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298 朝からエキサイティング

◆ 説明しよう、ユニオンダンジョン加賀利の戦とはッ!!! ◆


「なんで1回目と3回目のスタンピードは魔龍出たのに、2回目は出てこなかったんだろうねー」

「運か? メンバーの問題か?」

「1回目と3回目はリンネちゃん居て、2回目はリンネちゃん抜けて確定でぽこんこ乱入だったから殺しに行ってたんだっけ」

「リンネちゃんがトリガーならー……なんだろ?」

「あー……。超越、ですかね」

「それかな? それかも」

「後はー……」


 朝ごはんを終えたらね、もう皆やる気満々って感じでふんすふんすってしてたから、オールナイト組とユニオンダンジョンに行ってきちゃった。結構睡眠を大事にしてるうちのメンバーさんが誰も寝ないで参加して来たんだから、加賀利関連が今どれだけ熱量を持ってるかわかるね。

 まずこのダンジョン、突発イベントがランダムに2個決定される。零姫おばあちゃま、麒麟、やおちゃん、ゼオちゃんが参加してるイベントマップにはぽこんこが乱入してこない。それと何回でも行ける拠点制圧にも乱入して来ない。つまりある程度乱入はコントロール出来て、乱入して欲しいパーティは強いNPCを連れて行かないで行けばいつか当たるってわけ。後これは多分だけど、スタンピードには乱入して来ない。

 それで、この乱入してくるぽこんこは【妖狸大将軍・ぽこんこ】だから本物。偽物の名前は【妖狸大将軍ぽこんこ】で、なんか微妙に違う……ハッ!? となって見返してみて発覚した。この乱入で停戦交渉を受け入れるか、この場で何としてでもぶっ殺せば最終イベが変化するって感じ。ちなみに最後のイベントが乱入確定ってなった時は強いNPCは出撃を拒否される。こうなっちゃうとやおちゃんと麒麟が酒飲み始めて使えなくなっちゃうから、最終イベで詰み。

 最終戦をぽこんこにした場合は麒麟、やおちゃん、ゼオちゃんだけ生き残る。継承者イベはやおちゃんが選べるけど、近接職のプレイヤーを継承者にしたほうが絶対に良い。申し訳ないけど継承やおちゃん、よ……よわ……い……。本体性能がね、うん……。

 あーだこーだあったけど、重要なポイントをまとめるとこんな感じ。



【まとめ】

・【必須】兵糧ゲージ維持の為にひたすら拠点制圧する組が必要

・【必須】雑魚処理優等生組と、ボス処理優等生組で事前に分けておくとスムーズ

・【必須】スタンピードのラージウス達が出てくる条件は【超越者のプレイヤーが居るかどうか】がトリガーになってる。ここ追加評価点になるんで絶対出す

・【必須】ぽこんこ絶対殺す。殺さないとNPC5人がイベ死する。評価点下がるから絶対殺す

・【必須】やおちゃん、麒麟はとにかく出撃させる。本陣居ても使い物にならなくなるだけ。酔い醒ましも効かないからマジでどうしようもない

・【必須】オロチのギミックを理解すること。わかったかペルセウス!!! どん太でも理解出来たぞ! その『わかりましたわ! (わかってない)』をやめなさい!

・【必須】麒麟加入

・【推奨】ゼオ加入



「――こんなところですかね」

「素晴らしいですわ! 流れが完璧にわかりますわ!」

「…………これはわかってる顔ですね」

「わかりセウス」

「確かに、顔がペルっとしとらんなぁ」

「ペルちゃ~ん。エリスちゃんと一緒に、ちょ~~~っとお勉強しよっかぁ~」

「あ、やだ、エリスさんが本気で怒ってますわ……! ごめんなさい、ごめんなさい……!」


 とりあえず満点が1,200点ってわかったのと、エリスさんが怒ったら案外怖いっていうのと、ペルちゃんのギミック理解力がどん太以下ってことがよくわかるダンジョンでした。オロチ? オロチはギミックやってディーリングタイムにボッコボコにして、終わり! ギミック飛ばしは対策されてて、残りHPの上が偶数、下一桁が~0パーセントになる度に無敵になるから、絶対にギミックはやらされるのだけは大変だった。例外として残り5パーセントになると受けるダメージを激減して最後の抵抗モードに入るから、実質HPは95パーセントと実質残り30パーセントぐらいある5パーセントを削るようなイメージだね。

 ギミック無視して殴ろうとしたペルセウスとかいうゴリラは反省するように。ダメージコピーされて大勢死人を出したことを反省するように。あのおにーちゃんが『もうダメぽ……』さんを指さしてから膝から崩れ落ちるぐらいの挫折を味わわせたことを反省するように!!!


「あ、完全クリアすると……報酬、増える」

「本当だね~ラインナップが増えてるよ~」

「幻の狐コインに【女神の選択箱】【魔神の選択箱】【死神の選択箱】【冥神の選択箱】が追加されとるなぁ……合計で一生に1度だけしか交換できへん、気をつけなアカンでこれ」

「わ~テイマーは従者の数だけ増えてます! 僕、4回まで交換出来ます!」

「ほほほ、ほんと、だ……。4回、あ、ある」

「テイマー系羨ましいなぁ!? ああ、言うて従者の世話もあるしな……」

「1人で気楽な僕らとの差だよ~。それだけ大変なんだから、ちょっとした優遇措置は必要でしょ~」


 それと、完全クリア報酬の追加。幻の狐コインを使って【バビロンボックス】の中身を一度だけ選択出来るってボックスが追加された。これはテイマーならモンスターの数だけ増えるみたいなんだけど、どうやら増える上限は4個までみたい。私は従者たくさんいるけど4個までって書いてあるから、これが上限なんだろうね。そうじゃないと、従者の数をそこらのモンスターでかさ増しして大量取得って人も出てくるだろうしね。これは仕方ないか。


『おおきに~毎度毎度~♡ 大事に使ってくださいねぇ~……』

『【?魔神の選択箱】を3個交換しました』

「……お゛」

 

 そして、ええ。ありましたよ……【◆◆ヘルジャッジメント】が!!! そしてまさかの2箱消費して交換出来る【◆◆◆幼き退廃の黒】、どっちも交換可能回数は一度のみ。正直ものすごく……とてつもなく迷ったけど、交換可能リストを見た限りだとほぼ間違いなく『相性が良い組み合わせ』だと確信したので……皆には悪いけど、我慢できないので交換です!!!


『【◆◆ヘルジャッジメント】を交換しました。以降【?魔神の選択箱】から入手することは出来ません』

『【◆◆◆幼き退廃の黒】を交換しました。以降【?魔神の選択箱・2箱】から入手することは出来ません』



【◆◆◆幼き退廃の黒】(消費アイテム・トップシークレット・杖系アップグレード)

・【呪】このアップグレードキットは【杖系】のみに使用可能

・【呪】このアップグレードキットは【魔界系武器】のみに使用可能

・【呪】このアップグレードキットは【スーパーシークレット等級武器】のみに使用可能

・【呪】このアップグレードキットを使用後、如何なる方法でも取り外し不可となる

・必ず成功する

・条件を満たす全ての武器に使用可能

・アップグレード時に以下の性能を獲得する

 ┣HPが秒間10%で減り続け、常に瀕死になる

 ┣MP+500%

 ┗全ての悪性反動をゼロにする

 ――――ワタシが皆を守らなきゃ。 by魔神バビロン

 重量追加0.1kg


 

 ほら、間違いないよ。絶対これでしょ……。へへ、うへ~。あ、カード抜き取りのアイテム、買っちゃお。今武器に刺さってるカードを抜いて、新しく作ったほうの死霊杖に刺して……。よぉし、合体だー!!


『【◆スタッフ・オブ・バビロン】に【◆◆ヘルジャッジメント】を使用し、アップグレードを開始します……』

『【◆◆スタッフ・ヘル・バビロン】が完成しました!』

『【◆◆スタッフ・ヘル・バビロン】に【◆◆◆幼き退廃の黒】を使用し、アップグレードを開始します……』

『【◆◆◆ヘル・ゴシック・バビロン】が完成しました!』


 お……。お……? ダメ……? 違う……? いや~~お願い流石にもう入手手段が限られてるんだから勘弁して欲しいなぁ~~って!!!


『【◆魔神バビロンサイン入りカード】と【◆◆◆ヘル・ゴシック・バビロン】が共鳴し、究極超神器化します!!!』


 お!! お!!!! お!!!!! 来た、来た、来た!! カードまで必要だったのこれぇ!? 嘘ォ!?!?


『【?Babylolita】が完成しました! おめでとうございます!!!!!』


 あ゛……♡ ばびろりーた……♡ で、できちゃっちゃ……♡


【?Babylolita】(究極神器・ニューホープエピック・死霊杖・空きスロットなし【●】)

・【呪】超越死霊術師のみ装備可能

・【呪】魔神バビロンの愛し子のみ装備可能

・【呪】メルティス系に特効攻撃

・HPが秒間66.6%で減り続け、常に瀕死になる

・MP+700%

・魔術攻撃力+66.6%

・全属性攻撃力+66.6%

・最終攻撃力+66.6%

・MP消費33.3%軽減

・罠感知、任意で無効化 (クールタイム30秒)

・全ての悪性反動をゼロにする

・スキル【★ヘルジャッジメント】獲得――獲得済み

・スキル【★バビロンパンチ】獲得――※使用条件を満たしていません

・【◆魔神バビロンサイン入りカード】スキル【魔神の大鎌】使用可能

 ――――遂にここまで来たのね……♡ by愛しの魔神バビロン

 強化不可・死の超越者【リンネ】・重量1.1kg



「あれ、リンネちゃ~ん? もしもーし?」

「アカン、完全に何かに満足して放心しとるでこれは」

「あーちゃ――――ぐべぇ……!?」

「まだ勉強中だよね~?」

「リンネ、これはヤバい。ちーちゃん、お布団まで運んであげるべき――――」


 私はもう、満足じゃ……。そしてごめんなさい、後でヘル・バビロン・エッセンスは試しに……分解、してみようかなと思います……。




◆ 説明しよう、獄とはッ!!! ◆




 ――――そんなわけで、加賀利城内に戻ってきたついでにやって来ました。獄です! 他のメンバーは皆疲れてるので一時休憩ってことでお休み中です!


『――――Welcome to HELL!!!』

「……場所を間違えたようでございます」

「左様にございますか」


 うーん、千代と一緒に勢いよく獄に来たのに場所間違えたわ。何あのキラッキラしたふざけた看板? しかもなんかちょっとイラッと来る音声付きだし。うぇるかむとぅへーるじゃないよ。馬鹿にしてんのか。


「おかしいですね、やはりここです」

「うっそぉ……」

『Welcome to HELL!!!』

「やかましいわ!」

『Welcome to HELL!!!』

「くっ……」


 ば、馬鹿な……ここが、このゆるーーーい空間が獄だと……。千代千代も千代っと(ちょっと)困ってるじゃん。ふふ……。い、いや何でもない。


「此方の味わった地獄のような修業の場では、なくなっていますね……」

「むしろ元々どんな場所だったのよ」

「奈落に針の山に業火に極寒に、ありとあらゆる恐怖と苦痛が犇めくような場所にございました」

「うわあ」


 あ、それはプレイヤーには無理だわ。このゆるーい改変も致し方ない、致し方ないね。だとするともしかして、内容もすっごーく緩くなってたりしないかなーこれ。なんかすっごいそんな気がして来たんだけど……。


「あちらに何か書いてありまする」

「ん、本当だ」


 わ~……なんかものすごく、こう……頑張って可愛くしましたって感じの石碑があるわ……。いや、無理がある。すごく無理があるよ、なんというか『親しみやすいように作り直して』って仕事が来て、『はい! 出来る限りプレイヤーに親しめるように作りました!!!』って斜め上の仕事をして、『そうなんだけどそうじゃないんだよね』ってやりとりがあったんじゃないかってレベルの雑さをね、なんか感じちゃうんだ……。


『ご紹介します! 獄はめでたくレベル150を超えたプレイヤーが挑戦出来るコンテンツです! レベル150を超えてから転生しても出来ますが、レベル149以下で転生したら出来ませんから注意してください! だからレベル150以上になってから転生しようね!』

「あ、うん……うん……」


 今レベル151だから行けるね……? それで、ここは何をさせられる施設なのかな……?


『各種獄について、ご紹介します――――』

「ほーん……。ふぅーん……?」


 うんうん、うん? うん??? 難易度はそんなに、高くないんじゃない? 一撃で全部倒せとか、何秒以内に倒せとか……。


『クリアした成績によって、獲得できる特殊能力に差が生じます! 大変良い成績でクリア出来た場合、それ相応の特殊能力が手に入るということです!』

「ちょっとこの、速の獄からやってみない?」

「ここは、どのような……」

「とにかくスピーディに、全5波あるモンスター襲撃を20秒以内に倒せばいいみたい」

「面白そうでございますね」


 獄が、アトラクション化してる気がする……。まあとりあえずこの速の獄からやってみようか。何度でもやりなおせるみたいだし、これは2人で出来るみたいだしね。


『速の獄にようこそ!!! 【開始する】を選択し、転送して3秒のカウントダウン後すぐに開始されます! できるだけスピーディに敵を殲滅してください!!!』

「はーい。千代ちゃん準備オッケーねー?」

「はい、大丈夫でございます」


 入場時にバフとかは全部剥がれるのね。これは入場前に大勢からバフを受けて中で大暴れ出来ないようにっていうズル防止だね。上位コンテンツだと当たり前みたいにこれがついてるわ。


『ご武運を! ぐっどらーっく!』


 なんだろう、気軽な雰囲気で地獄に誘い込まれてるようなこの感じ。絶対に失敗とかしたくないわ、どんだけ煽られるかわかったもんじゃないよ……。



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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
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