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「……大丈夫?」
声をかけられ、手を差し伸べられた。
顔を上げると、背が高く、髪が長い美女が立っていた。
「あ、ありがとうございます」
差し伸べられた手をとり立ち上がる。服装は自分たちと同じ皮の服。恐らく、スタートしたばかりのプレイヤーのはずだ。なのに、そこからは初心者のような──挙動不審な状態にも似た──雰囲気は無い。
「装備はどうしたの?もしかして誰かに盗られた?」
「……装備?」
なんのことを言っているのかわからない。
「バックパックは見た?後ろに背負っているカバンみたいなの」
「……えっ」
急いでバックパックとやらを確認する。そこには、ぎっしりとナイフや食料、液体が入った瓶などのアイテムが詰め込まれている。
「もしかして、初心者?」
それを教えてくれた高身長の美女からは、侮ったような雰囲気は感じられない。迷子に話しかけるような優しい口調だ。……それはそれで侮っていると感じる者もいるとは思うが。
「そ、そうなんです!私たち、ついさっき始めたばかりで!」
舞がその人に飛びかかるような勢いで応えた。
「そうなの。……もし良かったら、私が色々教えましょうか?」
どうかしら、と美女は優しく微笑んだ。