360 ログイン23日目
◆ 私立鹿鳴寺学園【1-1教室】 ◆
昨日、私がログアウトした後に大きな会議があったんだって。真弓から聞いた内容だと、私にこのままだと置いていかれて離れすぎるから、ギルドと同盟全員で昨日シャウタ最下層でやってたトレイン狩りをやるんだって。どういう形でやるのかなーって気になって内容を見せて貰ったんだけど……うん。多分これまだ実施した人はいないんだね。私も昨日ログアウト直前に気がついた内容だし、みんなピリピリしてたからそのまま落ちちゃったから言えなかったんだけど……。
「エリートモンスターが混じってるんだよね。多分5体ぐらいかな、ボス扱いみたいな強いやつ。これだけちょっと違うんだよ」
「え゛っ゛」
「基本的には殆ど同じなんだけど、HPが高いとか、射撃の狙いが良いっていうか、行動もちょっと素早い感じだったり、ダメージを与えるとミサイル撃ってくるとか行動変わるやつ。見た目もログも全く同じなんだけど、居るんだよね」
「え゛っ゛」
昨日数回やって気がついたんだけど、見た目が全く同じなんだけど一回り強いやつが混ざってる。どん太的にはコイツが厄介で、デロナちゃんに防御バフを貰って行けばカスダメを受付けないで悠々自適に歩けてたんだけど、一回り強い奴の攻撃がどかーんと通っちゃったんだよね。しかもうっかり反撃してHP減らすとスイッチが入っちゃって、今度はミサイル連射モードになっちゃうっていう。
「だから、狩る前に最初にHP減っててスイッチ入ってる奴を居なくするために、全員でグルっと掃除してからやったほうが良いよ。急に動きが良いのが居てビックリするから」
「これは大変ですわ、絶対に掃除してから開始しますわね……」
「あとね、マップ内に人数増えるとモンスターの数も増えてる。昨日レーナちゃん達のパーティがちらっと様子見に来た時、全部集めて100体だったのが120体に増えてたもん。多分人数によって比例してモンスターの数も増えると思う。限度は有りそうだけど」
「え゛っ゛」
後はモンスターの数がプレイヤーの数に比例して増えることぐらいかな。うちの子達総出で9人、修行だって聞いたらついでにくっついて来たヴァルフリートさん含めて10人。それにレーナちゃんパーティが様子見に来た時で瞬間的に18人になった時、モンスターの数が20体ぐらい増えた。釣り忘れってことじゃないと思う。明らかに増えてたもん。
「ちなみに今日ね、ヴァルフリートさんが戻って『失われた力が戻ってくる感覚だった』って魔神兵さん達に喋ったから、魔神兵さん達も引率予定なんだよね。22人パーティになる予定だったり」
「カーミラさん以外全員ですの……?」
「そう、カーヨコちゃん以外の全員。ヴァルフリートさんとクーガーさんが統率スキル持ちでパーティ作れるから、あ~行けるな~って。一応サブクエストで発注されてるんだ~、魔神兵と共に修行しようってクエスト」
「クエストですの……!?」
「ですの」
とりあえず今日魔神兵さん達含めて22人、大規模な狩りになる予定。私はレベル200を目指して、ヴァルフリートさんはレベル450、魔神兵さん達もレベル200を目指す予定みたい。チャプター2から魔神兵さん達はバビロンちゃんから借りてた力を返したみたいで、カーヨコちゃんが本気出してレベル980、その下が一番高い人で190まで落ちちゃったみたいだから、頑張って修行しないといけなくなったんだって。
「わっちも釣り役なんですけど、だ、大丈夫、かな……」
「外に出るか、次の層に降りる昇降機で次行くまで、一度ターゲットに入れたらずーーーっと追いかけてくるから、それさえ気をつければ大丈夫だと思う。あ、接近してない状態で他の人をターゲットしてる警備ロボを殴るとタゲが移るから、それだけみんな気をつけたほうが良いと思う。設置系攻撃でもタゲ移るから」
「あ~~残り火とかでも、移る……?」
「リアちゃんのにゃぱーむが残ってる内にリポップしたやつがダメージ受けて、リアちゃんにまっすぐ向かっていったから注意しないとリポップ事故死とかするかも」
「リポップ掃討までワンセットですのね、注意喚起しないとですわ!」
「き、気をつけよう……」
「エリート、タゲ移り、リポップ事故死、殲滅リソース切れ、これに注意すれば安全だと思うよ」
「わかりましたわ! ありがとうございます、リンネさ~ん!!」
「本当に、あ、ありがとう、気をつけてやってみみ、みる!」
「こっちも注意しながら、少しずつペース上げていく予定~……予定だけどね~」
まあまあ、ヴァルフリートさんも居るし、魔神兵さんもカーヨコちゃん以外全員集合だし、まず大事故が起きるようなことはないと思うんだけどね~……。昨日1時間弱ちょろっと触ったぐらいだから、まだわからないんだよね。一応最下層の戦闘警備ロボ、あいつらHPが1体5Gもあるし、エリートに至っては多いと20G超えてたし、討ち漏らしだけは本当に注意しないと。油断したら10Mダメージで消し炭にされちゃうよ。
「そ、それって何の話、なんですか……?」
「新しく見つけたコンテンツ。敵のレベルが500とかあってかなり怖いところ」
「ご、ごひゃ……!?」
「舞さん達は加賀利で牛骨狩りが背伸び狩り出来るかもしれませんわね!」
「三上さんがシューティングアローレインで纏めて狩れる場所がいいかも。下手に背伸びして毎度疲れるより、コンスタントに狩れる狩り場のほうが楽だよ。砂漠西部で雑魚ラッシュがいいと思う」
「ざ、雑魚ラッシュ……ですか……?」
舞さん達って確か、レベル100から110ぐらいだっけ。バビロニクス西部の雑魚モンスターを一定周期で狩り続けてればかなり効率よくレベル上がりそうなもんだけどね。レベル100ぐらいって1Gもあればレベルあがったはずだし、レベル120か130ぐらいの急に壁になるところまで砂漠の雑魚狩りがいいかもしれない。
「砂漠の時給が50ギガぐらいだって言ってたから、それのペースの半分だとしても25ギガ、レベル100が要求1ギガぐらいだから、120ぐらいまでは1時間も頑張れば上がるかも」
「火と地属性攻撃、お、多いから、属性防御だけやって、タンカーにヘイトとと取らせて、ヒーラーがしっかりしてれば、大丈夫な、はず」
「え、ちょっと皆来たら相談してやってみます!」
「いつもギリギリだな、譲二達は……」
ん~……色んな人が狩りを楽しみにしてるこの光景、いいね~。皆いっぱいレベル上げて、ジャンクケイヴでジャンク品拾ったり、地獄は~どで結晶拾ったりして…………私の装備品の強化素材を掘ってきてください。足りないんです、絶対数が。買います、買いますから……。どうか追いついてください……。
◆ ◆ ◆
いや~今日の学校は、長かった! 長く感じただけで全然学校の時間が伸びたわけではないんだけど、授業の時間中『早く終われ~早く終われ~……!』ってなってた。ちゃんと授業は受けてるし内容も理解してるから早く終わって欲しいって何度思ったか。休み時間と昼休憩の時間以外がとにかく長かった!!
そして、はい! 帰ってきました、自宅です! 夕食を爆速で食べて、大好きなお風呂も普段よりほんのちょっぴり短くして、さあ諸々準備できたからログインするぞってところで、あ~そういえばバビ様ポーションを昨日ログインボーナスで貰ったんだったわって思い出したね。
『にゃ、にゃんにゃにゃにゃ~ん……。バビロン様からの代理です……にゃん……。この特別なメッセージは、我々が迷惑をかけてしまった異界人限定の、メッセージです……にゃん……』
『――――バビロンオンラインへようこそ!』
『ログインボーナス受け取り22日目、です……にゃん。22日目記念で、にゃんを語尾につけなさいと……あ、にゃん……。プ、プレゼントを、早く受け取りなさい。そして今のは、わ、忘れなさい』
『バビロンちゃん (の、代理の魔神兵カヨコ) からのプレゼント! 22日目の特別なログインボーにゃス【◆特製つな缶・にゃんだふる味】を獲得しました。賞味期限は残り50時間です』
『あ……にゃ、にゃん……バビロン様、もう、どうかお許しを…………あっ、にゃん……』
――――????????
「おかえりなさいお姉ちゃん! お姉ちゃん??」
「…………????????」
「りんねーさま! おかえり! 待ってたんだよ……? どうしたの??」
「リンネ様ー! 皆さんと、クリームたっぷりのマカロンを作りましたー! おひとつ……?」
「…………????????」
…………にゃ、にゃんだ、今の…………?
『おや、来ましたかリンネさん。今日はクーガー達をどうか、よろしくお願いいたしますね』
「任せてにゃん…………」
『にゃん…………?』
カーヨコちゃん、今私……どういう顔をすればいいか、わからにゃいの…………ちょっと、心の整理をする時間を頂戴にゃん……。
――――に゛ゃ゛ん゛。
訳:常日頃より感想、支援ありがとうございます。できる限り返信を心がけていますが、返信出来る時間に限りがあり、全員に返信が届けられないことをどうかお許しください。全ての暖かい感想に目を通しております、励みになります!