表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ETAホフマンとモーツアルトの深ーい関係。  試論

作者: 舜風人



ドイツ後期ロマン派の重鎮?


ETAホフマンは

音楽家たらんとして


果たせずに、、、はからずも?


小説家になったしまった人ですが


彼はモーツアルトを神のごとく尊敬していたのです。


その証拠に、


自分の名前にあえて、自ら、アマデウスという名前を入れ込んでいることからもお分かりでしょう。


エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン。


これが彼の自己改訂?したフルネームです。


もともとの洗礼名は

エルンスト・テオドール・ウイルヘルム・ホフマン。だったのですね。


ですから小説作品にも


当然モーツアルトへのインスパイアーが随所にちりばめられていますね。


一番わかりやすいのはホフマンの短編小説、


「ドンジュアン、ある夢想家が旅の途中で出会った不思議な事件。」でしょうね。


これはホフマンの極く初期の作品であるが


この中でホフマンはオペラ「ドンジョバンニ」の


音楽の秘密を解明して


音楽の魅惑を讃えているのである。


モーツアルトへの賛歌?ともいえ好短編である。


さてモーツアルトの代表作といえば



オペラ「魔笛」でしょうか。


もちろんホフマンもこのオペラに心酔しているわけで、、


その影響は


彼のメールヒェンにも色濃く印字されていますね。


そもそも「魔笛」というオペラは


象徴的な、、イニシエーション、秘儀参入メルヒェン?ですから


表面では、、はっきり言って解釈不能?なオペラなんですよ。



フリーメイソンの秘儀参入というか


そういう暗喩がいたるところにちりばめられていて、


最後は


大団円、、エンテレケイアを向けるという


まあ一種の、祝祭劇、、神話メルヒェン?ともいうべき物でしょうね。



この魔笛に比肩されるホフマンのメルヒェンといえば


それは「黄金宝壺」(ディー・ゴウルドネ・コップフ)でしょう。


そのいちいちに


共通項が見え隠れする


このメルヒェンは


アトランチスという異界での


貧乏大学生でへまばかりしているアンゼルムスと


緑の小蛇、、その実アトランティスのザラマンダーの王女セルペンチーナの


恋物語?神話参入物語?


終局は楽園への参入という、大団円に至る


秘儀参入の


通過儀式の数々は


まさに


これが


ホフマン的な


「魔笛」への  ホフマンなりのモーツアルトへの回答?


あるいは、、


インスパイアー?だったのでしょうね?



またはホフマンも愛読したモンフォーコンドビラールの


17世紀の奇書「ガバリス伯爵」という


秘儀参入イニシエーション暗喩小説の多大な影響もあるでしょうね。


この小説(小説ですかね?)は、、


ヘルメス思想、カバラ。四大の精霊、薔薇十字。などの隠避哲学


あるいは、サトリ?への階梯と、イニシエーションを


暗喩たっぷりに述べた、まさに怪しい書物ですね?



そもそもホフマンという人は



音楽家であり


作曲もできるし(自作のオペラも作りました)


指揮者もできるし(楽団の指揮者兼作曲家でした)


プロ音楽家といってもいいほどの音楽的な技能はあるわけです。


それがナポレオン戦争で楽団の倒産?で

やむなく流浪の身になり果て


漸く、、親友の紹介で判事に就職できたという。


ですから

おのずと彼の小説も


音楽的で?


オペラ向きで?有ったのでしょうね。



ですから


後々


「ホフマン物語」(オッフェンバック)とか


「コッペリア』とか



「嫁選び」とか(プゾーニ)


「くるみ割り人形」(チャイコフスキー)とか



オペラやバレー組曲などの原作として


転用?された作品も多いのもうなづけますよね。



「ブランビラ姫」なんてのも


まさにカプリッチオ


祝祭劇


異世界と現実界の複雑に重層的に入り組んだ2重奏曲。


神秘オペラそのものですものね。


ただ、、こうしたいわゆる一連のホフマンの『かるみ』という表現の大暴走は


私は好みません。


「ガルガンチュア」(ラブレー)とか


「ドンキホーテ(セルバンテス)


「トリストラムシャンディ」(スターン)も嫌いですね、


こういう大笑い、、哄笑文学、、カーニバル文芸?は


良いとか悪いではなくて


私は性格的に嫌いです。


私の好きなのは


あくまでも


真面目な?ホラー小説だけです。


ホフマンでいえば、、


「ナハト・シュツッケ」(小夜物語)の中の


「イグナーツデンナー」とか


「悪魔の霊液」とか



そういう系統ですね。


まあありていに言えばゴシックロマンス系?ですね



イギリスゴシックロマンス及びその末裔も大好きです。


たとえば、、


「嵐が丘」「ジェーンエア」「レベッカ」「ドラゴンウイック」など


ゴシックの流れを汲む、末裔ですものね。


さらには


エドガーポー。(アッシャー家の崩壊)


CBブラウン  (ウイーランド)


などアメリカンゴシックも


いいですよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ