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556 ぶっちぎりでイカれた覚悟・4

『にゃあああああ……(お姉ちゃん、お姉ちゃん。助けてください……)』

「ん~……散々煽ったリアちゃんが悪いからね、反省してね」

「あら? ダメですよ、今日は0時を回るまで甘えん坊の子猫ちゃんになってくれる約束……でしたよね?」

『みゃ~ん……(助けて~……)』


 リアちゃんは高い代償を支払うことになった。カーミラさんを煽って『ソロでクリア出来たら何でもしてあげますよ~!』と言ったのが原因で、今日は私とカーミラさんの許可なく人化することは禁止となり、本日残り4時間弱を甘えん坊の子猫ちゃんの姿で過ごさなければならなくなった。

 

『みゃう……(う、何か口に突っ込まれました、なんですかこれ……)』

「ミルクの時間です。これは哺乳瓶、ですね。ふふふ……」

『み゛ゃ゛あ゛!(要らないです!)』

「そう言わずに、ちゃんと甘えてくださいね」

『むぁぁぁう……(あ、でも美味しい……にゃ……にゃ……)』


 自分の体ぐらい大きい哺乳瓶を抱っこしてちゅっちゅしてる子猫リアちゃんのなんと可愛いことでしょうか。私だってリアちゃんに哺乳瓶でミルクあげたいのに! カーミラさんばっかりずるい、ずるいずるい……! あ~……文句言いながらもちゅっちゅって音を立てながら、ミルクを一生懸命飲んでるリアちゃんが可愛い~!! 無意識かな? 無意識なのかな? 前足でカーミラさんの手をモミモミしてるのは……! 意識が体に引っ張られているのかな!!


『ぴゃう~(僕も~)』

『わう~!(僕も~!)』

「ジャンボはまあ良いとして、どん太は……」

『くぅ~ん?(小さくないとダメ?)』

「小さければオッケーかというと、そうでもないような……」

『わうわうわうわう~!!(僕もご主人に抱っこされた~い!!)』

「あ、そっちが重要なんだ。まあでも小さくなることが出来たら、色々と便利かもね?」

『わっ!!(そうだ、お友達に今度教えて貰う!!)』

「お友達? ああ、ラージウス達は確かに小型化出来るね」

『わんっ!!(そう、ラーくんとガーちゃん!!)』

「ラーくんとガーちゃん」


 え、どん太ってラージウスとガリャルドのことをラーくんとガーちゃんって呼んでるの……? それでいいのか、最強格の龍種達よ。威厳はどこにいったんだ……。

 それにしてもどん太を抱っこか~……。小さくなっても超デカ犬クラスの大きさはあるだろうし、それを抱っことなるとかなり気合いが必要なような……。ズシッとした重さがありそうだわ。

 ん? なんだか別方向からも視線を感じるんですけど? どうしたの千代ちゃんとティアちゃんまで……いやまさか、君たちも『抱っこ~!』とか言わないよね?


「リンネ様~! ティアも抱っこして欲しいです!」

「こ、此方も、抱っこ……」

「自ら愛玩動物枠になりたいと申されますか」

「でも抱っこされたいです~!!」

「そうです! 抱っこされとう御座います!」

「うちにはでっかい甘えん坊がいっぱいで困っちゃうなあ……」

「……リンネ様、小さい甘えん坊なら構いませんか?」

「え、エスちゃん……」

「ほら、メルメイヤもうずうずしています。甘えん坊がいっぱいです」

「へっ!? そそそそ、そんなことは決して、ありません! 違うんです! 誤解です!」

「じゃあデロナが先に抱っこされちゃいま~す♡ りんねーさま、抱っこ~♡」

「シャーリーも抱っこ~!!」

「うわ、うわ、なんで皆で一斉にくるの!? うわわわわ!!」


 デロナちゃんとシャーリーちゃんが突撃してきたのを皮切りに、全員で突っ込んできたわ! なんで今まで一言も発してなかったマリちゃんまで、しれっとした顔で左腕に抱きついてんの!? ああ、重い……! おにーちゃんとヴァルさんもさ、遠くで腕組をして『うんうん……』『うむ……』みたいな感じで見守ってないで助けてくれないかなあ!? お、重い……!!


「せま~い!!」

「それは仕方ないだろう」

『にゃ~う!(仕方なくないです~! 後にしてくださ~い!)』

「カーミラ様は右にしてください!」

「嫌です。左のほうが美味しそうなので」

「サラッと首に噛みついて血を吸おうとしてる子いるって! それはダメ! ストップ!!」

『(*´∀`*)』

『うむ……』


 ティアちゃんとカーミラさんはチャンスとばかりに首を狙ってるし! さっきは抱っこって言ってたでしょ!? 抱っこか吸血かどっちかにしなさい!! いや、吸血はダメ。抱っこで我慢して!

 え、待って? どん太? 嘘だよね? まだ小型化とかしてない、いやいやいやいや!! ダメダメダメダメ!! 絶対ダメ、自分のこと小型犬かなにかだと思ってるの!?


『わう~ん!!(抱っこ~!!)』

「ダメ!! どん太はその巨体じゃダメだって、うおぉぉおお……!?」

『どん太から105Kダメージを受けました』

「お、も……ぉ……!!」

「どん太さん、私達も潰れてしまいます。どん太さん!」

『ふしゃー!!(どんどん重すぎ!! デブっちょ!!)』

「あ~ん! どん太さんが重すぎます!!」


 ふかふかもふもふの巨体に押しつぶされるのは結構幸せな感触だけど、流石にダメージを受けるレベルのもふもふは命に関わる!! どん太、小さくなってから出直してー!!


『わう~!(ご主人大好き~!)』

「大好きなのはわかったから!! どきなさい!!」

「こ、困ったお方ですね! どん太殿は……!!」


 困るなんてもんじゃないよ、今からドロップアイテムの整理をして、どの設計図が足りないのかを確認しようとしてたのに。いったいどうして緊急イベントおしくらまんじゅうが開催されちゃったのかしら! 押されて泣くなどころか、押しつぶされて泣きそうよ!


「もー!! 全員後にしてー!!」

『みゃー!(後っていつですか!)』

「後でって……うーん……あっ!!」

『わうぅぅ~ん!(どっし~ん!)』


 あ、やっちゃった……。考え事をして力を抜いたのが敗因です。ええ、完全に押しつぶされましたよ。全員押しつぶされましたとも。暫くしてなんとか全員脱出出来たけどね。

 その後は逆に、どん太の上へ全員で乗ってやりました。レディーに重いって言っちゃいけないんだよって言いながら。ぴゃうんぴゃうん泣いて謝ってましたが、今回はどん太の悪ノリが完全に悪かったので徹底的にお仕置きです。ほれほれ、レディーは軽かろう? 軽いよね、どん太?

甘えん坊の従者をたくさん持つと苦労しますね……。その従者の愛を一身に受け止める覚悟、並大抵ではありません……。

書籍の執筆で遅れております。いつものことですね。

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