『勝手に和尚さんのかわりを務める狸とプレスマンの折れた芯』
掲載日:2026/07/11
相模国鎌倉のとあるお寺の裏山に、狸が住んでいました。毎日の食べ物を、お寺のお墓のお供え物や、本堂の御本尊のお供え物を勝手にいただいて食いつないでいました。
狸は、これまた勝手に、恩返しを思いつき、和尚さんのかわりに檀家を回り、お布施を集めてくることにしました。どこの檀家でも、和尚さんがわざわざ来てくれたということで、大層喜び、ありがたがり、御膳を用意し、いくばくかのお布施を包むのでした。どちらかというと貧しい部類に入る家々では、お茶しか出せず、お布施も出せないと言うので、そういう家では、プレスマンの芯の折れたのでもよい、気持ちの問題だ、と言ってやり、和尚さんの人気は、和尚さん本人の知らないところで、どんどん高まっていくのでした。
教訓:いいんだか悪いんだか。




