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「未定」の書  作者: アナン
第二章
21/22

(1-11)大変な一日の終わり

「わたくしも魂転者ですわ」


 突然の言葉にしばらく僕は声が出ずにいた。

 姉さんが魂転者!?

それが本当なら殺されるかもしれない。

今まで一度も攻撃を当てることすら無理だったのに勝てるわけがない。


「僕をどうするつもりだ?」

「別にどうこうするつもりはありませんわ。わたくしは誰かの魂を奪ったり、自分の魂を与えるつもりはありませんわ」

「え?」


 考えていたことと真逆の答えが返ってきたので、力が抜けてしまった。


「あらあら。どうせ殺されるとでも思っていたのでしょう?」

「また心を読まれたか……で、僕に伝えた理由は?」

「そうでしたわ。お願いがありましたわ」


 お願い?また無茶なことを言うつもりじゃないだろうか。

 

「少し難しいかもしれませんわ。最近わたくしを狙ってくる『NONノン』と言う組織を壊していただきたいですわ」

「『NON』って結構デカイ組織じゃ――」


 断りを告げようとしたとき、鋭い殺気が感じられた。

その殺気だけでライオンの群れを追い返してしまいそうなぐらい強力な殺気。

そんな殺気を受けて歯向かおうと思う者はいないだろう。


「わかったよ。やるよ――」

「敬語を使いなさい?」

「わかりました……やらせていただきます」

「よろしい」


 漏らすかと思った。それが最初に思ったことだった。

 それにしても頼む……いや、脅すときは容赦ようしゃがない。寿命が縮む。いや魂転者だから関係な――!?

魂が削られている!?そういえば姉さんは魂転者だったか……それにしても殺気だけで魂を削るなんてまるでバケモノだ。


「それにしても姉さんの強さなら自分で壊――」

「何か言ったかしら?」

「いえ……なんでもないです」

「では、よろしく頼みますわ」


 戸葉瀬はそう言って去っていった。

戸葉瀬が見えなくなると、大変なことになったなぁ。と言い、ため息を吐いた。



 全く李秋はわからないわ!――ありがとう……か。あんな言葉にドキドキするなんてどうかしてる。

 速は駅までの帰り道を歩いていた。

こちらは駅まで約1キロある。


「どうしたの~?速お姉ちゃん。何か嫌なこと合ったの~?」

「別に何もないわよ。それよりさ桜、李秋が今度花見に行けなかったから一年中咲いている桜のところに行くか。ってこの前つぶやいてたけど、あんた何か知ってる?」

「そういえば、桜が楽しみにしていた花見いけなくてごめん。って言ってたよ~」

「ふ~ん」

 

 やっぱりあいつは桜のことが好きみたいね。

これじゃ告白しても断られる……かな。

 そんなことを思い、深いため息を吐いた。

二学期は始まったばかりで、最近地球温暖化を止めようと言っているにもかかわらずに、吐いたため息ははっきりわかるぐらい白かった。


「こんな時期に咲いてる桜なんてあるのかな?」

「あるよ~。私そこで李秋くんと会ったもん」

「ふ~ん。ってそれ本当?」

「うん」


 ないと思っていても、あるものはたくさんある。と、つくづく思った。

なぜなら、李秋に抱きしめられたときにそう思ったからだ。

だれも助けてくれなく、泣いていたときに李秋に助けられた。

あまりにも力が強いため、ケンカも力いっぱい抱きしめることもできない自分にとって、どれだけ強い力でも大丈夫な李秋は大切な存在だった。

それに自分のことを理解してくれる優しさにいつの間にか好きになった。

でも李秋には好きな人がいた。

いつも笑顔で元気な桜。それに比べて負けず嫌いで怒ってばかりの自分。

勝敗はわかりきっている。自分では勝てないと。

諦めなければならない。でも好きと言う感情は消すことができない。

それに、最近李秋が『優神さん』と、うなされ泣いていることがある。

さんづけすることから女性だとわかる。

好きな人だろうか?憎んでいる人だろうか?

いつもそんなことを考え、苦しんでいる。


「やっぱり無理かな……」

「どうしたの速お姉ちゃん?」

「あんたはいいわね。悩みなんてなさそうで」

「そんなことないよ~」

「え?」

「だって~、私のお兄ちゃん死んじゃったし、養父さんは行方不明だから悩みはあるよ~」

「そ、そうなんだ」


 以外に桜も悩みあるんだ。てっきりないかと思ってた。

やっぱりないと思っててもあるものはあるのね。

 深くため息を吐く。

吐いた息は自分を表しているように、前が見えないくらい白かった。



――ふぅー。今日はこれで終わりよ。

――私も恋してみたいなぁ。

――うふふ。できるわよ。お父さんが帰ってきたらもとの場所に戻してもらえるからね。

――お父さん何してるのかな?

――たぶん戦っていると思うわ。

――早く帰ってきて~。

――叫んでも聞こえないわよ。こういうときは祈るのよ。

――はぁい。

――祈りながら寝たら夢でお父さんに会えるかもね。

――本当!?じゃぁもう寝るね!

――はいはい。じゃぁおやすみ。

 あぁ~物語の起承転結の起までの道が遠い……


 この小説を読んでくださっている方々。

ありがとうございます。

PVもだいぶ溜まってきました。


えー話変わりますが、お気に入りにしていないと活動報告が届かないと言うことに最近気づきました。

なので、更新報告以外の活動報告をあとがきに書くことにします。

あと、よろしければ感想を書いてください。

悪い点だけでもいいので!

小説を書く励みになりますので!


 まぁ日常でも、ネットでもドタバタしていますが

             今後もよろしくお願いします。

                                       

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