ハッピーハッピーハロウィン
トリックオアトリート! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!
このワードを聞いて、お菓子を用意してあげようと思った大人は健全な大人です。
このワードを聞いて、どんないたずらをして貰えるんだろうと思ったのが悪い大人です。
「エリス~? お菓子用意した~?」
「してないけどぉ!?」
見てください。これが、悪い大人です。
どうですか、これが悪い大人です。いたずらして欲しいのです!!
「あのね、そろそろ理解してると思うんだけど」
「してないですけど!?」
何を理解すれば良いのか? 私は悪い大人なので、何も用意していませんが!? お昼寝ときたら、凄い量のお菓子を用意してますけどね! エリスちゃんは用意しませんよ? いたずらして欲しいので!!
「エリスにね、話しかけてくる子供居ると思う?」
「え?」
ちょっと待って。それは話が変わるかも。話しかけてくる子供が居ないって何?? もしかしてエリスちゃん、避けられてる?? そういうこと??
「毎年毎年、いたずらされて『もっとぉぉおお~』とか『ああ幸せぇえええ』とか絶叫してるやつに、話しかけてくる子供が居るわけないじゃんね」
「そんなばかな」
「馬鹿なのはエリスね」
「そんな……」
おかしい。エリスちゃんはそんなつもりじゃなかったのに。せめて話しかけてくれなくてもいいから、幼女から蔑ろに扱われたい。特にリアちゃん。え、もう60過ぎてるって? 見た目も心も幼女だから良いでしょ。なんか問題があるの?
『エ~リスさん!!』
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ほらきた!! ほら、きたよ!! 今年もいたずらしてくれる悪魔!! 猫の悪魔!! ハ、ヘッヘッ、ヘッ!! いたずらして!! いたずらして!!
『有害な大人を事前に排除しますね! これでくたばれ~!!』
「あ゛」
「まあ、そうなるよね」
あ、エリスちゃんそんな大魔法は耐性ない。受けきれない。これは死ぬ……死んだ!! でも、でもね!? 話しかけてきてくれる子が居るだけで、エリスちゃん超ハッピー!! これもご褒美、ご褒美なんだよぉ!! 今年もありがとぉ、ありがとぉ~リアちゃん!!
『オーレリアが【メッセージボム】を発動、【75歳おめでとう! そろそろ成仏してください!】を受け、貴方は死亡しました』
んっほぉぉぉぉおおおお!! 死ねないかな! 死ねないねえ!! せめて100まで生きたいし、バビオンがあと25年継続出来るように、まだまだ頑張らないとねえ!! あ、このあとリアルの方で生配信だよね? 今日もいっぱいチャット送るね……。んふふ、んふふふ……。後はデロナちゃんと、ティアラちゃんの娘のダイヤちゃんと、姫千代ちゃんの娘の秋姫ちゃんから即死級のいたずら貰ってからいこうかな? んふふ、んっふふ……。
「全く、いくつになっても変態性が鳴りを潜めないなぁ~……。ちょっとは丸くなって落ち着こうよ……」
丸くなったなお昼寝、ディスってみろ。これはフリースタイル。
「僕はこんなに胸が丸くなったのにね。エリスはいつまでも真っ平らだ……」
やめろお昼寝。弄って良いところと悪いところがあるだろ。あああああ、エリスちゃんの気にしてるまな板を!! なんてやつだ、こんなのが伴侶なんて信じられる!! ありがとう、いつまでもエリスちゃんをイジメてね……。でも丸くなったって言ってるその胸、AからBになったぐらいしか変わってないけど。あ、これ言ったら絶対殺されるなあ~……。後で言おう。
『ゴミは片付きましたね! では、お姉ちゃんのところにいきます!』
ゴミ扱いありがとう。虚無として扱われるより5億倍良いから嬉しいよ。エリスちゃんは、いつまでもいつまでも生き続けるからね。
「来年もよろしくね~」
エリスちゃんからも、来年もお願いしたいかな!! ハッピーなハロウィンは、リアちゃんのメッセージボムから始まるからさぁ……。んふふ、76歳ではどんなメッセージ貰えるかな~。来年も、生きねば。ハッピーハロウィーンを、迎えねば……。んっふふふ……。





