400 その時地下で何があったか
◆ カジノエリア ◆
カジノにキューブを再設置しに行ったら、えきどにゃ様が『取り分のバランスを見直して欲しいのじゃ』って言うから、私の方を5パーセント減らしてえきどにゃ様のを5パーセント上げたら『違う、そうじゃないのじゃ。頼むから許して欲しいのじゃ』って怒られちゃった。聞けばカジノの金庫室が溢れかえりそうで大変な状態らしくって、今すぐにでも収益をゼロにしてもいいレベルまで貯まってるんだって。
私は金庫に表示されてる数字が増えるだけで、実際の銀貨形状のシルバーが山になっている光景を見たことがなかったから『本当に大変なことになってるのかなー?』と思って、カジノの地下施設に金庫室をえきどにゃ様に見せてもらったら、もう大惨事って言葉以外に出てくる言葉がなかった。
金庫室を天井まで埋め尽くし、まだ少しでも入るスペースがあればそこへ次から次へと出現する大量のシルバー。小銀貨が一定量貯まれば中銀貨に、中銀貨が貯まったら大銀貨に、その変換作業が恐ろしいスピードで自動的に行われていて、無限に湧き出してるんじゃないかってスピードで溜まり続けてる。その銀の波は金庫室の入り口付近まで既に迫っていて、後数時間もあれば入り口から決壊して流れ出してくるんじゃないかというレベル。この光景を見た時、ローレイとバビロニクスに寄付してるお金の方も大丈夫なのかな……って一瞬思ったけど、本当にヤバいならバビロン様が『ちょっとぉ~! イカれ女~! キューブ止めて~♡』って連絡を寄越すだろうし、きっと大丈夫なはず……。
「ペルちゃんが居て良かった~。本当に……」
「大きなお金を動かすのは慣れていますもの!」
「格好いい……。流石スーパーお嬢様……」
「ふふっ♪」
「スーパーお嬢様の方は、準備オッケー?」
「当然、大丈夫ですわ!」
この大量のシルバーをカジノでどう消費すればいいか。えきどにゃ様は従来の商品の取り寄せしか思いつかなかった為、私達が何を求めて何を与えれば喜ぶかわかっていなかった。そこで一肌脱いでくれたのがスーパーエリートガッツリ金持ちお嬢様、スーパーペルセウスちゃん。パンク寸前の大量のシルバーを目の前に『わたくしに任せなさいな! 程々に減らしつつカジノを発展させ、今後絶妙なバランスで減ったり増えたりを維持させてみせますわ!』と自信満々に宣言。この瞬間私とペルちゃんに緊急クエスト【カジノの緊急事態――入るばかりで出ずる先無し――】が発生。これがペルちゃんの金銭管理最強伝説の開幕だった……。
◆ 1時間前のカジノ地下・金庫室前 ◆
『少し前まではここにあった銀貨は可愛らしいものじゃった……。それでも多かったのじゃが、今の量に比べれば可愛いものだったのじゃ……』
えきどにゃ様に案内された金庫室の中には山のような……。いや、まさに山になった銀貨がうず高く積み上がっていた。地下なのに銀の山があった。そして金庫室の隣には【メガリス】と呼ばれる巨大な機械も静かに稼働していた。
『どうにかして欲しいのじゃ、今までの景品を取り寄せるだけではどうにもならぬのじゃ! かと言って、無収入にしては『金の使い方がヘタクソなカジノ経営者がいるらしい』とバカにされる! それだけは妾のプライドが……! しかし妾にはこのメガリスの使い方がよくわからないのじゃ! もうどうすればいいのじゃ~~!!』
カジノのコンテンツは地下にある巨大な機械【メガリス】によって運営されているらしい。このメガリスはティスティス様によって作られた機械で、現在は初期設定のまま稼働している。えきどにゃ様は基本的にメガリスの操作は不要だとティスティス様に言われていたようだけど、必要ならば自分で考えて設定を変えなさいとも言われていて、まさに操作が必要な状況が今なんだけど、当時『基本的に操作不要なら覚えなくてもいいじゃろう』と操作方法を覚えていなかったみたいなんだよね……。
まずえきどにゃ様が思いついたのは、メガリスを操作してカジノの勝率操作や報酬増加をしようとしたみたい。でもそれは信用問題に関わることだから出来ない操作だった。故意に勝てるように出来るならば、その逆も出来ると思ってしまう利用客が現れるから、これらの設定変更は出来ないように作られていた。更にはどれが高確率で勝てるコンテンツなのか、えきどにゃ様ですら知ることが出来ないようになっていて、身内優遇は徹底的に出来ないようになっていた。
更に更に報酬だけを増やすことも出来ない。スロットで例えるなら、100枚のカジノコインをBETしたなら最大払い出しは100倍の1万枚、この100倍だけを弄って777倍にすることは出来ず、777倍にしたら賭けるコインもその分が比例して増えてしまう。その時ばかり量を増やしてしまったら、後からプレイした人が『え~あの時は777倍だったのに、今は100に戻ったの~?』と不満を抱いてしまう。だから報酬だけを増やすことは出来ないようになっていた。
パーフェクトキューブが設置されるまでは、えきどにゃ様が定期的に景品を仕入れ、このカジノで働く従業員や警備員に報酬が支払われ、設備の維持費にもシルバーが使われるから収入と支出のバランスが取れている状態だった。それが突然の超高額収入発生装置、パーフェクトキューブの登場によって狂った。爆発的に増える収入、大量に使える金額が増えて大喜びするのも束の間、使いきれずに増え続けるシルバー、使っても使ってもボコボコと湧き出てくるシルバーに、えきどにゃ様は恐怖を感じ始めた……と。
「いや~これ無理だわ。私には向かない」
「我にも無理だ。何をどうすればいいかさっぱりわからない」
「マリちゃんは圧倒的に消費側だもんね。あれでも生産者でもあるか……」
「一応生産者だが、圧倒的に消費者だな……。うん……」
そんなわけでお手上げ状態のえきどにゃ様に代わってメガリスを操作しようってなったんだけど、メガリス側が『操作前にこのミニゲームがクリア出来たなら操作させてやる』的な感じで、カジノ経営シミュレーターってのをやらされた。これはその名の通りカジノの経営をするミニゲームで、メガリスを操作して出来る機能を使ってカジノを繁栄、経営を正常化し、お客様の満足度上昇を目指そうってゲーム。
一応私とマリちゃんもこれをプレイしたんだけど、私はカジノが大儲けしてお客様満足度がどん底に落ちて、マリちゃんの場合だとカジノが大損してバビロン様達にお叱りを受けて一時閉鎖まで追い込まれるエンドっていう両極端な結果に。だってこれかなり難しいんだもん……。なんでバビロン様達の黄金像を建てただけでお客様満足度が下がるのよ。ありがたく崇めなさいよ。
そんなわけでペルちゃんも苦戦してるんだろうな~って思って覗き見したら、物凄い勢いでミニゲームを攻略してた。しかも画面端に表示されてた難易度は【ファイナルステージ】、むしろこれレベル1ステージとかレベル2ステージとかもあったんだって唖然としちゃった……。私達はステージ1すらまともにクリア出来ないのかって、それっきり無言でペルちゃんのプレイを眺めてたね。
『カジノ運営システム【メガリス】は、プレイヤー【ペルセウス】の一時的な操作を承認します』
「では、本番ですわ!」
『おお、やってくれるか!?』
あれよあれよとファイナルステージも攻略完了。これからは今現在のカジノの収入と支出の状態が表示され、その数字でカジノ運営をしなきゃならない。ちなみにこの緊急クエストの最後に『このクエストは非常にリスクの高いクエストです! 事前に注意事項を確認し、それに同意したプレイヤーのみが遂行出来ます!』って書かれてて、同意にチェックを入れないと受注出来ない初めてのタイプ。そしてその注意事項っていうのが『クエスト失敗時には名声を失い、莫大な借金の一部をプレイヤーが抱えることとなります』ってもの。私は無理だと思ったからクエストリタイアを押したよ……。
『現在のカジノの収入は1時間辺り【約2.540Tシルバー】、支出額は1時間辺り【約150Gシルバー】です。許容限界まで推定残り4時間、経営を正常化させてください』
「ひっ……!?」
「まさに桁違いですわね」
まさに桁違いの収入、キューブの収入に加えてカジノ全体での収入、その額は恐ろしい数字になってた。これが前までは釣り合いが取れてたってことは、収入200に対して支出は150とかだったんだろうなあ……。ペルちゃん、全く焦っていないけど……大丈夫なのかな……。
「対話モードを要請しますわ」
『対話モード、起動』
「緊急消費策としてカジノを拡張致しますわ。これに伴い同時にカジノのコンテンツ拡張を提案致しますわ」
『拡張領域に【居酒屋・フェニックス】【バー・ジャッカル】【軽食店・グルミス】があります。拡張は不可能です』
「カジノ内に取り込みなさい。現在の空きスペースに緊急移動、拡張工事終了後に新店舗として再オープンしますわ」
『拡張する必要性、皆無。却下』
「現在このカジノ内にお酒を提供する店、軽食を提供する店はありませんわ。これは非常によろしくないこと、なぜならば客が飲酒や食事を求めた場合カジノエリアの外に出てしまう。カジノエリアで勝利した後に飲酒、食事を摂れば満足し、そのまま帰ってしまう。これをカジノ内で済ませられることによって客がカジノを離れる時間が減り、結果としてプレイ時間の増加と満足度の向上に繋がりますわ。必然的に時間のかかる飲酒や食事中に、カジノ内で大当たりの一つや二つ出てご覧なさいな。意識はカジノへと向き、もう一度、今度は自分がと意識が高まります。それがこの拡張と吸収の狙いですわ』
『…………拡張を検討。空きエリアが多く、閑散としたエリアが発生することによる不満が高まると予想。拡張中の騒音も不満点になると予想』
「新エリアにはダーツ、ビリヤード、その他数点の施設を設置しますわ。それぞれの店舗は離れた位置に設置、客が求める店舗を離すことによって客層が変化し、利用客に合ったコンテンツを設置することで利用しやすいように拡張しますわ。更に各店舗では食材、酒類の提供は高級品も取り扱うようにし、これをかなりの格安で提供しますわ。普段なら手の伸びない高級品も、カジノ内ならばと手を伸ばしたくなるもの。これに伴う仕入先の確保のために、専属商人契約を外部と結び、報酬は基本料金にプラスして出来高払い。騒音問題は新エリア拡張中と大きく貼り出し、気になる音の向こう側に何が出来るのかという高揚感に繋げますわ」
『拡張案を承認。拡張、及び拡張後の支出額増加を表示します』
「カジノ内部に留まる人が増えることから、更にスペースを広げる必要がありますわ」
『ここまでのプランを実行した場合を想定し、人数増加シミュレートを実行します……』
いけない、もう目がぐるぐるし始めてきた。カジノのコンテンツ強化に真っ先に飲食店や酒場なの……? 確かに、カジノで遊んでる最中休憩するスペースがないなーとは思ってたけど、それは外に出て済ませればいいと思ってたから……。
「現在利用客の減少しているトロピカルビーチエリアをカジノが吸収しますわ。屋内プール施設に改造、水棲系魔族の活動エリアとして新たにオープンしますわ。更にトロピカルビーチエリアに巨大ルーレットエリアを設置、綺羅びやかで派手なカジノと、静かに賭け事に興じれるビーチカジノエリアをオープンすることによって、より幅広い客層を呼び込む場として効果が期待できますわ」
『水棲系魔族はローレイでも活動の場が少なく、就職先を求める声が上がっているようです。従業員の確保は比較的容易であると判断。トロピカルビーチエリアの急速な利用客低下は懸念されている事項でした。吸収合併は良い案であると思われます』
「あのビーチエリア、水着の方がいらっしゃらないのですもの。誰も水着じゃないならば、わざわざ水着になりたいと思う方もいらっしゃらないと思いますわ。水棲系魔族の方々には水着姿で働いて貰うことを想定しているのだけれど」
『元より全体的に服を着るという概念のない種族ですが、制服として支給する案は効果的かと思います。これに伴う支出額と――――』
ほええ~……。ほええ~~……。
「問題は、建設作業員ですわね……」
『それが問題点です。作業には数ヶ月の時間を要し、このままでは収入額を使い切る事が出来ません』
「残るはコンテンツの増設ですわね。後はランドマークの設置かしら」
『ランドマーク設置に関する必要性の説明を要求』
「カジノに来た! という実感をもたせる為ですわ。記念となる目印を設置することで、客の記憶に強く印象が残り、もう一度あの場所へ行きたいという意識を高めさせる効果が期待できますわ」
『採用。ランドマークデザインを検討中……』
「バビロン様!」
「バビロン様は魔神殿のランドマークですからいけませんわ。バビロン様と言ったら魔神殿、それがカジノにもあってはいけませんのよ」
ほええええ……。だ、だから私がシミュレーションで設置した時に満足度とかが下がったんだ……。ペ、ペルちゃん凄い……。
『我が創造主、冥神ティティエリィ・ティスティスのもう一つの姿である【冥府仮面の像】を提案』
「…………いいのかしら」
『交信中…………音声を再生します――『あらあら~♡ わた……悪を赦さぬ冥府仮面の像がカジノに建つなんて、良いと思うわよ~♡ 不正は赦さない! 冥府仮面が見ているぞ~♡ って~』――以上です』
「あ、じゃあ、それで行きましょう……」
これが、これが正解なんだ……。冥府仮面様の像かあ~……。
「いよいよもって建設期間と作業員だけが問題ですわね……。このカジノのさらに地下の空間にあるこの場所はなんですの? こちらは地下闘技場と出ていますけれど」
『不明。厚い壁に囲まれた完全に独立した空間と思われます』
「調べられませんの? 自分の家に知らない変な空間があったら気持ち悪いでしょう?」
『現在スキャンを実行しています……』
建設……。あ! そうだ!
「インスタントハウスって魔術があるんだけど、確かリアちゃんが術式だけはカー……ヨコさんから教えてもらってたよ!」
「それはどの程度の建設能力があるのかしら」
「魔力総量にもよると思うけど、カー……ヨコさんは数分で家を建ててくれたよ!」
「数分!?」
『カー……ヨコ氏への協力取り付けを提案』
「それですわ! カヨコさんにインスタントハウスの魔術を習得するための講習会を開催して頂き、その報酬と習得者を作業員として雇うことによって更に支出額を増やすことが出来ますわ!」
『素晴らしい案です。しかし、協力の取り付けが可能か現時点で不明な為、案としては不確定要素として―― 』
「カヨコさんに連絡取ろうっか?」
「え? 出来ますの!?」
「うん」
カヨコさんにインスタントハウスを教えて貰えれば、工事も捗るしかなりのペースで工事が進むはずだよね。よし、フレンドリストから個人メッセージを選択して……。
「(カ~ヨコさ~ん。聞こえま~すか~?)」
『(待ってください、ティアに抱きつき続けていたのは謝ります。ティアのお友達がバラしたのですね? ゼオさん? デロナさん? どちらかですね? 今そちらにも謝りますから、どうか接近禁止令だけは赦してくださいリンネさん)』
え゛…………。
「(い、いや、それは知らないんですけど……。べ、別件で……)」
『(え?)』
え? じゃないんですよ、え? って言いたいの私の方なんですよ……。
「(いやあの、近々カジノで増設・拡張工事があるんですけど、インスタントハウスの術式を教えて頂けないかと思って、講師としてついて貰えないかな~と……)」
『(行きます。お願いします、代わりに今の件は忘れてください。誰にもまだバラしていませんね? バラす気でしたら、バラせないように今から眷属にします)』
「(バラさないですから! あ、でも報酬はキッチリ受け取って貰いますから、そうしないとこっちも困るんです!)」
『(わかりました。明日からでも可能ですから、内容が決まったらもう一度ご連絡を……。では、ティアに子守唄を歌って貰う約束ですので、これにて)』
「(あ、はい……。おやすみなさい……)」
『(おやすみなさい)』
忘れよう。忘れた方がいい。そうしよう。
「カヨコさん、良いって……うん……」
「本当ですの!? あら、どうかしましたの……?」
「いや、言えない。うん……。報酬の件や開催日が決まったら教えてって、明日からでも良いって……」
「あ、あら。大変ですのね……。わかりましたわ!」
『カヨコ氏の協力、及びインスタントハウスによる建設プランでシミュレーションを実行』
その後はカヨコさんのインパクトが強すぎて覚えてない。えきどにゃ様がぽかーんとして、宇宙を感じているかのような表情で固まって成り行きを見守ってたのだけは覚えてる。ペルちゃんとメガリスによる話し合いは続き、気がつけば大まかなプランが完成していて……。
『プランV9のシミュレーション結果、短期的な支出、中長期の収支バランスの維持が認められました。プランV9の成功率は99.999999%以上、プランV9を最終案としますか?』
「ええ、よくってよ! 結果はすぐに現れると思いますわ!」
『承認。えきどにゃ様の承認を待っています』
『わ、妾も、それでいいのじゃ……』
「ちゃんと内容を確認していまして?」
『確認してもよくわからないのじゃ……。カジノが大きくなるのは、よいことなのじゃ!』
『えきどにゃ様の承認を確認。創造主ティティエリィ・ティスティス様の最終承認を待っています……完了。プランV9の実行許可が出ました。これよりプランV9を実行します――――』
遂に、カジノ大改造計画【プランV9】の実行が決定されました。えきどにゃ様も良く分かってないみたいな顔してたけど、正直私もよくわかってない……。カヨコさんが頭から離れない……。カヨコショック……。
『のじゃーー!? 金庫室から、一気にお金が減ったのじゃ!! ガラリとしてしまったのじゃ!!』
『先に必要額を引き出しました。これより6段階に分けてカジノ従業員の一部に召集令を発動し、全員へプランV9の説明と拡張に伴う協力要請を行います』
『冥神ティティエリィ・ティスティスがクエスト完了を認めました。緊急クエスト【カジノの緊急事態――入るばかりで出ずる先無し――】を【協力者】としてクリアしました!』
『スキャン完了。古代に作られた転送装置と思われます。階段を降りてこちらに向かう反対方向、何もない突き当たりの壁を破壊すればアクセス可能です』
「え? ああ! 先程言っていた変な空間ですわね!」
『罠や破壊を許容できないものは感知されませんでした。確認の際はお気をつけて、ペルセウス様。そして協力者様』
「あ、はい……」
私もこのクエストクリアして良かったのかな~と思ったけど、ティスティス様がオッケー出してるんだから、良いのかな……。それより、突き当たりの壁を破壊すればその転移装置がある謎空間に入れるのね! いや、そんな場所になにかあるだなんて、このクエストで気が付かない限り発見出来ないじゃん……。
「えきどにゃ様、こちらの壁を壊して中を確認してもいいかしら?」
『あ、うん、好きにして欲しいのじゃ』
「ちょわーーっ!!」
そんなわけで、経営シミュレーションで無双したペルちゃんのちょわーーで現れた転移装置っていうのが……。
『――――隠し古代ダンジョン【ラッシュ!】へようこそ! 【ラッシュ!】の第一発見者として、プレイヤー【ペルセウス】と【リンネ】を登録します!』
「ラッシュ……?」
「名前からして面白そうですわね!」
「おやおや、また新しいダンジョンだね?」
この、隠し古代ダンジョン……【ラッシュ!】ってわけだったんだよね……!!
◆ そしてラッシュ前に再び…… ◆
【ラッシュ!】
・【必須】レベル100以上
・【必須】古代語初心者以上
・最大4人までパーティ入場可能
・ペナルティ:ダンジョン全域 (以降全域と称す)でアイテム使用が出来ない
・ペナルティ:ダンジョン入場時にシステム的に解除可能なバフ・デバフが全て削除される
・ペナルティ:全域でプレイヤー・NPCによる復活は出来ない
・ペナルティ:全域で食いしばり効果が発動しない
・ペナルティ:全域で真覚醒・究極・神技スキル使用不可
・ペナルティ:全域で召喚系スキル使用不可
・特典:レベル帯によってプレイ可能なラッシュが変動する
・特典:フィーバー回数によって経験値量上昇
・特典:古代の最強兵器【メガリスアーマー】使用可能
・1日1度の無料挑戦が可能(毎日5:59に回数制限リセット)
・1日最大5回まで入場可能(再入場には100ゴールドで販売されているチケットを購入してプレイしてください。1度ダンジョンをクリアした後、チケットが購入出来るようになります)
・30秒のカウントダウン後、ポータル内のメンバーが最強で最高な爽快感を味わうことが出来ます
さあ、戻って参りました。外からだとダンジョンの内容がさっぱりわからないんですが、最強で最高な爽快感って書いてあるから凄く楽しいんだろうなとは、なんとな~く勝手に思ってる……。とりあえずマリちゃんとおにーちゃんも暇してるから連れてきたけど、大丈夫かなー?
「ペルちゃん今何レベルなの?」
「198ですわ!」
「あら、後2レベルか~」
「そうですわね、もう少しですの!」
「ここで上がるといいね」
「上がるといいのだけれど……。そう簡単に上がるかしら……」
「あ、そういえばマリちゃん、もうアルテナ姿には慣れちゃった? ずっとその格好だけど」
「慣れない。恥ずかしい。死にたくなる。でも奇襲想定などの街中での戦闘シミュレーションが出来るから、微量に経験値が蓄積して解除したくないんだ……」
「ああ、それはそれは……。無理、しないでね……。おにーちゃんは、なんかそわそわしてるね。楽しみ?」
『(*´∀`*)』
「楽しいダンジョンだと良いね」
ペルちゃん、ここでレベル200になれると良いけど……。マリちゃんがこれ以上恥ずかしい思いをしてまでアルテナを着用し続けないように、ここでガッツリ経験値が入るといいなあ~。まあまあ、とりあえず入ってみないとわかんないよね。やってみよう!
『古代の転移術式を起動、【ラッシュ!】への転送ポータルが出現しました』
『まもなく【ラッシュ!】へ転送されます。カウントダウン……3……2……1……転送!』





