462 ぶっちぎりでイカれ過ぎた女・2
どん太は大きい、そしてよく動く。どん太が歩けばちょっと揺れるし、どん太が走ればかなり揺れる。そんなどん太が周囲を確認せずに転がったら、そりゃあ甚大な被害が出るわけで……。私はその時こう思ったのよね、ああ~どん太がもっと大きくなってごろんごろんしたら、雑魚モンスターなんて簡単に倒せちゃうんだろうな~って。だって本当に弱いモンスターなんてどん太が通過した風圧で死ぬんだよ? 直撃したら木っ端微塵よ、木っ端微塵! そして転がって相手を木っ端微塵にする兵器と言ったらパンジャンドラム……らしいよ? だってネットで検索したらこれが一番人気だったんだもん。間違いないと思う。
だから、発想を組み合わせたんだよね。どん太のごろんごろんと、パンジャンドラムのごろんごろんを組み合わせたら絶対強いわけで。案の定相手は何も対処出来ずに要塞を破壊されちゃったね、ものの数分で初見の兵器に対処しろって言うのも酷な話だと思うけど、戦争ってそういうものだから。
「全員退避し、したよ、うん……!」
「エリスちゃん、目が回ってちょっと辛いな~……!」
「敵は目の前や、目ぇ回しとる場合ちゃうぞ!」
「しっかし暗いな、不死の軍勢に灯りなんて不要っちゃ不要だろうが……」
「じゃあ、明るくしましょう!」
「やだ、ねえやだ。僕ね、嫌な予感がする!!」
「よし、どん太! これを立てろ~! あ、千代ちゃんパンジャンどん太にところどころ穴を空けて~」
『わう~んっ!! (コントロール! 頑張って立たせるよ!)』
「姫千代にお任せくださいっ!!」
「せめて倒れないように固定したほうがええんとちゃうか!?」
「わっちがアースブレスで埋める!!」
さて敵地に突っ込んできたのは良いけど暗い。暗すぎるから明るくしようね、足元から奇襲されたりしたら困るし。さっき使ったパンジャンどん太を今度は立てて、その中に大量に燃料になりそうなものを投入すると。そしたらほら、穴を空けたところから火が漏れて明るくなると思うんだよね! 立てたパンジャンどん太の頂上にじゃーんぷっ!! よし、燃料投入開始!
「リアちゃ~ん。これに火をお願い~」
「…………お姉ちゃん、これ爆発しないですか?」
「まっさか~。多分大丈夫でしょ、パンジャンどん太のほうが頑丈だよ」
「本当に、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫、やってみよう!」
「え~……。わ、わかりました……じゃあ、にゃにゃんにゃ」
「よし、我の持ってきた爆弾も投入しよう」
「えっ」
「に゛ゃ゛」
『オーレリアが【終末の火】を発動しました』
『マリアンヌが【ショートジャンパー】を使用、短距離テレポートに巻き込まれました』
あ、これ絶対ヤバ
『エリアアラート:パンジャンどん太君1号が壊滅的な大爆発を引き起こしました』
『エリアメッセージ:アグニの術式が許容限界を超えて破壊されました』
『エリアアラート:飛び散った破片が周囲の建造物に延焼しています!』
『ヒュリエスが【ディボーション】を発動、あなたのダメージを肩代わりします』
『オーレリアが【水濡れ厳禁!】を発動、【水系】の取り扱いが厳しく禁止されます』
「マリちゃーーん!? なんで爆弾まで入れたのおおおおーー!?」
「ん? パンジャンドラムは爆発させてこそと聞いたのだが、爆発させるんじゃなかったのか?」
「いや、そうだけど! まあ良いか、明るくなったし!!」
「それにリンネの投入した燃料代わりの鉱石の時点で、爆発するのは確定だったぞ」
「…………パンジャンドラムは爆発させてこそだからね!」
「お姉ちゃん? マリにゃん?」
「はい、ごめんなさい。申し訳ございませんでした……」
「だが我は謝らない。ごめんなさいをしない悪い子なのだ。では、作戦位置に移動する」
ぐぬぬ、爆発させたのが私だけ悪いみたいじゃん! まあ、私が悪いんだけど! でもほら、要塞内部が真っ赤に燃えて明るくなったし、いいじゃん! さり気なく消火活動を妨害するのにリアちゃんも水系の取り扱い禁止にしてるし、リアちゃんもなんだかんだ言ってノリノリよ!
「リンネちゃん!? リンネちゃん! リンネちゃん? リンネちゃん!?」
「あ、明るくなったので……」
『ぎゃう~~!! (耳が、きーんってする~~!!)』
「穴を空けることで爆風を広範囲に拡散し、より効率よく敵地を焼く……。流石です、主様!!」
「ほら、エスちゃんがまたお姉ちゃんをより深く信仰するようになっちゃったじゃないですか!! どうするんですか!!」
よく燃えるように手助けしてるのは誰なんですか? 自分の行動は完全に棚に上げてらっしゃいますね、このにゃ王様……? 全くもう~……楽しそうな表情をしてらっしゃいますね……なんだか顔の脇に『にゅふふ~ん』みたいな文字が見えるぐらい楽しそうですわ……。
「リンネさ~~ん!? 髪の毛がチリチリになってしまいましたわ~!?」
「ペルちゃんはそれ、元からくるくるしてない?」
「ほら、毛先がくりんって!!」
「ここって敵地のど真ん中だよな……?」
「そうデース! 集まったところをバクハツー!! サイコーデース!」
「あのね、あのね、さっき僕の顔の横を鉄の板がひゅんって、ひゅんってなったの」
「そっか~。怖い怖いだったねえ~もってぃ……」
「地面に固定してなかったら、天高く発射してた予感しかしない……」
『真上に上がった巨大な火の玉が、そろそろ落ちてくるのではないか?』
え? 巨大な火の玉なんて…………あ。一番大きな穴は真上を向いてたから、そ、そうだね……? あれ、えっと…………?
「アカンやろ、降ってくるやろ!!」
「つくねちゃーーん!! ヴァルさーーん!!」
「は、ははぁ……」
『うむ、迎撃せねばなるまいな……』
恐るべしパンジャンどん太君1号……! 一度目は大質量と衝撃による蹂躙、二度目は爆発と延焼による壊滅的被害、三度目は巨大な火の玉での大打撃……! 一発で三度美味しい、これは大人気兵器と言われるのも頷けるね!! 私はまだまだパンジャン歴浅いから、これから色々研究して……それこそ、爆発のプロフェッショナルのマリちゃんと共同作を作ったりしないとね! まずは火の玉なんとかしてーーっ!!
「総員、破壊せよ! 攻撃せよ!!」
『【オーダー:デストロイ】を発動、周囲の味方の攻撃性能が全て著しく上昇します』
『むぅっ!?』
「があっ!?」
あ、新装備で号令系スキルも強化されてるんだった。月の女神セットのスキル性能超強化の内容にこれも当然含まれてるかあ~……。うん、多分発射しようとしてたブレスの威力、桁違いに上がってるだろうね。ははっ……!
『つくねとヴァルフリートが【究極超龍砲】を発動、相殺! ボンバーメテオが爆散します!』
「おお~た~まや~!」
「レイジ、そんなこと言ってる場合じゃねえぞ!」
「綺麗に爆散したけど、これ絶対当たったらヤバイよねえ!?」
「ヘルホエのクソレーザーよりヌルいから何とかなるやろ!」
「大丈夫、余裕で回避出来る」
「え、え、僕無理です」
「モッティ! 気合い入れろデース!!」
「よし、これで明るくなりましたね」
「リンネさん!? 絶対投げやりになって居ますわよね!?」
「わぁ~髪の毛チリチリになっちゃいそうですね~」
「ほ、ほら、ペルちゃん……! ユキノも、逃げるよ……!!」
いやあこれ、迎撃態勢とか色々なトラップとか用意してたであろう相手の軍団長が可哀想だなぁ~……。まあこっちは動きやすくなったし、そろそろ派手にやらせて貰いましょうかね。
「それじゃあ全員、敵の総大将の首を取りに行こうか~!! 数体強力な敵が居るはずだから、それらに注意して暴れよう~! 頑張ろう~!!」
『(;´∀`)……』
『わ、わう~!』
「がんばろ~!!」
「はいっ! 頑張ります~っ!」
「此方も頑張りまする!」
「頑張るお~!」
『が、頑張ろ~……』
「あれあれ、ヴァルさん声が小さいですね~? 頑張ろ~っ!」
「主様とバビロン様の為に、頑張ろ~っ!!」
『同盟:もってぃがボンバーメテオシャワーに直撃して死亡しました』
う、うーん……。とりあえず、もってぃを起こしてからかな……。どうしてピンポイントにもってぃだけ当たっちゃうかな~……。





