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「未定」の書  作者: アナン
第二章
12/22

(1-2)転校生

 僕の本名を知っているのか!?

……そんなはずはない、僕は死んだことになっているはず。

学校でもあまり名は知られていなかったし……きっと聞き間違いだろう。


「あの、どうかされましたか?」

「えっと、はい、そうです。……さっき言いかけたのは?」

「あ、それは……私の知っている人に似ていたので……」

「そ、そうか」


そう言うことか。しかし、僕の名前を覚えている人がいたなんて。


「とりあえず、上がってください」

「は、はい」


 礼儀正しい人だ。しかも美人……どこかの凶暴な人とは違うなぁ。と、思い、ため息を吐いた。


「……あんた、私のこと考えてないかしら?」

「は?」


 唐突な質問、それも考えていることを当てた質問なので思わず素っ頓狂(すっとんきょう)な声を上げてしまった。


「どうせ私と比べてたんでしょう?」


 なんて鋭いやつだ。速は僕と同じぐらい人の心を読むのが得意だ。


「あんた、歯ぁくいしばりなさい……って、痛み感じないんだっけ?なら思いっきり殴ってもいいわよねぇ?」

「いや、さすがに意識飛ぶって」

「あっ、待ちなさい!」


 そう言って僕は逃げた。

確かに痛みは感じない。でも、意識は飛ぶ。速の攻撃力は……実際不馬改人より高い。


「逃がすかあぁぁ!」

「ぅがっっ!!」


 逃げれなかった……。普通の人なら死んでいるだろう。

 速にはうわさがある。それは、人体実験の被害者やとある特殊部隊の隊長だとか……。

そんなことあるわけがない。だが速は新幹線並みに足が速い。

魂転者でもそこまで足の速い者はあまりいない。因みに僕は速より足は速い。

速は魂転者かもしれないと思ったが、別の空間(以降、複写空間とする)に連れ込むことはできなかった。


「危うく意識飛ぶところだたぞ」

「あんたが悪いのよ!」


 まぁ、蹴られなかったからマシな方だろう。首が飛ぶだろう。

実際にこの前腕が千切ちぎれた。と言っても体から離れたわけではない。3秒ほどで治った。


「李秋く~ん。料理焦げちゃうよぉ~!」


 あ!忘れてた。桜は60%の確立で失敗するんだった。

あわてて台所へ走ると、まだ焦げてはいなかった。が、桜は火傷をしていた。


「桜、大丈夫か?」

「う~ん。火傷しちゃったよぉ~」


 か、かわいい……ってそれどころじゃないな。

桜の手を水で冷やすため、蛇口に手をのばしたら、出しっぱなしにしてあった油を倒してしまい、駆けつけて来た速にかかってしまった。


「あ、」


料理にかかって火はつかなかったものの、速の感情に火がついてしまった。


「あーんーたーねぇー!!!?」

「わっ、ちょ、待っ……うわぁぁあぁぁ」



―数分後―


「結局料理焦げちゃったね~」

「まったく、お前は」

「何よ!その目は!」


 お前があんなことで怒るからだよ……。


「あ、あの……」


 速とそんなやり取りをしていたら、さっき家に来た少女がためらいながらも声を掛けてきた。


「ん?」

「私は何をすればいいんでしょうか?」


 あ、こっちも忘れてたよ……。

 大体の説明を彼女にすると、本題に入った。


「あなたの名前は?」

「名前……ですか?」

「うん」

「えっと……その……」


 少女は名前を聞くと黙り込んでしまった。

 あぁ、そう言うことか。

捨てられたから、苗字も名前も使う権利はないと思っている。ということはたまにあることだ。


「言いたくないなら別にいいよ」

「あ、はい」


 名前は後回しか……。まぁ、別に問題はないだろう。

次は学校の転校先だな。

転校しなければならない理由は、捨てられたことや面談にこないなどでいじめられる可能性があるからだ。


「転校先は僕が通っている学校か、速たちが通っている学校か、どちらかになるけど、どっちがいいかな?」


 なぜ別々かと言うと、速が暴れる可能性あるからだ。桜は速のことを『お姉ちゃん』と親しんでいるので速の通う学校にした。因みに学校は駅から反対方向。


「えっと、では李秋さんの学校でお願いします」


 よかった。というのも、速のことだからスタイルのいい彼女をいじめる可能性があるからだ。


「よし、じゃぁ学校に連絡するから少し待って」

「はい」


 学校に連絡……今の雪宮李秋の権力ならば、編入試験なしでも転校させることができる。しかも、クラスも指定できる。

 やっぱり同じクラスがいいかな。僕のとなりの席の方が名前のこととか、これからのことも話し合える。

 学校に連絡をして、お願いすると、即答で了承された。

 この学校は金が足りなくて、設備とかが悪くて受験者がどんどん減っていたからなぁ。


「あ、そうだ速。この人にこの家の案内してやってくれ」

「何であたしが!あんたがやればいいじゃない」

「僕は料理作らなきゃならないからだ」

「……じゃぁ、桜に頼べばいいじゃない」

「桜には料理の手伝いをしてもらう。お前は料理できないし、だいたい覚える気ないだろ?」

「うっ……わかったわよ」


 何かと文句を言ってくる速。しかし、あれでも怒っているようで楽しそうな顔をしている。

こんな風に本気で怒れることがなかったのだろうか。

そんなことが感じられた。

確かに最初に会ったときはすごかったしな。


「料理作るか。桜」

「うん」


 料理の心配は桜だけだが、速の方も気になる……。

 なんだか2階、騒がしいな。もうケンカしているのか?


「ちょっ……!何……るの!?……嫌!!……うぅ……」

「そん……めて……やめて……!!!」


 どうやらケンカしているようだ。

でも速の声は動揺しているように聞こえた。

速が動揺している!?いったい何があったんだ!?



 ―終わり?

―そうよ終わりよ。

―ちょっと先がきになるよ~。

―じゃぁ?

―うん寝るね。おやすみなさい。

―おやすみ。

 転校生とか言っても学校にまだ行ってませんが

してきしないでください。

タイトル考えるのも結構難しいので。

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