368 ジャンクケイヴスクラップ作戦・8
◆ ジャンクケイヴ・シャウタ最下層・A-1区広場 ◆
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【デストロイミサイル】を発射』
『射手座のスージーが【スピットファイア】を発動、破壊! デストロイミサイルを66発を破壊しました』
『ティアラが【カオスランサーストーム】を発動、破壊! デストロイミサイル92発を破壊しました』
『マリアンヌが【デスペラード】を発動、破壊! デストロイミサイル42発を破壊しました』
戦闘開始からここまで拮抗状態が続いている。押し切りたい私達と、この方陣が解除されるまで時間を稼ぎたい虚飾の王との一進一退の戦い。向こうはこのまま時間切れまで粘れば実質勝利、私達はそこまで粘られれば実質敗北、私達が焦ったところを崩すのに正面から戦わずに逃げ回ることを選んだらしい。そう来たならこちらにも考えがあるというもの。
「(ここで方陣との境界ギリギリ、足場の悪いエリアに追い込め!)」
『オーレリアが【岩盤猫障壁】を発動、巨大な岩の壁が出現します』
『龍将ヴァルフリートが【中龍砲】を発動、MISS……。対象が存在しません』
これは回避されてもいい、ヴァルフリートのチャージブレスが当たったらただでは済まない、どの程度で破壊できるかわからない障壁を壊すよりも迂回を優先する、故に虚飾の王が取る行動は回避一択。この二手を回避することを選択し、前に作った障壁に隠れていたおにーちゃんが姿を現せば……!
『( `・∀・´)ノ』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【ギガデスビームソード】を発動』
『フリオニールが【マイティガード】を発動、ジャストガード! 攻撃を無効化しました』
『!!!』
必然的に対応を迫られ、これを一撃で撃退出来ない限り虚飾の王は足を止める! 方向転換するにも足場が悪く手間取る、片方は方陣の境界で進行不能、片方は破壊出来るか不明な障壁、前方には行く手を阻む巨大な騎士、後方からは私達がもうすぐ追いつく、これで挟み撃ちの形になった!!!
『どん太が真覚醒スキル【修羅化】を発動、3分間全スキル強化され、最終HPが10倍になります』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【デッドエンドバズーカー】を構えました』
『どん太が【修羅魔狼流星群】を発動、流星の如き突進が敵を打ち砕く! クリティカル! S-40虚飾の王(Lv,????)に合計25,900Mダメージを与えました。腕部の武装【デッドエンドバズーカー】が破壊されました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【ジェットアッパー】を発動、クリティカル! どん太が51.5Mダメージを受けました』
どん太ぁ!? 初の致命的なダメージを与えたのがどん太なのは嬉しいけど、51Mダメージも貰って食いしばりとかなんとかログが出ないって、51M以上もHPあるの!? 絶対今の死んだと思ったんだけど、よく生きてるねそれ!? いや、待って。これはどん太のピンチだけど、同時にチャンスでもある……!
『シャドウダイブを発動します』
『貴方のデコイがアンチダイブユニットに捕まりました』
『どん太の影に移動――隔離環境の効果により成功しました』
『(皆を信じて再突進! 空中で体勢を立て直して!)』
『ワ、ゥ……!!』
虚飾の王は今、絶体絶命の窮地に立たされている。前方の巨大な騎士、後方からは火力部隊、遊撃部隊には武装解除を狙われ、さっき倒したと思ったであろう魔狼はまだ倒れず二撃目を狙っている状態。この状況を打開出来る行動は――――私の知る限り、一つしか存在しない。
『(全力でもう一発、私の合図があるまで障壁の上で我慢して、気を引け!)』
『ワウッ!!!』
『!!!』
『どん太が【修羅魔狼流星群】を構えました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【ジェットアッパー】を構えました』
『フリオニールが【アルテマバスター】を構えました』
『双子座のイルが【クリティカルスタブ】を発動』
『双子座のエルが【クリティカルスタブ】を発動』
『龍将ヴァルフリートが【深呼吸】を発動、ブレスの威力が上昇します』
『オーレリアが【禍津・地獄焼夷猫】を呼び出しました』
『蟹座のクーガーが【マッチョマックスビーム】を構えました』
『!!!!!』
出せ、出せ……! 出せ、出せ、出せ! 出せ!!!!!
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【ウルトラマナアサルトバースト】を発動!』
出したなマヌケめ! 切り札ってのは、何度も見せるもんじゃないんだよ!
『どん太の影から飛び出します』
「一切合切を粉砕する、これぞ破壊の一撃ッ……!!!」
『NP15を消費し、究極スキル【バビロンパンチ】を発動。魔界の恐怖が魔神の剛腕となり一切合切を打ち砕く!!!!!』
「バビロンッ……!!!」
こういう時に出すものだ、授業料はお前のドロップ品と経験値で払ってもらうぞ!!!
『破壊! 【ウルトラマナアサルトバースト】は【バビロンパンチ】の威力に負け、雲散霧消しました!』
「パアアァアアンチ!!!!」
『クリティカル! S-40虚飾の王(Lv,????)に30,600Mダメージを与えました。頭部の姿勢維持装置が故障しました』
『フリオニールが【アルテマバスター】を発動、クリティカル! S-40虚飾の王(Lv,????)に10,200Mダメージを与えました。頭部の姿勢維持装置を破壊しました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が崩れ落ちます。補助システムへ切り替え中……』
まだッ!!! 姿勢維持装置が壊れたのは予想外の収穫だけど、武装は生きてる! まだあいつは戦える!!! 徹底的に破壊する、徹底的に!!!
「まだ奴は戦える! 再起動前に叩き潰せ!!! 6人の出番だ!!!」
『武器を構えているぞ! 援護しろ、接近を邪魔させるな!』
『龍将ヴァルフリートが【大龍砲】を発動、強力無比な龍の息吹が汎ゆる物を燃やし尽くす!』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【脚部バリア機能】を停止、【出力全開・クアドラバリアフィールド】を発動』
『オーレリアが【禍津・地獄焼夷猫】を発動、スキルリンク!』
『蟹座のクーガーが【マッチョマックスビーム】を発動、スキルリンク!』
『牡牛座のグスタフが【グスタフハリケーン】を発動、スキルリンク!』
『射手座のスージーが【ハイメガマナバスター】を発動、スキルリンク!』
『マリアンヌが【チャージレーザー砲】を発動、スキルリンク!』
『フリオニールが【極光爆滅波】を発動、スキルリンク!』
『ティアラが【カオスランサーストーム】を発動、スキルリンク!』
壊れろ!
『【カオス爆滅チャージハイメガマッチョ地獄グスタフ砲】が【クアドラバリアフィールド】の1枚目を破壊しました!』
壊れろ!!
『【カオス爆滅チャージハイメガマッチョ地獄グスタフ砲】が【クアドラバリアフィールド】の2枚目、3枚目を破壊しました!』
壊れろぉぉおおお!!!!
『【カオス爆滅チャージハイメガマッチョ地獄グスタフ砲】が【クアドラバリアフィールド】を完全に破壊しました!』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【シールドユニット】を展開、ガード! S-40虚飾の王(Lv,????)が合計33,500Mダメージを受けました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が補助システムを起動、立ち上がろうとしています』
「頭が高いッ!!! やれどん太!!!」
『ワウワウッ!!! (ずたがたい!)』
…………なんか違う!
『どん太が【修羅魔狼流星群】を発動、流星の如き突進が敵を打ち砕く! クリティカル! S-40虚飾の王(Lv,????)に合計26,100Mダメージを与えました。S-40虚飾の王(Lv,????)が崩れ落ちました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が立ち上がろうとしています』
『双子座のイル・エルが【ダブルスティール】を発動、S-40虚飾の王(Lv,????)の脚部関節パーツが引っこ抜かれました』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が崩れ落ちます』
『S-40虚飾の王(Lv,????)が【ギガデスビームソード】を投げつけます』
『山羊座のドミエラが【パーフェクトガード】を発動、攻撃を無効化しました』
あの手この手と小賢しかったよ、虚飾の王。残り30秒、最後の足掻きもドミエラが止めた。使える武装はもうほぼ残ってない、殺意極まる6人がもう直きお前を攻撃範囲内に捉える。私は今、万が一に備えて中暗黒球体を繰り出す準備をしてるし、後衛組も二の矢を構えてる。
「――――参るッッッッッ!!!!!」
『姫千代が神技【無双国守】を発動――――』
これが、お前が身の程知らずの愚か者と呼んだ連中の力だよ。もう一度スクラップからやり直せ、身の程知らずの愚か者が。
◆ ◆ ◆
『…………勝ったのか、虚飾の王に。信じられん』
『彼女達なら、我々を……』
『だが危険ではないか……』
『そう言って何百年行動に移れなかった? これが恐らく最後のチャンスなのだ、もうコールドスリープはまっぴら御免だ』
『確かに、施設はもう限界が近いだろう……』
『リメン、お前の言う通りにしよう。彼女達に賭けよう』
『頼んだぞ、リメン……』
『ああ、任せろ。昔から私の得意分野だ』





