表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

328/601

326 散財、豪遊

◆ ギルドホテル・スイートルーム ◆


 千代ちゃんがあの時白刃取りを誘発させたから勝てたことに感謝しつつ撫でながら魔神殿を出て、たった今手に入った恐怖増幅を使用するのにペルちゃんがホテルを丸ごと買い取って改装が終わったギルドホテルにね、戻ってきました。いやはやギルドメンバー全員分の個室が御座いますよ。ありがたいなんてレベルじゃないですわね。

 それにしてもやっぱりペルちゃんって商才が凄いっていうか、鋭い感覚を持ってるんだな~って。ペアで当選者が出なかったのを見て、先に持てるだけお金を持っておこうって発想に至るんだもんね。安いうちに全部買い占めて、直後に全部高値で転売するんだもん。ポイント半分返ってきたのにお金はそのまま残ってるから、余った分のポイントでまた安値のを買い戻して、それでギルドルームが入ってたホテル自体を購入して独占しちゃうんだもん。まあ私達はこの国を取り戻したって特典で割引が効くのもあったけど、それでも買っちゃうんだもんなぁ~……。明日のロシアンミートボールは許してあげよう。

 

「……ほえ~」

「?? 何を見ているんだ、リンネ? 見たことがないものを弄っているな」

「これね~ゴールドショップっていうんだよね。私達の世界のお金をこの世界の特別なアイテムを買うお金に変換出来るんだけどね、今までは使ってなかったから~」

「リンネは元の世界でもお金持ちではないのか?」

「んん~~~自分では稼ぐ能力がないかな……。学園の成績で好成績を残せば、支援して貰える金額が増えるってぐらい、かな?」

「学園、マジックアカデミーのようなものか? そうか、なんというか意外だな」

「一応いつも使ってるシルバーを売り出して、ゴールドで買ってもらうってシステムもあるんだ~。売りに出してたシルバーが全部売れたから、それで手に入ったゴールドで何買おうっかな~って見てたの」

「優勝賞金やくじの配当金か。全部売ったのか?」

「全部は売ってないよ~。一部だけ、それで27万ゴールドあるの!」

「…………幾ら売って、27万ゴールドになるんだ?」

「えっと、100Gシルバーだから……1000億シルバー?」

「1000億が、27万……1億が270ゴールドにしかならないのか……。ゴールドは、希少なのだな」


 確かに、私たちの世界のお金の価値ってこの世界よりもずーっと高いね……。むしろ私からすると、1億シルバーが300円、手数料で10%持っていかれて270円になるって考えると『わあ~そんなに貰えるんだ~』って感じなんだけどね。こっちの物価とかがわからないと、それしか……ってなるよね。


「一ヶ月頑張って働いて、一般層の収入の平均手取りが28万円ぐらいかな? 昔よりはずーっと高くなったみたいだけど、それでもね~」

「えん……? その、エンというのをゴールドに変換すると、幾らになるんだ?」

「1円は1ゴールドだよ?」

「…………待て、一ヶ月働いて28万エン。つまり27万ゴールド持っているリンネは、今日だけで何ヶ月分の収入を得たことになるのだ……? うん……?」

「そう単純でもないけど、まあわかりやすく考えて27万円貰えるとしたら、単純にこれの95倍あるわけだから95ヶ月分の収入~……かな? え、凄い。怖い!!!!!」

「今更自分で驚くのか……」


 え、今日私、95ヶ月分の収入を得たってこと!!?? や、約8年分!? え、怖い!! 今更になって怖くなってきちゃった!!! ん、でもこれは一般層の話であって、真弓とかはこれの何百倍何千倍だろうし、いや比較対象がそこなのがおかしいね。ついこの前高い買い物をして心臓ドキドキしてたのを忘れてた。


「それで、その貴重なゴールドで何を買うんだ……?」

「うん、今それを見てたんだけどね~……」

「…………困った、読めない。絵だけはわかる」

「あら? あ~……こっちの世界の文字にはフィルタリングが掛かるのかな? 目に関するスキルがあると、UIは見えるのにね~」

「この、どん太くんを洗うチケットに似たものが束になっているのは?」

「…………ダンジョンエクスプレスチケット、90回分だって。1280ゴールド! ダンジョンのポータルを踏んだことがあるなら、その場所に瞬時に移動出来るポータルを開くんだって~!」


 あ、これ欲しいかも! これがあれば余計な移動時間が減るし、それに――――!!???


「新発売……プレミアムダンジョンエクスプレスパス……回数無制限、60日間!!?? あ、でも…………」

「おお、それは更に便利そうだな」


 なぁにこれぇ……!! 絶対こっちのほうがいいじゃん、毎日マラソンが捗りますねえ~!? それに15800ゴールドなら、毎日うみのどーくつ走るだけで頑張れば元が取れるのでは? 1回1.5Gぐらいで400円ぐらいって考えて60日だから、十分元が取れるじゃ~ん!! うみのどーくつだけで!!!


『【プレミアムダンジョンエクスプレスパス】を購入しますか? 商品の注意事項を今一度お確かめの上、購入の際は購入ボタンを――――』

「…………自身の所属するギルドメンバー、パーティーメンバー、自身のフレンドリストメンバーと自分自身が利用出来るポータルを開く、1分30秒で閉じる、クールタイムは5分……短ッ!!! 特に消費するアイテムはなし、重量なし、特殊インベントリに入る、うんうん……うん……オッケー!!!」

『ご購入ありがとうございました』

『【プレミアムダンジョンエクスプレスパス】を入手しました。有効期限は9月1日23時59分です』

『【ゴールド応募券】を15枚入手しました』


 うおーーー……!!! 買っちゃった買っちゃった~~!! 倉庫とか金庫より高いのは買わないと思ってたけど、買っちゃった~~!! え~こんな便利なの売ってたんだ~……今週の水曜日からだったんだ! 最新情報チェック、他には何か売ってるかな??


「買いました!」

「おお、なんだか高そうな金色のカードだな…………」

「15800ゴールド!」

「高いな…………」

「では次の商品さんです!」

「まだ買うのか?」

「せっかくなので」


 ん~~♡ 買い物をしてる時ってやっぱり、脳が幸福物質で埋め尽くされるよね~♡ サロンチケットとか期限ないし、ふとした瞬間入りたくなるかもしれないし、そもそも人型の従者もこれ使えるから買っておいてもいいかも? 体型は大きく変えられないけど、目の色とか髪色とか髪型変えられるしね。つまり千代ちゃんの太ももをもう少しムチッとさせたり、リアちゃんのお胸を僅かに大きくすることも可能ってことよ? あ、買っとこ。


『【サロンチケット】を10枚入手しました』

『【ゴールド応募券】を5枚入手しました』

「わ……。家具ガチャチケとかある……! 今週から1週間だけ期間限定か~……。ペットガチャもある! 期間限定! ちびケルベロスちゃん、ちびオル&トロスくんが当たりか~! え、可愛い……あ、ちびペットちゃん用のパラダイス無限おやつ箱なんてある!!!」

『この商品には購入制限があります。【パラダイス無限おやつ箱・10チョイス】を購入しますか? 商品の注意事項を今一度お確かめの上、購入の際は購入ボタンを――――』

「登録したおやつをそのままの状態で、ちびちゃん達が引き出したい時に好きなだけ取り出せる不思議なボックス、プレイヤー達が取り出すと消えてしまう……。再設定には再度同じアイテムを入れる必要がある。10品まで登録することが出来る!! 登録したプレイヤーとちびペットの好感度が上がりやすくなる!? おーー……このアイテムはギルドルーム・マイハウスに設置されていません、そうだねそうだね……」


 1回だけ、おやつがなくて皆ぴーぴー泣いてた時があったんだよね……。うん……。買おう、買っておこう!!! そういえば購入制限って何? あ、購入条件に『購入に必要なちびペットの数をクリアしています』って書いてある。これも、これもか~。じゃあ買っちゃお。あ、ついでにこれも買っておこう……カゴに入れて、まとめて購入っと。


『ご購入ありがとうございました』

『【ちびペット用:パラダイス無限おやつ箱・10チョイス】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を10枚入手しました』

『【ちびペット用:作って遊ぼう砂の王国セット】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を5枚入手しました』

『【ちびペット用:安全で楽しいフィッシングセット・池】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を5枚入手しました』

『【ちびペット用:マジカルオートクッキングセット】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を10枚入手しました』


 ん゛!! 3万ゴールドないなったねえ!!! でも買うの楽しいんだけど!!! 止まらないんだけど!!! 早速設置に行こうねえ!!


「みんな――――」

『~~~♡』

『ピピピ……罠感知――』

 

 罠感知しても、中の人がぽんこつだと感知する前に罠に突っ込むもんよ。今日は誰が、顔まで吹っ飛んできて抱きついて来たのかな~~???


「あら、バビロンちゃん!! バビロンちゃんここまで飛んできたの! ん~~♡ ほっぺすりすりしちゃう」

『~~~♡』

「おや……?」


 バビロンちゃんだったか~! あれ、あれ? あれ??! ちびちゃんズ増えてない!?? ちびオル&トロスくん居るし、ちびケルちゃんもいるし、ちび魔神兵シリーズ全員揃ってない!!?? 揃ってるよねえ!!?


「し、知ってる限りの全シリーズが揃ってる!!!」

「同盟ギルドの子達も混ざったんじゃないか? この部屋もこんなに広くなかっただろう」

「確かに!!!」


 なるほど~! 他所のちびちゃんズも全員混ざって、30人以上の大勢になってるのね! わ~……面倒見がいい子だったり、いたずら好きな子のグループだったり、すごっ……。そっか! だからさっきのゴールドアイテムの購入制限を突破してて買えたんだ!! あ、本当! 40体以上を突破って書いてある!! え、40以上も居るの!?


「みんな~これをちょっと置かせてね~……? ごめんねごめんね~」

『~~??』

『!!』

『~~??』

『きゃきゃぅ?』


 オル&トロスくん鳴くんだ!? ケルちゃんもぴゃうぴゃう言ってる、か、かわぁ……!! 誰が当てたんだろ、ガチャのだよね!? わ~可愛いな~~!!!


『【ちびペット用:パラダイス無限おやつ箱・10チョイス】をバビロニクス・ギルドホテルに設置しました』

『【ちびペット用:作って遊ぼう砂の王国セット】をバビロニクス・ギルドホテルに設置しました』

『【ちびペット用:安全で楽しいフィッシングセット・池】をバビロニクス・ギルドホテルに設置しました』

『【ちびペット用:マジカルオートクッキングセット】をバビロニクス・ギルドホテルに設置しました』

「おやつも、皆が好きだった奴いれとこ……。べいくどもちょちょが好きな子も居るんだよね、入手困難だからこれが無限化するの、デカいよ~これは……! いや待って? こんなにいっぱい居たら10種類じゃ飽きちゃうんじゃ……」


 これ、飽きちゃうよね……10種類じゃ…………。


『【ちびペット用:パラダイス無限おやつ箱・10チョイス】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を10枚入手しました』

『【ちびペット用:パラダイス無限おやつ箱・10チョイス】を入手しました』

『【ゴールド応募券】を10枚入手しました』


 よし。おやつ入れて――――ん?


『――――う゛お゛』

『ん~♡ 気にしなくていいわよぉ~リンネちゃ~ん♡ おら、あっちで死ね…………ねえねえ、サリーちゃんのマカロンも~あげたいんだけど~? いいかしら~~?』

「あ、ど、どうぞ」


 なんだ、いつもの2人か……。片方はいつも通り死んでるね。サリーちゃんのマカロン美味しいし、今まで冷蔵庫に入れてたおやつで反応が良かったのをポイポイポイポイっと投入しておこう。入りきってない分は、ギルドの誰かが入れてくれるのを期待して呼びかけておこうかな!


『か~わい~……あ、サリーちゃんもいる~~♡ ちびクーガーも、あ……ルゥ……』

「この子が、ルゥちゃんですか……?」

『そ。他のは、まだ居ないのね……』

「あ! そういえばヴァルハラの花とか、他にも手に入りましたよ! ええ~っと、倉庫だったかな……」

『本当~~!!? おいクーガー!! リンネちゃんから大事なモン受け取るんだ、しゃきっとしろ!!!!』

『おう!!! すまないな、マスターリーダー! 何も返せるものがなくて!!』

「いいんです、これからもバビロンちゃんに誠心誠意お仕えして頂ければ、それ以上何も!」

『誓おう!!』

『ありがとうね~リンネちゃ~~ん♡ これでサリーちゃん達が集めたの合わせて~……一人分にはなったかも~!!』


 そっか、チビ魔神兵シリーズ全員揃ってると思ったけど、そういえばまだだった……。これで一人分か~…………。皆に呼びかけたら、持ってないかな??


「ちょっと、皆に呼びかけて他に持ってる人が居ないか聞いてみます」

『え~いいの~~♡』

『ギルド・同盟メッセージ:皆様お疲れ様です。以下に掲載するアイテムをお持ちの方がいらっしゃれば買い取っております。【ヴァルハラの花】【古代樹の樹液瓶】【ウルズの怒り】【ケルセラの愛】――――』

『ギルド・同盟メッセージ:それと、ギルドホテルのちびちゃん部屋に無限おやつボックスを設置しました。おやつになりそうなものがあったら入れてください。好感度上がりやすくなるみたいです』

「――――ほら、こうやって魚が釣れるのを待つんだ。釣れたら、あのキッチンに持っていくとそのボックスにはない美味しいご飯にして貰えるみたいだぞ」

『『『~~~!!!!!』』』

『ギルド・同盟メッセージ:追記、お魚系は部屋で幾らでも作れそうなのでお魚以外でお願いします』


 うんうん、これでいいね……あれ? あ! バビロンちゃん抱っこしたままだった!!!


「ごめんね~バビロンちゃん、抱っこしたままだった~! 大人しいから~……」

『~~~♡』

「ん? ばいば~い……ばいばいタッチ? はい、タッチ! ふふふっ……!!」

『ぐぉ……!!!』

『あっちで死ね。ちょっとこいつ片付けてくるから』

「あ、はい……」


 あ~~今日はここでずーっと過ごすか~……! まだ買いたい商品もいっぱいあるし、皆が来るまでここでごろ~んと寛いでおこうかな……。


「平和だ……。これから戦争だというのにな」

「…………あ」

「忘れてたか? 忘れてただろう? 今のは忘れていた時の声だな??」


 ソソ、ソンナコトナイヨー……????? ア、戦争、ワスレテナイヨーーー…………????? あ…………そうだ…………。


「…………そうだ」

「ああ、忘れてくれ。その顔はダメだ」


 良いこと、思いついちゃった…………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91yBAKrtvML._SL1500_.jpg
本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ