443 夏の日の前は春なのか?
どん太達を撫でたりお話したり、ギルドメンバーさんとお話したり報酬分配して貰ったり、私が前から探してた装備とかその素材を貰ったり買ったりしているうちに、不思議と時計の短針は21時を指していたね。私、バビロンオンラインを休日に18時間ぐらいやってたって本気? ヤバいね、どっぷりだよどっぷり。流石に体動かさないのはマズイなってことで、軽く食事をして1時間ぐらい運動して寝支度をしてたら23時、すーっと布団の中に溶けて朝起きたら7時。こんな生活を続けてたら確実に駄目になる、今度からは絶対にこんなハードなプレイはしないようにしよう。
「リンネさ~ん、おはようですわ~!」
「おはよ、ペ真弓~」
「ペ!?」
「ぎりぎりバレてないと思ったのに……」
「物凄くバレてますわね!」
「ぐぬぬ……」
リアルの真弓をペルセウス呼びしちゃうところだった。危ない危ない、まあほぼ呼んだみたいなもんだけど、全部言ってないからセーフみたいなところあるでしょ。きっとセーフだね。
「それよりこれを見てくださいまし!」
「うん、うん? これは?」
なんだろう、真弓ってば明日こそ買い物行くぞーって張り切ってる? どこのお店の情報を持ってきたのよ、なにこれ? ゴスロリ社で水着とか売ってるの? え、じゅ、15万円!? み、水着だよ!? 水着で15万円もするの!?
「水着は買いましたわ」
「は、え? はっ? はっ!?」
「それで、明日ので、でで、でぇと……コースなのだけれども」
「ん、ん? んっ?!」
買った!? 何を!? この水着!? この、15万円のやつ!? 自分のをだよね? 私のやつじゃないよね? ああああああサイズが完全に真弓用のじゃないいいい……!! 私のほうが胸周り大きいし、これ完全に私用のヤツだぁあああ……!!
「――おはようございま~す」
「……!?」
「あら!?」
ま、や、んえ、ちょっと、ほ……?! 今脳みそが忙しい! 今、脳みそが忙しい! 使用率高い、使用率高い! いいですか私、落ち着いてください。ここはリアルの世界、平日の学校。ペルセウスは真弓だし、他のプレイヤーさんも生徒として過ごしている時間のはずです。なのでここにユキノさんは居ないし、この子は誰ですか? ユキノさんです。何でですか? どうしてなんですか?
「真弓! かえでちゃん!!」
「あー……」
「落ち着いてくださいまし!? 間違いなく本人ですから! ごきげんよう、雪村さん! 遂にお目々が届きましたのね!」
「はい~。夢乃は皆さんのお顔が見れて幸せです~」
「お、おはよう、ごごご、ございます……」
「おひゃようゆ、ユメノ、さん……?」
「おはようございま~す。えへへ~、昨日はファーブニルパーティ美味しかったですね~」
ユキノさんはユメノさんです。ユメノさんなので、えっと、ユキノさんがユメノさんなのでユキノさんです。ほ? ほっ……?! ファーブニル美味しかった、みんなドラゴニックブースターって特殊能力獲得できてうはうはだったね、48人用レイドを高スコアでクリアすると報酬でファブ肉貰えるんだよね。私達は本物持ってたから関係ないけど。違う、そうじゃないの。
「リンネさん、雪村夢乃さんはこのクラスに最初から居る方でしてよ? 視力の問題で暫く通っていませんでしたが、解決次第登校するということで登校していませんでしたの」
「今日から一緒にお勉強頑張ります~。一応、同じ内容は点字やVR学習で学んではいたのですが~……」
「い、いきなり、字が、見えても、よよ、読めない、から、大変そう……」
「はい~~! 読めない字が沢山あって大変ですけど、頑張ります~!」
落ち着いてきた。そ、そうだったんだ、ユキノさんはこの学校に最初から居たんだ……。知らなかった……。首から下げてるネックレスについてるカメラが、ユキノさんの目なのかな?
「あっ! リンネさんそうです、これが夢乃の目ですよ~」
「おお~……。おお~……! あ、ご、ごめんなさい。初めましてですね」
「こちらでは初めましてですね~。いつもありがとうございます~」
「こ、こちらこそ……?」
「なんだか不思議な挨拶ですわね」
「初めましてなのに、い、いつも、ありがとう……ふっ……ふふっ……」
確かに変な挨拶になっちゃった! 初めましてなのにいつもありがとうは変だね! わあ~びっくりしちゃった、まさか最近ゲーム内で出会った人と、今度はリアルで出会うことになるなんて。数奇な運命だなあ……。それにしてもそっか、全盲だったから今までは点字だったけど、これからはそうじゃなくなるから勉強が何倍も大変だ~……。私も、記憶喪失の後は字が全然書けなくて焦ったなあ~……。言葉と文字がリンクしないのは恐怖だったわ。
「私もちょっとしたことが原因で文字がわからなかった時期あるから、覚え方とか困ったら教えてあげられるよ!」
「え~本当ですか~? 覚えるの大変なので、今度詰まったら教えて欲しいです~」
「あ、リ、リンネさん……」
「ん~? 真弓が一生懸命教えてくれたからね、ちゃんと覚えてるよ~? あ、真弓の髪今日さらっとしてる、何か変えた?」
「っ! そう、そうですの! 前は縦ロールぐるぐるを固定するのに色々使っていましたけれど、今は使うのをやめましたの! そうしたら髪質がよくなって、サラッとしてきましたのよ!」
「いいね~。頭撫でるの気持ちいいからこっちのほうが好き」
「好き……ッ!!」
「夢乃さん、こ、こっち、席ここ空いてるから」
「あら? あら、は~い」
これだけサラサラだと逆に、三つ編みとかするの大変そうだな~。真弓の三つ編みメガネっ娘姿、割と見てみたいかも……。メガネくいっとして欲しい。お肌もぷにっとしてるし、されるがままの真弓、可愛いなあ~……ほっぺぷにぷにしたろ。
「リンネさん……?」
「もちぷに触感……」
「お、おデートの、コース……」
「ああ、そうだった。どこ行くの~?」
「最新の家電とかも見に行きませんこと? 何か新しいものや欲しいものがあるかもしれませんし!」
「今はそんなに~って思ってても、実物を見ると欲しくなったりするんだよね~」
「そうですわね! きっと楽しいですわ、それとお隣のブースのこちらも回って~」
「うんうん、いいね。明日は絶対に行こうね、イベント起こさないように大人しくしてるから」
「あ!! わたくし、今日はべったりとリンネさんのイベント巻き込みをガードしますわ!」
「し、信頼がなさすぎる……」
「ないですわ!」
「ぴい~……」
ひょっとして私、真弓に完全なトラブルメイカーって思われてる……?! 確かに、いやまあそうなんだけど、真弓が一緒にいたとしても起きる確率は変わらない気がするんだよね! むしろ確率上がりそう、なんかごめんね?
「かえでさん、結構鍛えてらっしゃるんですね~」
「いっ?! きゅ、急に、さ、触るじゃん……!」
「駄目ですか~?」
「いや駄目じゃないけけけ、けど、さっ!?」
「ストレッチとか、ちゃんとなさってますか~? こことか、硬いですよ~?」
「あ、駄目、そこは、あっ……!! う゛お゛……!」
「夢乃は目が見えないなりに運動はしっかりしてたので、こういうの詳しいんですよ~」
「ぜってえ肉の構造だろ、詳しいの!! う、ぁああ!!」
「お肉はもーっと詳しいです」
夢乃さんとかえでちゃんも、仲良くやってそうね? その内仲良しになって一緒に遊びに行ったりして、私と真弓みたいに。夢乃さんは外の世界とか知ってること少なそうだし、かえでちゃんはなんとな~く色々詳しそうだし、色々教えてもらえるといいね。
「今日は早く寝ますのよ?!」
「はぁ~い」
「ゲームは2時間までですわよ!」
「はぁ~~い」
「んもう~、絶対守る気がないお返事ですわ~!」
「真弓がログインするまでに2時間過ぎそう」
「わ、わたくしと遊び始めてから2時間にしてくださいまし!!」
「は~い」
今日は真弓がログインするまでと、ログインしてから2時間でバビロンオンライン終わりにするかあ~。メギドの動向とか、ヴァハールとカナンの件とか、色々やりたいことあったんだけどね。ああ、こういう時こそバビロン様よね! バビロン様に直接会えたら、カナンをどうするとかそういうの相談しよ~っと!
さあまずは今日の授業をやって、帰ってログインして、明日に備えるぞ~っ! 今日でログイン27日目、バビロン陣営に入ってからの連続ログインは26日目かな? 水曜日で28日目になるはずだからそうだよね! わあ~早い、もうそろそろ1ヶ月か~。バビロン様に追いつけるのなんて今年じゃ無理だろうな~……。どうだろう、一日10レベルぐらいのペースで上がってるし、100日あれば1000まで行ったりして! まさかね、300になってここから死ぬほどレベルアップが渋いし、ここからは物凄く停滞しそう。ラッシュでもかなりキツイはず……。
そういえばラッシュに行くようにってラッシュチケットとか大量に買い置きして倉庫に入れたけど、マリちゃん達行ってるかな? 従者にどんどん置いていかれちゃうかも~……怖いなあ~。レベリングも頑張らないと、あ! 飛空艇も大型のと中型のが建造開始になったんだよね! それも楽しみ~!
「……リンネさん」
「は、はいっ?」
「今は、その……。昔、あの……」
「真弓と一緒で楽しいよ? ずっと一緒に、毎日遊ぼうね!」
「あ……。は、はいなっ!!」
今日はとにかく、真弓と一緒に遊ぼうね! まあ流石に、真弓と一緒に行動してれば特大イベントは起こさない~……。起こさないかな……。昨日起こしたばっかりな気が……。ま、まあ! 今日は注意して過ごそうね!!





