525 Reginleif・4
どん太から精神的ダメージを受けた後、私が落ち込んだ様子を見て申し訳なくなったのか『ごめんね、ごめんね』って謝ってくれた。でもね、距離が遠いんだよどん太……。しかも『だってくちゃかったんだもん……』って追い打ちかけてくる。もう再起不能だよ。
でもね、リアちゃんが『後でお風呂パーティですよっ!!』って言ってくれたから蘇生したね。完全復活よ、私ってば単純~♡
「グリムヒルデさんの結界が左右に拡大しました! 目標は攻撃対象が絞れず攻撃が雑になり始めてます~!」
「よし、左から出る準備をしよう! 作成拠点もそっちに移動でお願いします!」
「野良参加組もこっちについてきて~。今度はさっきより死ぬほど多いよ~テキパキ作らないと素材で押し潰されるぞ~。あ、メルメイヤちゃんそのアイテムはこっち持ってきて~。どん太君、この大きな釜を持つの手伝って~。ほら、これこれ。これを、あっちね?」
「は、はいっ!!」
『わう~』
「廃人の作成スピードやばすぎだろ!!」
「ぜんっぜん追いつかないんですけど!」
「失敗しても良いから手を動かせ、とにかく作れ! 消費しろ!」
メインアタッカーの生産組も野良に呼びかけて人が集まってきた。ファーストコンタクトで量産した金運壊滅の呪いで野良にも配れるぐらいになったから手を増やしたみたいだけど、やっぱりゴリアテさんやごほんさん達みたいに生産系を自前で持ってるぐらいじゃないと……。むしろ移動やらの連携が取りにくくなったりしてない? 大丈夫かな?
「おわっ!?」
『エリアアナウンス:マーチェスが【□■混沌のエメラルド】の作成に成功しました』
「お? 何かな今の爆発音」
「なんかアナウンス出たよね! どうやって作ったのー!?」
「す、すみません、材料見ずに突っ込んじゃって、わからないんです……!」
「ログ出してみ~。突っ込んだやつとか順番通りに残ってるから~」
「向こうは何か凄いのが出来たみたいですね……。盛り上がってるところですが、私達は私達の仕事をしに行きましょう!」
『そう、ね? 今回は、人数多め……ね?』
「もう臭いのも平気ですわっ!」
「ペ、ペルちゃん、強ペネのおかげでそもそも臭い効いてないくせ、に……」
「今度はユキノも耐えられそうで~す!!」
野良の生産職の人が何か作ったみたいね! こういうのがあると、呼んで良かった~って思えるね! よし、じゃあ緑の呪いの在庫もほぼほぼ尽きたことだし……。
「じゃじゃ~ん♡ シャーリーも一緒に行く~♡ マリアンヌお姉ちゃん達に~改造して貰った、この銃の試し撃ち~!」
「わぁ~随分大きい銃……。呪いと臭いの対策は大丈夫? そのマスクでも、万が一ってことがあるから」
「うんっ! ちゃんとやってきたよ~♡」
『難題反撃、恒久不変。パズルカウンター・パーマネンス』
『ミーシャが【パズルカウンター・パーマネンス】を発動、MISS……。対象が存在しません』
『あら……? 手応えが……』
「あっ、シャーリーちゃんもう動いてたかも。やっぱり動いてた、ちょっとズレるんです。そういう力があって」
「シャーリーのこと守ってくれるの? もう一回もう一回~♡」
『なるほど……。ふふ、可愛いわね』
さっき突入したレイジさんパーティに加えて、シャーリーちゃんも一緒に突入してくれるのね! 今度はちゃんとパーマネンスがかかったみたいね。2秒のズレってやっぱり大きい……今みたいにちょっとした補助魔術もズレてて既にその場から去っていればかからないわけだし。
「みなさ~ん! 今回の作戦を説明します! 最大目標は緑の呪いを半分以下のサイズまで追い詰めることです! また、隙間に逃げ隠れ出来ないように地下空間を超過重力攻撃で埋めます。これは最優先、絶対に遂行します! 後は掘り返されないように、デロナちゃんがランドプロテクターで地面の状態を固定化します」
「平らにする、逃げられないようにする、半分にする、で良いの~?」
「そう! 簡単に言うとそうなります!」
「ほな、ワイは近寄って斬る。いつも通りやな」
「ガリャルドと、ラージウスを、呼び出してる。そそ育てたし、適任だと思う、かかから」
「お? 遂にレベル追いついたんだ!」
「リ、リンネちゃんが、ア、アイアンマンモードで、引っ張れるって教えてくれた、おお、おかげ……」
ガリャルドとラージウスもレベル追いついたんだ! つくねちゃんとつみれちゃんだけが一気にレベル上げしちゃって、二龍とも置いてけぼりになっちゃって拗ねてたけど、レベル制限モードで一緒にレベリングして追いつけたのね! 良かった良かった、また一緒に冒険できるね!
『周囲で【時空航路】が発生、ティアラ・エルドリードが入場を許可しました』
『うっ……!? なんだこの酷い臭いは、吐きそ』
『つくねが【金運壊滅の呪いポーション】【嗅覚壊滅薬】をラージウスとガリャルドに投げ、対象が【金運壊滅の呪い】【嗅覚壊滅】状態になりました』
『うわあ!? 何をするんだ!?』
『なんだ、全然臭いなんてしないぞ? 鼻が馬鹿になったんじゃないか?』
「その呪いと毒薬、解除したら死ぬぞ。二度と元には戻れない」
『ガァアア!!』
『ラージウスが【星龍隆盛】を発動、最大強化状態になりました』
『ガリャルドが【真龍隆盛】を発動、最大強化状態になりました』
『つくねが【カウンタードラゴンロア・パーマネンス】を発動、対象が特殊な【パーマネンス】状態になりました』
「おお~。準備がスムーズ」
「い、いっぱい、繰り返した動作だから……」
「わあ~~おっきいドラゴンだ~~!! ねえねえ、触っていい? 触っていい~?」
『だ、ダメだ。気易く触るな!』
『ほら、触ってみろ! カッチカチのツルッツルだから!』
「わぁ~♡ ありがと~♡」
おお~凄い。ティアちゃんよりはランクが下みたいだけど、時空航路ってスキルで瞬時に遠い場所でも駆けつけることが出来るようになったのね! それにしても、あの時は肉体を維持出来ないから小さくなっただけだったと思ったのに、未だに小さいままなのはなんでなの?
「前みたいに大きくならないの?」
『……不便だ』
『ああ~! デカいと引っかかるわ寝辛いわすぐ腹も減るしイライラするから、小せえ方が楽でいいんだ! しかもこっちのほうが速い!!』
「あ、なるほどね……」
『当然、巨大な方が有利な時はそうする。滅多にないが……』
『デケえと的になってなあ~』
「でも、今回は巨大化した方が仕事がしやすいかも……? 敵が液体で、地面の割れ目や地下空間に逃げられると厄介なの」
『なるほどな。潰して、塞いで、捕縛する。呼ばれた理由が理解出来た』
『得意分野だ!!』
「ユキノも触りた」
『ダメだ!! 来るな天敵!!』
『ユキノはダメだ、絶対触らせない!!』
「そんな~」
ユキノさん、相変わらずドラゴンへの愛が……口から溢れそうになってるよ。そりゃそうよ、すべすべですね~良いですね~こことか美味しそう~って撫でられたら誰でもこうなるよ。遠くの方でヴァルフリートさんだって、ユキノさんを警戒してぷるぷるしてるもん。悪い子じゃないんだけど、食欲と愛がイコールに近いもので結ばれてるのよね……。
「あっ! 緑の呪いが攻撃の手を緩めました! かなりイライラしているように見えます~!」
「よし、冷静さを失ってるならチャンス! 爆発攻撃には十分注意して、準備は良いですか! 行きますよ!!」
『鶴翼、先行なさいな』
『ミーシャが【攻陣・鶴翼】を命令、全ての従者が命令に従います』
「ミーシャさ」
『みーちゃん』
「みーちゃんの従者に便乗して、突入! 各々の持ち味を活かしてください!!」
さて、レイジさん達が二回戦だったからこれが三回戦、今度こそ大量に――
『緑の呪いが【奇襲・串刺し】を発動、絶命! カーサが致命的なダメージを受けました!』
「え……」
『カー……サ……?』
え……なん、で……。
『ヒ、ヒ、ヒ、かかったな、かかっタ、ヒトツニナリマショウ』
カーサさんを、狙い撃ち、するのに……待っていた……? こい、つ……!! こいつ!! こいつ……ッ!!
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