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永遠の世界  作者: ナナナ
第一章『ログイン』
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5

「そ、そんな目で見ないでよ!わ、私だって結構恥ずかしいんだからね!」

 

 舞が叫んだ。表情には照れのようなものが見える。

 

「兄さんのような人の方が珍しいんだからね!なんであんまり変わってないのよ!?」

 

 そう言えば。自分の容姿がどうなったのか、確認していなかった。確認したのは服装だけである。

 

「俺、変わってないのか?」

 

「……うん。ちっとも」

 

 自分の髪や顔を手で触ってみる。若干の違和感があるものの、いつもの自分のように思えた。

 

「まあ、でも、私はちょっと安心したかな」

 

「え?」

 

「なんでもない!それよりさ、冒険しようよ!」

 

 そうだ。これはゲームなのだ。キャラクターの容姿など二の次だ。剣と魔法のファンタジーのはずなのだ。冒険をしなければ損だ。

 

「そうだな!冒険だ!」

 

「それでさ、どこに行けばいいのかな」

 

 アールは東に行けと言っていた。敢えて西に行くのもおもしろいかもしれないが、ここは素直に助言に従うべきだろう。

 

「東、に行こうか。初心者だし」

 

「うん。賛成。えーと、東は……あっちかな?」

 

 太陽の傾きから二人は東の方向を判断し、歩を進めた。

 

「久しぶりだね。兄さんと並んで歩くの」

 

「……そうだな。ゲームだけど」

 

「うん。近い内、実家に帰ってきなよ」

 

「わかってるよ」

 

 妹は寂しかったのだ。シンはここで漸くそのことに気付けた。

 

「ごめんな、舞。寂しい想いさせたな」

 

「あ、謝らないでよ!そ、そんなんじゃないから!」

 

 舞は兄の胸を小突いた。

 ゲームに誘って良かったと思った。そして、今度、現実で会ったらもっと会話をしようと決めた。



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