353 ヤバいお友達
◆ 生命研究所 ◆
デロナちゃんのお友達と親睦を深める夜のお茶会の後、今日はお昼寝しなかったから既に眠いモードだったデロナちゃんとゼオちゃんが寝てしまったので、決まった配置のないメロウさんが暇だって言ってたので、デロナちゃん達に案内して貰わなかったところまで紹介して貰えることになったんだけど……。
『ここは戦闘シミュレーションルームで、仮想空間での戦闘が行える施設になっておりまして~。はぁいぃ~』
「あれ、は……?」
『あ~……。あちらはこの研究所が復活してから増えたものですねぇ~~……。我々には反応しないのですがぁ……』
「ほええ……」
研究所の戦闘シミュレーションルームにね、あのねえ……『はい、私はダンジョンです。どうぞこちらへ』みたいな感じで、どでーーんとポータルがあるんだよね。しかも2つ。ちょっと確認だけして来よっかなぁ……。
『大丈夫ですかぁ~……? ドク達には一応、近寄るなと言われて居ましてぇ~……』
「多分大丈夫だと思う。似たようなのを今までも結構確認してきたから」
『そうなんですかあ!? 外にはこのようなものがそれなりの数あるんですねえ~……興味深いですねえ~……』
【Life Labo Daughters】(推奨:総合500Lv~)
・4人まで入場可能
・召喚等による人数増加不可
・5連戦 (2人ずつ登場)
・相手は通常スペックでの登場
・何度でも挑戦可能――
【Life Labo Daughters NO MERCY MODE】(推奨:????)
・慈悲はない
・【必須】クエスト【????】をクリア
・【必須】クエスト【????】をクリア
・【必須】ダンジョン【Life Labo Daughters】をクリア
・4人まで入場可能
・召喚等による人数増加不可
・3連戦 (4人・4人・2人の順で登場)
・相手は最大スペックでの登場
・何度でも挑戦可能――
ちょっともう片方の方は見なかったことにしよう。
『おお? 光りました、光りましたよ~!!』
「あ、これちょっと無理」
『どのように無理なのですか~? 危ないのですか~?』
「ん~……。私達みたいな異界人が好きなときに利用できる施設で、仮想の世界でメロウさん達10人と連戦出来るところ、かなぁ?」
『まあ! まあまあまあ!! セブンシスターズだけでも相当大変でしょうねえ~……』
セブンシスターズ? セブンシスターズって誰……ああ! もしかして名前の後ろの数字が7で終わる子達ってこと? 確かに7で終わる子達、半端じゃなく強いし多分そうだよね。
「セブンシスターズはエスイリーナちゃん、ジーナちゃん、アイナちゃんの3人ってこと?」
『いえいえ~そこにデロナも加わっての4人ですよ~。戦闘力が特に異常なこの4人が、セブンシスターズになりますねえ』
「ああ! デロナちゃんもか、うっかりうっかり……」
あ、デロナちゃんもか! ちゃっかりうちの子扱いしてたせいで完全に抜けてたわ。ってことはこの5連戦での10人にデロナちゃんとゼオちゃんも含まれてるっぽくない!? 絶対含まれてるでしょ!!!
『デロナはなかなか懐かなくて大変だったでしょう~? デロナは新しい子をとにかく警戒しますからねえ~』
「え?」
『え?』
え、結構懐くの早かったような気がするんだけど……?
「そんなことは、なかったかな……?」
『え、そ、そんな、もしかしてデロナが懐くの遅かったの、私だけなんですかあ~~??! 皆同じ反応をするんですよ~!?』
ああ、うん、メロウさんだけ懐かれるまで時間がかかったのね。でも申し訳ないんだけど、デロナちゃんが大切なお友達って紹介してくれなかったら私も間違いなく警戒してたと思うよ。だってメロウさんってなんだかこう……独特の胡散臭さっていうか、うーん。私もさっき気がついたけど、メロウさんだけ『メロウさん』って呼んじゃったんだよねえ……。他の子はちゃんで行けたし、一瞬迷ったのはイリーナちゃんぐらいだったし……。
「…………メロウさん、若干胡散臭い笑顔をすることあるから、うん。多分それが原因だと思う」
『そんなに胡散臭いですかあ~?! あ、あ、ちょっと顔面に自信がなくなってきましたねえ~……』
「でも今は大丈夫なんだから、大丈夫じゃないですか? あと、お顔も性格もとても良いので自信を持ってください」
『…………あらっ!? ちょっとドキッとしました、ひょっとして恋? な~んちゃってっ! さ、さ、次に行きましょうねえ!』
「あ、じゃあメロウさんが良く行くジャンクケイヴってところに行きたいです」
まあまあ、後はとりあえずメロウさんが良く行くっていうジャンクケイヴに行って、アイナちゃん達とバビロニクスに向かってバビロン陣営の紹介をしないとね! よし、行ってみよう~!
◆ ◆ ◆
あ、ご主人行っちゃった。来たのにも気が付かないなんて、皆熱中し過ぎだよ~。
「イリーナ殿、もう一戦如何で御座いますか?」
『よくってよ。これで10戦3勝3敗4引き分け、次で決着をつけて差し上げますわ』
『わうっ! (ご主人行っちゃったよ!)』
「もう一戦、もう一戦だけ!」
『もう一戦ですわ!』
わう~~…………。
◆ ◆ ◆
そう言えば皆何やってるんだろって思って確認してみたら、ここに居ない組は全員ローレイの地下ドックに居て、千代ちゃんとどん太はシミュレーションルームに居たのね……多分使用中だったルームの一つに居たんだろうね。千代ちゃん、ジーナちゃんとイリーナちゃんとアイナちゃんに勝てないーって聞いた気がするから、そのうちの誰かとやってるのかな。
『申し訳ありませ~ん、おまたせ致しました~!』
「わっ……?!」
いやーメロウちゃん、そのスタイルでぴっちりとしたライダースーツみたいなのはヤバイよ、他所にそれで行っちゃダメだよ……? 歩く危険物所持法違反でしょ……。うちのマリちゃんと一緒に歩かせたらそれはもう移動型危険物貯蔵所みたいなもんだよ……? これはいけない、これはいけません。
『さ、ジャンクケイヴはトラップがいっぱいですから、気をつけていきましょうねえ~! 攻撃型の自動兵器は殆ど破壊したのですが、トラップを設置して回っている小型の工作機械は全然見つけられなくって、毎日数個の罠が増えて居ますから~』
「そんな危ない場所なの!?」
『ちょっと服が破れるとか、脱げる程度ですよ~? ここにある物資を持って行かれないように防衛するのが、彼らの任務みたいですねえ~』
「それは危険だわ……」
『お母様達から安全確認が出来るまで外に出るなと言われていましたから、ここに来るのは研究所復活後初めてですねえ~。何か変化があるかもしれませんし、気をつけましょうね~?』
「は~い」
メロウちゃんのほわっとふわっとした感じから特に危険じゃない場所なのかと思ったら、ガッツリ危険な場所じゃんここ。特に脱衣トラップみたいなのはダメだよね、それはダメだと思う。あ、うわ、ダンジョンポータルあるぅぅ……!!!
「あれは、前から……?」
『あれ? あら? あらあら、ここにも増えているんですねえ~。私が、先に確認しますねえ~♪』
「あ、ちょっと!」
危ないから用心して行こうって言った途端にメロウちゃんが率先して行くんだけど! って、あれ、飛び込んだりはしなかった……銃みたいなのを取り出して何かしてる……?
『ん~~……トラップではないようですねえ~。魔術的なものでもなさそうです、古代の技術も使われていないようですねえ。物理的な反応はなし、熱にも反応しませんし、これはどうですかあ~? 人型を形成したマナにも反応しませんねえ~……リンネさん達が使える施設と同じもののようですねえ~!』
「え、凄い手際がいい……」
『もう少し詳しく調べるなら、まだまだ調査道具は御座いますよ~♪』
「や、多分……ポータルっぽいから、私なら死んでも復活出来るし、踏んじゃうね」
『命が軽い!? 復活できるとは言えど、とてつもない勇気ある発言に驚きが隠せませんっ!!』
すっごいテキパキ調査してくれた……。あの銃みたいな奴は、罠を調べる道具なのかな。とりあえずダンジョンポータルっぽいし、私が確認してみようっと。
【ジャンクケイヴ:メロウ】
・【必須・済】外伝メモリアルクエスト【ドクター・ベルルスを死守せよ】をクリア
・【必須・済】クエスト【研究所入場許可】をクリア
・【必須・済】研究所所員から入場許可を得る
・【特典】探索スキルの種類によって、ペナルティを回避または軽減することが出来る
・2人まで入場可能
・毎日入場可能
・ランダム生成
・モンスターが出現しない
・多数のトラップが存在する
・奥に進むとジャンクレアリティが上昇する
・奥に進むと持ち帰る事が出来るジャンク量が減少する
・探索制限時間はない
『あ! また光りましたねえ! 異界人の不思議なパァウワァーですねえ~!』
「パァウワァー」
『それでそれで、どのような事が出来るものなのですかあ~??』
これは、完全に物漁りダンジョンだ……! ただしトラップ満載、ここの運営の作ったトラップなんだから絶対にヤバいのが勢ぞろいに決まってる。とりあえずここは、この大元の世界線とは異なる個人用のジャンク漁り用洞窟で、こっちの本来の洞窟のほうが調整なしの早いもの勝ち用の洞窟ってことで合ってる、かな?
「こっちの洞窟の中身がランダムになって、奥に行けば珍しいのが出るけど持って帰れる量が減るって感じ……かな?」
『まあまあまあまあ!! 行きたい、行きたいですね~~!! メロウも行けますかあ~~!?』
あ、テンションが上がると一人称がメロウになるんだ。お耳もぴょこぴょこ動きまくってて可愛いね。千代ちゃんみたい。メロウちゃんは尻尾ないけど。
「行ってみよっか、2人までなら――」
『特定条件を達成したため、メロウから自動フレンド申請が届きました』
『メロウのフレンド申請を受諾しました。【メロウの相棒】になりました』
『メロウとパーティを組むことが可能になりました。今後はフレンド呼び出し機能から探索型ダンジョンに同行させることが可能です。探索型ダンジョン内での戦闘にも参加可能です』
『探索型ダンジョンは以下の通りです』
【探索型ダンジョン】
・うみのどーくつ
・ひえひえこーざん
・原初に続く大穴
・森のめぐみ
・ジャンクケイヴ:メロウ
・宝物庫
・他、未発見
急にフレンド申請が届いてびっくりしちゃった、もしかして今メロウさんが自分を『メロウも~』って言った辺りがフレンド条件だったりする? ある一定の好感度が必要とか、そんな感じかなぁ……?
「2人で一緒に探検! お友達ともしたことありませんよお~! じゃあじゃあ、メロウとリンネさんは~……大親友? それだと皆さんがそうじゃないみたいになってしまいますねえ~……なんだか違いますねえ~……」
「あ、相棒……かな?」
「相棒!!!! 相棒!!!!! ん~~~……良いですねえ、相棒! メロウとリンネさんは、今から探索の相棒ですよお~!! さ、行きましょう行きましょう! ねっ! ねっ!」
「あわわわ……」
『メロウからパーティ申請が届きました』
『メロウ(Lv,550)とパーティを組みました。貴方がリーダーです』
「ごっ……!?」
ご、ごひゃくごじゅう!? そんなにレベル高いのぉ!? ヤバいって、実はメロウちゃんとんでもないレベルで強いって! こんなにレベル高い子、999のカーミラさんぐらいしか知らないんだけど! そこから見たら半分ぐらいだけど、単純に考えるとカーミラさんの半分より上ぐらいは強いってこと……だよね。ええ、ええ……? メロウちゃんがこれなら、他の子ってどうなってるの……?!
「あ! 一応、出来ることを教えておきますねえ? 何が出来るかわからない相棒なんて、居ても困りますよねえ?」
『メロウが貴方にステータス開示を許可しました。ステータスを閲覧可能です』
え、ええ……。見ていいの? 見ちゃうよ? 見る……っ!
・ステータス
【名前】M60
【レベル】150 (総合550)
【属性】強ボス属性・無属性・人間系・中型
【性別】女性
【職業】大怪盗 (200)・忍者 (200)・商戦士 (150) →■ファントム・メロウ
【魔界侵食度】+1,000
【HP】59,700,000 *3.0
【MP】15,000,000
【TP】90/90
【印】0
【STR】5,050
【AGI】17,750+3,000
【TEC】17,750+3,000
【VIT】5,050+3,000
【MAG】10,750
【MND】10,050+3,000
【特殊能力】
・スペシャル装備枠+2
・【独自・極】奥義:緊急脱出
・【独自・極】シルバーウィンドウLv3
・【独自・命】ヘルスブースターLv3
・【独自・速】シルバーウィンドLv3
・【独自・技】テクニックブースターLv3
・【独自・体】バイタルブースターLv3
・【独自・魔】マジカルブースターLv3
・【独自・心】アーケインエナジー抵抗Lv3
・気配遮断
・二代目大怪盗
・古代語マスター
【スキル・10/ (40-30)】
【ファントム・メロウ】
・ファントム・メロウ
┣スキル枠強制減少【10】
┣フィルタリング排除
┣職ポイント統合
┣大怪盗魔猫による存在証明
┣AGI+3,000
┣TEC+3,000
┣VIT+3,000
┗MND+3,000
・スティール
┣接触発動
┣HPを盗む
┣MPを盗む
┣職ポイントを盗む
┣ステータスを盗む (300秒間・全30%)
┣情報を盗む
┣装備を盗む (耐性有りなら300秒間のみ)
┣姿を盗む (600秒間・相手に変身する)
┣スキルを盗む (永続・相手のスキルをコピー)
┣職ポイント3消費
┗成功判定はAGI・TEC・MND依存
・アンロック
┣罠を解除する
┣鍵を解錠する
┣全ての状態異常を解除する
┣装備を解除する
┗職ポイント3消費
・大怪盗の印術 (全5ポイント消費)
┣抹殺【次に発動する攻撃スキルを超絶強化・消滅付与】
┣生命鼓動【HP完全回復】
┗精神統一【MP完全回復】
・大怪盗の革装備マスタリー
┗最終HP3.0倍
・スティール:マナ果実生成
┣【H08】からコピー中
┣【TP1】消費
┣【MP5%】消費
┣消費MPが増える毎に品質が向上する
┗ランダムで食事に向いたマナの果実を生成する
・スティール:分身
┣【I7】からコピー中
┣【TP5】消費
┣自身の分身を2体作成する
┗すぐに消滅する
・スティール:オメガブラスト
┣【Q10】からコピー中
┣【TP10】消費
┗超広範囲に滅びのマナの波動攻撃・100HIT~200HIT
・スティール:ハイパーサーチ
┣【W12】からコピー中
┣【MP10%】消費
┣消費MPが増える毎に精度が上昇する
┣現在:15分間継続
┣敵対生物感知
┣罠感知
┣トレジャー感知
┣隠し要素感知
┗攻撃感知
・スティール:完全防御
┣【G17】からコピー中
┣【TP5】消費
┣【MP20%】消費
┗5秒間、全ての攻撃を無効化するシールドを展開する
【真覚醒スキル】
・スティール:ドラゴニカ
┣【D67】からコピー中
┣【TP30】消費
┣300秒継続
┣全ステータスを3倍にする
┣全ての悪性状態を無効化する
┣龍族系の特性を得る
┗CT600秒
【超越スキル】
・スティール:抹消砲
┣【Z0】からコピー中
┣毎日5:59に再使用可能
┣上記以外の如何なる手段でも再使用可能にならない
┣持っている銃で相手の存在を抹消する
┗抹消出来ない相手の場合、超絶大ダメージを与える
・奥義:緊急脱出
┣毎日の5:59に再使用可能
┣上記以外の如何なる手段でも再使用可能にならない
┗自身の装備を【体2】【その他】以外全て解除し、安全地帯まで抜け出す
【装備】
右手:■穏やかなるもの【専】
左手:■絶叫するもの【専】
頭:■保護のルーン【専】【R】
体1:□フォーリンラヴァー【専】
体2:◆ガーディアン【専】
足:□フォーリンラヴァー【専】
アクセサリー【指】:◆射手の使命【R】
アクセサリー【腕】:◆射手の覚悟【R】
アクセサリー【首】:◆射手の吐息【R】
アクセサリー【他】:■集めるもの【専】【R】
なんだこれ。
「…………?????」
「――といった具合に、私は盗む、解除するのが得意でして~……あら? あらあら? 何か別のものに夢中ですかあ~?」
「い、いや、あのね、え~っとなんて言えば良いのかな……」
今はどっちかっていうと、私が説明して欲しいんだけど……。どう、説明すれば良いんですか? この、とんでもなくヤバいステータスの事に関して……?
感想に関して、とりあえずの対処を致しましたので再開します。