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453 イカれ過ぎ女

 魔界死霊帝王(バビロニスト)、全ての職業を統合した結果この職業を授かった……いや、辿り着いた(・・・・・)が正しいだろう。バビロン様の愛する一番でありバビロン様を一番とする狂信者の頂点。しかし私はオルヴィスのようなタイプの狂信者ではなく、(推し)を絶対的に信仰しているタイプ。バビロン様に自身の能力を捧げるなど、バビロン様を信じていないのも同義。本当に信仰しているのならば、バビロン様に捧げるのは自らの能力ではなく自らが上げた成果の報告。そしてバビロン様がお喜びになられる、私の真心からの捧げ物(プレゼント)


『これほど、までの、力……い、いったい、貴様、は……!?』

「お前には一生理解できない」

『ガウゥゥ!!』

『どん太が【魔狼流星驟雨】を発動、クリティカル! オルヴィスに31,800Gダメージを与え、撃破しました』

『おめでとうございます! MVPは【魔主魔狼大帝どん太】です』

『参加人数2名、それぞれに合計経験値 1,890P が与えられます』

『レベル900に上昇しました』

『どん太がレベル900に上昇しました』

 

 私がオルヴィスを理解することは出来たとしても、オルヴィスは私を一生理解することが出来ない。オルヴィスはメギドという絶対の存在があり、その壁を超えることが出来ない。絶望的な停滞。対して私はバビロン様に追いつく、あるいは――超えたい。オルヴィスとは比べ物にならない巨大な目標があり、メギドという小さな段差など通過点に過ぎない。だからあの時オルヴィスを逃していたとしても、私は容易にオルヴィスを超えていただろう。


『レベル900到達プレイヤーにお知らせいたします。これ以上は経験値の入手によるレベルアップは不可能になり、レベル900以降のレベルアップ条件は特殊なものに変更されます。この世に存在するレベル900以上の超強化型ボスの撃破、及び条件付き撃破達成、または各種ミッションの達成、他にも様々な要因でレベルアップとなります』

『既に達成した条件を確認。レベル950まで上昇します』

『どん太がレベル950に上昇しました』

「えっ……。あっ? もしかしてノーマーシーモードとかって、レベル900からやるコンテンツだったの……?」

『わう? (どうしたの?)』

「え、うん、いやその……。まあいいっか」

『わんっ!! (お腹へった!!)』

「うんうん、君は強くなっても変わらなくていいねえ。お肉食べよっか」

『わぉおおぉおん♡ (食べる~~っ!!)』


 レベル900からはレベリングが特殊なものになるらしい。既に達成していたミッション、レベル900超えのボス撃破等で一気にレベル950まで上がっちゃった。当然といえば当然だけど、同じボスではレベルは上がらないらしい。私はオルヴィスの死体目当て以外にここに来る理由はなくなっちゃったなあ……。

 そう言えばどん太もバビロン様から【魔主魔狼大帝】なんて立派なクラスを授かったけど、相変わらずお腹へった、撫でて、遊んで~ってそこは変わらない。遊んでの部分が、夜空に向かって超高速で飛ばしたドラコンシールドを空中でキャッチするっていう無駄に高度なものに変わったぐらいかな。

 

「他の子も皆900に到達させるから、それまでお肉食べてて?」

『わうわうっ!! (わかった!)』


 んー……。邪龍ファーブニルからオルヴィス連戦に2分ちょいか、もうちょっと縮められそうなものだけど……。抹消暗黒球体は非常に強力だけど、相手が完全に油断しきってないと当てられないっていう致命的な弱点がある。正直当てられるのは初見で油断してるオルヴィスぐらいだろうね……これをカーミラさんに当てろってなったら絶対に無理。左手に刻む魔術は別のものにしたほうがいいかもしれない……。せっかくだから、暇な時間を使って新しい魔術を作れないか試してみようかな? 展開、増幅、変更、傾向、発動、これらの組み合わせに強力な言語をはめ込むことで発動する魔術が変わるなら、色々と試してみるのも良いかもしれない。


「次は宇宙大にゃ王様の番かな~」

『わう~!』


 とりあえず【宇宙大にゃ王】オーレリア様のレベリングをやっちゃおう。レベル898だから一発で終わりだと思うけどね。一番レベル低くて火力的にも展開的にも厳しいのはデロナちゃんとのペアだから、う~ん……。デロナちゃんは諦めてトリオで数周したほうが速いかな? 私は補助火力(サブディーラー)だから、純火力(ピュアディーラー)のリアちゃん、千代ちゃん、ゼオちゃん、エスちゃんと組ませたほうが速いかも。まあとりあえず周回しながら考えようか。


『【死体安置所・51】に【オルヴィス (復活・従者化不可)】を納棺しました』

「あと揃ってないオルヴィスセットあったっけ……」


 オルヴィスの死体も溜まってるなあ~。黄昏聖女防具は作っちゃったし、黄昏聖女アクセも必要分揃えたし、武器にしてもそんなに強くないしなあ~。武器は無慈悲な殺戮の神系のほうが強いからそっちの方がいいし、ああでもデロナちゃんの杖の強化に必要だから問題ないか! まあそれも後で、暇な時に……ふわぁぁ~~……。あ~眠い。


『きゅぅ~ん…… (寝なくて大丈夫?)』

「ん~……。ナンナイアが折れて救援を求めて来て、メギドが侵攻するであろう予想時間が21時だっけ。後1時間もあれば終わるだろうし、サクサク周回して~……3時間ぐらい寝られるかな?」

『わうっ! (ちょっとでも寝たほうが良いよっ!)』

「そうね、ちょっとぐらい寝よう」


 とりあえず18時までには終わらせよう。VRダイブシステムの方からも健康によろしくないよ的なメッセージ届いてるしね。久々に本気を出しすぎた、本気で張り合いたいって思ったのは中学校でのスキー合宿以来かも。優雅に滑る真弓に憧れてなぁ~死ぬ気で頑張ったわ。私の憧れ、私の真弓……。あ゛……。真弓にこの状況どう説明しよう……。その言い訳も考えとこ……。




◆ ◆ ◆




【従者リスト】

魔主魔狼大帝どん太

 ┣レベル950

 ┣はらぺこ・絶好調

 ┗ファーブニルがいちばんおいしい!

宇宙大にゃ王オーレリア

 ┣レベル950

 ┣すやすや・上機嫌

 ┗お姉ちゃんに発動スピードと威力で勝った~……んぅ……

狂騒静謐英雄フリオニール

 ┣レベル950

 ┣絶好調・決意

 ┗m9(^Д^)9m いえーい、見てるー?

無双絶剣神狐姫千代

 ┣レベル950

 ┣はらぺこ・絶好調

 ┗与えられた称号がはらぺこ怪獣じゃなくて、本当に良かった……

破壊的創造主マリアンヌ

 ┣レベル950

 ┣疲弊・絶好調

 ┗アルテナの、改造が追いつかなければ、ついて行くのは無理だった……!

銀祝黄金女王ティアラ

 ┣レベル950

 ┣睡眠中・絶好調

 ┗ほえ……?

死を告げる者ゼオ

 ┣レベル950

 ┣はらぺこ・絶好調

 ┗あ、どん太さん! 私のお肉を……!

命を齎す神龍デロナ

 ┣レベル950

 ┣絶好調・上機嫌

 ┗皆、可愛い~……

冷厳なる王剣ヴァルフリート

 ┣レベル950

 ┣筋肉痛・上機嫌

 ┗我が目に狂いはなかった……。か、体が痛い……

裏切りの悪魔ヒュリエス

 ┣レベル950

 ┣うとうと・上機嫌

 ┗リンネ様は素晴らしいお方……。リンネ様リンネ様リンネ様リンネ様リンネ様――


 おにーちゃんは相変わらずいたずら好きだなぁ~……。皆、よくここまで脱落せずに付いてきたわね~……。エスちゃんはリアちゃんと仲良くなったみたいで、リアちゃんは『私のほうが先輩です! お姉ちゃんですっ!』って言い張るけど、エスちゃんがしっかりしてるせいで逆にエスちゃんがお姉ちゃんムーブしちゃうのよね。今だってすやすや状態のリアちゃんを抱き寄せて肩ぽんぽんして寝かしつけてるし、容姿も銀ロリと金ロリで対照的なのも良い……。ただちょっと、私を盲信し過ぎなのがネックかな。


『(;´∀`)っ』

「あっ。ありがと、おにーちゃん。寝る前にハーブティー、いいね~……」

「リンネ、もう寝た方がいい。徹夜3日目だった時の我より目が、その、ヤバい」

「やばいれひゅ~……んう~……」

「リンネ様、おやすみ、ください……。エス達も、少し……んゆ……?」


 そんなにヤバい顔してるかな……? してるかも。寝よう、これ以上はヤバい。とりあえずミミッキューブの対価をシルバーか同額相当の作成保護チケに変えてっと……。作成保護チケがないと、オルヴィスの死体とか10連続で失敗とか20連続で失敗とかもザラだからね。最大で37連敗よ、ヤバいわ~……。


「皆も、温かくして寝てね……?」

「あの氷の家にある寝台を使わせて貰うよ。あの家は見た目に反して非常に住心地が良いし温かい」

『(*´∀`)b』

『うむ、寝ている子達はそーっと運ぼう……』

「エスは、起きて、ます。リアちゃ、移動……しますよ」

「だっこ……」

「はい、エスに掴まって……」

「すっかり仲良しさん、いいことです! ティアは、私がおんぶします!」

「ゼオお姉ちゃん、起こさないようにね~?」

「まかせるください!」

「どん太殿、移動で御座いまする。急いで食べ切らねば」

『わおっ、わ、うっ! (食べる、食べるっ!! お残し厳禁!)』


 みんな元気ね~……。千代ちゃんはやっぱり、無双絶剣神狐姫千代じゃなくて、カレン様から頂き損なった【はらぺこ怪獣ちよごん】のほうが良いと思う。それにしても、一日に何回も転生に来る私にバビロン様の慌てっぷり、可愛かったなぁ~……。うへへへへ……思い出したらよだれ垂れてきちゃった……。あの慌て顔と『おねえちゃま! カレンちゃん! 助けて、リンネがイカれちゃった!!』って声だけでご飯何杯か食べれるわ。その後ティス様の『あら~いつものことじゃな~い♡』で笑っちゃった。

 

「リンネ、顔が、ヤバいぞ……!」

『(;´∀`)…………』

「うへぇ……?」

「これは、バビロン様を思い出してる、思います! 退散!」


 これ以上この顔を周囲に晒す訳にはいかない。よし、寝よう。ログアウトログアウト……!!


『ログアウト処理中……。本当に、お疲れ様でした』

『おやすみ~イカれ過ぎ女~♡ しっかり寝なさいっ!』


 んっ……。しっかり寝る~……♡ 三時間ぐらい。


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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
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