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330 ぶっちぎりでイカれた女・14

◆ 聖メルティシア法国・東の教会前広場 ◆


「やはり、博士(ドク)の研究近いです、とても。でも私達の研究と……あ~~……」

「コンセプト!」

「そう、デロナの言う通り。コンセプト違います。私達は命を繋ぐため、協力の融合」

「傷ついて治る見込みのない魔獣やドラゴンさんと、体が弱くて生きていけないデロナ達みたいな子供を融合したのっ!」

「これは、無理矢理です。命令通り動かない、だから楔いっぱい打たれてます。用事が済んだら使い捨ての兵器、痕跡も残らない」

「魂が弱いと、肉体と一緒に壊れちゃうみたい……よっぽど強い魂じゃないと」

「この兵器化された人々は、ダメそうです……残念ですが……」


 広場に戻ってみれば、もう既にナインズとカーミラさん達の戦闘は終了していた。いやまあ、負けるビジョンは全く浮かんでこなかったけど、ちょっとぐらい骨のあるやつとか居なかったんですかね。


『…………殺して、くれ』

『あら、駄目に決まっているでしょう? 一歩も動かず勝利するつもりが、あなたのせいで一歩だけ動いてしまって、惜しくもルールを破ってしまうキッカケになったのですから』

『殺してくれ、あああああ嫌だあああああ!!! 許さないぞ貴様ら、地獄に堕ちろおおお!!!』

『此処が地獄ですよ』


 天使が地獄に堕ちろとは、これまた無様な……。まあでも、カーミラさんを一歩だけでも動かせたんなら、こいつは意外と凄い奴なのかもしれないね? 今は剣山で上下から挟まれて搾りたてフレッシュなのを浴びることが出来るシャワーにされてるみたいだけど……。


「ティアも、真似できるぐらい頑張ります!」

『…………あ。これは、真似しなくていいですからね。つい食事になると、下品な性格が……ふふっ……』

「でも、美味しい血をペロッとすると、胸の奥がぽかぽかしますよねっ! わかります!」

『…………? 誰の血を、ペロッとしたのですか?』

「リンネ様です!」

『ほう。ほう……。ほう…………』


 あげませんからね。首を凝視して舌なめずりしないで貰えますか?


『随分と、増えたんだねえ……』

「そう、皆新しい家族なの。あの子がティアラちゃん、吸血鬼。あの子がマリアンヌちゃん、元芸術家の魔界技師。あの子はゼオちゃん、昔の代の死神の継承者。それでこの子がデロナちゃん! ゼオちゃんの妹! 龍と融合した魔族の子!」

『ふへ~~……みんな可愛いですねぇえ~~……えへ、えへ……』

『なるほどねえ~……』

『(´・ω・`)?!』

『おや、あんた久しぶりだねえ。まだ喋らないのかい?』

『(;´∀`)』

『そ、それで、あの麗しの女王陛下は~……』

「あ。あの人はね、カーミラさん。吸血鬼の始祖、吸血鬼の神みたいな。ヤバい」

『『ヤバい』』

『私がヤバいカーミラさんです。よろしくお願いしますね』


 ここ、敵地のど真ん中だってのを忘れちゃうような一時だぁ~……。他の地域ではまだまだドッカンバッタンって凄い音だから戦闘中なんだろうけど、ん~向こうの最大戦力っぽいナインズもこのザマだし、もう大教会に攻め込もうかな? 流石にあっちに行くならねーさん達がターンアンデッドとか食らったら死ぬしヤバいか。


『それで、八百姫さんは疲労困憊で倒れ、召喚獣である麒麟さん達も一時的に引っ込んでいる状態ということですか』

「あ~……そうなんです」

「姉妹揃って、面目ない……」

「千代ちゃんもほぼ直撃だったもんね。あ、そういえばねーさんって私の義理の妹になるのかな? でもねーさんのほうがいいなあ」

『…………は?』

「ふふんっ……♪」

「あ、千代と私ね? 結婚したの。だから八百姫ちゃんも義理の妹で、剛烈さんの浮気相手の子供のねーさんも、義理の妹なんだ~!」

『は!? だ、誰から聞いたんだい!!!』

「…………? 剛烈さん!」

『はああああああーーーーー!!!???』

「百姫さんも腹違いの娘に会って、一緒にお酒が飲みたいって言ってたよ~。今なら全然許せちゃうから、ぜひ会いたいって~」

『は、あ。あたし目眩がしてきたよ。あたしが今まで抱えてきた秘密に対する苦悩はなんだったんだい……』

『ふええ~……!! 前よりリンネさん、ぐいぐいぐいっと来るぅぅ~……!!』

「2人とも早く肉体を取り戻して、今までの生活に戻れるようしないとね。ただ、今から行く所はかなり危険だから……一旦休んでて貰って良い?」

『休みたい。休ませておくれ』

『はぃぃ~~……棺桶入って寝ますぅ~……』


 ん、積もる話は後にしようっか……。とりあえず緊急で空けた安置所に入れてロックして、間違ってもコープスチャージで消費なんかしないようにして……。さて、全体の状況を一度確認してみようかな?


『バビロン連合チャット:こちら通信部隊コナーチーム、最新情報をまとめて報告する』

『バビロン連合チャット:大結界残り1T。南部、巨大キメラ軍の抵抗激しい。グレートマジンダー応戦中』

『バビロン連合チャット:西側外壁、守りが薄い。噴火の影響で壁がほぼ機能していない』

『バビロン連合チャット:内部南門、制圧済み』

『バビロン連合チャット:内部西側中央寄り、守りの固い施設を制圧。キメラ研究所と判明』

『バビロン連合チャット:内外共に東側の状況が不明。飛車角(・・・)揃い、問題は無いと思われる』

『バビロン連合チャット:内部北側、大教会前で押して押されての状況。飛車角が欲しい』

『バビロン連合チャット:()が中央で戦車と交戦中。苦戦』


 飛車角、これ……私達のこと??! うんまあ、急に敵陣に飛び込んで暴れられる辺りが的を射てるけど……!


「北側、押して押されてみたいです。大教会前ですね……中央で大きなのが暴れてるみたいなので」

『通りがてら潰して、大教会へ向かいましょう……あ、いえ。私が行きましょう。リンネさんは美味しそうなので北へ行ってくださいね』

「はい……はい? 今なにか……」

『…………八百姫はどうしましょうか』

『ワウゥゥン!!! (僕が中央行く!!)』

「ティアは、えっと……リンネ様と行きますっ!」

「大きいのが気になります、中央行きたいです! じゃあ、やおやおはカーミラさんが何処かに連れて行ってたらいいんじゃないですか?」

『なるほど。安全地帯に送った後、戦線に復帰。これで行きましょうか』

「中央は戦車だって、機械のほうかな……」

「戦車! ほう、行かせてもらおうか」


 じゃあ、中央はどん太とマリちゃんとリアちゃん? 他の皆は私と一緒に北の応援に行くってことで良いかな??


「――――じゃあ、こういう編成でいいかな?」

『中央への応援としてはちょうどいいメンバーかもしれませんね。遠距離からでも大打撃を与えられるお三方ですから……では、送って来ましょう。転移阻害が強くなっていますから、皆さんはお気をつけて』

『満月の女王カーミラが【夜の扉】を開き、転移しました』

「…………皆は、気をつけようね!!!!!」


 転移阻害に気をつけてって言いながら、自分は何の問題もなく転移していくのひっどい……! どれ、戦場は刻一刻と変わるんだから、決まったらすぐ行動! 行こう行こう!


「あ! そうだ!」

『【魔神斬】を発動、Weak!!! 特効! クリティカル!【ナインズ・ニーネ】に4,777,666Kダメージを与え、撃破しました』

「ヨシッと……」

「お姉ちゃん、徹底してますね……」

『フリオニール・姫千代・ティアラ・ゼオ・デロナとパーティを組みました』


 カーミラさんの食べ残しはきっちり処理しておかないとね。後で処理に困ることになったら大変だから。他の死体は~……あ、回収しててきとーに呪物にしとこっ。


「これ、再利用出来ないように処理してからいくから」

「徹底しておりまする……」

『(;´∀`)……』


 敵の死体とかを利用するのは私もね、あいつらと一緒ってば一緒なんだけどさ。何ていうかこう~……使い方が邪悪なんだよね。まあこういうところでわかり合えないのは現実も一緒か。考え方の違い、宗教の違い、些細な違いで戦争になる。私はあいつらのことをわかろうとも思わないし、わかりたいとも思わないから戦争しかないわけで。ある意味私って、あいつらからしたら途轍もない化け物なんだよね。


 ――――ま、いっか! 天使が幾ら死のうが、私の心は痛まないから!




◆ ◆ ◆




 あ~これ、完全に向こうの最終防衛ラインってやつだ~……。ガッチガチじゃん~……。


「急いでリンネちゃんに伝えんとあかんっちゅうのに、リンネちゃんチャットも見れへんぐらい忙しいんか!?」

「もしかしたらもう、手遅れかも……」

「この数に、向こうの回復力!! ジリ貧だよ~~!!」

「押しきれねえなぁ~~!!」

『さっきまで雑魚だったくせにぃぃぃいぃいい!!!! あああーーーー我慢できない!!! くったばれぇ!!!!!』

『破壊令嬢サリー(Lv,????)が拘束衣を解除。【オリハルコンクラッシャーキック】を発動、粉砕! 聖騎士ベルダムを即死させました』


 うわ、サリーちゃんのあの鎧って……拘束衣だったの~……?! さっきまで魔神兵・蠍のサリーだったのに、破壊令嬢サリーに変わってるし。レベル見えないし。こ、こわぁぁ……!! これが魔神兵の域で我慢してたのを辞めた、本気のサリーちゃ――――居ないぃぃ!!? 見えな、え、ああ!?


『サリーが本気になっちまった! 誰かサリーを止めてくれ!! 体への負担が酷いんだ!!!』

「ええ!? そんなこと言っても、全然目で追えないよ!!」


 あの状態、サリーちゃんに良くないの!? ええ、どうしよう……どうしようったって、こいつら守りが硬いし、カウンターが痛すぎるんだよ~!!!


「――――退けぇええええええ!!!!!」


 うわあサリーちゃん……サリーちゃんじゃないな今の声。え、何? あの人の海を蹴散らしてこっちに来るのは、いや……いや、ま~さか…………!


『死の恐怖リンネが【魔神真空波】を発動、Weak!!! 特効! クリティカル! 複数の聖騎士を撃破しました』

『ひ、ひっ……!!!』

『出たぞーーーっ!!! 魔王が出たぞーーーっ!!! ここだ!!!』

『神槍を投下だ!!』


 いやリンネちゃんだわ!!! しかも待ってたとばかりに、大教会から何か発射用意されてるし!! あれは、攻城兵器じゃないの!? バリスタみたいな、ぶっ殺す気満々じゃん!!! 何機あるんだ、あれ!? あ、流石に絶対ヤバい!!!


『撃てェーーーーー!!!!』

『法国防衛兵器:神槍メルティスピアが全弾発射されました』

「ヴラディウス・カルナ・スペアリス!!!」

『死の恐怖リンネが【UNKNOWN】を発動、相殺!!! 神槍メルティスピアを全弾破壊しました』

『巻き込まれた複数の対象が即死しました』

『エリアメッセージ:死の恐怖リンネが5,000人斬りを達成しました!!!!!』


 は――えぇ……ええ…………飛車角言われるだけあるわ、飛車角どころか飛車角桂馬全部な上に3回行動ぐらいあるよ、あれ。誰かが『三国志の呂布の強化版が呂布を引き連れて歩いてる』って言ってたけど、うん……それだわ。


「蜥蜴の餌以下の有象無象共が!!! 皆殺しにしてやる!!!」

「こええ……」

『――――やだぁ~リンネちゃんぷっつんキレてるぅ~……あ゛?!』

『魔神兵クーガー(Lv,300)が【狂化抑制剤】を破壊令嬢サリー(Lv,????)に使用しました』

『…………あ』

『落ち着いたか! しっかりしろ!! また入り口で死ぬ気か!』

『…………過去から何も学習してないね、サリーちゃんってば、も~……換えの鎧!!』

『一旦離脱するぞ! すまん!』

「あ~うん~。リンネちゃん来たから、多分大丈夫~……」


 あ、サリーちゃんが自分よりヤバいのを見て止まった隙に、クーガーさんがなんか注射打ったわ。狂化抑制剤、あのまま拘束衣を脱いで全力で戦闘してたら、ヤバかったのかな~…………。僕も逆にあれだ、一時的でも良いから超人的身体能力が得られる薬とか、作ってみようかな? リンネちゃんに一瞬でも対抗できるぐらいのパワー、欲しいよね~~。


『神槍が、き、効かない!!!』

『もう一度、もう一度だ!! こちらは結界の中、向こうは阻まれ妨害できない! 確実に慌てず装填し、よく狙うのだ!!』

「そちらが再度撃つのが先か、此方がこの結界を切り捨てるのが先か…………ッッッ!!!」

『嫁狐姫千代が【滅殺】を発動』

「レイジ! あれ見ておかなくて良いのか!!」

「あかん絶対見る!!!」

「しょうがない。レイジ~ちゃんと見るならちゃんと守られて~」


 みんなリンネちゃんに集中し過ぎて、千代ちゃんがフリーになっちゃって結界前まで抜け出てるじゃん! あれはやる気だ、結界の前で納刀……やる気だ~~!!! 戦場でよそ見なんて普通駄目なんだけどさ、見ちゃうって!!! 見せろおら!! 邪魔すんな~~!!!


「よそ見し」

「うっさい!!!」

『【ロケットアッパー】を発動、ショグーンに881,400ダメージを与え撃破しました』

「――――いざッ!!!!!」


 刀に手をかけた! あの結界一瞬で回復するからすっごい大ダメージ与えないと壊れないみたいなんだよ!! で、アレは前に見た、奥義無双輪廻の構えでしょ!!! あの時と違うのはその場での連撃ってところ!? 本当は四連撃って聞いたんだよ僕、どれだけの――――


『嫁狐姫千代が【奥義:無双輪廻】を発動、守護結界に3,099,400K、3,110,101K、3,093,693K、3,181,444Kダメージを与えました』

『守護結界が急激な負荷に耐えきれず崩壊します!!!』

「ひ、ひ、ひっ~~……!!」

「一回やろ!!! あれで四撃与えとるんかい!!!」

『け、結界が……!!!』

『白銀のレーナが【スナイピングストーム】を発動』


 一瞬で、12G以上!? 120億ダメージ!? ぎょ、ぎょえ……!!! あの結界、秒間1G回復しててもこんな短時間に一撃食らったら、回復追いつかないよねえ~~!! や、や~強い!! なぁにあれぇ!!! あれで通常スキルなのぉ!? 神技あるんでしょ、神技! ひーー……!


「遮蔽物なくなった。頭出しっぱなし、ばかばっか」

「向こうの自動回復もなくなったんじゃねえか?!」

「それはまだあるっぽいですよ~。HPバーの動きが全く一緒ですから、回復はしてるみたいです~」

「高菜君、なんか動きあったら教えて!!」

「勿論ですよ~…………? え、あ! 見ちゃった! リンネちゃん、HPないですよ~!? 瀕死ですけど~!」

「え?」


 え、リンネちゃんヤバいの?!


「あ。リンネなら、それで正常。大丈夫」


 え、いいの!? いいんだ……。瀕死で……。目眩とか幻聴とかの瀕死ペナルティ、きつくないのかな……。


「ヴラディウス…………」

『ま、まずい!!! アレは使わせるなーーー!!!!』

「カルナ…………!」

『この、どけ!! 魔族が騎士などと!!!』

『(;´∀`)』

『は!? なんで、どいた――――うわあああ!!!!』


 うわぁ~フリオニールさんの戦い方、えげつないなぁ~……。アレは絶対リンネちゃんの影響を受けてるわ。どけーーーって突っ込んできた相手に盾を構えてたのに、突っ込んできた瞬間本当にどいちゃうんだもん。攻撃のタイミング外されて足を引っ掛けられて転ばされてるよ……戦闘センスがえげつないって……。転んだら当然、そりゃあ餌食だよね。餌食。


「スペアリス!!! 串刺しになれ! 躯を晒せ!!」

『死の恐怖リンネが【UNKNOWN】を発動』

『う、上に飛んで逃げ――――』

『対空雷撃罠作動! 聖騎士ジャクスが3,000,000ダメージを受け、死亡』


 リンネちゃんもえげつないわ。背中を見せて逃げようものならティアちゃんに串刺し、突っ込んでってもフリオニールさんに止められ、ゼオちゃんデロナちゃんに潰され、リンネちゃんの攻撃は下から大量の槍が突き出す謎の魔術。上に逃げれば対空罠、モタモタして逃げ損なったら確実に死ぬ。攻撃範囲に入った時点でどうしようもないわ。


「ねーさんとローラちゃんの恨み!!! 思い知らせてやる!!!」

「あっ」

「あ……遅かった……」

「アカンかったか……!!!」


 あっ……リンネちゃんに一生懸命伝えようと、チャットから何から送ったけど駄目だったんだ……。戦争中個人チャットが使えないし、この戦いに巻き込まれちゃったしで遅れてる内に……。何が何でも伝えに行くべきだった……。


『うおおおおおお!!!!』

「邪魔ぁ!!!!」


 怖いけど、謝りに接近しよ……。


「いや、チャット見てないのは俺らの方だな。リンネちゃん、救出に成功してるって書いてるぞ」

「え!? 本当?!」

「ああ。どんちゃん達が中央の戦車に応援、リンネちゃん達がこっちに来る前に救出成功、八百姫ちゃんとカヨコさんが一時戦線離脱って書いてあるわな。レーナが今見つけたぜ」

「ごめん、今気がついた」


 あ、そうなんだぁ……良かったぁ~……え、じゃあ恨みって……? ああ!! 実験に使われた恨みってことか!!!


「リンネちゃんがこっちに押し込んで来よるで!」

「ん!! 僕らも戦線をあげよう! リンネちゃんが向こうから来る、大教会側に押し込めば千代ちゃんがぶった斬る、挟んで潰せ!!!」

「一気に追い込み漁になったなぁ!」

「レーナちゃんは敵狙撃手の頭を出させないでね、ハッゲは遠距離警戒! レイジとエリスは接近戦処理! 僕が撹乱する!」


 なんかちょっとホッとしたら、急に調子が良くなった感じがする~!! よし、これに乗じて僕らも押せ押せ! 大教会に押し込んで潰しちゃえーー!!!


「駄目だ!!! 今のうちに二手に分かれるんだ! 押し込まれる前にーーー!!!」

「――――オーーーッホッホッホッホーーー!!!!!」

「――――デーッスデスデスデスデーーーッッス!!!!」


 げぇ!!! お嬢様ァ!!! いやでも、ナイスタイミングじゃないのぉ!? 向こうが押し込み対策に分散しようとした方向から、やばーいのが来ちゃったもんねえ! おお、立ち止まった立ち止まった!


「もうじき4000を超えますわ~~!!!!」

「きぬが先デーーーッス!!!!」

「わたくしですわ~~~!!!!」

「きぬデェーーーーッッス!!!!!」

『きぬが【風魔手裏剣・桜吹雪】を発動』

「あーーーっ! ズルいですわーー!!」

「駄目だ、こ、殺される!!! 逃げ場がない!!!!」

「自動回復が発動しない、体が重い!!!!」

『聖メルティシア法国北部・大教会前エリアが【死地侵食】されました。【聖域効果】が破壊されました』


 あ、これかぁ!!! この効果でこっちが急に有利になって、逆に向こうが不利になったんだ! 領域制圧系スキル、でも死地は……見たこと無いねえ?! 見たことないのは大体リンネちゃんって相場が決まってるんだけど、どう? うん、多分そう!! きっとそう!


「チャンスだ! 行けーーー!!」


 何だって良い、あいつら絶滅させるチャンスだ! このまま大教会に突っ込めーーー!!!!!


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