339 Welcome♡ HELL PARTY!・2
◆ 終焉の砂漠 ◆
『終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)が【災禍の焔】を発動』
『(デロナちゃんは徹底的に防御、ティアちゃんは面で制圧、千代は様子を見て待機!)』
『ティアラが【ブラッドリーク】【カオスランサーストーム】を発動』
「わっ……!」
『デロナが【プロティシルド】を発動、デロナの周囲に攻撃を防ぐバリアが展開されます』
「か弱き我らに業火に耐えるだけの力を与え給え!」
『【エレメンタルバリア・火】を発動、パーティ全員が火属性に完全耐性。水属性が弱点になりました』
まさかのリアちゃんが相手、まだローレイの教会を落としてないあの頃から火を見ると危ない顔をしてたけど、何かしらで離反してた場合はこうなる可能性もあったってことかな。最初っから大技っぽいけど、多分これ挨拶代わりの超範囲攻撃なんだよねぇ、ティスティス様も似たようなもんだったし。
『相殺! 【災禍の焔】と【カオスランサーストーム】が打ち消されました!』
いやーーーー打ち消されましたって言ってるけど全然消えてないよ!? 全然消えてないからね向こうの攻撃! 一部を打ち消したってちゃんと表示――――あ~……偽装工作か。
「止まってない! 可能な限り連打して! マナは私に繋いで!」
「は、はい!」
『ティアラが貴方のMPをシェアする状態になりました』
『ティアラが【カオスシェイカー】を発動、相殺!』
全然相殺されてないわ。これ千代ちゃん突っ込ませなくて良かった~……あ、ということは発動偽装もしてくるわ。これ火じゃない可能性あるわ。火耐性過信して突っ込むと私以外一撃で死ぬ可能性あるな? あるわ。これ初手火耐性付けたの失敗したなあ……。
『(攻撃が火じゃない可能性が高い。偽装されてるかもしれない。耐性あっても当たらない方がいい)』
『姫千代が【乱華閃舞】を発動、相殺!』
『ティアラが【カオスシェイカー】を発動、相殺!』
「全然消えないです~っ!!!」
『――――来たれ、氷獄の一撃!』
『終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)が【氷穿槍】を発動スタンバイ!』
うわなんか空に投げた。あ~~~わかった、わかった。雷系だこれ、この焔偽装の水系魔術に雷の槍だとしたら相性最高だもんね。やばーい……やばーーーい…………いや、逆に? 千代ちゃんチャンスかな? よし、偽装してこれは雷の槍と決めつけて……やってみようか!
『【シャドウウォーカー】を発動、デコイを発生。姫千代の影に移動しました』
『(千代ちゃん空目掛けて雷の剣、おねがいしますっ!)』
「!?」
だよね、驚くよね。当たればラッキーってことでどうかひとつ……。
『【ネクロフィアーフォース】を発動、パーティ全員が10分間ステータス+10%、被ダメ時無敵3秒状態になりました』
とりあえず保険で……。そろそろ、発動するはず。お願い千代ちゃ~ん、私を信じてよ~。
『姫千代が【牙突神雷】を発動』
『【氷穿槍】発動! 姫千代がターゲットになりました!』
「なっ……!」
『(ほら、氷の槍があんなジグザグな動きしないって!)』
『ッチ……!』
『攻勢防御! 姫千代が【氷穿槍】を無効化しました! 姫千代が【雷神帯電】状態になりました』
ほら! 当たりだ! ということはあの妙に動きのすっとろい火の攻撃も、大量の泡か何かでしょ! 逆に雷ぶつけちゃえ! 千代ちゃんなら空中からでも空気蹴って行けるから、行け行けー!
『終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)が【マジックミサイル】を発動』
『姫千代が【神雷脚】【牙突神雷】を発動、【雷神槍】放電!』
『(おっ!?)』
刀に帯電してたのが、今度は逆に相手に向かって発射されたじゃん! 雷系の攻撃を雷系の効果がある武器で受けて無効化出来るとこういうのもあるんだねえ、受けきれないといつぞやの朱璃戦みたいに避雷針になって極大ダメージか。よしよし、覚えた……。さて向こうはマジックミサイルとか書いてあるけど絶対嘘でしょ、全然こっちに飛んでこないもん。
『Weak!!! クリティカル! 終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)が3,000,000Kの感電ダメージを受けました!』
『終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)を撃破しました!』
いや全然倒れてないけど! どこが撃破したよ、マジックミサイルって称した何か……なんだろうあの繭みたいなの、あれが壊れただけだからね!?
『一発も耐えられないなんて! 使えない蛇ね!!!』
『ティアラが【カオスシェイカー】を発動、相殺!』
「抜けました~っ!!!」
『もう抜けられた!?』
『(突撃しないで! 徹底的に遠距離で攻めて!)』
リアちゃんは頭がいい。今の発言からしてあの蛇を倒して母国を滅ぼしてる世界線、あの蛇を上回る狡猾さを持ってるはず。恐らくさっきの繭みたいなのは使い魔、身代わりだ。そしてこのリアちゃんは魔術戦闘が得意、近寄ってきて欲しくないから徹底して時間稼ぎをしてると見せかけて…………恐らくだけども接近戦も行けるタイプ。私のリアちゃんは純魔型だけど、このリアちゃんは恐らく両刀型。魔術より殴ることを優先してた時期があったから、それもあるなら殴りも強いはず。それも思いもよらぬ方法で捕まえて殴ってくる……はず。
『ティアラが【カオスランサーストーム】を発動』
『なんで寄ってこないの……?! 阻め!!!』
『終焉の魔女・オーレリア(Lv,????)が【ヒーリング】を発動、周囲に障壁を作り出しました』
ここまで来たら偽装工作持ちって確定よ。この反応からしてティアちゃん達は近距離で、千代ちゃんは遠距離で仕留めようとしてるはず…………いや、待って待って。このボス戦は頭脳戦の要素が多い気がする……。偽装工作が使えて、わざわざこっちに不利な状況だと教えてくるような発言……。なにかある、なにか引っかかる……。そういえばトラップ系があるはずなのにテレポもダイブも対策してない、ということは…………。あああああああ!!!!! 全員に念話ァ!!!
『(デロナちゃん逃げて!!! さっきの繭は倒せてない!!! 後ろ!!!)』
「えっ?」
「あっっ!!!」
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【抹消槍】を発動、バフ破壊効果! シールド破壊! ティアラの良性状態が全て解除されました。ティアラが5,400,900ダメージを受けました』
『!?』
『(千代ちゃんはリアちゃんに見える方を何とか食い止めて! ボスが2体居る!!!)』
『(御意!)』
『デロナの影に移動します。【シャドウウォーカー】を解除します』
やられた! さっきの身代わりを撃破したってログすら偽装だったんだ! 何から何まで嘘で出来てるんだ、今リアちゃんに見えている方が蛇! デロナちゃんを狙って抹消槍なんて使ってきた蛇が、リアちゃん!!!
『流石にここまでやれば気がつかれた、でももう遅いのよ!!!』
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【抹消槍】を発動、抹消! ティアラが存在を消された!』
『【神の存在証明】が作動し、ティアラの存在が証明されました』
ひぃぃいいいぃい……!!! ロスト攻撃怖すぎるぅぅ!!! これは消費アイテムじゃなくて保護チケみたいなもの、抹消攻撃で従者がロストした時に『本当はロストだけど、死亡扱いで勘弁してあげるね』ってチケットみたいなやつだから消費っていうか作動したってことね……。そうじゃなきゃアイテム消費不可ダンジョンとかNPCロストし放題で連れて来られなくなるし!! って、今それどころじゃないんだよ、ティアちゃんがやられちゃったの!!!!!
『【魔神の大鎌】に切り替えました』
「デロナちゃん! 盾出して!」
「は、は~いっ!! 万能の力よ、我らを守る盾となれ~っ!!!」
『デロナが【マイティシールド】を発動、あなたの左腕に攻撃を防ぐ万能の盾が付与されました』
『私と勝負する気! そのちっぽけな鎌で!!』
向こうのリアちゃんに見える蛇の相手は任せたからね千代ちゃん! こっちの蛇に見えるリアちゃんの方は、私がなんとかしてみせる!
「デカけりゃ良いもんじゃないのよ!!! ヴラディウス・カルナ・スペアリス!!!」
『【串刺公】を発動、無数の槍が敵を串刺しにします』
『はっ……!?』
『クリティカル! 傀儡ミズチ(Lv,????)が5,614,110Kダメージを受けました』
直撃、56億! 鎌を構えたら接近戦と思ったかリアちゃん! 騙すのはリアちゃんの特権じゃあないんだよ!!! しかしこれで倒れない、ダメージは恐らくリアちゃんに見える方の蛇に負わせてる……はず。ダメージ表記まで偽装だったらもう泣くしか無い!
『く、ぁああ!!!』
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【抹消槍】を発動、シールド破壊! ダメージを無効化しました!』
「盾!」
「万能の力よ、我らを守る盾となれ~っ!!!」
『デロナが【マイティシールド】を発動、あなたの左腕に攻撃を防ぐ万能の盾が付与されました』
「ヴラディウス・カルナ――――」
『何度も同じ手が通用すると思わないことね!!! 黙れ!!!』
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【絶無陣】を発動、魔術の起動ワードが封印されました』
喰らえ……ヴラディウス・カルナ……魔神斬ッ!!!!!
『――――!!!』
『【魔神斬】を発動、クリティカル! 傀儡ミズチ(Lv,????)が2,614,110Kダメージを受けました』
駄目かーーー!!!!! まだ足りないかーーー!!!
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【抹消槍】を発動、シールド破壊! ダメージを無効化しました!』
『傀儡ミズチ(Lv,????)が【抹消槍】を発動、抹消! 貴方は存在を消されました』
ぎょえーーー連続ー!? それ魔術じゃないのーーー!? あ、起動ワードが封印されただけで魔術陣が直接出せるならオッケーなのか、あ~あ。流石にデカい物理攻撃得意な相手に魔術師ベースが肉弾戦仕掛けるのはね、辛い! ほら、デロナちゃんお逃げ~!! はわわしてる場合じゃないよ~!
『~~!!』
『姫千代が【神雷脚】を発動、クリティカル! 傀儡ミズチ(Lv,????)が1,145,992Kダメージを受けました』
『!?!?!?』
あ。千代ちゃんが蛇リアちゃんが油断したところに超スピードで突っ込んできたわ。千代ちゃんが戦ってたはずのリアちゃんに見える蛇の方は倒れてるところを見るに、やっぱり私の入れたダメージは向こうに行ってたっぽいなあ。陣の影響で声聞こえないけど、これ千代ちゃん完全にブチギレてる奴だわ。蛇リアちゃんは奇襲に驚いてるし。
『デロナが【ヴェレス・ヘーラ・ゴッディス】を発動、1分間姫千代の最終攻撃力と全ステータスが1.1倍になります』
『姫千代が【祓魔斬】を発動、Weak!!! 特効! クリティカル! 傀儡ミズチ(Lv,????)に12,658,788Kダメージを与え、撃破しました』
『終焉の砂漠に虚しい風が吹き抜けます……』
『次の階層へ進む場合は赤いポータルへ、この階層で終了する場合は青いポータルへ進んでください』
「…………無念です、一足……遅れてしまいました」
「ティアちゃん、リンネ様……きえちゃったの……?」
「いえ、バビロン様の特別な力で守られているはずです。赤い方が先に進む道、参りましょう。待っているはずですから」
「!!! わぁ!! 早く行かないと!!! 会って、ごめんなさいするの……」
「リンネは、この程度のことでは怒ったりしませんよ。大丈夫、デロナは最善を尽くしました」
「んっ……んっ……」
あ。尊い。この光景あと暫く眺めててもいいかなって思うから、もうちょっとゆっくり来てもい
『転送』
はい。