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289 決戦の地・2

◆ 龍骨平原・決戦の地 ◆


『悪虐オロチ(Lv,????)が【怨念纏い】状態になり完全無敵になりました』

『風よ大気を裂け! 大地よ怒り震えよ!!!』

『悪虐オロチ(Lv,????)が【真空斬撃波】【超震】の発動術式を展開しました! 直ちに妨害してください!』

『麒麟が【白虎の静謐の宝玉】【温厚なる玄武の宝玉】を生成しました』

『使えい!』

『悪虐オロチ(Lv,????)が偽装術式を展開し、シャッフルしました! 本物の術式を見つけ出し、消滅させてください!』

「これ嫌いですわ~~!!!」

「嫌いデース!!!」

「使えってんだよ頭をーー! 筋肉でももう少し脳みそ詰まっとるわ!!」

 

 オロチ戦、意外過ぎる。まず驚いたのが最初に表示された――


『麒麟説得イベントが終了していない為、麒麟は参戦しませんでした』

『Error……麒麟が参戦しています』

『Error……麒麟は既に召喚されています』

『麒麟が参戦している為、オロチの一部術式に対抗ギミックが発生します』

『エラーレポートが記録され自動提出されました。今後の改善として役立てます。ご迷惑をおかけしました』


 ――このログ表示。多分だけど、麒麟はオロチに深い関わりがあって対抗キャラクターとしてこの島の何処かにイベントが存在してた可能性? それをやってないから本来は参戦しないはずなのに、リンネが麒麟の杖をやおやおに持たせて召喚させちゃったから、斜め上の回答で麒麟が参戦してたっぽい……。リンネ……。

 でもお陰で、オロチの一部の攻撃に対して麒麟が対抗策を出してくれて、攻撃発動までに対応してる宝玉を地面に点在する本物の術式にぶつけると、オロチの攻撃が完全に失敗扱いになって更にグロッキー状態でダウンまでする。これが忙しい点そのいち。


「空、斬、広……こっちは違う!」

「…………これだ! これ! 玄武持ってきて!!」

「あああああメテオ!! メテオ!!! メテオタゲ来てるマッチョ!」

「やべえ!! うおおおお、パス!!!」


 あ、ケケ月カ(マッチョマン)が宝玉投げた。もうダメポ……(ダメぽっぽ)ナイスキャッチ。これがオロチ戦の忙しい点そのに、メテオ捨ててこいギミック。オロチの周囲に居るランダムなプレイヤーがターゲットにされて、頭の上に10カウントが付く。この10カウント後に【流星落】が発生して、ターゲットになった人が居た地点目掛けて隕石攻撃が飛んでくる。かなり範囲が広いから、巻き込まれたら死ぬ。ターゲットになった人は流星落が来たのを確認したら猛ダッシュで戻ってきて合流。忙しい連帯責任ギミック。


『オロチの術式発動まで残り10秒』

『もうダメポ……が【術式:真空斬撃波】を【白虎の静謐の宝玉】で破壊しました!』

『フリオニールが【術式:超震】を【温厚なる玄武の宝玉】で破壊しました!』

『そんなはずがぁ!!!』

『悪虐オロチ(Lv,????)の【怨念纏い】状態が解除され、ダウンしました! ダウンにより特殊能力【悪あがき】が発動、一時的に属性がランダムに変化します!』


 これを、待ってた。


「弱きを晒せ、恥じることはない! 弱点看破!」

『八百姫が【弱点看破】を発動、悪虐オロチ(Lv,????)は【火属性・龍族系・超大型】、【水属性・ドラゴンキラー系・ジャイアントキラー系】が弱点です!』

「水や氷の術に弱いようです!!」

「水!? オッシャーーー!!!!」

『【属性・水】【クラスターハリケーン】を発動、Weak!!! 悪虐オロチ(Lv,????)に60発命中、合計1,501,559Kダメージを与えました』


 カ・イ・カ・ン……♡ クラスター化すると弾丸が3発に分裂するのに、それぞれの弾丸の威力は100パーセントのまま。ただ、集弾性が壊滅するから狙ったところに当たらなくなるのが欠点。こいつみたいにどんどこどんちゃんの5倍ぐらいのサイズなら話は別だけど。あっ……そういえば弱点水なら――――


「押し潰されよ、引き裂かれよ、此処に在るは魂まで凍てつく永劫の極寒と知れ!」


 やっぱりこの人。なんせ水魔術オンリー、氷系ゴリ押し。職業は魔術職で他に誰も選択肢として出てこなかった【コキュートス】の、ブリザーマン!


『ぎゅあぎゅあぴぃ~~♡』

『つみれが【★ふれ~ふれ~♪】を発動、ブリザーマンが次に発動するスキルが強化される状態になりました』


 たぶん隠し職を見つけちゃったであろう、ブリザーマン!!


『やれるか!』

『麒麟が【★青龍の冷徹】を発動、ブリザーマンが次に発動する水属性攻撃が極大に強化される状態になりました』


 溶けない氷で冷蔵庫を彫刻するのが趣味の、ブリザーマン!!!


「行けぇ!!! ぶちかませぇ!!! っだぁあああああーーーー!!!」

『ケケ月カが【腹筋グレネード!】を発動、爆発的な腹筋の芸術を見せつけられた悪虐オロチ(Lv,????)が【MND半減】状態になりました』


 何故かアバターは赤統一の、ブリザーマン!!!!


「極寒地獄第ニ円、アンティノラ!!!!!」

『ブリザーマンが究極スキル【第二円・アンティノラ】を発動しました!』

「――――なんかいつもより規模がデカいッッッッ!!!!」


 わ、やば。巻き込まれそうなぐらい範囲、デッカ……!!! 無数にある野球ボールサイズの氷が超高速で飛び回って出来たこのハリケーン、ブリザーマン以外攻撃出来ないけど――――良い!! 水弱点なら、一番輝くから!! 好きなだけ暴れるべき!


『Weak!!! クリティカル! 悪虐オロチ(Lv,????)に7,555,705Kダメージを叩き出しました!!!』


 こ、こ、この威力ッッッ!!!!


『つくねが【シンクロ:つみれ】を発動、【メガアイスブレス】を吐き出しました! 【第二円・アンティノラ】の規模が増大します!』

『Weak!!! クリティカル! 悪虐オロチ(Lv,????)に8,050,666Kダメージを叩き出しました!!! 【第二円・アンティノラ】が霧散します……』

『悪虐オロチ(Lv,????)が【氷像】状態になり、一部の行動が制限されました』

『ブリザーマンが【熱血】状態になり、倒れました。行動不能状態です』

「あ、あつい、ぜ……」

「凄え、よくやった!! すげーダメージだったぜええ!」


 よ、よくやった、凄いブリザーマン。超巨大モンスターに対しては一部の範囲が大きいスキルは威力があがる効果も乗ったかな……!? 見たこともない、凄いダメージだった!! 


『凄まじいな人間! ガリャルド、とっておきの一撃で行くぞ!』

『っしゃあ~~!!!! ぶっっっっちかましてやる!!!!』

『ワゥゥウウン!!!』

『やるか、どん太ァ!!!』

「わたくし達も一発決めますわよ~~!!!!」

「やっちマーーース!!!」


 んっ! 脳筋お嬢様プリンセスゴリラと、脳筋お嬢様ニンジャゴリラと、とにかく脳筋枠が突撃するっ!! これに合わせて私も次のを撃つ!!

 

『悪虐オロチ(Lv,????)が【怨念纏い】状態になり完全無敵になりました』

『悪虐オロチ(Lv,????)は既に【怨念纏い】状態です』

『悪虐オロチ(Lv,????)は既に【怨念纏い】状態です』

「え~~~またですの~~~~!?」

「やれないデーーース!!! お? お? お?」


 あ、次のギミック入っちゃった……。あれ、何でこんなにログ連発する? もしかして、もしかして~……これって~……ギミック、2個飛ばした!?


『悪虐オロチ(Lv,????)が【眷属再臨】を発動しました! これから召喚される全ての敵を撃退してください!』

『悪虐オロチ(Lv,????)が【絶離結界】を発動、外界との繋がりを断つ結界を展開しました!』


 あれ、ああ氷像になってる状態でもやれることはしっかりやってくるんだ……めんど~い。


「ふ、ふ、ふ……!!」

「フ、フ、フ……!!」

『アォォオオオーーーーーーーン!!!!!』

『今度は何だァ!?』

「で、で、出てくる、モ、モンスター、全部たた、た、叩く!!!」

『ガリャルドの得意分野だ。任せたぞ』


 間違いなくギミック飛んだ! 最初が火と水のギミック、次が風と地のギミック、そこから絶対2個ギミックあった流れ!! ブリザーマンやばすぎ~~!! でもこれ撃ったらブリザーマン、どうやっても行動不能になるって言ってた。しかも【熱血】は弱体化じゃなくて本来強化バフ、でもブリザーマンには致命傷。平常時は冷血のデバフ状態じゃなきゃ駄目だって言ってた……。


「きんにく、ひえっこにメテオ来たら、ヤバい! 隔離!」

「!!! そうか!! おし、掴まってろブリザー!」

「掴まる力が出ね――暑苦しいなお前ぇぇぇ……!!!」


 多分飛ばして飛ばしてこれが最後の抵抗、ここのパーティが一番時間かかるって思われてたから、早く終わったらデロナ討伐パーティの応援に行けて楽になる! 待ってて、リンネ。もう少しだけ頑張って耐えて。そして絶対……勝って!!! 


『悪虐オロチ(Lv,????)の眷属が召喚されます! 全て撃退してください!』

『(´゜д゜`)』

『フリオニールが【フリスビー】を発動、再臨ぽこんこ・式神(Lv,????)に0.1Kダメージを与えました。【激昂】状態になりました』

『щ(゜д゜щ)』

『僕は本物、僕はぽこんこ、僕は、僕は違う、僕は――――』


 あ、やっぱりもうちょっとかかるかも……。眷属再臨、復活させられて呼び出された奴の中に偽物の方のぽこんこが居るぅ……。あれは暫くおにーちゃんに背負ってて貰おっ!


『ダッラァアアアアアアオォォオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

『ええいやかましい! どん太、アレなんとかしてくれ!!』

『アオォオオオーーーーーン!!!!!』

『ウォアォアオアォオアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!』

『どん太が【魔狼身弾】【爆滅四段掌】を発動、再臨死灰丸(Lv,????)に合計71,005Kダメージを与えました』


 げげ、げ……。さっき倒した報告があった死灰丸もいる……。ってことは、ホウエンも……? いるぅぅ~!!! あれ、でもこれ発動させるまでにデロナも倒せてたら、もしかして全員2回倒した判定になってぽこんこのパワーがいっぱい削げる? でもその分リンネ達の戦闘時間減っちゃうから、一長一短? もしかしたら硬すぎるデロナを残してこのギミック出したの、最適解かも……!


『【属性:無】【クラスターハリケーン】を発動、Weak!!! 再臨ホウエン(Lv,????)に19発命中、合計451,559Kダメージを与えました』


 聞いてた通り、ホウエンは突属性弱点。高速で飛び回ってるけど、当てられないこともない。


「ダメぽっぽ、ホウエン!」

「当たらんてあの速さは!!」

「いまあてた!」

「そりゃあんたが――――ウッホ!!!」

『再臨ホウエン(Lv,????)が【強襲脚】を発動しました』

『もうダメポ……が【カウンターショット】を発動、カウンター! Weak!!! 再臨ホウエン(Lv,????)に113,113Kダメージを与えました。再臨ホウエン(Lv,????)が攻撃に失敗しました』

「当たったわ!!!」

「やる~っ」


 ダメぽっぽ、いい反応のカウンターだった。実はガンナーより近接職のほうが向いてる気がする、でも銃が好きらしいからガンナー、好きなら仕方ない。


『にゃぁぁぁ~~~~ご!!!』

「あ!! あ!!! レーナさんメテオ!!!!」

「え、ヤバ。飛ぶ!」


 う、まだメテオギミック続いてる……。あれ? もしかしてギミック飛ばした分、3人に付くんじゃ……あ~~~~。


『パーティチャット:きぬペル、メテオ』


 もうカウント5になってたけど、どっちも足速いから――――なんで、同じ方向に逃げるの……? どうして……? どうして……? どうしてこっちに来るの……?


「同じところに落としたら事故が減りますわ~~!!!」

「結界内しか動けない、大変デース!!!」

「やめ、来るな、そっちのほうがカウント微妙に速い、ひとごろし……!!!」


 私より微妙に2人のほうがカウント、速い……! ギミック飛ばした分の時間差って、こと!? し、しぬ、殺される、どうしてなんですか? どうして無駄に頭を使ったんですか???? とても信じられない……。


『ペルセウスに【流星落】が発動します』

『きぬに【流星落】が発動します』


 うわ、もう居なくなった。逃げた。どうして私はまだカウントが2もあるの……。このカウントって1秒1減少じゃないんだ、ほわ~……。あ、これ以上逃げたらブリザーマン達の避難所に影響出る。爆発範囲広げられない。あの2人の流星落の範囲に飲み込まれる――――詰んだ?


『バリアが全て破壊されました! 無敵効果が破壊されました!』

『999,999Kダメージを受けました。6秒後に適用され、機械装備が破損します』


 まだ、まだだ、まだ慌てる時間じゃない……。爆発収束、よし。カウント0、よし。残り2秒!


『【流星落】が発動します』

『究極スキル【踏み倒し】を発動、10秒間の間、支払予定のHPダメージ、MP消費、クールタイム、状態異常効果を踏み倒し、なかったことにします』


 999,999Kダメージ、踏み倒し! 支払って、あげな~い!!! う、うへ~……使っちゃった。凄い、なんという罪悪感。本当にこれ、支払わなくていいの? 機械装備も壊れないの? わあ~~本当にHPが減らない。究極スキルつっよ~~~い。


『【踏み倒し】の効果により、プリペイドバリアを発動します。【プリペイドバリア・1 2 3】を展開しました』


 あ……? え、短縮不可じゃないの……? 短縮じゃなくてなかったこと(・・・・・・)にしたから、良いってこと……?! そ、それはぶっ壊れ過ぎてる!!! あれでもそれなら究極スキルの踏み倒しは? これもなかったことに、ならない。ならないんだ。『いかなる方法でも短縮不可』は、ダメなのかな……? あ、ひとごろし。


「ひとごろし」

「あ、あら!? レーナさん、凄まじいダメージを受けてたはず……!」

「ひとごろし」

「し、死んでないから、ダイジョバデース!!!」

「 ひ と ご ろ し ~ 」

「「ご、ごめんなさいですわ…… (デース)」」

 

 ん、死ななかったけど。でも、行動は最悪だったにしても、結果は最良だった……と、思う。よし、じゃあ再臨組を片付けて――――すっごい雑魚も増えてる。ええ……。


「はやく、しごとして。やくめでしょ」

「そうですわ!!! アイギスパワー!! メイクアーーーップ!!!」

「んっん~~!! 六道輪廻ッ!!!!!」


 これは、雑魚殲滅のプロに……。プロのペルセウス、プロセウスに任せてボス狙いに行こ。ダメぽっぽがもうダメになってるかもしれないけど。


「――ウッホォォォイ!!!」

『もうダメポ……が【カウンターショット】を発動、カウンター! Weak!!! 再臨ホウエン(Lv,????)に115,100Kダメージを与えました。再臨ホウエン(Lv,????)が攻撃に失敗しました』

「やば、俺天才かも……」


 全然ダメぽじゃなかった。凄い、もしかして全部カウンター決めてる? 強すぎない? やっぱりガンナーやめて近接やるべきだと思う、切実に。あ、余計なこと考えずにガンガン撃たないと。もう3分半ぐらいになっちゃう、リンネに怒られちゃう……。よし、や~るぞ~~お~~。


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