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474 残された幻想

「ほえ~……。それで、カーミラさんが参ったって言うまで蜂の巣にしてたら、ここを見つけたと……」

「はいっ! カーミラ様にも勝って、ダンジョンも見つけて、ティアは幸せですっ!!」

「嘘でしょう……? 私が、負け……た……? ティアに、負け……て……? 満月なのに……?」

「いい加減現実は受け止めましょうね、カーミラさん」


 えー死合結果です。まず早々にマリちゃんが脱落、リアちゃんが次いで脱落、千代ちゃんとティアちゃんとゼオちゃんとカーミラさんの乱戦は暫く続いて森が更地に変わるほどで、回復ソースがなくなったゼオちゃんがまず脱落……する前に、ゼオちゃんが最後の闘志を振り絞って猛攻撃した結果、千代ちゃんが致命的なダメージを負ってまさかの脱落。ゼオちゃんも力尽きて脱落。そしてティアちゃんとカーミラさんの激闘が20分ぐらい続いた末、徐々にティアちゃんの黄金郷領域内でマナの回復が追いつかなくなり、まさかまさかのカーミラさんが敗北。結果として、約束的にも実力的にもティアちゃんが一位ということになっちゃったんですね。

 そして今、カーミラさんは本気(ガチ)で戦ったのにティアちゃんに負けたことに精神的ショックを受けています。仕方ないよ、ティアちゃんは私に憑依することが多くて技術吸収の機会が沢山あったし、無脅威化攻撃で感知困難な攻撃ばっかりだし、黄金回廊で四方八方から距離とタイミングを無視して攻撃出来るんだもん。まあティアちゃんもおにーちゃんには勝てないし、おにーちゃんは千代ちゃんとかリアちゃんに勝てないし、それぞれ得意な相手と不得意な相手が居るんだけどね。ちなみにどん太は全員に勝てるよ。反則的に強いんだなあ、これが。


「でも、ここでやらないでねって言ったのに始めちゃったんだから、そもそも参加した全員には罰ゲームを与えるからね?」

「えっ!」

「にゃ!?」

「こ、此方は不可抗力と言いますか……」

「ご飯抜きだけは赦す、お願いします!」

「何もする暇もなく負けた我も対象なのか、それは」

「…………リンネさん、私のことも見ていらっしゃいますが、ひょっとして私も対象なのですか?」

「それはそうよ。カーミラさんがそもそも一番悪いからね、我慢できないって始めたのカーミラさんだし」

「でも、この感情の昂りを、理解してくださるでしょう!?」

「ダメです。ダメなものはダメ、それはそれ、これはこれです」


 まあそれはそれとして、やらないでねって言ったのに始めたんだから、当然罰ゲームだよね。まず森を復旧するのは当然として、全員に恥ずかしいアバターでも着て貰おうか。私は眼福だし、皆は反省する。とても良いことだと思いませんか? 思いますよね? 思いました。今オークションページを見ているんだけど、ちょうどいいのが人数分あるのよ~……!


「全員、今日一日水…………」


 待って、リアちゃんも? リアちゃんにもこの、砂浜のプリンセスを着せるの……? いけない、絶対に良くない。リアちゃんはこう、健全で可愛い服で悩殺して欲しいの。こんな、紐みたいなのは駄目……!!


「いや、とりあえず森の修復。うん、森を再生してらっしゃい!! 物理班は整地、魔術班は木の再生、マリちゃんは美しく計算された森にするのに現場で指示!! はい、ダッシュダッシュ!! 行ってきなさい!!」

「うぇえ~……」

「ご飯抜きじゃない、良かった! 整地こそ勝つので!」

「およよよ……」

「わあ~……大変です、頑張りましょうっ!!」

「確かに、鬱蒼としていたから丁度いいかもしれないな。よし、直しに行くか……」

「なんということ……。なんということ……」


 良かった、私にまだ理性が残っていて……。リアちゃんにこんな紐みたいなのなんて着せたら、うん。良くないよ、良くない。それにこんな紐に一人辺り50Gも払うのおかしいよ、出品者は何を考えてるのよ……。


「リンネ様、リンネ様?」

「どうしたのエスちゃん?」

「ダンジョンは、どうなさるのですか?」

「え? あっ!!」


 そうだ、ダンジョンのこと忘れてた!! ティアちゃんが見つけたダンジョンのところまで案内して貰ったのに、紐に夢中ですっかり忘れてたよ!!


「えーっと……? 栄光を失いし幻想郷…………?」


【栄光を失いし幻想郷】(推奨:なし)

・特殊ギルドダンジョン 

・現在の総合レベル【 1 】

 ┗光を失った幻想水晶

・プライベートエリア化【現在利用不可】

 ┗朽ち果てた幻影石

・拡張【現在利用不可】

 ┗刻を忘れた時空石

・クイックアクセスポータル【現在利用不可】

 ┗迷子になった導きの光

・戦闘不可【実験場未開放】

 ┗ボロボロの武人像

・住み込み妖精【なし】

・一日に何度でも利用可能

・入場制限なし

・召喚等による人数増加可能

・利用可能な設備は以下の通り

 ┣無限だったはずの素材倉庫

 ┣粗末な製図台

 ┣粗末な細工設備

 ┣粗末な錬金設備

 ┣粗末な裁縫設備

 ┣粗末な鍛冶設備

 ┣粗末な鋳造設備

 ┣粗末な玩具工房

 ┣今にも消えそうな神聖なる火の蝋燭

 ┣今にも消えそうな邪悪なる火の蝋燭

 ┣くたびれたオーパーツ解析設備

 ┣歪が生じたマシンクリエイター

 ┣みすぼらしい魔物加工設備

 ┣悲しみに暮れる天使人形

 ┣空虚な時を過ごす悪魔人形

 ┗増設可能な自由エリア・10箇所


「あ、これって……!!」


 こ、このダンジョン、もしかしてだけど、ギルドの皆と成長させることが可能なダンジョン型の工房ってこと……!? もしかして、無慈悲ダンジョンで出た用途不明なレアアイテムの消費先って……ここだったりして!! 多分そうだよ、燦爛たる光の道標とか使えそうだもん!


「お昼寝さんに……あ、寝てる。そりゃそうか、もう3時だもんね」

「強い相手と戦える場所ですか?」

「ううん、強い相手と戦うために準備をする場所……かな。でも凄く古くてボロボロみたい」


 でも全部の施設がボロボロだわ……。リュースのアトリエとかも復活させたのに、ここにも手をつけるのは素材的な意味で勿体ないような~……。


「妖精さんと皆を説得して、リュースからこっちにアトリエを移す……? いや、まずはちょっと中を見てみよう! 誰でも制限なく、自由に入れるってさ」

「入ってみたいです!」

『(*´∀`*)!』

『ふむ、修練場のような場所だろうか?』

「メルも、行きます!」

『わうっ!』

『おか……りなさ……ませ……。本…………夜…………綺麗…………どう、ぞ…………お入り…………だ……』

「転送ポータルもギリギリ動いてる感じのなのね……。演出とは言え、なんか入る前から悲しいなあ……」

『転送…………さ…………い……て……んそ……』


 とりあえず入って…………ッ!?


挿絵(By みてみん)


 わあ…………。綺麗…………。


『エネルギー低下、時空維持限界、拡張世界を廃棄して幻想郷を維持します。施設レベル低下、低下、低下、低下、低下……』

「あっ……」

『一瞬だけだったが、この場所の元の姿が見えましたな』

『管理者が居なくて朽ちてしまったように見えるね。お伽噺に出てくる伝説の工房のようだった』

「聞いたことがあります。争いばかりの世を嘆き、現し世から離れた、世界から名を消した巨匠達の集う伝説の里…………エスが聞いたことがある幻想郷の姿に、そっくりでした」

「もう、誰も居ないんでしょうかね……?」


 うん、もう誰も居ない……。それでも、名もなき誰かが居た痕跡だけは、しっかりと残ってる。何かを成し遂げたという、そんな痕跡がしっかり残ってる。


「もう誰も居ないけど、居た痕跡だけはしっかりあるね。明日、皆が来たらここのことを話そう。えっと、導きの光は……中央の建物の最上階かな?」


 とりあえず導きの光だけでも修理かなんか出来ないかな。多分クイックアクセスポータルの開放が、この導きの光ってアイテムを修復させれば良いはずなんだよね。古い建物だから、中に入らず外からで……ごめんなさいねー通ります通ります。


『導きの光:導きの光は道標を失い彷徨っています。光の道標を使いますか?』

「あ!! やっぱりこれに使えるんだ、これ使って大丈夫かな?」

『導きの光:【燦爛たる光の道標】が使用されました。【迷子になった導きの光】が【優秀な導きの光】にランクアップしました! 一度幻想郷に訪れたギルドメンバーは、ギルドポータルや自前の長距離転移スキルから直接アクセス出来るようになります。一人当たり一日に二度まで使用可能です』

「おーー!!」

『あやふやだった光の渦が、規則的な光の煌めきに変わったぞ』

『(*´∀`*)』

「役目を、取り戻したのでしょうか」

「キラキラって、綺麗です……」

「うん、また仕事が出来るって喜んでるみたい!」


 なるほどね、こんな感じで少しずつ施設をレベルアップしていけば良いのね。そしてここに妖精さんを呼び込めたら、この場所を管理してくれるようになるってことかな? リュースの妖精さん、頑張ってコンタクトを取ってみるか~……!!


「ん~!! 楽しくなってきたね!!」

『興味がある施設がありそうだ。後で慎重に見て回ろう』

『(っ’ヮ’c)』

「おにーちゃん、ここをゴミ屋敷にしたら鎧をサリーちゃんにピンク色に染めて貰うから」

『Σ(´∀`;)!?』


 これは楽しくなってきた、今までの作成系コンテンツをここに集結させれば、もっといいアイテムが簡単に作れるように…………あ!! 神器強化機とかも、ここに設置すれば部外者が乗り込んできたりする心配もないわけだ! おお~凄い、丁度いい! ここにしよう、ここに設置しよう!!


「まずはお昼寝さんに連絡しようっ!!」

「ええと、眠っておられるのでは?」

「…………明日! 起きたらね! とりあえずちょっと見て回ってから出ようかぁ……」

『うむ、そうしよう。それがいい』


 あ~早く皆起きて来ないかな~っ!! 早く皆にここを教えたいっ!! でも、このままソワソワして待ってたら私が寝て皆が起きてくるのとすれ違いそうだし……。ちょっと見回ったら一旦出て、私も寝てからそれからにしよう。さっき焦りすぎって言われたのに、私ってば本当にせっかちだなぁ~……。


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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
― 新着の感想 ―
[良い点] ティアちゃんめちゃつよくなったなー。でもおにーちゃんはティアちゃんに勝てるのかやっぱり硬いなー、さすが。でもどん太は全員に勝てるのか。まさかそんなに強くなるとは... 新しい施設だ!たのし…
[良い点] 勝者、ティアラ・エルドリード! 子は親を超えるものじゃ……そして約束からは逃げられない。 >>リアちゃんはこう、健全で可愛い服で悩殺して欲しいの。こんな、紐みたいなのは駄目……!! 煩悩…
[良い点] 第一側室争奪戦、勝者はティアラちゃんか……え!?カーミラさんに勝ったの(;゜Д゜) しかも最後タイマンで勝ってる!?強くなったねティアラちゃんヾ(*´∀`*)ノ  読んでいくと満月かつ夜…
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