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315 ガトランタ王、喜怒哀楽

◆ コロッセウム・特別席・ガトランタ王 ◆


『――――魔神兵の連携に打つ手無しかー!? 防戦一方のウゴーノシュー、ここでリーダーのヤタガラスが耐えきれずにノックダウンしてしまったーー! サブタンカーのヨバリが防御を交代しています!!』

『ファイアボール。ファイアボール。ファイアボール』

『単純にリーダーのカヨコのファイアボール連打がキツイですね。一度に10発以上飛んでくるのがこの頻度なわけですから、これだけでもキツイです』

『じわじわと、じわじわと大盾を構えたグスタフが近づいて行きます! 魔神兵の戦線がじわじわと上がっていきます!!』

『ウゴーノシューは回復に追われていますね。接近戦用に用意もしているとは思われますが』


 強いな。チームとしての連携が、並外れている連携力が……。さすが魔神の神兵ともなると、戦い方も極まっている。確実に手を抜いている、いや手を抜いているというのは言い方が悪いな。この後彼らは戦が控えている……見せて良い手札だけで、圧倒的な戦いを見せている。


『攻撃圏内だ』

『暴れていいかぁ!?』

『抹殺』

『どうぞ』

『グスタフとレオンが動いたーー!!! 背負っていた大斧を抜き放ち、グスタフが突撃していきます!!』

『す、凄い大旋風です。しかしウゴーノシューもこの時を待っていたとばかりに接近戦を仕掛けるようです』

『あーーーーーっと! ふっとばされたーーーー!!!! 耐えきれない! 受けきれない! 流せなーーーい!!! グスタフの竜巻のような回転撃を避けてもふっとばされているぞー!!』

『ウゴーノシュー、ゼインがノックダウンです』

『あぁ~~!!? ヨバリが頭を撃ち抜かれたー! スージーの狙撃による一撃ノックダウンです!!!』

『当然、まだカヨコとスージーが後方支援を続けていますからね。接近戦で視野が狭まるとやられますよ』


 1対4、決まりだな。


『散れ。獅子連斬!』

『メルシーもレオンの斬撃に倒れました! そこまで! 魔神兵の完全勝利です!!!』

『いやーーー強いですね。基本が固い、団体戦のお手本のような戦い方でした』

『基本を極めたらこうなるんだぞというような、素晴らしい圧勝でしたーーー!! ウゴーノシューは突破力が乏しかったんでしょうか?』

「完全に受けに回ってしまったのが失敗、受けきれずに一人落ちたのも痛かったな」

「戦闘経験の差、集団戦の基礎力の差が大きいですわ」

『ガトランタ王とアーシャ姫から一言頂きましたー!!!』

『やはりやられたらやり返す、これが出来なかったのが一番痛いですね』


 うむ、やられたらやりかえす……。集団戦は押された方が負けるのは当然のことだ。あのファイアボールの弾幕に対抗出来るような攻撃策を展開することが必要だったな……。さて、次は――――ああ。見どころがなさそうだな。しかし森がモリモリ、面白い奴らの名前ばかりだな。


『では、次の試合に移ります! 矛の扉より――――』


 こっちは期待していない。聖天騎士が4人集まってもこの者達に勝てる気がしない。


『盾の扉からはチーム名【森がモリモリ】より、リーダーのゴリアテ選手。続いてグリモア選手。僕選手と、地球選手です』

『おや!? 全員術師系統のメンバーですか!?』

『術師とは言え、ソロであの活躍を見せたゴリアテ選手に、強烈な印象を残した僕と地球の二人も居ますからね。普通の術師と同じと考えては通用しませんよ』

『さあさあどのような戦いになるのか、期待の一戦です!!!』


 この4人、面白い戦いをすること間違いなしだな。ああ、物は言いようだな……期待の一戦、どちらに期待しているかは明白だろうに。


『真剣勝負!!!』

『始めーーっ!!』

『ストーンウォール!』

『ハイネスヴァイタリティー!!』

『ヴェレス・ヘーラ・ゴッディス!!!』

『いきなり動いたのは森がモリモリ、ストーンウォールで遮蔽物を生成しました!』

『対する聖天騎士も補助術を使用することを選んだようです。迎え撃とうということでしょうか』


 いや、これは――――聖天騎士は悪手だ。用意が終わる前にゴリアテを始末しなければ、もはやどうにもならなくなるぞ。ゴリアテはソロの時はあれが限界だったが、しかしこれは団体。もっと凄いものを作り出せるのでは――――な……い、かぁああああああああ!?


『オリオンパワー!』

『ベルセルク!!!』

『ハイマジックブースター!!!』

『起動せよ! 超合金マジンダーーーエックス!!!!!』

『あ、あ、あ、あーーーーー!!!?????』

『きょ、巨人です!! ゴリアテ選手が巨大なゴーレムを作り出してしまいました!!!』


 な、な、なんだあの、巨大ゴーレムは!!?? 10メートルはあるぞ!? いや、あれだけ巨大では動かすのも容易ではないはずだ!!!


『バビロケットパーーーーーンチ!!!!』

『ああああーーーーー!!!!? う、腕が発射されました!!! ゴーレムの腕が発射されましたーー!!!!』

『あっ……ぺ、ぺしゃんこですね……。受け止めきれずに聖天騎士が二人、ノックダウンです』


 すごぉい……。俺、あれ欲しいかも……。


『と、搭乗者を狙え!!』

『どこに乗ってるっていうんですか!!!!』

『知るか探せ!!!!』

『バビローリングキーーーック!!!!!』

『凄まじい回し蹴りです!!!!! 聖天騎士、なすすべもなく地面ごとフィールドの端までふっとばされ、ペチャっとなりましたーーーー!!!!』

『うわーーー……一撃ですよ、一撃……あ、そこまで。勝者は森がモリモリです』

『補助が特盛、パワーもモリモリでしたねーー!!!! ゴーレムにこんな使い方があったとは、いや! 彼の職業上人形扱いなのでしょうか!?』

『いやーーーあれを人形で括るのは無理があるでしょう。あ、解体されましたね。会場の岩を巻き込んで巨大ゴーレムを作るその発想、これは恐ろしいですね~』


 完全にゴリアテを軸とした戦い方、これもまた集団戦の強みだな……!


「全員が1人のために、1人が全員のために。素晴らしい戦いだった! そして凄まじい発想だ!」

「超合金マジンダーエックス、名前に反して大変可愛かったです……ちょっと、ミニチュアが欲しいと思ってしまいました」

『ガトランタ王とアーシャ姫からも一言いただきました! 私も欲しいですねー!』

『あ~俺も欲しいな~……あ、素が出てしまいました。申し訳ありません』


 いやはや面白いな、異界人が来てからの天下一は最高に面白いな!!! あれにどうやったら勝てるだろうか、俺ならばどうやって戦うだろうかと考えるのも楽しい!!! 今のところ、本来のゼルヴァを除けばおよそ勝てない相手は居ないがな!!! 魔神兵も本気の天井がわからんからなんとも言えんか!


『えーでは興奮冷めやらぬままですが! 続きましてー矛の扉より執行する右手(ギロチン)と――――』

「陛下、お楽しみのところ申し訳ございません。至急お伝えしたいことが……」

「むっ……。どうした」

「はっ! それが、あっ……! こ、困ります! あちらでお待ち下さいと――――」

「退け、下賤なる人間如きが」

「なんですか貴方達は、誰の――――」

「退け、女ァ!!!」

「姫様!!! ぐ、あぁっ……!!」

「きゃああ!!?」

「むっ…………」


 どうやら、招かれざる客が来たようだな……。法国、しかも法皇直々とは。


「ガトランタ王、今夜あのドブ底のネズミ達が我々の法国に不敬にも攻め込もうとしているのは知ってい――――ぐべぇびゃぁぁああ!!?」

「アブラミ法皇!!!??」

「おおっと、これは失礼。下賤な人間の手が勝手に動いてしまった。お前さんは高貴なる天族だからな、これぐらい許してくれるだろう?」

「お、お父様!?」

 

 こいつらにはもうウンザリだ。


「き、きひゃまぁぁ……!!!!」

「その武器を構えたが最後、お前はここから生きて帰れんぞ」

「ぐっ……!!」

「帰ってお前達のありがたーい女神にでも伝えておけ。武の国ガトランタは、お前達法国のケツを舐めるつもりはない、とな」

「ひぇ、ひぇんば」

「お得意の天罰か? いつ当たるんだ? 俺が何も知らないと思うなよ? 北の農作地、奴隷、鉱山の強制労働、口減らし……既に情報は掴んでいる。天罰が当たるべきはどっちだろうな?」

「く、ぐぅぅ……!!!」

「失せろ」


 全く、いい気分だったというのに台無しだ…………行ったか。


「おい、大丈夫かロクンド」

「へ、陛下……だい、じょうぶです……うぅぅぅ……!!!」

「これのどこが大丈夫なんだ? アーシャを守ってくれたのは勇敢だったが、娘はあの程度では傷ひとつ付かん。余計なことだと言いたいが……よく守ってくれた。ロクンドを治療してやれ!」

「はっ! おい、大丈夫か? 肋が数本折れたんじゃないのか?」

「…………ふぅ」


 搾取国家の法国のクズどもめ……。どれ、試合は……。


「お父様? 多分傷ぐらいは付きますわ?」

「…………そ、そうだな。うむ、すまぬ」

『――――執行する右手(ギロチン)のリーダー、ファステル速い速い!!! 相手を翻弄しています!!!』

『脱トラ、もいもいが反撃にファイアボールを連打してますが、全然当たりませんね』

『あ~~ここで脱トラのノックスが首を刎ねられました! ノックダウンです!!!』

『後衛から落とされてますね。ファステルに続いてセカンダ、サーディ、フォルスも一撃必殺の構えです』

『これが執行者の怖いところ、重い一撃を躱せるかーー!!? ああーーもいもいがノックダウン、サリアもノックダウンーーー!!!!』

『ミルニーダがサレンダーを選択しましたね。ん~~~耐えきれるだけの壁役が居なかったのが残念な結果になりました』


 ああ、やはり執行する右手(ギロチン)が勝ったか。ちょうどいい所だけ見てしまったな。全く邪魔しおって……。許せん……。


「お父様、大丈夫ですの……?」

「ん? ああ、法国か? 俺たちを頼る程に切羽詰まっている法国はダメだろうな。この天下一は世界情勢の縮図と言っても過言ではない。見ろ、バビロン陣営の圧倒的な強さを。これでバビロン陣営が圧政、侵略とならなければ何も問題ない……今のうちに、尻尾を振っておくか?」

「武の国ガトランタは、常に中立国であり続けたいものですね」

「そうだな……。俺もそうしたいが」

『続きまして――――』


 目先の問題は法国の崩壊だ。法国が崩壊したら何が起きるか? 今まで法国が抑圧していた国々が独立を始め、国家乱立時代に陥ることだ。それに各国で純粋なメルティス教徒も区別なく迫害されるだろう。国のトップがメルティス信徒だったのなら内乱が起きる国も出るだろうな。先の時代のルテオラのように……。この戦は、世界が激動する。その中で我々の国家が生き延びるには、中立の立場では居られないかもしれな――――。


『――――盾の扉からは廃教会の慈母、リーダーはミーシャ、メンバーはカーサ、リザ、ニンギリフの4人です』

『どのような戦いになるでしょうね~』

『相手がマッチョですからね……あーっと? まだ開始前ですが、マッチョ4人に動きがあります!!!』

『ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ーーーーーッッ!!!!!!』

『オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーッッ!!!!!!』

『タ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーッッ!!!!!!』

『ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ーーーーーッッ!!!!!!』


 お……? すごい、マッチョ達だな……良い筋肉だ……。魅せて来ている。


「――――いいよーキレてるよー!」

「筋さんの腹筋で大根をおろしたい!!!!」

「肩と上腕二頭筋が山脈みたい!! マッチョ山脈!!!!」

「…………はっはっはっはっは!!!!!!!!!」

『ガトランタ、お……ふ……っ……あははははは!!!! ロージごめん、かわ、あっははははは!!!!!!!』

『はい。ポポルが笑って仕事が出来ませんので、私ロージだけで実況と解説をしていきます。試合前にどうしても自分たちの筋肉を魅せたかったのでしょうね。ガトランタ王も爆笑しております』

「ドラゴンステーキの100倍!!!」

「マッチョの大売り出し!!!」

「筋肉列車発車しまーす! ムキムキマックス号ーーはっしーーん!!!!」


 なんなんだこの、ふざけたコールは!!!!! あっはははははは!!!!!


『あ、あらあら……』

『ミーシャ、うっとりするのはわかるわ。見惚れちゃダメよ』

『あら~。あら~……』

『良い筋肉だ。ここまで磨き上げるのは並大抵じゃない』

「マッチョエンジン始動!! 胸筋ぶるぶるぶるぶるーーーん!!!!」

「巨乳!!!!!」

「背筋がスイートルームぐらい広いわ!!!!!」

『それでは、試合を開始致します。真剣勝負――――あっ、始め!!!』


 もうこいつら試合に負けたとしても、面白さが優勝してる! さて、先代が余りにも強いと褒め称えた廃教会の慈母の力を見せてもらお


『ミーシャには悪いけれども、私は女の子のほうが好きですので、さようなら~』

『い…………!!?』


 う……か…………。あ……?


『しょ、勝負ありました。リザの剣の一振りで、マッチョ4人がノックダウンです! しかし、全員満足そうな表情で仰向けに倒れてノックダウンしています』

「筋肉が良かった!」

「それ以外全部ダメだったーーー!!!」

『ちょっと、ちょっとでいいの、触らせて、ね?』

『ミーシャ選手、ケケ月カ選手の腹筋をペチペチと叩いております。何やら満足したようですね、全員戻っていきます』

「一撃、だと……!?」

『い、一撃で、決まってしまいましたぁーー!!! 失礼しました、復活しました!!!』

「全く、見えませんでした……」


 全く見えん、何が起きたかすらわからんうちに終わっていた!!! ありえん、あんなにも強いのか、先代の推し(・・)は……!!!


『つ、続きましてBブロックに移ります。矛の扉からはバビロン様の虜……リーダーはリンネ選手、メンバーは大きな狼がどん太選手、オーレリア選手、フリオニール選手です』

『対する盾の扉からは動物園、リーダーはもってぃ選手ー! メンバーは大きいアヒルがガリウス選手、小柄な狼フォレス選手、獅子獣人のモフリー選手でーす!!!』


 もう、5戦目か……。なんというか、あっという間に過ぎていくな……。


『どうなるでしょうか?』

『お互いテイマー系でしょうか、主人と従者3人というぶつかり合いですね。特にどん太選手がどれほどの機動力なのか、無敗の300勝リンネ選手がどれほどなのか、期待が高まります』

「む、無敗の300勝……!?」

「あら、お父様そこは見落としてましたの?」

「そこは、見ていなかったな……」


 無敗の300勝!? しかも、1人抜けていたり2人抜けていたりするではないか!? それがフルメンバーで来ている……こ、これは、どれほど圧倒的な試合展開になるだろうな……。


『それでは開始致します。真剣勝負!』

『始めーッ!!!』

『さあまずはもってぃ選手が動いた! 連携技を出すつもりでしょうかー!!!』

『おや……? あれ? リンネ選手、始まっていますよ? リンネ選手動きませんね……』


 動かない……? なぜ、動かないのだ? 相手が着々と準備を進めているのに、何も行動しないというのは…………。


『――――行け~~!!! 必殺! 師匠撃退フレイムクラスターボンバーーー!!!!!!』

『炎の大玉から、巨大な炎の絨毯がリンネ選手達に襲いかかります!!! リンネ選手はどう対抗するのかーー!?』

『いや、何もしないようです! 何もしていません!』

「あの攻撃では……!」

「やる気がなかったのでしょうか……決まり、ですわね」


 これは、やる気がなかったのか……。なんだ、失望したな……。この炎の絨毯の爆撃、間違いなく生きては居まい。


『――――ふぅ……』

『あ……!!? ああああーー!!? リンネ選手達全員が、生きています!!! 服に付いた火の粉を面倒くさそうに払っています!!!』

『火に完全耐性ですかねーー……いやーこれは予想外ですねもってぃ選手』


 い、生きている……! 耐性があったのか……!


『ま、まだ!! アクアバーストランチャーーー!!!!!』

『まだもってぃ選手攻撃が終わらない! 今度は大津波のような水塊攻撃です!!』

『反対の属性ですから、今度は耐性をもつのは難しいですよ!』


 しかし即座の反対属性、どちらかの属性防御を高めればどちらかは落ちる……。これは、効くだろう……。


『――――ん~……』

『わうぅ~~』

『効いていない!? 効いていないようです!!! これまた面倒そうに水を払っています!!!』

『サ、サンダーストーーーム!!!!!!』

『続けざまのサンダーストーム、ずぶ濡れの相手には効きますよこれは!』

『今度は流石にマズイかーー!? 万事休すかーーー!!!』


 …………まさか、これも、効かないなんてことは、ないだろう……?!


『き、効いていないのかーー!!? ピンピンしているぞーーー!!?』

『あっ、フリオニール選手が動きました。回復術を発動しましたね。少しは効いているようです!』


 少し!? 少し効いただけなのか!? 今の、猛攻で!?


『――――もってぃさん。結婚式で貰ったお祝いの品のお返しをしますね。リアちゃん』

『はいっ! シンクローーー!!!』

『ここで遂に動いたぞ! リンネ選手、オーレリア選手とシンクロを発動したかー!?』

『テイマー系は親密度が非常に高いと従者とシンクロが可能ですからね、恐らくそうでしょう!』

『ああああああやっぱり怒ってる~~~~!!! ごめんなさい!! ごめんなさい!!!』

『汝は知るだろう、深淵よりも深き闇の底……絶氷よりも凍てつくもの、地獄の業火よりも荒く――――』

『絶対あれ止めないとヤバいもん!!! モフリー何かないの!?』

『バカ言うな、もうMPがすっからかんだぞ!』

『ガァーーー……』

『ポーション! これで頑張って!!!!』


 なんだ、聞いたこともないあの詠唱……。何を、発動するつもりなんだ……?!


『弾けろ業火よ、ファイアブラストーー!!』

『ガァーーー!!』

『ガウォォオオオン!!!!』

『突き抜けよ、ストーンバレット!!!』

『(´・ω・`)』

『わう』

『もってぃ選手達の魔術乱射です! だが、どん太選手とフリオニール選手に全て弾かれているーーー!!!』

『――――全て、全て、全て無へと還れ。塵も残さず、泡沫の夢のように』

『あああああーーーー!!!!!』


 大丈夫、だろうな……!? 結界は補強された、まさか大丈夫だろうな!?


『終末の黒猫よ、来たれ』

『あ――――あ……?』

『ね、こ。猫……? あれだけの大掛かりな詠唱で、小さな黒猫が一匹出てきただけでしたーーー!!!』

「あら、可愛い……」

「可愛いか? いやしかし、猫を出すにしては大掛かりな……」

『こ、この可愛い猫ちゃんが、返礼品ですか!?』

『はい。その子がお返しです』


 猫……。黒い猫……。余りにも物騒な詠唱だから焦ったが、猫を出すだけとは……会場からもやる気があるのかとブーイングが上がり始めているが……。


『わ、わあ~ありがとうございます~……??』

『どういたしまして。では…………さようなら。ニャーリ・トゥム・ニャーリ・ニャッテ』

 


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