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516 災厄の都市

 回避、回避……!? 回避どころじゃない、撤退! 撤退しよう、私の脳みそがアレは絶対ヤバいって警報を鳴らし続けて止まらない!! 一刻も早く撤退、ここはもう私達だけではどうすることも出来ない!! あれは人類とか神だとか、そういう次元に居ないなにか、まさに……上位者だ!!


『シャルナーデが、ア、シャルナーデ、無駄だ、【44ミリのレクイエム】無駄、ダ、我は私は僕ハわたくしハアハハハハハハ!! 緑の呪い(Lv.????)、45,444Gダメージを与え素晴らしい!! スバラシイ、呪いが拡散、シ、殺ス、死、ヒトツニナリマショウ』

『(撤退……悔しいけど撤退する! 今の戦力で勝てる相手じゃない!)』

「うわあなんだか凄い気持ち悪い声が頭に響きます! やんのか、やんのかこら~っ! かか、かかってこ~い!!」

「撤退!!」

「撤退するの~!?」

「はい撤退! 帰ってツニャ缶!!」


 リアちゃんがガチビビりして変なステップを……あ、あれは! 猫ちゃんがする伝説のやんのかステップ……!! やらないって決めた途端真っ先に逃げ出す辺りも猫ちゃんらしい!! でもこの切り替えの早さが大切よ、生き残るためにはね! 特にお昼寝さんとめーちゃんを抱えてる今、リアちゃんには絶対に死なれちゃ困るのよ。


「リンネ様~!!」

「脱出したい!」

『逃げるな、ないでください。行かないで。ここから出たいなア、アハハハハハ!! 逃さなイ、こっちへ、コイ』

『緑の呪いが貴方を見ています。オイデオイデオイデオイデ』


 システムメッセージが使い物にならない、ユーザーインターフェースも緑色のバグみたいなのがぐちゃぐちゃと付いてて使いにくいことこの上ない。

 アレがどれだけの存在なのかわからないけれど、ただ一つだけわかるのは黄金領域を破る手段がないってこと。恐らく緑の鍵で繋がっている先はアールゲインのパラレルワールド、黄金領域は異空間だろうがなんだろうがこの領域に入っている者を完全に閉じ込め、昼も夜もない世界に封印することが出来る。

 

「こちらへ!!」

「シャーリーちゃん、ここに入って! レイジさんも早く!!」

「すまん、先に撤退させて貰うで!!」

「倒せそうなのに~」

「無理よ、さっきダメージを受けた部位がもう修復してる!」

「え~!? もっと強い武器持ってこないと~!」


 黄金回廊を出して貰ったのにログが出ない。この領域から脱出出来るのはティアちゃんの許可がある者だけで、黄金回廊を使えば自由に出入りすることが出来る。それだけワールドアイテムは強力な効果を有している……まあ、対価がちょっと、高すぎるのが玉に瑕なんだけどね!

 

『シ、ステム、エラー……修復、中……。緑の呪いの切り離しに成功。冒険者支援システムを復旧中……』

「とりあえず、全員脱出した……ね?」

「無事だよ~♡」

「ツニャ缶!!」

「おるで、平気や」

「ティアも大丈夫です! でも、領域の維持に沢山の金貨が必要です~!!」

「お? 帰ってきたか。無事に作戦は終了って感じじゃあねえな」

「ハッゲさん! すみません、お昼寝さんとめーちゃんは回収出来ましたが、思ったより厄介な敵が……敵、と言って良いような次元ではないかもしれませんが」

「アレはヤバいで! 完全にアカン、一生閉じ込めておきたいレベルの相手や!」

「そりゃあヤベえな」


 とりあえず月光の歓楽街に帰ってきた……。緑の呪いは、完全に隔離されてるみたいだね。黄金領域は内部にティアちゃんが居るなら低コストで維持出来るけど、外に出てきたらコストが何倍にも跳ね上がるのよね……。仕方ない、倉庫の金貨を全部与えておこう。最悪、資金援助を全箇所打ち切ってシルバーを金貨に変換しなきゃいけない。


「めーにゃんとお昼寝さん、出してもいいですか?」

「いやいやいや!! 一応隔離してから、デロナちゃん呼んできて!! 後これ、ティアちゃんはこの金貨全部使っても良いから、足りなくなりそうなら早めに教えて。追加で作ってもらうから」

「は~い!!」

 

 さて、どうしたものか……。とりあえずさっきの鍵の鑑定結果を表示したいけど、まだシステムがぶっ壊れたままなのよね。お昼寝さん達もドロドロのままだし、この状況も長くは続かない。対策を考えないと……。


「今日は忙しいねっ! はいはい、デロナが来ましたっ!」

「あ、もう来てくれたの!」

「うんっ! 皆地下の探索はやめて、こっちに戻ってきてたから」

「そうなんだ。デロナちゃん、恐ろしく高位の呪いで肉体を変化させられてるのが二人、意識はギリギリあってお守りで保ってるような状態だと思う。殺すと拡散して犠牲者が増えるの、なんとかなるかな……?」

「うーん、サンプルが欲しいなぁ~」

「マリちゃんに封入する容器を作って貰おうか……」

「なあ、それならいい場所と人を知ってるぜ」

「えっ! ハッゲさん、何かいい方法知ってるんですか!?」


 おお、さすがハッゲさん! この状況と呪いの詳しい解析に適した場所と人を知っていらっしゃると!! それなら早く、そこへ向かわないと!!


「おう。リンネちゃんも知ってる場所と人物だぜ」

「え、どこですか……!?」

「ローレイの魔神殿だ。プロフェッショナルが勢揃い、だろ?」

「あっ!!」

「へへっ! 初めてリンネちゃんの発想の上を行ったな! 結構気分がいいぜこれは、よし……行こうぜ」


 なるほど、ローレイの魔神殿!! 確かにその道のプロフェッショナルが勢揃いだわ!! アレをどうやって撃破すれば良いかで頭がいっぱいで思いつかなかった……。もうちょっと冷静にならないと、私が慌ててたら皆がどうして良いかわからなくなっちゃうんだから。


『システム復旧完了。ご迷惑をおかけ致しました。緑の呪いへの対策措置を厳重にすることをおすすめします』

「行きましょう、対策は極めて厳重にしてから……こらこらリアちゃん、リアちゃんも行くんだってば」

「にゃぁ~……」


 リアちゃんがお昼寝さん達を保護してるんだから、やんのかステップで逃げようとしないの!! もう、気分屋さんなところまで猫ちゃんそっくりなんだから……。

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