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537 正気じゃない

 さあて、と。やることやってダウンしてる真弓は放置して、部屋に備え付けられてるVRダイブシステムからバビオンにログインをリクエスト中。うちにあるVRダイブシステムとの性能差が大きくて違和感があったら嫌だなあ~……。あ、同期が終わったみたい! やっとログイン出来る~!


『――ようこそ、バビロンオンラインへ。大型夏季イベント【夏だ!海だ!海産物フェス!!】、【水底(みなぞこ)のアトランティス】が開催されています。更に【すくすく新芽イベント】のミッションの内、既にクリア条件を満たしたミッションが存在するため、新芽ポイントが付与されました。詳しくはイベントのお知らせの詳細を御覧ください』

「お、急に色々とお知らせが届いた。そっか、イベントが開催されるんだね」


 大型夏季イベントか~。海産物フェスに、水底のアトランティスねえ。すくすく新芽は指定されたレベルを突破すれば勝手にクリアされるやつで、もう達成してるから一挙に全部貰えるわけね。ラインナップは~……? ミスティック装備交換箱が複数個、アルティメット装備交換箱が1個、レジェンダリーカードバインダーが3冊、+10装備強化確定チケット、うーん……微妙!! 他のも大したことないアイテムばっかり、さすが初心者支援用のアイテムってところね。

 とりあえずレジェンダリーカードバインダーは今すぐ使っても問題ないし、交換して使っちゃおうっかな? どうせどうでもいいようなカードしか出ないでしょ、なんならリネームカードとかが出て『ああそうですか~』って終わるのがオチね。


『新芽ポイントを消費し、【★レジェンダリーカードバインダー】を3個交換しました』

『【★リネームカード】を獲得しました』

『【★リネームカード】を獲得しました』

『【★リーネのカード】を獲得しました』

「ほらね、やっぱりそんなもん……ん~……?」


 なんか、最後のやつちょっと違う、違うのが出てるよね……? これはえーっと、どちら様のカードになるのでしょうか……? リーネ、聞き覚えのない名前だね。


【★リーネのカード】(レジェンダリー・登録部位【不可】)

・【呪】このカードを装備に挿すことは出来ない

・特定のカードと組み合わせることで真価を発揮する

・カードスキル【◆◆◆◆◆】使用可能

・組み合わせ指定カード:不明・不明・不明・不明・不明・不明

・組み合わせ指定カード:不明

 ――天、魔の、戦に……。勝つ、ために……。

 重量なし


 うへえ、組み合わせカードな上に指定先が全くわからないときた。まだ会ったことがない人ってことかな? 情報の解禁は一度入手しなければならないか、リーネに関する情報を集めないといけないわけね。一応なんとなくわかるのは、組み合わせが6枚か1枚ってことだね。この1枚で良いカード、絶対とんでもない激レアカードなんだろうなあ……。


『わうっ!!(おかえり!!)』

「お、どん太~。良い子にしてた~?」

「いや、悪い子だった。我の15時のおやつを食べた。悪い子だ」

「それはマリにゃんが一人で隠れて食べようとしてたのが悪いんじゃないですか? あ、お姉ちゃんおかえりなさい! ちなみに私は良い子にしてました!」

『Σ(´∀`;)!?』

「嘘です。メルメイヤに鍛錬の一環だと言っておやつを買わせに行かせていました」

「あ!! エスちゃんが裏切った!!」

「はい、裏切りの悪魔ですから」

「マリにゃんのせいです!」

「オーレリア君、少し向こうで話し合おうじゃないか」


 この子達は何をやってるのよ……。これは、小規模キャットファイトの予感がするわね。


「ティアは良い子にしていたので、頭をなでて貰います~!」

「むむむっ! 此方より先になでて貰うのは悪い子ではありませぬか!?」

「遅いのが悪いんです~!」

『カーミラ殿、遠慮せずに行くべきではありませんかな?』

「はい。では、間を取って一番良い子にしていた私の頭をなでて頂こうかと思います」

『ぴゃうっ!』


 はあ~。帰ってきて早々にとんでもなく騒がしいですね、うちの従者達は……。あれ、ところでデロナちゃんとゼオちゃんはどこに行ったのかな?


「とりあえずカーミラさんからなでようか。デロナちゃんとゼオちゃんはどこに行ってるの?」

『わう~!(海の様子が騒がしいから、様子を見に行ったよ!)』

「お、偉いぞどん太~。どん太もなでてあげようか」

『わう、わう(ぼぼ、僕はいいもん。平気だもん)』


 どん太よ、なぜか珍しく反抗期みたいな素振りをしているけど、ヘソ天に尻尾ブンブンの状態で『僕はいいもん』は無理だと思うよ。言ってることとやってることが真逆だよ。こらこら、お腹をなで始めたと同時に前足をぶおんぶおん振り回すんじゃないよ、当たったら危ないでしょ!


「もひょっひゃひゃひんね! ほはへい!」

「は?」

「りんねーさまおかえり~♡ ゼオお姉ちゃんはね、戻ったかリンネおかえりって言ってるよ」

「あ、うん……。ゼオちゃん、食べながら喋るのはやめようね? デロナちゃん通訳ありがと」

「ん! ぐ……。戻ったか、リンネ! おかえり!」

「だからって全部一気に飲み込まなくても……。ただいま~」

「ちよ、おみやげ! 凄い美味しい、ヤバリング!」

「むむ、やばりんぐ、で御座いますか……?」

「ふっふっふ~! 隙ありです~!」

『わうっ!?(わぁ、ティアちゃんが乗っかってきたよ!?)』

「あ! む、無念……!」

「千代ちゃん、食べ物に釣られた隙を突かれて、ティアちゃんに先を越されたようね……」


 どん太のお腹にティアちゃんが滑り込んできたわ。一応一国の女王様のはずなんだけどなあ? どん太もティアちゃんになでられるのは好きみたいだし、ダブルなでなでになって一石二鳥ね。そして右手を完全独占しているカーミラさんの強いことよ。


「そうそう、今日から海でイベントが開催されるのよ。水底都市アトランティスって場所の復興イベントなのかな?」

「はほはんひふ!?」

「ゼーオーちゃーんー?」

「ん!! アトランティス!! ウェイブの故郷、まさにそこです!!」

「あ、ウェイブさんの!?」

「はい、ウェイブはとても詳しい思います!」


 お~! そっかそっか、ウェイブさんの故郷か! それじゃあ生命研究所に行って、ウェイブさんを誘ってみるのも~……。うーん、滅んだ故郷を見て心を痛めそうだし、どうなのかな? ちょっと考えものだよね。気軽に連れて行って良い場所ではない気がする。


「ウェイブさんを滅びた故郷に連れて行って大丈夫かな……? 古傷を痛めるようなものでは……」

「いつか復興を、言っていました。それに、ウェイブが居ない、行けない思います」

「……ん? それは大丈夫なんじゃ……。いや、ちょっと待ってね?」


 アトランティスにウェイブさんが居ないと行けない? それは大丈夫だと思うけど、だってアトランティスがオープンしたって書いてあるし、開催場所も加賀利島、ローレイ、旧クロイア地区、月光の歓楽街の海岸エリアって指定されてるし……。

 いや、書いてない。転送NPCなんて一言も書かれてないし、アトランティスがオープンしたってしか書かれてない。しかも配置されてるNPCは料理関連、アトランティスに送ってくれそうな人は誰一人居ない……。ギリギリ、ワイパーニが有料で送ってくれそうなぐらい?

 既にログインしてるお昼寝さんに聞いてみよう。既に情報を集めているかも、個人メッセージを送って……あ! ギルドの掲示板を見れば既に書き出してあるはず、そっちから見てみよう!


「アトランティス、とても早い水流に守られる。強力です!」

「外部からだと、特定の季節に特定のルートからしか入れないって言ってたよね~」

「……本当だ、ギルドの掲示板でも侵入方法がわからないって書かれてる」

「なのでウェイブに聞く、とても早い思います!」

「なるほどね~……。まずは現地に向かうところからどうにかしなきゃいけないのか~」


 ゼオちゃん達の言う通り、ギルドの掲示板にもアトランティスへ近づく方法がわからないって書かれてるわ。大きな潜水艦を作ろうって人もいるみたいだけど、そんなことしてたらイベント期間が終わっちゃうんじゃ……? 1ヶ月半はあるっぽいけど、出遅れたら損だよね。


「ねえねえ」

「どうしましたか、リンネ?」

「海をさ、割っちゃダメなの?」

「…………?」

「いや、海を割ったらさ、水流とか関係ないじゃない?」

「ウェイブが可哀想、思いませんか!? きっと出番だ、喜びます!!」

「いやでも、こう、パカッと割ってさ。凍らせて壁にするとか」

「陸地からその水底の都市まで、大きな氷の滑り台にしたら簡単に移動出来そうですね」

「そうだよね、カーミラさん。最短ルートを調べて、そこから海を割って行こうよ。リアちゃんなら簡単にやってくれると思うんだよね。めーちゃんも氷の忍術が使えるなら手伝って貰おうかな?」

「お呼びですかリンネ様! メルメイヤはここに居ます!」

「わ、一瞬で来た。めーちゃん、ちょっと行きたい場所があるから、海を凍らせて欲しいんだよね」

「…………?」


 どうして皆、海を割ってとか凍らせてって頼むだけでそんな、理解不能みたいな顔をするの……? 火山を噴火させて敵国を滅ぼそうって言ってるんじゃないんだからさ、それよりは簡単だと思うんだけど。潜水艦で水流を気にしたり、モンスターの強襲に怯えたりしながら進むよりは確実だと思うんだよね。ほら、カーミラさんだって『うんうん、そうですね』って頷いてるし。


「リアちゃーん!」

「あ、はーい!」

「海の底にある都市へ行きたいから、海を凍らせて欲しいんだけどー!」

「はーい!」

「ほら、めーちゃん。何もおかしいことは言ってないんだよ?」

「…………!?」

『氷龍の吐息であれば使える。手伝おう』

「ヴァルフリートさんも手伝ってくれるの? ありがとう~!」

「え、あ……? 氷の魔杖で手伝う、ます……?」

『( *¯ ω¯*)……』

「凍らせ、る……ですか!? わ、わかりました! メルメイヤ、必ずやこの任務を成功させてみせます! 今度こそ、完璧に!!」

「りんねーさま、帰りはどうするの~?」

「ギルドポータルで良いんじゃない?」

「あ、そっか~。じゃあ何も問題ないね! 安心~!」

「こうして、どんどん常識人が減っていくのですね……。なるほど、なるほど……」

『( ゜д゜ )彡そう!』


 カーミラさん……!? うんうん、そうですねって意味の頷きじゃなくて、常識人が減っていくメカニズムに対しての頷きだったの……!? でも貴方、記憶を失う前は星を割る勢いでマグマを吹き出させたりしてたんですよ? 私のことをあまり強く言えませんからね? おにーちゃんも常識人ぶってるんじゃないよ、お前も異常なほうの部類だからな!!


「まあ、とりあえず私達だけじゃ大変だからさ? お昼寝さんに連絡して皆に協力を仰ごう!」

「そうですね。それがよろしいかと」

「ティアはリンネ様の隣で応援係です~!」

「ティアちゃん、ナチュラルにサボろうとしてない……?」

「え、え!? そ、そんなことはないですよ! リンネ様の隣が良いだけです!!」


 あれ、ティアちゃんってこんなに悪い子だったっけ……? なんだか、ほんのちょっぴりだけど、リアちゃんの影響を受けているような気がしてならないね。ここは一つ、バシッと叱ったほうが良いかな……? 今までティアちゃんを叱ったことなんてないから、どうなるか不安だけど……。


『ティア殿は水流が苦手であるからな』

「え!?」

「あ!! ヴァルフリートさん、内緒にしてたのに!! なんで言っちゃうんですかー!!」

『吸血鬼時代の名残りであろうと思うが、川や海の流れる水が苦手らしい。叱らないでくれないか』

「はあ~……。な~るほど? そういえば吸血スキルが残ってるもんね、なるほど名残りか~」

「うう~……! 近くにあるだけでもなんとなく嫌なんです~……!!」


 そっか、吸血鬼の苦手なものが、なんとなくだけど受け継がれちゃってるんだ! 完全に無理、どうしても苦手ってわけじゃなく、なんとなく嫌なのね! それは私の近くに居たいって言うのも仕方ない……。仕方ないかなあ……?


「じゃあ、水流の中でも自由自在に動ける護符とか、そういう系のスキルを獲得すれば克服出来るんじゃないかな? 良い機会だから、アトランティスで頑張って克服しようよ!」

「はう~……。頑張ります~……」

「此方は泳ぐのが得意で御座いますが、自在に剣術をとなると……。なるほど、此方も共に鍛錬致しまする!」

「我はアルテナがいくらでもサポートしてくれるからなんとでもなる」

『警告、完全耐水処理が不十分。水中で行動不能になる可能性が3%』

「…………ちょっと、研究室に行ってくる」

「あ、うん……」


 3パーセントって、割と現実的に起こり得る確率で嫌だね……! 海の底にある都市アトランティス、その内部まではうみのどーくつダンジョンみたいに排水出来ないかもしれないし、水圧とかも……そこは、ファンタジーパワーでなんとかなってるかな? いずれにせよ、対策したほうが良いだろうね。海の底で行動不能になって窒息死なんて絶対に嫌だし。


「じゃあ、お昼寝さんに連絡してみるね」

『協力者は多いほうが良いからな』

『わうっ?(またトンネル? トンネル掘る?)』

「掘らないよ~。今度は海を凍らせて大きい滑り台にするのよ~」

『わんっ!!(楽しそう!!)』

『(もしもしお昼寝さん、起きてますか? 海を割ろうと思います)』


 あれ、お昼寝さんから返事がないなあ。運悪く寝ちゃったか、応答不能な状態なのかな? そしたら、エリスさんに連絡してみようかな? ハッゲさんのほうが良いかな?


『(…………は?)』


 あ、返事が来た! 良かった~起きてたんだ~!


『(海、凍らせて割っちゃえば水流とか関係ないかなって。アトランティスの位置を調べて、最短ルートで氷の滑り台を作って乗り込みましょう!)』

『(は? は? は? は?)』

「――――は??」

「あ、レイヴスラシルに居たんですね、お昼寝さん!」

「いやいやいや、今ね? 潜水艦の材料をーとか、設計図をーってやってたんだよ? 生産職の人がさ、育ったでしょ? だから張り切ってたわけ。どうしようね? どう説明すれば良いのかな??」

「えっと、アトランティスの復興に材料を回せてラッキーって伝えましょう!」

「めっちゃポジティブ思考……!! どうしよう、さっきまで一時間近くやってた会議、全部無駄……! なんでもっと早く来てくれないのさ、リンネちゃん!!」

「でも、この方が早いし安全ですし……」

「そうなんだけどさあ! そうじゃないんだよね!! そうなんだけど!!」


 お昼寝さんが怒ってる~……。怖~い……。でも狼の耳と尻尾がぴこぴこブンブンしてて可愛い~……。ついつい目で追っちゃうのよね、耳の動きと尻尾の動き。


「聞いてる!?」

「はい! なので、手伝って貰えると嬉しいです!」

「どわああああ!! がうううー!! わーかーりーまーしーたー!! 全体告知するよ、ぐぬぬぬ……!! おのれリンネちゃん、おのれ天才プレイヤー……!!」

「リンネさん」

「ん、どうしたのカーミラさん?」

「水着を、持っていったほうが宜しいでしょうか?」

「…………ほう。なるほど、天才だわ」


 そうだよね、カーミラさん……! 海の都市に行くんだから、水着はあったほうが良いよね! あれ、でも水着を用意するとなると、この流れだと私も着なきゃいけないんだよね? ん、でも今日は一日中水着で活動してたし、別に今更か!


「お昼寝さん、水着のアバターって結構高いですか?」

「高いよ!! もんのすっごーく高い!! 可愛いデザインは尚更高い!! ちなみに今、水着アバターのピックアップガチャもやってる!!」

「よし……」


 えー。まず、ゴールドの残量を確認します。いつぞや大量にシルバーをゴールドに変えてそのままなので、まだまだゴールドには余裕があるようです。では、課金ショップを開きます。アバターガチャチケは1枚300円、11枚で3000円。とりあえず220枚買っておこうかな……。


『【アバターガチャチケット】を20セット購入しました。【ゴールド応募券】を60枚入手しました』


 あ、ゴールド応募券でプレミアムガチャチケットと交換も出来るんだ……。前に貰ったやつもあったよね、これも使っちゃおうかな? リアルの賞品応募なんて、どうせ当たらないだろうし……。何があるんだろう? 一応見ておこうかな?


『ゴールド応募券10枚毎に、豪華賞品獲得のチャンス! 応募しない場合、ゲーム内のアイテムと交換することも可能です。賞品リストはこちら!』

「ん~……。四等以下はどうでも良いかな……? 三等がちびケルベロスぬいぐるみ、可愛いデザインだけど……。二等が豪華東京旅行二泊三日ペアチケット、うわ~どうでも良い……。一等が……あああああああああ!?」

「何!? リンネちゃん、これ以上僕を困らせる発言は控えて!?」

「一等、一等!! 好きなNPCのオリジナルドール……? 等身大、ドール!? 完全、完全再現のオリジナル……!! ほひぇほああああ!?」

「リ、リンネちゃん!?」


 バビロン様等身大ドール? バビロン様等身大ドール。バビロン様、等身大! ドール!? 好きなポーズを取らせることが、可能で!? 表情パーツも多くのバリエーションを用意、衣装も複数……!! こ、これ、欲しい。欲しいよね? この前衝動買いした、バビロン様の服をリサイズして貰ってこれに着せて、ひょへええ!! 毎日……毎日!? バビロン様オフラインだよ!?


「在庫、残り1点……?」

「リンネちゃ~ん……?」

「お昼寝さん、言い出しっぺの私が不参加で申し訳ありませんが、緊急事態です。どうしてもゴールド応募券一等の賞品が欲しいので、当たるまで応募します」

「はあああああああ!? 本気、いや正気!?」

「はい。では、まずはあるだけゴールドを消化します」

『【アバターガチャチケット】を50セット購入しました。【ゴールド応募券】を150枚入手しました』


 どうしてもそれが欲しいと思ったのなら、既に行動は終了しているんですよ、お昼寝さん。私、今から……ありったけのシルバーをゴールドに変換して、一等賞品を狙います……。

 この後、シルバーの相場が暴落し、ゴールド応募券の賞品リストの三等から一等の賞品が消えた。掲示板では『神様が笑いながら泣いていた、ギルドメンバー総出で応援していたと思ったら、とんでもない歓声と共に全員が歓喜乱舞し、その直後に突如として月光の歓楽街近辺の海が凍てつき割れた』との情報が流れた。

 一般人からすれば全くもって理解不能な情報だったが、この情報を見て別の意味で歓喜乱舞する男が一人……。遂にその時が来たのだと、動き出したのである。

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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
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