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366 ジャンクケイヴスクラップ作戦・6

◆ ジャンクケイヴ・シャウタ最下層 ◆


 今まで私が相手してきたボス達は、とても優しかったんだなと。なぜならばボスに挑む際は基本的に万全の状態から開始出来て、なおかつボスとだけ、またはボスとその取り巻きとかとだけ戦闘ができた。ボスとの戦いに集中が出来るからボスの行動だけを注視し、見ていなかったから負けたという場面は今まで存在しなかった。


『デロナが【グレーターリザレクション】を発動、天秤座のカムイが復活しました』

『【反魂の儀式】を発動、フリオニールが復活しました』

「前衛が立て直した! どん太が道を覚えてる、どん太に続いて袋小路を避けて後退しつつ応戦!」

『苦しいが、止まれば死ぬぞ! 動き続けるんだ!』

「赤タフのビームソードに注意して背中の保護装甲を狙って! イルエル組で一撃を狙って!」


 次から次へと出てくる雑魚、倒しても倒しても補填される赤タフ、攻撃の手を緩めることなく襲いかかってくる鉄の人馬、赤タフに接近を許せば誰かが全力で相手をしないとならず消費されていくリソース、圧倒的に巨大な鉄の人馬に押しつぶされないよう常に退路を確保して逃げつつの戦闘、当然歩けば歩くほど雑魚遭遇のリスクも高まり、また雑魚と赤タフに囲まれ、鉄の人馬に迫られれば押し潰される。

 おにーちゃんは防御にリソースを完全に回しているせいでフルリペアによる復活が出来ず、私が反魂の儀式を切らした途端にタンクが潰れてパーティは全滅する。何かの拍子で誰かが雑魚処理に手間取る、赤タフ抜け漏れによる後衛組が壊滅でもパーティが全滅する。


『S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)がS-32警備兵R型(Lv,????)を投げつけました!』

『フリオニールが【マイティガード】を発動、幸運発動! メガカウンターミサイル! S-32警備兵R型(Lv,????)を跳ね返しました!』

『S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)が【ハイギガビームソード】を発動、S-32警備兵R型(Lv,????)が溶解しました』

「無駄行動を踏ませた! 作戦B!」


 こうやって時折無駄行動を踏んだ場合、遠距離攻撃が可能な攻撃組が反撃に出られる。ただし鉄の人馬の脚部だけでも2グスタフはあるし、頭の先まで10グスタフはある。一番的が大きい胴体の装甲は尋常じゃなく硬いし、高高度までジャンプすれば雑魚のA型が突然反応して射撃されて蜂の巣にされる。挙げ句ハイギガビームソードで焼き払われる。必然的に狙うのは脚部になるけど――――これがなかなか当たらなくて困る。


『オーレリアが【禍津・地獄焼夷猫】を発動、MISS……。対象が存在しません』

『ティアラが【カオスランサーストーム】を発動、S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)に3,100Kダメージを与えました』

『グスタフが【ブーメランアックス】を発動、MISS……。対象が存在しません』

『クソがッ! 上手く立ち上がって避けやがる!』

「しかもあの巨体で妙に素早いです! イライラします!」

「避ける時に必ず軸足になるのがあるはず、それを狙って!」

『蟹座のクーガーが【マッスルビーム】発動、MISS……。対象が存在しません』


 あの巨体で身のこなしが軽い。間違いなく攻撃を当てられるのはティアちゃんぐらい。近接戦闘ならカムイちゃんとサリーちゃんと千代が当てられるけど、近くに行くとウルトラマナバーストっていうマナを身体の周りに集めて爆発させる攻撃で一掃される。当然のようにバフ解除と無敵貫通付き。ティアちゃんのダミーを貰いたいけど血液ゲージが全く足りないから無理、味方から集めてもいいけど血液量が減るとデバフが入るからやりたくない、1人でも動きの悪い人を作りたくない。


『S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)が【超! 大激震!】を発動』

「来たっ! 飛翔方陣!」

『は、ははは、はい~~っ!!』

『魚座のルゥが【飛翔方陣】を展開、方陣内のパーティ全員が3分間【飛翔】状態を獲得します』

『【超! 大激震!】により、周囲のモンスターが全滅しました』

『【飛翔方陣】が破壊されました。【飛翔】が失われました』


 さっきやられた時は殆ど壊滅状態になって、生き残ったほぼ全員で神技を切って時間を稼いで立て直したけど、今度は逆に全員生き残った! 今神技が残ってるのは私、千代、ティアちゃん、ゼオちゃんだけ。他は全員使ったからない。でもここがチャンスと私は読んでる、なんせこの技を出した瞬間は飛び上がってから脚が全部地面に接地してる状態、連続でジャンプするには――――!!!?


『今が好機! 前足を狙――』

「後退! 後退! 攻撃中止攻撃中止! 作戦Aに戻す! 全力でここから離れるよ!!!」

『どうしてだと考えるのは後だ! 全員後退! 攻撃中止!』

『こんだけ足を止めればよォ……!』

『後退だぞノンナ!』

『こいつだけくれてやらァ!!!』


 ノンナさんが逃げ遅れる!!!


『牡羊座のノンナが【不動無拍・月穿】を発動、クリティカル! S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)に35,500Mダメージを与えました』

『S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)の左前足が破損! 機動力が減少しました!』

『蠍座のサリーが【投網】を発動、牡羊座のノンナが【強制拘束】状態になりました』

『回収~!』

『蟹座のクーガー・龍将ヴァルフリートが勢いよく網を引き寄せます』

『うおァッ!?』


 ナイス回収サリーちゃん、そしてナイス引き寄せビームコンビ!! 急いでここから逃げないと、早く逃げないと!!!


『進路に雑魚が多い』

「道を切り開かねばなりませぬ!」

『ワォォオオオオーーーーーーン!!!』

「どんちゃ! 突撃です、私も居ます!」

『ゼオが【魔杖・獄炎】を振りかざし、【獄炎】を発動しました』

『姫千代が【乱華閃舞】を発動、周囲のモンスターを攻撃します』

『天秤座のカムイが【銀色の稲妻】を発動、周囲のモンスターをランダムに攻撃します』

『どん太が【魔狼流星】を閃きました。【魔狼流星群】を発動、超強力な突進攻撃を複数回放ちます』


 カムイちゃん、千代、どん太、ゼオちゃんが道を開いてくれる、殲滅力を信じて全力でここから離脱! ん……!? どん太がなんか閃いてる!? 凄い、分身がバラバラに出てきて色んな敵に突進ぶちかましてるじゃん!


「りんねーさま!!! どうして、チャンスだったのに!」

「ッ!!! 建物が……!」

「く、崩れますっ!!!」

『さっきの馬鹿みたいな巨大衝撃波の影響か!』

『言われてみれば確かに、ここらは比較的脆い建物が多いのう!』

『うむ』

『ヒャア~~……!!』

『サリーちゃんに感謝してよね、あんたもうちょっとで瓦礫の下よ』

『人馬が』

『巻き込まれる』

『【エリアアラート】S-C1エリアの建物が倒壊します!』


 エリアアラート遅すぎ! これに気がついてから退避じゃ絶対間に合わないからこれ! 鉄の人馬は、ノンナさんが足に一発入れたお陰で巻き込まれる……!!! やった、ギミック討伐みたいな形になっちゃったけど、これで……。


『S-40殲滅戦闘兵K型(Lv,????)が【出力全開】を発動』

『あいつ、ギリギリ抜け出てくるぞい!』

『ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ』

「影だ、正面右方向!」

『見えるッ!』

『獅子座のレオンが【獅子の一撃】を発動、クリティカル! 超S-36特殊戦闘兵D型(Lv,????)の動力部を一撃で破壊し撃破しました。経験値 900G 獲得』


 やるぅ! さすがレオンさん、こういう時の頼れる一撃が格好いいんだ! しかし、あいつ……しぶとい! まだ追いかけてくる、あのまま建物に巻き込まれて潰れればよかったのに! 向こうの殲滅用の戦闘兵器だ、そう簡単には行かないってことね……。


「この先はどうなってるの!」

『あ。この先、広場!』

『双子座のエルが【シックスセンス】を発動、周囲のあらゆる情報を感じ取ります』

『双子座のイルが双子座のエルの情報を共有しました』

『敵が少ない、多分どこかに偏ってる』

『『反撃するならここがチャンス』』


 広場、敵が少ない……相手が自由に動き回るリスクもあるけど、足が破損してる今なら迎え撃つチャンス……。ここで迎え撃とう!


「この先の広場で一度本気で戦闘する! 不利を感じたら作戦Aに戻して逃走、構えての戦闘を作戦Cとします!」

『聞いたか! 広場で構えて戦闘だ!』

『ここまでの鬱憤を晴らす時だ! 不利なら逃げるがな!』


 よし、かかって来い! 戦ってやる!!!


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