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317 番狂わせ

◆ コロッセウム・観客席のつくねちゃん ◆


 んー……強すぎでしょ、リンネちゃん。いや掲示板に書いてあった獄の内容より死ぬほど難易度高いんだけどなにこれ? って思ってたら、リンネちゃん基準の簡単か簡単じゃないかの話だ、アレ。


「リンネさんの後の試合だと何かこう、地味ですねぇ~~!」

「リンネちゃんが派手過ぎなんだよ……」

「それはそう、かなり思う」


 もうダメぽ……。リアルでは一応無職ってことになってる個人トレーダー。金に関する嗅覚が異常なほどに良い……第六感が備わってると言っても過言でない大物、情報収集能力もずば抜けている。風のうわさでは資産が300億を超えてるとかなんとか……。わっちとリンネちゃんに今日ボディガードを依頼して来たのも、このくじを確実に当てる気で居るからで間違いない。


「次は、魔神兵さん達とゴリアテくん達のとこですね~」

「カーー……ヨコ様達です~~!!」

「ど、どっちも強かった、で、でもあの魔神兵の4人が本気を出したら――」

「ゴリアテくん達が100勝ちますね~……あ! すまっせぇ~ん……」

「えっ」

「ちょ、ちょ、ちょっと、詳しく」


 え、まさかダメぽ……魔神兵を、切ってる? まさかよ。ティアちゃんが困惑してショック受けてるじゃないか。


「ティアちゃんあとでこっそり教えて上げるから、ね? ね? 今はこのチョコバナナで許してくれるかなぁ!?」

「はいっ! 何か理由があるんですねっ! ありがとうございます~!」


 うーん、ティアちゃんいい子……。笑顔が太陽。吸血鬼なのに光属性だ、卑怯だろ……。


「(んー個人チャットで送りますね?)」

「(あ、はい。わざわざありがとうございます)」

「(勝てる理由って言いますか、負ける理由って言いますか、魔神兵さん達が『魔神兵の域から出ない』からなんですよね~)」

「(ふむ…………?)」

「(サリーちゃんもクーガーさんも、アレでまだ完全に本気じゃなかったってことですね。魔神兵としてのサリー、魔神兵としてのクーガーでセーブしてるんですよ)」

「(…………ああ~!)」


 ああ、なるほど。一番わかり易いのがカーミラ(・・・・)さんか。満月の女王カーミラでもなく、吸血神姫カーミラでもなく、魔神兵のカヨコで出てるってことか。魔神兵で出せるレベルの最大限で戦う縛りプレイをしてるわけだ。はあ~……なるほど。


「ティアちゃんティアちゃん、お耳貸して~」

「お耳は取れないから、貸せないです……」

「あ、違うんだよね。あのね~……」

「ティア、耳を貸すっていうのはこう。こうやって内緒の話をするときに近くに来てという意味さ」

「わあ~! 賢くなりました! ありがとうございます~!!」


 ん……? 確か控えにはマリちゃんの名前も書かれていたはず……。こっちに居るってことは、出す気がない? それはそれで、マリちゃんが拗ねるような気もするんだが……。


「……動いているな」

「さっきの聖ほにゃらら、動いてる、確かにです」

「ドローンを近づけるか」

「どこ行くのかなー??」


 むーん……誰かの尾行? 監視? ここから誰かを追っているのか。この武の祭典、天下一決定戦のドサクサに紛れて何かしでかそうとしてる奴でもいるってことか?


『マスター、食うか? さっき貰ったんだ!』

『きゅぃ~ (貰った~)』

「インベントリに、あるから……。ねえ、貰った時、ちゃんと名前聞いた? お礼した? ん~~……もふキンの人たちかな……」

『聞いてねえ! あそこの連中だ!』

『ガリャルド、俺にもくれ』

『そのカリカリを一旦やめたらやるよ』

『ッチ、良いところなんだが……いや、ならいい。カリカリ優先だ』

『ふぅ~ん。メシより面白いもんかねぇ、それ』

『楽しいぞ。自分だけの輝きを追い求める至福と究極の時間だ』

『はぁ~ん……』


 そういえば、ラージウスがドラゴンでも使える魔導具のメガネに、コントロールなんて特殊能力をいつの間にか取得してたんだ……。ずーっと宝石を浮かべては爪先でちょっとずつカリカリカリカリ、カリカリカリカリ、宝石細工にハマってる。面白いもんか……?


「なるほど! ちょっと、安心しました!」

「まあまあ、まだ予想だからさ。どうなるかはわからないけどね」

『お待たせ致しましたーーー!!! Aブロックの試合を開始致します! 矛の扉からは――――』


 お、始まる。ダメぽの話の通りなら……むしろその情報をどこから仕入れたんだ? 本当、こいつの情報収集能力はどうなってるんだ? 


『基本をガチガチに極めている魔神兵と、基本をどこかに置き忘れてきた破天荒な森がモリモリ、どちらが勝つのでしょうかーー!!!』

『それでは、真剣勝負!!』

『始めッ!!!!』

「これでさっきと同じ動きなら……」

『ファイアボール。ファイアボール』

『ストーンウォール!!!』


 ああ、本当だ……。防がれるとわかっててファイアボールを連打するような相手じゃない、カヨコさんは。本気なら容赦なくアースデストロイヤーを撃ってくる。本当に魔神兵として参加した当初のスタイルを貫くつもりなのか。


『――――超合金、マジンダーーーーエーーーックス!!!!!!!』

『で、出ましたぁーーーー!!! 魔神兵はこのマジンダーエックスに対抗出来るのかーー!!?』

『スージー』

『把握済』

『おーーっと? スージーがマジンダーエックスの足に撃ちましたが、弾かれてしまったーー!!』

『いや、いや! 効いてますよ! 跳弾した弾丸が搭乗者に命中したようです!』

『何と言う狙撃能力だーーー!!!』

『か弱き我らの盾となれ! ダークプロテクション!!』

『しかしすぐに弱点を障壁で塞がれたーー!!! 思わぬ弱点、スカート内部から跳弾で狙えるという凄まじい狙撃を見せたが、耐えられて防がれてしまいましたーーー!!!』


 凄い、それでもその域の能力を限界まで引き出して戦ってくる。わかっている人が見れば『ああ、本気を出したら今のは死んでたな』とすぐにわかる。これはゴリアテさん達は勝っても教訓を得る勝利になるだろう。これで勝った~いえ~いなんて喜ぶようなやつはそこで終わりだけど、あの人達ならそれはない。


『使え!!』

『バビロ、ビーーーーーーーーームッッッッ!!!!!!』

『これは、味方からのマナの受け渡しでしょうか!? 全員の力を集結させた破壊光線が胸部から発射されたーーー!!!』

『あー! 障壁などで防御はしたようですが、耐えきれませんでした! 魔神兵全員ノックダウン、勝者は森がモリモリです!!!』

「跳弾でスカート内部のゴリアテさん狙撃するの凄かったですね~!!」

「カー……ヨコ様が、誘導してました~! 凄いです~~!!」

「本気なら、ま、まず間違いなく……」

「ですねえ~。見てみたい気もするんですけど、時期が悪かったとしか言えないですよね~」


 この後メルティシア侵攻戦が控えてる。手札は見せられないか、残念だけど……。


「あっ! 次はニンギリフさんのお弟子さん達と、ニンギリフさんにヤバい三美女チームですね~」

「…………弟子は、か、勝てるの? ニンギリフ、さんに」

「言っても大丈夫です?」

「聞きたい、かな」

「ん~それが、勝てないらしいですね~。勝てない上にプラス3人なんで」

「あ、無理……」


 次はもう、勝敗が見えたも同然か……。じゃあちょっと、ラージウスがお腹ぐるぐる鳴ってるし、パクパクさせてやるか。なんだってこいつらは、素直じゃないワンコみたいで可愛いんだろうなぁ……。


「ほら、お腹空いてるでしょ」

『むっ……。むぅ……』

『ぎゅあ???』

『い、頂きます……』


 たまーにつみれが翻訳されない鳴き声を出すけど、これ絶対『あ゛?』だよな……。たまーにおっかないんだよなぁ……そこも、可愛いんだけど。


『はぁ~~……。なあなあ、あの体の獄突破出来ると思うか~? マスターは全然だったよな~』

「かなりキツイ……。つみれは、成龍変化を使えないと無理、かも。物理的に届かない足場あるし……」

『ぎゅぃぃぃぃ~~……』

『ああ……。俺達は魔力によって体を支えている部分が多いから意外と身体能力が低いからな』

『驚いたぜ~自分自身の力の弱さによぉ~……。あれを突破したマスターのトモダチってなんだ? バケモンなのか?』

「多分、そう」

『だよな! じゃなきゃアレだけの猛攻でかすり傷すらないのはヤバいだろ! ははは!!』


 体の獄か~……。つみれといつもシンクロしてたから忘れてたけど、わっち自身のステータスはかなり貧弱で一般人そのものだから、いざシンクロなしバフなし飛行やダイブなしってなると、あまりにもキツイアスレチックだった。アレをクリアするには、まずは基礎身体能力を引き上げるようなスキルとかが必要になってくるか……。アレを突破したリンネちゃんって何? 死霊術師……術師だよな? 信じられないんだけど。


「ライバル視してたどん太くんは、当然のようにクリアしてたね……」

『う゛っ……』

「魔の獄も、お勉強してるんだって……。全部負けちゃうね……」

『い゛、いや、俺も勉強、してっから……』

『その割には上達しないようだがな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』

「あ、割った……」

『ぴゅあぁぁぁぁ…… (割っちゃったね~)』

 

 あ、ラージウスが力入れすぎて宝石割った。結構大きめのトパーズだったのに、しかも結構長い時間やってたのに……。


『エリス嬢に出来るんだ、俺にだって出来るはずなんだ……』

『んっんっ~まだまだだねぇ~~ん』

『エリス嬢のマネをするなガリャルド!! 悔しくなってくる!!』

「ちょっと似てたのがまた……」

『ぴゅい!! (80てん!)』

『――――そこまで! 勝者、廃教会の慈母!!!』

『いや、圧倒的でした。ニンギリフ1人で全員片付けてしまいましたね』

『スピード、パワー、テクニック! 全てが数倍上でしたーーー!!!! ギロチンの皆様にはますますの修行を期待しましょうーー!!!!』


 終わったか……。さて、じゃあ次は…………リンネちゃんか。


『そ、それでは……Bブロックに、移ります……!!!』

『お? 始まるか』

『ここは見ておかねえとな』

『ぎゅあ!! (来た!)』


 リンネちゃんの時だけはピタッとやってることをやめて本気で観戦するんだよ、このドラゴンズ……。やっぱり格上の相手の戦いってのは気になるんだろうね。それにエンターテイメント性もあって見てて面白いし。


「酒場に入ったな……降りてスパイダーモードに切り替える」

「見えない、ちゃんと使いましたか?」

「ステルスモード起動~!」

「ああ、起動した…………なんだ? ただ酒を飲み始めただけだ……」

「何も企んでない? おかしい、法皇まで居るなら、絶対ある思います!」

「ん~……つまんな~い……。あっ! ラーくん、宝石カリカリやめちゃった?」

『ん゛っ!? あ、ああ。リンネの試合だからな』

「あ!! ねえ、リンネ様の試合!!!」

「動きがあれば知らせるモードにして、観戦するか……」


 法皇……? まさか、メルティシア法国の法皇が居る? その監視をしてたってことか……。もう侵攻まで7時間を切ってるっていうのに、酒場で酒を飲んでるとは……呑気過ぎないか。それとも何か本当に企みがあるのか……。


「次は何をやってくれるんですかね~!」

「攻撃が、た、滝のように来るから、ナイアガラ、だっけ……」

『一人だけだな……』

『リンネだけじゃんか……あっ! 最初っからフリオニールとシンクロしてんだろ、あの鎧そうだ!』


 え、一人!? あ、違うシンクロで出てきてるから、二人落ち……?!


「そういえば、テイマー系は最初からシンクロ状態で出られるんでしたね~」

「そ、そう。じゃないと圧倒的に不利だし、救済措置……。リンネちゃんに、い、い、救済が要るか、微妙だけど……」

『――――なんとなんとまさかの二人落ち、2対4での試合となります!! しかもシンクロ状態で実質1対4だーー!! 一回戦のような一方的破壊の一撃で終わってしまうのかー!!』

『それでは、真剣勝負…………』

『始めッ!!!!』


 相手が完全に物理対策してたらどうするつもり……あ、リンネちゃん術師だった。忘れてた……。


『ブリザーマンとモロトフくんが猛攻!!! 炎と氷の織りなすコンビネーション爆撃だーーーー!!!!』

『リンネ選手は完全にガードの構えですね。攻撃を受けるつもりのようです』

『しかし、う、受けきっているぞーーー!? だが銃弾の嵐、これも追加で襲いかかるーーー!』

『これは、どうするつもりなんでしょうか!』

『リンネ選手は両手共にどちらも盾でガードしています!! この魔術と火炎瓶と銃弾の猛攻は耐えきれないかーー!?』

「や~これ、どうなんでしょ?」

「…………動画配信の方のログでで、で、もう……ノーダメージになってる」

『ぎゅぃぃ~~??』

「リンネ様、効いてないの?」

「ああ、効いてないな。逆に何か狙っているように見える」

「あっ!!! 幸運の女神様です!! きっとそうです!!」

「幸運の……?」

「女神……?」


 ん? ティアちゃんの言う、幸運の女神って、なんだ……? 防戦一方で狙える何かがあるってことなのか……あっ!!?? 動画のこの、ログ……!!!


『絶対的な幸運:リンネは幸運の女神の加護を受けた』

『リンネが合計1,571ダメージを受けました』

『幸運:リンネのHPとMPが完全に回復した』

『リンネが合計1,774ダメージを受けました』

『幸運:リンネのステータスが更に強化された』

『幸運:リンネの基礎攻撃力と基礎防御力が更に強化された』

『幸運:リンネのHPとMPが完全に回復した』

『リンネがダメージを受けていない』

『幸運:リンネのステータスが更に強化された』

『幸運:リンネの基礎攻撃力と基礎防御力が更に強化された』

『幸運:リンネが10秒間完全無敵状態になります』


 幸運!? まさか、ガードした時に一定確率で発動するタイプの幸運スキルみたいなのがあるのか!? じゃあ、リンネちゃんが狙ってるのはチャンスじゃなくって……!!!


『リンネが【フリスビー】を発動、クリティカル! ブリザーマンが7,599,401ダメージを受けました。ノックダウン!』

「はっ……!!!???」

『盾を投げつけただけで、これか……!!』

『ギャオアーーー……!! つっえええーーー……!!!』

『ぎゃお~~♡』

「リンネ様強いです~~~っ!!!」

「ああ相手が連射型なのが、あ、ああ仇になってる……。連射すればするほど、ガード時の幸運スキルが発動する……」


 何をしても一撃でぶっ殺せるぐらい強化されるのを待ってた……!!! 相手が連打型なのが仇になっている!! 数で攻める戦法が、逆に利用されてる!!!


『な、なんだ、今の威力はーー!!? ただの小盾を、無造作に投げつけただけに見えた攻撃が、一撃!! 一撃であります!!!!』

『ダメージを受けると強化されるのでしょうか、手数が逆に不利になっています!』

『こいつは、どうだっ!!!』

『モロトフくん選手が、背負っていた大砲を構えたーー!! 一撃に賭けるようです!!!』


 これを最初にやってれば、違った展開だったかも……。いやでも、多分リンネちゃんのことだから全部の対策を用意してあるんだろうな……。


『大砲にスロットのリールのようなものがあるぞーー!!? 7、7、7ーーー!!! オールセブンが揃ったようです!!!!』

『セブンフィーバー……シューーーーーーーーート!!!!!!!』

『リンネが50,450ダメージを受けました』

「あっ! 大丈夫かな~?!」

「全然大丈夫……」

『リンネが【フリスビー】を発動、クリティカル! モロトフくんが7,777,777ダメージを受けました。ノックダウン!!!』

「ぶっっ……!!!」

「何かあったんですか?!」

「後で、み、見せるね……」


 いやこれ、奇跡でしょ。リンネちゃんの攻撃の方が全部7が揃ってるんだけど……! あまりにも奇跡過ぎる。狙ってできるようなことじゃないもの。あ~危なかった、油断したらゲラ笑いが出るところだ……っく……っふ……!!


『あああ~~~っと、ガトリング砲の弾が尽きたかーー!?』

『残った両選手、絶望の表情です……』

『うおおおっと!!! ここでリンネ選手の盾が急に剣に変わったぞーー!? 両方盾だったものが、今度は両方剣であります!!!』

『完全に攻撃型に転向したということでしょうか、あああああっと!! サレンダー!!! もはや勝機なしと諦めたようです!!! 勝者、バビロン様の虜よりリンネーーー!!!』

『いやっああ~~~……。圧倒的、としか言えないですよね~……。最後あの状態で剣にされてゆっくり歩いてくるんですよ? 自分だったら夢に出ますよ、魘されます』

『まさに迫りくる死と言っても過言ではありませんね~~!!!』

「ひゃ~……で、さっき何で笑ってたんです!?」

「これ」

「…………うっはははは!!! これすごいや!!! セブンフィーバーに、7が7個のダメージで返したんですか!? すっごーーー!!! 奇跡ですよこれ!」

「ね、凄い……ふふ……」


 だよね、凄いよね。あれ、会場がざわざわしてる……? どうしたんだろ。


『え~ここでお知らせです。当選する可能性のあるくじの残り枚数が、31枚となりました』

『60万枚が31枚ですか~厳しい世界ですね~~』

『魔神兵敗退の時点で100枚を切っていたようです!! さあ、残り31枚を握りしめて観戦している皆さんも、惜しくも外れてしまった皆さんも、次の試合です!!!』


 うわー31枚しかないんだ……。これ、掲示板荒れてそう……ちょっと、ウォッチしてるところを覗いてみるか……。


『 ゴ リ ア テ シ ョ ッ ク 昨 日 ぶ り 』

『またゴリアテだ!! またゴリアテだ!!!』

『もう98票しかないンゴねえ……』

『次、どうなってしまうん……? ワイ、リンネちゃん抜きの他3組ならまだある……』

『お前の票は消える』

『あああああああああああああリンネちゃんお願い倒れてええええええええええええ』

『リンネちゃんヤバくね? このログヤバいよ』

『うはwwwwダメージ受けた途端から回復して、強化wwwww』

『(これ勝ち目)ないです』

『小盾一発で吹っ飛んでんじゃんwwwwwwww』

『ああ……! 迅速な武器切り替えか、小盾持ってんのか……』

『要塞で武器庫で大魔王、何なんだよ一体』

『要塞で武器庫で大魔王なんだろ』

『はい、はい、もうダメです。僕のくじさようなら』

『残wwwwwりwwww3wwww1wwwwww票wwwwwwww』

『まだ31はあるのか……』

『ランダム買いの奴のこってるんじゃね?』

『俺、あるよ……。でもリンネちゃんが3位なんだ……』

『それはない。終わったな、ドンマイ』


 うーん……。阿鼻叫喚、気持ちいいぐらい……。わっちはくじもう買えないと勘違いして、買ってなかったから……。どの道、魔神兵2位か3位に入れてたろうしハズレか。


「や~これ当たったら、楽しみだな~! もっと票減らないかな~」

「この書き込み、多分減るんじゃ、ない……?」

「釣りじゃなくて本物なら減るかも! おおおーーテンション上がるなーーー!!!」

「リンネ様勝った~~!!! 勝ちましたね~~!!」

「ああ、凄いな。我もあの手の超硬モデルのロボットアーマーを作るべきだろうか……」

「あの手この手、相手に合わせて楽しく倒す、見ていて凄いですね!」

「凄かったね~!!!」

『…………ガリャルド、どうやって勝てるかイメージ出来たか?』

『ん、今は思いつかねえ。次の試合になったら起こしてくれ……』

『ぎゅぃぃ~? (ふて寝~?)』

『わりいなかーちゃん、ふて寝するぜ……』


 わっちも、いつかはリンネちゃんと思いっきり団体戦でやり合ってみたい。でも勝てるか、うーん……。何が通じるんだろう、パッと思いつかないぐらい本当に、強いなぁリンネちゃんは……。

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