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293 加賀利の戦・大団円

◆ 加賀利城・広場 ◆


『エリアメッセージ【世界の管理者】:総合評価について、現在運営チームで審議中です。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。暫くお待ち下さい……』

「と、言うわけで! 皆おつかれ~~!! かんぱ~~~い!!!」

「「「「「かんぱーーーーい!!!!」」」」」

『ワォォォオオオオーーーーーーーーーン!!!!!!』

「恵太ァ! 気合い入れて芋剥け芋ォ!」

『んなこと言ったって上手く出来ねえんっすよぉ!』

『恵太さんそれ貸してッ!!』

「はい千代ちゃん、あ~ん」

「はぁぁぁ~~~ん……♡」

「すごい。誰も、運営のメッセージ聞いてない。あわれ」

「レーナちゃん気がついてるだけ偉いよ~~!」


 帰るころには千代ちゃんは元気になって晴れ模様になってた。相変わらず、ご飯さえ食べておけば回復する……この異常なまでの回復力、本当に凄い。


「それにしてもリンネちゃ~ん。結局最後はリンネちゃんが決めちゃったんだね~~??」

「あ、違うんです、あれは……。最後の最後で千代ちゃんを道連れにしようとしてたんで、イラッとしてぶん殴ったのがトドメになっちゃって……」

「「「「殴った」」」」

「あーちゃん流石ですわ~~!!! 初手で天使を殴り倒した時からおててが悪い子ですわ~~!!!」

「「「「天使を殴り倒した」」」」

「そうそう~バビロンオンラインになってから暫くだけど、最初に天使出てこなくなったらしいよ~? 今は機械が所狭しと並ぶ場所でキャラクリするんだって~」

「ほえ、そうなんですか」

「え~それ知らなかった!」

「まあバビロンオンラインになってんのに天使出てきたら変だし――――」


 へ~今ってもう天使出てこないんだ。それは良いことだ……あれ、そういえばやおちゃんは何処に行っちゃっ――――あ~~~~。


「きりぃぃんさぁぁぁん????? もっと飲みましょうよぉぉ~~~ねえ~~~~」

『さ、最初から飲み過ぎなんじゃ! なんで最初から一升瓶を一気飲みするんじゃこの娘は!?』

「ええ……」

「やおはご飯は食べないのですが、昔から酒となると、止まらぬのです……」

「あのペースで、大丈夫なの……!?」

「あの調子で朝まで飲みます」

「嘘でしょ……」

「あっははははは~~!!!! おさけおいちい~~~!!!! ほぉら、飲んで飲んでぇ~~」

『つ、注ぎ過ぎ!! 溢れとる溢れとる!!』

「なんや酒癖の凄まじいねーちゃんやなぁ~。ワイも飲むかぁ~……」

「お? お? おにーさん飲む? 飲む? 飲む――――ひっく!!」

「おわぁ!?」

「ああやって妖力を蓄えるのです……」

 

 あ、レイジさんがやおちゃんの炎の狐尻尾で、髪がチリチリに……。千代ちゃんがご飯を食べて燃焼する時の尻尾をぼわーーーっと燃やすやつ、やおちゃんはお酒でやるのね……。あれが妖力を回復する手段かぁ~~~……!!! ん? 誰か来る、誰だろ……?


『――おやおや、争い事の気配と思って来てみれば。既に終わった後ですか』

「あぅ~~ん? 誰、誰、美人!! 頭のそれ重くないですかぁ~~???」


挿絵(By みてみん)


『重くはありませんよ。おおっと失礼、私の名前はワイパーニ。お金が大好きで、珍しいものを集めるのが趣味の流れ者の商人に御座います』

「あ゛……」

「え、レーナちゃんあの子知ってる……?」


 ワ、イ……パーニ……? ワイパーニって、レーナちゃんの装備してる踏み倒し指輪の……?! 何この人『私はそこらの商人と同じ、極普通の商人ですよ~』みたいな顔で居るわけ!? いや、よっこいしょって店を広げないでくれる!? そのアタッシュケース格好いいですね!? カチャッと開くとどこでも露店みたいにお店設置出来るんですか~! へ~~!


「し、しの、しょうにん……」

『おやおやおやおや!!! 私のことを知っている人が居ましたか!!! では包み隠さずお話しましょう。私は死の商人ワイパーニ、で? この可愛い私そっくりなロボットがワイパーミ。皆様に強力な武器や防具を提供しに参りました、が~……どうやら戦は終わってしまったようですね。今回は(・・・)


 こ、ん……かい、は……?


『エリアメッセージ【世界の管理者】:ワイパーニが先行して到着してしまい申し訳御座いません。ワイパーニと取引可能な報酬アイテム【加賀利金貨】【加賀利銀貨】の発行が遅れております。今暫くお待ち下さい。申し訳ございません』

『エリアメッセージ:【加賀利の戦】に勝利し、加賀利城・広場に【ユニオンレイドダンジョン:加賀利の戦】がオープンされました!』

『エリアメッセージ【世界の管理者】:重ね重ね申し訳ございません。現在報酬を審議中ですので、【ユニオンレイドダンジョン:加賀利の戦】へのご入場はお控え願いますよう、よよ(・・)しくお願いいたします。誠に申し訳御座いません』

「運営メッセージこんなに連発するの初めて見た~~!!」

「しかも誤字ってるし。めっちゃ焦ってそう」

「いやぁ~~ぐっだぐだだぁ~~!!」

「何がそんなに時間掛かってんのこれ?」

「たぶん、麒麟? エラーいっぱい吐き出してた」

「「「あ~~~~」」」


 あ~~この加賀利の戦、ユニオンダンジョン……ユニオンダンジョンって何?! 初めて見たんだけど、何?!


「はい、千代ちゃんあ~ん」

「もうはいひゃないれひゅ」

「あ、ごめん!」

「ひあわへ♡」


 おお、千代ちゃんのお口にお肉ツッコミ過ぎた! でも頬をぷっくり膨らませてもぐもぐしてる千代ちゃん、うん。可愛いね……! それで~……え~っと? ワイパーニは加賀利の戦で手に入る報酬で、何かアイテムを交換出来るタイプの商人NPCってことでいいのかなこれは。早く報酬届かないかな~。


『エリアメッセージ【世界の管理者】:お待たせ致しましま(・・・・)。この度は超高難易度エリアリアルタイムイベント【加賀利の戦】での勝利、誠におめでとうございます。報酬授与が大変遅くなってしまったこと、深くお詫び申し上げます』

「お、来た!」

「きた~~」

「じゃがいもまだか! 来ねえぞ!!」

『い、今!!!』


 報酬やっと来る~~!!! なんか逆に来ない来ないって嘆いてる声も聞こえるけど、ごめんなさい! 聞こえなかったフリをします……!!!


『エリアメッセージ【世界の管理者】:まず、この度のイベントについての評価を発表致します』

『加賀利兵力強化評価:★★★★★』

『デロナ隠密行動妨害評価:★★★☆☆』

『死灰丸・ホウエン襲撃イベント評価:★★★★★』

『スタンピード (Ultimate)撃破評価:★★★★★+★★★★★』

『兵糧・士気ゲージ維持評価:★★★★☆』

『参加想定人数100人:58名・★★★★★】

『零姫:死亡 (マイナス10点)』

『百姫:死亡 (マイナス5点)』

『剛烈:死亡 (マイナス5点)』

『八百姫:生存』

『メイナ:生存』

『ラーラ:生存』

『シークレットユニット【Z0】:加入・生存』

『シークレットユニット【麒麟】:加入・生存』

『最終ボス【大妖狸ぽこんこ・神狸ぽこんこ】:完全撃退』

『総合評価:977点 【SPECIAL!!!】』


 え、あ……。零姫おばあちゃま達が死なないでも、最終戦突入可能だったってこと……?! しかもわざわざ最終ボスがぽこんこって表示されてるってことは、ここも最終ボスがぽこんこじゃない可能性も、ある……!?


『エリアメッセージ【世界の管理者】:次に最も活躍したプレイヤー・NPCを発表します』

「リンネちゃんでしょ」

「そりゃそう」

『【大妖狸ぽこんこ・神狸ぽこんこ:最高のディーラー】:姫千代 (リンネ従者NPC)』

『【悪虐オロチ:最高のディーラー】:ブリザーマン』

『【嗜虐デロナ:最高のディーラー】:Z0 (リンネ従者NPC)』

『【暴虐死灰丸:最高のディーラー】:お昼寝大好き』

『【苛虐ホウエン:最高のディーラー】:ティアラ (リンネ従者NPC)』

『【制圧者】:つくね』

『【救済者】:グリモア』

『【破壊神】:ペルセウス』

『【回避神】:もうダメぽ……』

『【苦労人】:白銀のレーナ』

『【消費王】:モロトフくん』

『【一撃王】:ブリザーマン』

『【不死身】:フリオニール (リンネ従者NPC)』

『【準MVP】:つくね』

『【総合MVP】:リンネ』

「「「「ですよね~~~~~」」」」

「あ、す、すみません……えへ……」


 お~~MVPだ~!! いや~MVP以外にも評価がいっぱいあって面白い~! つくねちゃんが準MVPなんだ、これは雑魚殲滅全般にスタンピードではラージウス達の相手をしたり、最終戦でもオロチにトドメを刺したりで大活躍だったからかな。え、私より活躍してる気がするんだけど? 


『エリアメッセージ【世界の管理者】:MVP、準MVP、功績者に選ばれたプレイヤーには個別で選択式の報酬が提示されますので、お選び下さい。全プレイヤー・従者NPCには平等に【加賀利金貨】【加賀利銀貨】がそれぞれ配布されます』

『【加賀利金貨:977枚箱・9セット】を受け取りました』

『【加賀利銀貨:1,954枚箱・9セット】を受け取りました』

「え~いいな~」

「モロトフくん、使った分以上に戻ってくるんじゃない?!」

「ヨカッタ、ヨカッタ……」

『MVP報酬をお選び下さい――――』


 なんかMVP報酬貰えるみたいで、どうもすみませ~ん……えっへへ~……。どれどれ、報酬は何が貰えるのっかな~~??? 楽しみだなぁ~~!



【リアルタイムイベント・加賀利の戦用MVP報酬リスト】

・【◆◆◆ハイアップグレードキット選択箱・3点】&【◆◆アップグレードキット選択箱・3点】

・【?転生の書】

・【?神器選択箱・2点】

・【?将器選択箱・2点】

・【?超機選択箱・2点】

・【?オールステータスアップ神薬】

・【加賀利金貨・5,000枚】&【加賀利銀貨・10,000枚】

 

 おおおおお……。おおおおおおお…………。もう、欲しいですこれってアイテムがずらーーーーーーーっとならんでる……!! 転生の書とか、今のスキルと割り振ったステータスをそのままにもう一度レベル1から即時やり直すって書いてある、なにこれやっばぁい……!! 他には~…………あ…………あっ…………。



【? (限定報酬) 失われた華やかな加賀利を取り戻し、零姫を受肉転生させる】



 あ…………。これにしよ……。他のアイテムなんて全部、なんとかすれば手に入るもん。おばあちゃまは、おばあちゃまは無理だから、絶対に。ちょっと千代ちゃんとかゼオちゃん、ティアちゃんとおにーちゃんの報酬も見てみよう。あるはず、絶対に。


【? (限定報酬) 散っていった加賀利の民を生き返らせ、百姫を受肉転生させる】

【? (限定報酬) 龍骨平原を浄化し、剛烈を受肉転生させる】

【? (特殊条件達成済み)狂ってしまう前のD67を生き返らせ、Z0とD67の故郷を復活させる】

【? (特殊条件達成済み)獄を解放する】


 あるわ。あるわ……。ある…………。


「千代ちゃん、驚いて吹き出すことになったら大変だから、とりあえずお肉全部飲み込んでくれる?」

「ふひゅ? は、ぐっ……んっ……!!! はいっ!!!」

「よし……」


 え、はっや……。じゃ、じゃあ千代ちゃんがお肉を全部飲み込んだところで……押しちゃお。


『エリアメッセージ【世界の管理者】:プレイヤー【リンネ】さんが報酬を5点選択しました。報酬を授与致します。少々お待ちください……』

「リンネちゃん決めるの早~~っ!!」

「金貨の交換に気を取られてまだリスト見てないよ~!!」

「何選んだの~?」

「え~~追加報酬5個はマジで俺も欲しいわ~!!」


 …………! なんだろう、この……温かい感じ……!!!


『エリアメッセージ:報酬授与を開始します。破壊された加賀利城城下町・加賀利城が復活します』

「え、え、凄い!! 何これ!?」

「もしかしてこれ、リンネちゃんが――――」

『エリアメッセージ:零姫が受肉転生し、復活します』

『お……? よ……?』


 広場が、ううん……加賀利全体が、祝福されてるような……バビロンちゃんの深い愛情みたいな、そんな――――!


『エリアメッセージ:死亡した加賀利の民が復活、百姫が受肉転生し、復活しました。百姫が本来所持するべきだった【?緋桜】が百姫の手に返ります』

「は、は、母上……!!???」

『あら? あらあら……? この、刀……!』

『エリアメッセージ:龍骨平原から邪龍オロチの邪悪なる気運を払い、ダンジョン【邪龍オロチ討伐戦】がオープンします。剛烈が受肉転生し、復活しました』

「お父様ぁぁぁ~~~???!!!」

『おう……? やお――――むごぉ!?』

「お酒飲みましょぉぉおおお!!!!」


 おお……おお…………。蘇ってる、あるべき姿の加賀利が……! 平和で、暖かくて、綺麗で素敵な……!!


『エリアメッセージ:D67が復活します。敵ではありませんのでご注意下さい。新生命研究所と職員が何処かに復活しました』

「はっ!!? なんやこ――――敵ちゃうんか!?」

「…………? あ、おねえちゃん!!! ゼオおねえちゃんっ!!」

「え? え……?」

「ここ、どぉこ? 博士(ドク)は? あのね、昨日ね、外でね、気持ち悪い白いふわふわに声を掛けられたの、怖かったっ!!!」

「リンネさ、ん。これ、どういうこと、ですか……?! 理解不能(ピアナイク)、ど、ど、どう……?!」

「多分、まだ正常な頃の……デロナちゃんが生き返ったのかな!」

「あ~~……あぁぁぁ……!!! うぅぅぅ~~~~!!!!!」

「おねえちゃん、どこか痛いの? 泣かないで、大丈夫大丈夫っ」


 デロナも、元はあんなに邪悪な子じゃなかったんだ。どこで狂ったんだろう、これは多分……ゼオちゃんが加入したから選べた解放式の選択肢だったのかな。これで、良かったんだと思う。多分……。


『エリアメッセージ:加賀利城・地下に超越ダンジョン【獄】を解放しました。超越を目指し、挑戦してください』

『【個人メッセージ・世界の管理者】:獄が解放されましたので、挑戦後につきましては超越関連についての秘密保守は必要ありません。ご協力ありがとうございました』


 ――――これ、私にとって一番の報酬でしょ。大々的に超越関連使って良くなっちゃったよ。ふ、へ……へへへへ……!!!


「リンネ殿、結婚しましょう!」

「…………はい!?」


 あ、ヤバ、はいって言っちゃった。 


「約束ですから、父上と母上に……嫁入りを見せると!」

「あ、ああああ~~……!!!」

「え!? ズルいです、私も結婚します!」

「リア殿はまだ子供ですので! せめてそちらの茄子を食べれるようになってからでないと!」

「こ、ここ、子供の、弊害が出ました……!!! どうしましょう、大人に……? いやでも、うーーーーーーー…………!!!」


 あ、そうじゃん。百姫さんと剛烈さんが復活したってことは、結婚じゃん。結婚だね、結婚。え? 本当にするの? 嘘でしょ……?


『おやおやぁ~? 今日は勝利を祝しての宴の他に、結婚式もで御座いますか? 此度は大変珍しく、良いものを見せて頂きましたから。今でしたら結婚式の手配を……全部込み込み、1億シルバーで。如何ですかぁ~??』

「――――おい、商人さん。そいつはメシも満足するだけ出せるか?」

『え? は、はい、出せるとお約束、しますが……?』

「俺が払う。剛烈! お前やっぱ手伝わなくて大丈夫だぞ! この商人さんがメシの問題を解決してくれる!」

『本当か!? おお、ありがてえ……! ありがてえ師匠……!』


 あれ? 私が置いてけぼりで外堀がどんどん埋まってない? あ、あれ?


「リンネちゃんが自分の報酬投げてまで加賀利復活に全部突っ込んだんだし~。千代ちゃんと結婚ならこれは~~……結婚祝いに回しちゃうか~報酬~!!!」

「お、リンネちゃんの結婚イベなんてあんのか! お~い、リンネちゃんが結婚するってよ~!」

「リンネさんがぁああああ!!!!???? 結婚するんですのぉおおおおおおお!!!!!!???????」

「ワーオ!!! メデタイデース!!! FOOOOOO~~~!!!!!」


 あ、あれ……!? 凄い勢いで、事が進んでいくんだけど!?


『ほ、本当にこんなに食べるんですかぁ~……? ほ、本当に? あの、値上げを……』

「1億って言ったよな。なんだ、自分で出した数字を引っ込める商人かよ、ガッカリだな……」

『…………!? い、1億!!!! 1億で構いませんがぁ!? 出来ますがぁ!?』

「おお、流石だな。じゃあこれで契約成立だ」

「――ワイパーニ、これは……踏み倒せないよ。大丈夫?」

『ひっっ……!? だだだだ、大丈夫、大丈夫ですとも??? そんな、言っても料理代でそこまで赤字になるはずが…………』

『ワウゥゥーーーン♡♡♡』

「お酒がないですぅぅううう!!!」

『飲み過ぎじゃと言いたいが、我も飲もう!! 零姫もほれ、飲むぞ!!』

『儂は食べるほうが好きなんじゃ~~!!』

『あら~~美味しそうなご飯を食べながら、娘の晴れ姿が見れるなんて~~』

「では、此方は嫁入り衣装に着替えてきまする……!!」

『…………赤字、に、ならないでぇ……ぁぁぁぁぁ~~~…………』


 ――――覚悟を決めて。うん、もうここで待とう。こうなったらなるようにしかならない!


「リンネ様~! 姫千代様とご結婚ですか~?! おめでとうございま~~す!」

「あ、ありがとう、ティアちゃん……!」

「リンネ、バビロン教では重婚が認められている。頼んだぞ」

「なにを!? 嘘でしょ!?」

「大人になるべきか、子供でいるべきか、それが問題です……。あ、おめでとうございます~……」

「ありがとうリアちゃん、そのままで居てもいいのよ……」


 バビロン教、重婚認められてるんだ……。もうこうなったらね、魔神・死神・冥神降臨の書全部使ってさ、バビロンちゃん達にもお祝いして貰っても良い? 忙しいかな……? 準備が出来たらちょっとだけ、ちょっとだけでもいいから……!


「あーーーちゃん!!!??? わたくしと先に結婚しませんこと!?」

「え、すごくお行儀が悪い発言で御座いますね……?」

「うぅぅう~~~あーちゃん、あーちゃんが取られるぅぅ……!! うぅぅぅ~~~」

「――リンネ~~……あ! さま~~!!」

「ふぎゃぁ!?」


 あ。デロナにペルちゃんが跳ね飛ばされた。あの邪悪さが完全消滅して、無邪気な子供みたいになっててこれはこれで……。う~ん、どう接したら良いのかな……? 子供を相手するみたいに、接しておけばいいかな? 多分このデロナがあんな風になったのは、誰かに何かをされたからが原因だろうし……。ちょっとかまをかける感じに……。


「あのね、デロナいっぱい悪いことしたみたいで、それを……あのね……」

「ううん、何か事情があったはず。今度何があったか、それを教えてくれる? そしたらデロナちゃんに悪いことをさせた、本当に悪いやつをやっつけに行こうよ」

「わあああ……!!! ありがとうっ!! ゼオおねえちゃん、リンネ……さま! とっても優しかったっ! ふふっ♪」

「ご、ごめんなさい、リンネさん。研究所と、ここであったこと、話しました。そしたら、お礼言いたいで……」

「なるほどね。ゼオちゃん、今度研究所の場所とそこで何があったのか、詳しく教えてくれる?」

「もちろん、絶対です!」

「おもい、でちゅわ……」

「あっ! 誰か居た、ごめんねっごめんねっ」


 やっぱり何か原因があったんだ。知らない内におかしくなって、狂って、大好きだった人たちを敵として認識するようにまでなってしまったんだね。その原因、外で会った気持ち悪い白いふわふわって言ってたけど……まさか…………。


『つ、つつ、追加で、大きなウェディングケーキはいかが!? い、1億――――』

「あ、それは俺が作るから大丈夫だ」

『なぁぁ!? ほくほくポークの丸焼きも……』

「そういうのも作れるから大丈夫だ」

『あぁぁぁぁぁぁ…………!!!!!』

「おさけ!! れぇ、おしゃけ!! だして!!」

『も、持って行って下さい……好きなだ、けぇええ!!!??? 全部うぅううう!!!??? どうぢでえええええ……!!!』


 あっちこっち混沌としてる……。でも、今すっごく楽しい……!!! 良かった、この戦に勝てて。本当に良かった。


『エリアメッセージ【世界の管理者】:全てのプレイヤーが報酬を選択し終えました。重ね重ねになりますが、この度は超高難易度エリアリアルタイムイベント【加賀利の戦】での勝利、誠におめでとうございます。運営チームと致しましても、本来クリアできるであろう想定の平均レベル150・100人を大きく下回り、平均レベル120・58人でのクリアとなり驚きを隠せません。また、麒麟参戦に関してはこちらの想定外の方法での加入とあり、イベントクリアとするか否かの審議に時間が掛かってしまい、多大なるご迷惑をおかけいたしました。誠に申し訳ございませんでした。審議の結果、イベントクリアと判定致しました』

「あ、やっぱり麒麟」


 え、麒麟の本来の加入方法全然違う方法だったの? え……? ってかピッタリここのイベントキャラクターだったの……? あ~緊張と焦りの連続で喉乾いた、お茶でも飲も……。


『エリアメッセージ【世界の管理者】:想定外の動作による混乱のお詫びと致しまして、全参加者に【1,000ゴールド交換券】を配布致します。この度は【加賀利の戦】での勝利、本当におめでとうございます。追記:プレイヤー【リンネ】さん、加賀利の姫君、姫千代様とのご結婚おめでとうございます』

「ぶーーーーーーーーー…………!!!!!」


 運営にまで外堀を埋められた!!! もうダメだ、もう絶対逃げられない!!! うぉ、お、ああああああああ~~~~…………!!!!! こうなったら絶対バビロンちゃん達呼ぶ、怒られても呼ぶ! 呼んじゃう!!! やるからには盛大にやってやるんだぁ!!!


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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
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