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363 ジャンクケイヴスクラップ作戦・3

◆ ジャンクケイヴ・シャウタ・下層 ◆


 上層は大きな障害物とかがないから敵を釣りやすい、逆に相手から見つかりやすいってことでもあるんだけど、中層と下層に比べればまだ歩きやすい。なんせ中層と下層は中途半端に形の残ってる建物とかがあるせいで、物陰からやっほ~とばかりに敵が飛び出してくる。これが中層と下層の主な事故原因になってて、これが大量にいる射撃型の雑魚ならまだ良いんだけど、近接戦闘に特化してるタイプが数体紛れ込んでてこいつが強い。さっきもルゥちゃんの守護方陣、デロナちゃんのプロティシルドの効果で耐えたから返り討ちに出来たけど、ここ下層にソロで来るには相当の実力がないと厳しいね。


『腕が鈍ってるのう……』

『敵潜伏、発見困難』

『ッチ、ネズミみてえにコソコソ隠れて襲ってくる奴が居てウザってえ!!!』

『落ち着くんだグスタフ! 我々の統率が崩れるのを狙っているようだ!』

『わーーかってる! お前こそすぐにその、筋肉波動光線を発射するのやめろ!』

『これは挨拶だからな!』


 挨拶でマッスルビームを発射するのはどうかと思う。それだとビーム発射出来ない人は挨拶が出来ない無礼な人になっちゃうと思うんですけど。


『その槍を、ドヒャアアーーーっと広範囲にやるの、どうやるんだですかぁ!?』

「え、えっと、ぎゅ~って力を込めて、ばぁぁ~~っとします!」

『ヒャア! 全然わかんねえ!!! でも術じゃないなら、俺も頑張れば出来るかぁ?!』

「術ではないんですよっ! えへっ」


 ノンナさんはティアちゃんのカオスランサーレインに興味津々なのね。それは吸血鬼の槍のおかげで増えてるスキルだと思うから、ノンナさんには無理なんじゃないかなあ……。そもそもティアちゃんのそのギュッとしてばぁ~も大概意味分からないからね。ただひたすら可愛い。


『こうか……? ギュッとして、ドヒャア……ギュッとして、ドヒャア……』

『それで槍が増えたら誰も苦労しない』

『それはそう。そう簡単に出たら困る』

『牡羊座のノンナが【ダブルマナランサーシュート】を閃きました』

『お? お?! お?!?! ギュッとして、ドヒャア!!!!』

『牡羊座のノンナが【ダブルマナランサーシュート】を発動、S-21警備兵A型(Lv,330)に合計1,050Mダメージを与えました』

『出た』

「嘘でしょ」

『なんで?』


 なんでその、ティアちゃんの説明から使えるようになるの? イルちゃんとエルちゃんも困惑してるじゃん。やっぱりモヒカンのおかげ? 独特の感性をした髪型してるから? モヒカンのおかげで新しいスキル閃けるんだったら、私も独特な髪型目指そうかな……。


『オーレリアが【禍津・地獄焼夷猫】を発動、くっくっく、S-21警備兵A型(Lv,330)は丸焦げにゃ、ぴくりともうごかない。経験値は 12G ぐらいだにゃ』

「やるならちゃんと倒してくださいねっ!」

『あ、すみません……』

「次から気をつけてくださいっ!」

『本当、気をつけます……』


 何かをやらかしたりヘマした時は真面目に謝るんだよね……。見た目と性格が一致していない! それにしてもリアちゃんに怒られてるノンナさんのこの構図……シュールだわ。後、リアちゃんのバトルログが低確率で大親分猫のメッセージに差し替わる時があって面白いんだよね。倒したログは初めて見たけど、ぴくりともうごかないって表示になるんだ。色んなパターンが見たくなる奴だこれーー……!!


『体内で圧縮したマナの具現化による攻撃か。俺達龍族はブレスとしてそれを発動するのに長けている種族だが、人間は訓練次第では様々な形状を具現化出来ると聞く。興味があれば体内のマナのコントロール術、圧縮から具現化に至るまでの流れを教えよう』

「え、そんな凄い技術を教えて大丈夫なんですか?」

『俺達龍族はガキの頃に親から学ぶ初歩中の初歩の技術だ。親しい同族以外には伝授してはならないとされているが、ヴァハール龍神王国と魔神国は同盟国、魔神様は俺達を家族だと仰ってくださった。リンネ殿達と俺は既に、背中を預け合う仲間。親しい同族と俺は認識しているが、どうだろうか?』


 ビックリするほどヴァルフリートさんと私達の親密度高くない? 昨日起きたばっかりの時は口には出さなかったけど、『なんだこの人間は』ぐらいのオーラを発してたのに。いったいヴァハールさんやバビロン様と何をお話したんですかね……。


『それに、リンネ殿は俺達ヴァハール龍神王国にとっては救世主のような存在だ。ここまでスムーズに同盟国になり、更には現状抱えている問題解決にも力を貸してくれている。何か少しでも恩を返せないとだな……その……』

「ありがとうございますヴァルフリートさん。ヴァルフリートさん()そう思っていてくれて私も嬉しいです。是非ここでの鍛錬を終えた後か、鍛錬中にも余裕があれば!」

『そうか、わかった! では、まずはこの場を切り抜けるとしよう!』

『特殊クエスト【マナコントロール伝授 (ヴァルフリート)】が発生、自動受諾されました』

『龍将ヴァルフリートと【異種族義兄妹】になりました。フレンドリストに登録されました』

 

 ん゛っ゛!? ああ、バビロン様が家族だって言ったのを私も認めたから、ヴァルフリートさんと私も兄妹だ! みたいなノリってこと……!? それに特殊クエスト、これは……特殊能力を獲得出来るクエストだーー!! メロウちゃんとかイルエルちゃんの講義で満点を出せると貰える【トレジャーハントLv1】みたいに、何か貰えるやつだーー!!! やったぁぁあああ……!!!!!


『わうわう! (迷路みたいだよね!)』

「確かに、迷路みたい思います。私は道覚える、苦手です……」

『わふっ! (僕、おぼえてるよ!)』

「どんちゃ、覚えてるですか? 凄いです、もうどっちが来た道わかりません!」

「リンネと一緒に行動すると遠くに行くことが多い。オートマッピングが出来る装置を作りたいな」

『あ、サリーちゃんは昔ね~高いところから周囲の地形を偵察出来る魔導具持ってたんだ~♡ ね、リーダー。ね~~?? いつ返してくれるんだっけ? ね~? ね~~??』

『(; ゜д゜)!!!』


 なにやってんのよおにーちゃん……。絶対遊んで満足してどこかに置いてそのままになってるでしょ……。ちゃんと返しなさいよ……。


「なるほど、空の目ということか。面白いな、今度それを参考に作ってみよう。サリーさんは」

『サリーちゃん♡』

「…………サリーちゃんは、それをどこで手に入れたんだ?」

『なんだっけ? ジェレフ男爵の屋敷にあったんだっけ? 昔始末した腐敗貴族の家にあったやつを貰ってきただけ~♡』

「な、なるほど……」

「すみませんサリーちゃん、今度弁償させますから……」

『大丈夫大丈夫、全員リーダーに貸して返ってこなかった系の魔導具いーっぱいあるから♡ もう弁償額莫大だし、今後その悪癖を無くしてくれればいいから~♡』

『m(_ _;)m』

「おにーちゃん、これからは借りたらちゃんと返す、片付けもちゃんとやるって約束ね。出来なかったら、本気でカジノとゲーセン出禁にするからね」

『( ゜д゜)!?』


 これだけ言って治らなかったらもう、そりゃあおにーちゃんの大事なものも取り上げるでしょ。おにーちゃんはしっかりと反省するように。


「中層に比べ、下層は建物の陰からの奇襲がっ――!!!」

『S-22警備兵R型(Lv,????)が【スーパービームソード】を発動、プロティシルドが破壊されました。守護方陣が攻撃を阻みました (耐久度22/100%)』

『姫千代が【葬滅斬】を発動、S-22警備兵R型(Lv,????)に2,770Mダメージを与えました』

『どん太が【剛破三段掌】を発動、クリティカル! S-22警備兵R型(Lv,????)に1,910Mダメージを与えました』

『ヴァルフリートが【小龍砲】を発動、3,990Mダメージを与え、撃破しました。経験値 40G 獲得』

『レベルが191に上昇しました』

『どん太がレベル71に上昇しました』

『オーレリアがレベル91に上昇しました』

『フリオニールがレベル76に上昇しました』

『姫千代がレベル151に上昇しました』

『マリアンヌがレベル66に上昇しました』

『ティアラがレベル121に上昇しました』

『ゼオがレベル81に上昇しました』

『デロナがレベル81に上昇しました』


 うわあ! 言ってる側から奇襲受けたぁ!! しかも赤いやつの、エリート版じゃないこれ!? 番号が1つ上だし、そうだよね! わ~~こいつのエリート版も居るんだ、焦った~~……。


「か弱き我らの盾となれ、プロティシルド!」

『デロナが【プロティシルド】を発動』

『ルゥが【守護方陣】を修復しました』

「わ~びっくりした……。赤いやつのエリート版だよ、これ!」

『赤にも強化版が居るとは……。用心しよう、これが赤の強化版だそうだ、全員確認を』

『第二班が確認終わったら俺らも確認するぞ~! 赤の強化版、なかなかに恐ろしい奴だ!』

『キラキラ』

『大きい、しっかりしてる』

『エルから【?スペシャルジャンク】を受け取りました』

「おお~……! ありがとう~~!!」


 これはね、アーティファクトの予感をガンガン感じるね! 一応他のと混ざらないようにタグ付けておこ、【?スペシャルジャンク (赤エリート)】っと……!


「確認が終わったら、次は最下層エリアだから、また赤エリートが出るかもしれないって頭に入れつつ、昇降機目指して進もう~!」

『全員確認が終わった。こっちは移動できる』

『こっちも確認済みだ、移動できるぞ!』

「よし、移動! 確実に慎重に、かつ攻撃は迅速に!」


 上層、中層、今いる下層って既に30分以上歩いてて、ここまで相当な数の敵を倒したのにまだレベルが1しか上がらないのと、次のレベルまでに必要な経験値量が12,000Gっておぞましい数字が見えるんだけど……? これ、さっきが10,000Gだから確実に……2,000Gも増えてるよね!? 180ぐらいから要求量がおかしい気がしてたけど、まだ増え続けてるじゃん! 経験値の要求量頭おかしくない??? 地獄は~ど♡ とかの経験値、カッスカスじゃん! アレは今後完全にアイテム目当てのダンジョンになるね……。

 えっと、ここの雑魚が1体40G、100体で4,000G、これを3パーティで割るから……。単純に考えると190から191に上がるには750体ぐらい狩らなきゃダメってことかな? あ、これキツイ……! お昼寝さん達を絶望させないように、190からの経験値テーブルはどうしても見たいって覚悟を決めた人だけが見られるようにネタバレ防止の付箋張って投稿しておこう……。


『下層でこれだけデカくなったってことは、最下層は小さい子供ぐらいか?』

「0.25グスタフぐらいですかね」

『なんで俺が単位なんだァ!?』

「あっ、本人が居たんだった。すみません」

『しかも常用してるだろその単位、なあ!?』

『落ち着くんだグスタフ! 今のはきっと、大きいという意味で褒められているんだ! な、そうだろうリンネさん!』

「そ、そうですね……。嫌だったら、今度から単位をクーガーに直します……」

『いや、デカさの比較として褒められているなら、いい。これからもグスタフでいいぞ。クーガーはダメだ、グスタフにしろ』

「あ、はい!」

『くぅ……! グスタフより先に復活できていれば、単位は俺だったかも知れないのに……!』


 いや、うーんどうだろう、それでも単位はグスタフだったかもしれないですね……。なんかこう、大きさとの比較として、グスタフさんが丁度いいんですよね、なんでだろうね。とりあえず次のは50センチの箱に足が生えたみたいな奴らだから、結構大きいし……量に押しつぶされないように注意しましょうねってことで……。


『見えた』

『昇降機』

『焦らず慌てず落ち着いて、まずは安全確保だ! 総員、奇襲に警戒!』


 いよいよ次が最下層、昇降機に乗れば現場に到着よ! さあ、やるぞーーーレベリング! 何時間でレベル200に到達するかな、出来れば今日で到達したいけどね! 頑張るぞーっ!!!


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