は30歳まで童貞で31歳の寸前まで無職だった。それによって『神域』で転生する事が出来たのだ。もしかすると「童貞で30歳」まで過ごす事で『魔法使い』の称号を得たように、こちらでも同じ現象が起きるのかもしれない。


だめだ眠い、また明日考えよう・・・赤ちゃんってすごい眠いんだね。


「ジン君、お誕生日おめでとう~!」


 ボクは1歳になった。まだ喋ることが出来ないが、すこしならコミュニケーションが取れるようになってきた。


「あぃ、あーとー。」


「やっぱりジン君は賢いわねーこれは将来が楽しみよ。」


 スキルの力もあって両親はボクにメロメロである。もちろん近所のおばさん達もみんな優しくしてくれる。本当に魅力が留まる事を知らない。たまにボクの奪い合いになって困ってしまう。


 この1年間はまともに動くことも出来なかったのでひたすら考えていた。もちろんもう1度『魔法使い』を目指すかどうかだ。この魅力があれば絶対にモテモテだろうし男の夢であるハーレムは間違いないはずだ。しかしだ、本当にもう1度あの場所に行って転生してチートが貰えるのならば試すだけの価値はあると思う。


 この世界は地球でいう中世あたりの文明度で、モンスターも存在する。安全に天寿を全うするのはなかなか難しいみたいだ。実際にこの村でも年に数人がモンスターに殺されているのだ。そうなれば戦える力を持たない村人ではいつ死ぬか分からない。死なない為には力が必要だし、その為にやれる事はやっておきたいというのが本音だ。


(よし!もう1度創造神様に会うためにも童貞を守りぬくぞ!)


そして、この人生30年は知識を蓄える為に使うと心に決めるのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ