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576 神々の黄昏・11

『トロイが【ディフレクト】を発動、Block! 【魔狼ハリケーン】を弾かれました』

『白銀のレーナが【スナイピングショット】を発動』

『見える!!』


 連続でヘッドショットを受けたから、次もその場所に当たることを嫌う。頭部を守るために左手の剣でディフレクトの構えを取る。左下半身の防御ががら空きになる。


『トロイが【ディフレクト】を発動、Block! 【スナイピングショット」が弾かれました』

『【魔狼強襲脚】を発動』

『甘い!!』

「遅い!!」

『ペルセウスが【プリンセスフルスイング】を発動、貴方を大きく吹き飛ばします!』


 ペルちゃんは本能的に接近を優先する。大剣をフルスイングしてカタパルトのように使って私を飛ばし、一気に間合いを詰められたトロイちゃんは焦る。私の対応をしなければならないから、ペルちゃんがフリーになってしまう。フリーになったペルちゃんは、やりたい放題暴れることが出来る。


『【魔狼流星斬】を発動』

『ペルセウスが【プリンセスオメガブレイカー】を発動』


 私をディフレクトすべきか、ペルちゃんが作り出したトロイちゃんをも上回る剣身の魔剣の対処をすべきか、嫌な選択に迫られる。見た目の派手さからしてペルちゃんの攻撃を防ぎたい、しかしそうなれば私の攻撃は防ぐことが出来ない。この一撃がどれだけの威力かは身にしみて理解している以上、威力は未知数であるもののペルちゃんの攻撃を受けたほうがマシ……と、考える。


『【不死者の壁】を発動、骨の壁を作成します』

『トロイが【ディフレクト】発動、MISS……。対象が存在しません』

『はっ……!?』


 壁を作ってそれに突っ込むように急停止、ディフレクトするはずだったものが空振ってしまって一瞬思考が追いつかない。壁を作ってそれで止まったと理解するも、目の前には巨大な魔剣の一撃が迫る。そこに居るとわかっている、手が届く範囲に居る私へ攻撃が出来ない。


『白銀のレーナが【スナイピングショット】を発動』


 最悪のタイミングで狙撃が来る。当然頭を狙われていると思っているので頭部を防御したいが、そうすれば私の攻撃を完全に許す体勢になってしまう。この一瞬、どう判断するかでこちらの動きを変える。相手が臨機応変に、かつほぼ完璧な選択を取り続けてくる以上、こちらも臨機応変に完璧を上回る一手を叩き込まなければならない。


『トロイが【アサルトチャージ】【オメガビームスラッシュ】を発動』

『相殺! ペルセウスの【プリンセスオメガブレイカー】を弾きました!』

『MISS……。トロイが【スナイピングショット】を回避しました』


 防戦一方になることを嫌い、あえてペルちゃんの攻撃へと突っ込む選択を取った。レーナちゃんの射線上にちょうどペルちゃんの魔剣が存在するため、これを逆に目眩ましとして利用して狙撃を回避する作戦を取った。私を警戒しつつ距離も稼げるので最高の選択。まさに完璧な対応。


 ――――それなら、元の仕事に戻るまでよ。


「不死なる者よ、永劫の時を破り、今一度この世へ目覚め給え」

『何!?』

『【反魂の儀式】を発動、【デロナ】が復活し、再召喚されました』

『(ヒュリエス、オーレリア、姫千代の順)』

『【死体安置所】を召喚しました』

『白銀のレーナが真覚醒スキル【バレットレクイエム】を発動、一定時間BPとMPを消費しません』

『ペルセウスが【プリンセスオメガブレイカー】を発動』


 言い換えれば今の状況は私が完全にフリー。ペルちゃんとレーナちゃんが後先を考えずに総攻撃してきたとなれば、どうしても私に構っている時間がない。切り札はグラビトロンバーストアーマーだけど、それを切ったところで私を止めることは出来ない。距離を取ってしまったから。

 この一瞬で、トロイちゃんは決定的なミスをした。前提条件が崩れていたのを忘れていたのよ。今までは大将のどちらかがフリーになったら他の戦場が崩壊する状態だったけど、今はそうじゃない。こちらが完全に勝利した戦場が存在するから、私がトロイちゃんから離れても崩壊が発生しなくなった。

 つまり……私が本来、死霊術師として活動すべきポジションに戻ることが出来るようになって、本来の仕事が出来るようになったってこと。トロイちゃんはね、私を意地でも追いかけて仕留めるべきだったのよ。


『させない、くっ!! 邪魔をしないで!!』

『トロイが【ディフレクト】を発動、Block! ペルセウスの【プリンセスオメガブレイカー】を弾きました』

『白銀のレーナが【デッドエンドストーム】を発動』

「いと慈悲深き地獄の女神達よ、彼の者を永劫の眠りより目覚めさせ給え! グレーターリザレクション!!」

『デロナが【グレーターリザレクション】を発動、ヒュリエスが完全な状態で復活しました』

『(デロナちゃんに献身を)』

『ヒュリエスが【裏切りの美学】【イノーマスライフ】【ディボーション】を発動、デロナのダメージを肩代わりします』


 勘違い。私を前衛の火力職だと思い込んでいた故の選択ミス。私は本来、後衛の支援職だからね。これが元々の仕事なのよ。


『エリアアナウンス:英雄フリオニールが冷徹なるデイポボスを撃破しました!』

「いと慈悲深き地獄の女神達よ、彼の者を永劫の眠りより目覚めさせ給え! グレーターリザレクション!!」

『デロナが【グレーターリザレクション】を発動、オーレリアが完全な状態で復活しました』

『【コープスチャージ】【デッドリーエナジーパス】を発動、【死体安置所・200】の中身を消費し、デロナのMPを完全に回復しました』

『(オーバーチャージの準備をして)』

「にゃっお~ん!!」

『オーレリアが解放究極スキル【リミットブレイク】を発動、最大MPの限界値を一時的に突破出来る状態になりました』


 私達はどんどん離れ、ペルちゃんの攻撃は止むことがなく、レーナちゃんの弾丸は逃がしてくれない。こうしている間にも続々と従者達が復活し、勝利への盤面が整っていく。もうトロイちゃんには、止められない。


『トロイが【グラビトロンバーストアーマー】を発動』

「続行して。姫千代なら止められる」

「いと慈悲深き地獄の女神達よ! 彼の者を永劫の眠りより目覚めさせ給え!! グレーターリザレクション!!」

『デロナが【グレーターリザレクション】を発動、姫千代が完全な状態で復活しました』

「敵!! 前!!」

「御意!!」

『姫千代が【奥義・一刀断山波】を発動』

『【コープスチャージ】【デッドリーエナジーパス】を発動、【死体安置所・199】の中身を消費し、オーレリアのMPが545%まで上昇しました』

「みゃ! お! みゃ! お!」

『オーレリアが【オーバーチャージ+】【にゃんにゃんぱわーすーぱー+】状態へ成長しました』


 悪く思わないでね。死霊術師本体は、貧弱だから。正々堂々やって勝てる実力差じゃないし、使えるカードは全部使わないと。


『く、ぁああ!? 重い!!』

『トロイが【ディフレクト】を発動、失敗! クリティカル! トロイが280,000Gダメージを受けました』

『ピンホールショット! トロイが244,600Gダメージを受けました』

「ちぇすとぉおおおおですわぁああああ!!」


 あーペルちゃんごめん……。さすがに今のタイミングで突っ込むとね、巻き添えを食らうかな……!!


『デロナが【マナヒール】を発動、オーレリアのMPが786%まで上昇しました』

『【コープスチャージ】【デッドリーエナジーパス】を発動、【死体安置所・198】の中身を消費し、オーレリアのMPが1000%まで上昇しました』

「みゃ! お! みゃー! おー!!」

『オーレリアが【オーバーチャージ++】【にゃんにゃんぱわーうるとら++】状態へ成長しました』

「か弱き我らの盾となれ、セーフティゾーン!!」

『デロナが【セーフティゾーン】を発動、一定時間あらゆる攻撃を無効化する方陣を設置しました』

「発射」

にゃっおぉおーん(ふっとべー)!!」

『オーレリアが解放究極スキル【宇宙猫究極爆裂魔術(にゃらくしー)】を発動、全属性の究極的破壊の爆裂魔術が発動します!!』


 これが、死霊術師の戦い方よ。勉強になったかしら?


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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
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