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523 Reginleif・2

『緑の呪いが【ハルメテウスセイヴァー】を発動』

「使い捨ての聖剣!! コピーされた!?」

『フリオニールが【ガード】を発動、ノーダメージ!!』

『( ´,_ゝ`)』

「本体の聖剣がないなら、単なる劣化コピースキルに過ぎないか……いや、でもこれは……」

『コピー能力、ね? 今まで取り込まれた人の、全て……』

『あらあら、手札が多くて面倒くさい相手ですこと』

『しかし、大したことはない』

『十分対応出来ますわ』

 

 そう、今まで取り込んだ人達のスキルを、コピー出来るのね。今のは間違いなくグナのハルメテウスセイヴァー、どん太が簡単に受け止めて破壊出来たあの一撃。取り込んでいた武器を使って発動したスキルの威力は同等だったかもしれないけど、スキルの練度としては所詮コピーの域を出ていない。全く問題がないレベルのコピー、これはあの時警戒し過ぎたのかもしれないね……いや、何か来る!! さっきとは比べ物にならない力を感じる!!


『スキルリンク! 緑の呪いが【ハルメテウスセイヴァーストーム】を発動』

「なっ!?」

『構え』

『ミーシャが【防陣・偃月】を命令、全ての従者が命令に従います』

『フリオニールが【マルチプルカウンター】を発動、相殺!』

『姫千代が【乱華剣舞】を発動、相殺!』

「そのまま頑張って耐えてて!」


 伊達に世界を変えるかもしれない力を有しているわけじゃなかった。正直、見くびっていた。偃月の陣はVの字の逆の形に整列し、中軍が突出して攻撃を受ける陣形。横一列に広がっていた時よりも攻撃を受ける面が減り、反撃で突撃に繋げやすい。

 しかしこの陣形は横薙ぎの攻撃には弱いはず……。相手はバカでもマヌケでもない。恐らくこの陣形に即座に対応して、次の手を打ってくる。そうはさせないために、私がこのビルドを組んでここにいるのよ!!


「我に力を、敵に死を。我が魔よ蹂躙の力と成れ、我が力よ破壊の形と成れ、我……一騎当千の軍神なり!!」

『あ、ら……? まさ、か』

『【魔戦軍神降臨】を発動、魔力量に応じて敏捷性と物理攻撃力が上昇します』

「にゃんにゃごにゃーごにゃおにゃーお!!」

『あらあら、可愛いわ!』

『隠し武器スキル【シャパリュの力】を発動、伝説の掃除屋のにくきゅースタッフが顕現し、貴方に力を与えます』

「パズルカウンター、パーマネンス!!」

『【パズルカウンター・パーマネンス】を発動、パーマネンスの解除に設定したパズルの解除が必須になります』

『近接攻撃型……!?』

『魔術型じゃないのか!?』


 シールド系なし、魔戦軍神とシャパリュ以外のバフなしの甘え(・・)を削ぎ落とした超攻撃型スタイル。更にパズルカウンターのパーマネンス、パーマネンスの一時解除やかけ直しによる解除をしようとした場合、相手に対して事前に設定したミニパズルをぶつけるトラップスキル。これでこのスタイルを解除される可能性を減らし、暴れ続けることが出来る……。


 ――――お前には到底真似できないようなこのビルドで、度肝を抜いてやる!!


「グゥゥゥゥウ……にゃあああ!!」

『【シャパリュの剛脚】【魔猫掌連撃】を発動』

『鶴翼、美しく広がりなさい』

『ミーシャが【攻陣・鶴翼】を発動、全ての従者が命令に従います』

『無駄だ無駄だ無駄だ無駄だ無駄だヒトツ、ヒトツヒトツ、ヒトツ……ヒトツ、ヒトツ……!』

『緑の呪いが【ハルメテウスセイヴァーストーム】を発動』

『ロード』

『ミーシャが【ダークランサーレイン・エンドレスリピート】をロードしました』


 私の突撃に合わせて、ミーシャさんが攻撃に転じた。緑の呪いは焦ってハルメテウスセイヴァーストームを乱発、それに対抗するようにダークランサーレインがザァザァと降ってくる。

 お互いの遠距離攻撃のぶつけ合い、土砂降りの殺意の中をシャパリュの力の剛脚で駆け抜ける。邪魔な攻撃はにくきゅースタッフで薙ぎ払いながら。一歩、一歩、遠くに見えていた緑の呪いの本体に近づく。もはやバトルログはほとんど追えていない。

 不意に気配を感じる。千代ちゃんとリザさんが追従して突撃してきている。交戦からすぐに好機、私の一手では足りないかもと思っていたところに二の矢が飛んできた状況。当然無駄にするつもりは一切ない。

 にくきゅースタッフは打撃のみに特化している、そう思っていたのはリアちゃんがフルスイングしか使わなかったから。しかし、猫の手を(かたど)ったこの武器にはそれ以外にも機能があった。それが、この……!!


「はああああああーーっ!!」

『【魔猫斬撃殺界】を発動』

「斬撃……!?」

『猫の手、まさか……爪ね!!』

『緑の呪いが【無双連斬】を発動、劣勢! 緑の呪いが35,590Gダメージを受けました。体の一部が分離します』

『無、ダ、ダ、無駄、無駄ハ、美しくない、ヒトツにな、レ』


 猫の爪、にくきゅースタッフには爪がある!! これにより斬撃攻撃も可能、となれば千代ちゃんから会得した斬撃スキルも使えるし、それらのヒット数が3ヒット増えて火力も大きく上昇する。そして当然のように……!!


『【魔狼掌底砲】を発動、クリティカル! 緑の呪いの破片が大きく吹き飛ばされます!』

『何、ヲ? 不滅、一切、無駄ナコト、です。無駄ダ』

『姫千代が【雷神一閃】を発動、リザが【剣神一閃】を発動』

『スキルリンク! 【雷神剣】が発動、クリティカル! 緑の呪いが199,780Gダメージを受けました。体の一部が分離します』

『【魔狼掌底連撃砲】を発動、クリティカル! 緑の呪いの破片が大きく吹き飛ばされます!』


 打撃スキルも使えるんだよ!! これもヒット数が増えて、しかもノックバック性能も格段に向上する。これはどん太の魔狼掌底砲、どん太とリアちゃんと千代ちゃんでビルドを組んだ時に使える、完全物理特化の超威力の連撃。死霊術師の本体が弱い? 結構! なら従者と力を合わせて相手をねじ伏せるまで! 私は、一人で戦ってるんじゃない。お前とは違ってね!!


『フリオニールが【シールドバッシュ】を発動、緑の呪いの破片が吹き飛ばされます』

『ニンギリフが【アックスバスター】を発動、緑の呪いの破片が吹き飛ばされます』

『カーサが【見えざる仕手・呪印】を発動、緑の呪いの破片が【呪印束縛】状態になりました』

『うっふふ、捕まえたわ、ね? 出荷よ~』


 吹き飛ばした先はどこか? そうだよ、安全地帯がある方向だよ! お前の破片が暴れないように、呪いを呪印で束縛して安全地帯に出荷するんだよ、ミーシャさんの軍勢がね!! 


「――理解出来た? お前の運命が」

『理解、不能、だ、です。ヒトツに、なりま、なれ、ない…………潰れろ』

『緑の呪いが【ハイメガポイズンランチャー】を発射、Resist! 不死属性により毒属性は効きません』

「そのぐらい!! 対策!! してるんだよ!!」

『姫千代が【奥義・無双輪廻】を発動、リザが【魔光剣舞】を発動』

『スキルリンク! 【無双剣舞】が発動、クリティカル! 緑の呪いが217,665Gダメージを受けました。体の一部が分離します』

『【魔狼掌底連撃砲】を発動、クリティカル! 緑の呪いの破片が大きく吹き飛ばされます!』


 理解不能? なら理解できるまで思い知らせてやる。今行われているのは戦闘じゃなく、お前という名の素材を採取している行為に過ぎないってことをね!! ちょっと暴れん坊な素材なだけで、これなら……ッ!! 流石に、そうも行かないか!!


『グァアアアアアアアアア!!』

『緑の呪いが【圧縮解放爆発】を発動』

「にゃーご!!」

『【魔猫障壁】を発動、攻撃をガードしました。残り耐久値は5%です』

「う、酷い臭いに御座いまする……!」

『くっさぁいわぁ……!!』

「連続で来る! 一旦退避、次は防げない!」

「御意に」

『ふぅええ~……!!』


 どうやら、理解したようね。最初から奪われてしまうぐらいなら、逆に自分の体を圧縮して爆発させて攻撃に使う。とんでもない使い方だけど、確かに威力は高いし効果的。それにこの酷い臭い、腐臭? とにかく吐きそう!! これは一旦退避、最初の接触にしてはよくここまで回収出来た、欲を出さずに立て直そう。


『後退、立て直し……ね?』

『あまりにも酷い臭いだ、体がしびれる!』

『(;´∀`)……』

「おばけ殿は臭いを遮断出来て羨ましゅう御座いますね!!」

『姫千代が【雷神脚】を発動、フリオニールが【ガード】を発動、ノーダメージ! フリオニールが大きく吹き飛ばされました』

「千代ちゃん足癖、悪ッ!?」

「おや、は、恥ずかしゅう御座います。つい……」

「つい!?」

『逃げる、ナ、逃げるな逃げるな逃げるな逃げるな戦え戦え戦え出せ出せ出せ出せ出せ出せ出しなさい出しなさい』


 うるさいな、一部は出たんだから我慢しておいてよ! それよりこの臭い対策、本当に無理! 頭が痛くなる、これを対策しないとこれ以上の戦闘は続けられない。

 うう、攻撃は防げるのに臭いで負けるなんて……屈辱だけど仕方ない。まずはこの臭気対策を考えて、それからもう一回交戦だ! うっ、安全地帯に到着して気を抜いたら、ちょっと吐きそうなんだけど……!!

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