286 化け狸
◆ 邪龍軍拠点・イの一 ◆
『【次元斬】を発動、特効! クリティカル! 混沌兵(Lv,247)に20,200Kダメージを与え、撃破しました』
『特効! クリティカル! 混沌兵(Lv,249)に21,350Kダメージを与え、撃破しました』
『あぁぁぁ~~~!!!!! このデロナ様が一生懸命作ったオモチャを!!! ムカつく女ムカつくムカつくムカつくムカつくぅうううう!!! 綺麗な天使も真似して作ったのに!!! ああああああああああ!!!!!』
こいつはあまりにも、邪悪過ぎる。加賀利の人々を攫っていた天使を捕まえて、もっと欲しくなってそれと似たものを人間のパーツを組み合わせてそっくりな形に、作っている。根本は私が金属を加工したり、装備を加工したりしてこの機械鎧を作ってるのと同じではある。でもそれに使う素材が、あまりにも……あまりにも、邪悪過ぎる。
『いつもいつもいつもいつも、デロナの邪魔をする!!! 博士はお前ばっかり贔屓する!!! 同じ博士の子供なのにぃぃいいいい!!!!! ムカつく女!!! 死ねぇ!!!!!』
『九尾のデロナ(Lv,????)が【コラプションブレス】を吐き出しました!』
『フリオニールが【ハイパーガード】を発動、【コラプションブレス】をガードしました。フリオニールに腐敗効果・ゾンビ効果は効きません!』
『( ̄ー ̄)』
『ムカつくムカつくムカつくゥゥゥゥゥゥ!!!!!!! みんな死んじゃえーーーーー!!!!!』
邪悪な好奇心、歪な嫉妬心、醜悪な執着心……あまりにも悍ましく、それでいて子供じみた……狂気。ゼオちゃんもこいつも元はメルティス、天界の天族達へ対抗するために作られた生物兵器。博士と呼ばれる人も根本的には同じ、人間とモンスターを融合させて兵器を作ってる。でも、こいつとは違ったはず。さっきから吐き出される憎悪の声から察するに、愛情があったはず。こいつにはそれがない。それが私達とこいつの決定的な違い。こいつは……オモチャを破壊する為に作り出してる。
『九尾のデロナ(Lv,????)が【大激震!】を発動しました!』
『剛烈が【大激震!】を発動、相殺! デロナの攻撃を打ち消しました!』
『なんでもかんでも自分の思い通りにならねえと気がすまねえ、親もさぞかし苦労しただろうよ! てめえみたいな駄々をこね続けるガキのお守りはよぉ!!!』
『うるさいうるさいうるさいうるさい!!!!! 博士はデロナのものなのに!!! デロナのものにならない博士と同じウジ虫共は皆殺してオモチャにすれば言うことを聞くの!!! 皆死んでよ!!! 死んで言うことを聞いてよぉぉおおお!!!!』
こいつはゼオちゃんの顔を見るまでは余裕があった。でも、ゼオちゃんの顔を一度見た途端から、この有様。もう戦略性のせの字もない。ただがむしゃらに、憎悪の感情を叩きつけてくるだけ。その様子があまりにも醜悪で、あまりにも…………哀れで。
「博士はお前を、愛してた。一番手がかかるけど、可愛いって。お前が博士を裏切った!!!!!」
『聞きたくない!!!!! 博士はデロナよりお前のことばっかり見てた!!! 違う違う違う違う違う!!!!! デロナのことなんか嫌いだったんだ!!!!!』
『九尾のデロナ(Lv,????)が【ギガンティックブレス】の発動スタンバイ!!!』
「貴方だって、ドクさんに撫でられて嬉しかった時があるはず! ティアも、たまに寂しい時があるけど、でも愛されてるってわかる!! 貴方が理解しようとしないだけ!!!」
『うるさい!!! 黙れ!!! 黙れ、黙れ、黙れ!!!! デロナは可哀想な子なのに!!! デロナが、デロナが、可哀想なのにぃぃいいいいいい!!!!!!!』
『九尾のデロナ(Lv,????)が真覚醒スキル【ギガンティックブレス】を発動しました!』
『【ギガンティックブレス】により、周囲の混沌兵が一部消滅しました』
愛して欲しいのに、他人からの愛情を理解できない悲しい化け物。死体を傀儡にしてオモチャにしたら、何でも言うことを聞いてくれるようになると思っている最悪の化け物。それはもう、愛して貰いたかった人そのものではないのに。救いようがない、どうしようもない、化け物。
『(;´∀`)!?』
「もはや、救いようがない」
『【プリペイドバリア・1】を消費しました。3秒間【プリペイドバリア・2】が無敵のバリアになります』
『【フルスロットル・フルバーストビーム】を発動、相殺! デロナの攻撃を打ち消しました! 【超高熱】状態になりました』
『デ、ロナの、ブレスが……!!!』
『【強制冷却】を発動します』
もう、会話するだけ無駄。こいつは一刻も早く殺さないと。ゼオちゃんが『ギリギリまで説得を試したい』って言ってたけど、もう無理。殺すしかない。
「…………D67、博士のお墓に、ごめんなさいを、しに――」
『謝るのは、博士の方なのに!!! デロナは何も悪いことしてない!!! うるさい、贔屓おん――――』
「もう、我慢できません!!!」
『オーレリアが【禍津・超焼夷猫弾】を発動、Weak!!! クリティカル! 九尾のデロナ(Lv,????)に33,556Kダメージを与えました』
『アァァアアアアアァアアアアアアアアア!!!!!!! アツイ!!!! イタイ!!!! アァアアアァアアアア!!!!!』
『ガァアアアーーー!!!!』
『どん太が【魔狼身弾舞撃】を発動、九尾のデロナ(Lv,????)に9,425Kダメージを与えました』
『寄ってたかって、デロナを虐める!!!!! ムカつくムカつく、ムカつく!!!!』
『【プリペイドチャージ】がされました。【プリペイドバリア・1】がチャージされました』
どこかで、何かが違っていれば、こんな悲しい化け物が生まれて来なかったのかな。私も、こんな悲しい化け物を生み出さないように、自分の作り出すものには注意しよう……。少なくとも、誰かを悲しませるようなものだけは、絶対に作らないように。第二のデロナがもう、生まれてこないように。
『九尾のデロナ(Lv,????)が【混沌兵吸収】を発動、周囲の混沌兵を吸収し始めました……』
「んっ!!!」
『【属性・火】【スナイピングストーム】を発動、Weak! クリティカル! 九尾のデロナ(Lv,????)に180,995Kダメージを与えました』
『イタイイタイイタイ!!! イ、ギッ……!!!』
『九尾のデロナ(Lv,????)の尾の一本が腐敗し崩壊を始めました……』
許容量を超えた攻撃を受けると、尾が腐敗して崩壊するのね。じゃあここからはもう、作戦通りに――――!!!
『いかん! これが例の攻撃だ!』
「避ける、しないと!」
『( ・`д・´)!!』
『フリオニールが【パーフェクトガード】を発動、パーティ全員を庇う状態になりました』
『八尾のデロナ(Lv,????)が【ペインバースト】を発動、受けた苦痛を爆発させます!!!』
『フリオニールが八尾のデロナ(Lv,????)の攻撃を完全に防ぎました!』
そう上手くは行かないみたい。これが攻撃を受けると跳ね返してくるみたいなスキル、ペインバースト……。尾を千切って爆発させる技、ね。
『――デロナを怒らせたこと、後悔させてやる!!!』
『来るぞ!!』
「D67……ッ!!!」
「もう戦うしかない、構えて!」
こいつは、ここで終わらせる。これ以上、生かしておくわけにはいかない。
◆ ◆ ◆
――――なんだろう、この……違和感。
『く、ふふ、はははは!! 楽しいねぇ……ももちゃんと剣を交える時が来るなんて』
『私は、全く、楽しく――ありませぬっ!!!』
「はぁっ!!!」
『おっととと、娘ちゃんも油断ならないよねえ! 強い、本当に……楽しいよ……!!』
ぽこんこは間違いなく強い。千代ちゃんと百姫さんの剣撃を受けて反撃までして来る、2対1で有利を保ってる。私が隙を狙って撃ち込むカーススピアもきっちり対応して避ける。剣術のみならず忍術に仙術も使えて、攻撃が多彩。当たったと思ったのに【空蝉】で身代わりと交代して距離を取られた上に反撃もきっちりして来る。
――――でも、それだけ。圧倒的じゃない。何か……何かが、違和感。
『なぜです、なぜ、獄で私を……!』
『僕はね、あそこで貰えた術だけじゃ満足出来なかったんだよ。君を裏切れば術も貰えて君の刀も貰える、最高じゃないか! あの時、後ろからバッサリと斬りつけた時の君の驚きと絶望の表情――思い出すだけでゾクゾクしてくるよ……!!!』
「外道が!!!!」
『(乗せられないで。感情的になった大振りを狙ってる)』
「……!」
『隙を見せたと思ったのに、おかしいなぁ……? 絶対今なら殺せると思ったのに』
私が強くなりすぎたなんて傲慢じゃない。明らかにおかしい、だってこれが……。これが、大将軍と言われる程の相手? 逆に言えば私を含め3対1でデロナと隔離出来る程度、実力が拮抗している。おかしい、何かしっくり来ない。強いはず、大将軍のはず…………。
『【シャドウダイブ】を発動、デコイの足元に隠れます』
『百姫が【百裂斬】を発動しました』
『姫千代が【牙突紫電】を発動しました』
『妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が【夢幻乱舞】を発動、相殺! 百姫と姫千代の攻撃を止めました』
『【カーススピア】を発動します』
『う――――』
空蝉の発動は見えなかった。このタイミング、相殺後の仰け反っているこの瞬間は避けられない。さあ、どうだ……!
『妖狸大将軍・ぽこんこ(Lv,????)が【妖狸術参式・空蝉】を発動、妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が特定の地点に転移し、身代わりに妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が転移して来ました』
このタイミングでも避けられるの!!! 空蝉が便利過ぎる、あれを潰さないと――――
『は、は! 惜し』
『???が【絶離結界】を発動、結界内を外界と切り離しました!』
『??(Lv,150)が【流星脚】を発動、妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が11,255Kダメージを受けました』
『かッ……は……!!?』
『ふっはぁーーっはっは!! 遅くなったなぁ!!!』
い、今何か降って――――誰!?
「遅くなりました!!!」
「八百! そちらの方は!」
『良くぞ聞いた! 我が名は――』
「麒麟殿ですね!」
『…………麒麟である』
『麒麟……?! 随分と古い獣まで引っ張り出してくるじゃないか……ッペ』
やおちゃんに、この人が麒麟か……。安易に人間化するタイプの獣だったか、どん太みたいにもふもふ枠だと思ってたのに……。ッチ……。
『【カーススピア】を発動、妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が6,366Kダメージを受けました。妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が【ステータス-10%】状態になりました』
『う、ぐっ!? くそっ!! 油断も隙もない、さっきから鬱陶しい!!!』
『妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が【閃光斬】を発動、デコイが消滅しました。八百姫の影へ移動します』
『偽物……!?』
ん、何で当たった? さっきまでこんな雑に撃ったら絶対当たらなかったはずなのに、急に当たるようになった……。今、麒麟から強烈な一撃を食らって立て直すまで少し掛かる感じだった? ものは試しに、もう一回……。
『【カーススピア】を発動、妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)が6,199Kダメージを受けました。妖狸大将軍ぽこんこ(Lv,????)の【ステータス-10%】状態が延長されました』
『くそっ!!』
『(なんか知らないけどめっちゃ当たる! チャンスでは!?)』
なんかすっごい当たる!!! 思ったよりボッコボッコ当たる!!! なんで!? 流星脚になんか追加効果でもあった系?! いや良くわかんないけどチャンス!
『5対1、例え卑怯と罵られようとも! お前だけは、必ず!!』
『ちょっと増えたぐらいで、調子に乗らないで欲しい、ね……!!!』
「覚悟ッ!!」
「やお、参りますッ!!」
『来て早々にこれか、仕方ない! やおと我の仲だ、やってやろう!』
今度はさっきみたいに拮抗状態とは行かないよ、覚悟しろ!!! ぽこんこ!!!!!
◆ ◆ ◆
『――――む? どうしたのだ、戦場へと出たのではなかったのか? む、ではあの戦場に居るのは…………ァ……?』
『はいはい、養分になってくれて、ご苦労さ~ん』
どういう……こと、だ……? なぜ、此奴が…………。
『ハハハハハ!!!! どうしたんだい? 狸にでも化かされたような顔しちゃって、さっ!!!』
『ぐ、がッ――――力、が……!!?』
ち、力が、抜ける、あ、ああ、溢れ、る……流れ出て、行く……!!
『なぜ、だ、我の支配を、受けている……はず……!!』
『僕が? お前の支配を? アッハハハハ!!!! 冗談はやめてよ、お前なんかに支配されてるわけないじゃん、この僕が。お前が支配出来るのは、せいぜい僕のカスみたいな式神ちゃんぐらいだよ。ま、あの精巧な僕の方は無理だったみたいだけど、ね』
『し、き、がみ……だと……!? ま、さか……!!!』
まさ、か……! あの時復活したのは、此奴の式神だというのか……!? では、此奴は何処に、今まで何をしていた!?
『ん~~知りたい知りたい~って顔してるね~。じゃあ特別に教えてあげるよ。まずはそうだなぁ~一番最初かな? そう、獄でお前の声を聞いて、唆された時からかなぁ~……。こう思っちゃったんだよね。死後もなお強大な思念を放ち続けるお前程強大な龍の力を手に入れたら、僕はもっともっと、百姫も剛烈も、あの伝説の零姫をも超える圧倒的な力が手に入るだろうって。だから百姫と戦って――――死んだふりをすることにしたんだよ。お前が完全に復活するまで』
『き、さまぁ…………!!!!』
『だって骨だけのお前の力を取り込んでもカスみたいなもんだろう? だから待ったんだ~……いや~長かったぁ~~!! 僕の仕掛けた式神を懐に入れてくれた瞬間、あの瞬間にお前の力の全てが手に入るのが確定しちゃって、飛び跳ねたい気分だったよ…………式神に焦ってる演技させたりさせるの、大変だったなぁ~』
我の、力の回復が遅かったのは……此奴の式神に、何らかの術を……?! はっ……!? 我の支配を通じて、吸い取っていたのか!?
『あ、気がついた? お前のその支配の術とか呼んでる奴、勉強したよ~……。実際はお前に逆らえないようになる代わりに、死んでも復活出来るし? お前から少しずつ妖力を貰って回復出来るっていう術なんだよね。逆らえないから貰える量は微々たる物だけどさ――――でも、もしも逆らえたら? 貰い放題だよねぇ!!! 気がついた時にはもう遅い! もう術を解除する力も残ってないだろう? あっははは!!! 迂闊だったね~』
『…………(貴様、だけは、ゆる、さん)……!!』
『今更何が出来るっていうのさ。もう口を動かす事も出来ないくせに』
許せん……!! 此奴だけは、絶対に、許せん!!! 全部、此奴に吸い取られるというのなら、逆に……!!!!!
『ッ!? クソッ!! こいつ、何をした!?』
『……(く、ははは……!! 我が力、全て、お前に……呪いごと……!!)……』
『なんだ、これ、く、ぅ……!!!』
『……(妖狐、族、の王族、を……葬らん、限り……お前は……この、島から……――――)……』
愚かなものだ…………。零姫に勝つ為に集めた手駒に、食い殺されるとは。
皮肉なものだ…………。勝ちたかった相手が、我が最後の希望と、なるとは。
『ッチ、クソ! 最期の最期で!! まあ、いい! この力さえあれば……! これで死灰丸の馬鹿力も、ホウエンの不老不死も、デロナの再生能力も、生き残った妖狸、炎狼、黒天狗、ぜーーーんぶ僕のものだ! 僕の力だ!!! ハ、ハハハハハ!!!!! アーーーッハッハハハハハ!!!!!!! 凄い、もう百姫なんて赤子の手をひねるも同然のように倒せそうなほどの、この力ッ!!!!!』
信じているぞ、零姫……。我を、討ち滅ぼした、お前の…………お前達、妖狐の、力を…………奴を、島から……出す、な…………――――
◆ ◆ ◆
「たお、れた……?」
「ぽこんこが、く、崩れておりまする……」
「姉さま、これは……?」
『ギルド全体メッセージ【白銀のレーナ】:デロナが、急に倒れた。後三尾残ってたのに』
『ギルド全体メッセージ【シュターク】:ホウエンちゃんが急に苦しんで干からびちまっ』
『ギルド全体メッセージ【ごほんごほん】:な、何か、来』
『マリアンヌが死亡しました。【死体安置所・マリちゃん】に納棺されました』
どういうこと……!? マリちゃんがやられた!? シュタークさんも、ごほんごほんさんも、他の皆もかなりの人数にデスマークが付いてる!!!
『ギルド全体メッセージ【白銀のレーナ】:ご、剛烈、やられちゃった!』
『オーレリアが死亡しました。【死体安置所・にゃ王様】に納棺されました』
『――――やあ』
――――あ……ああ。違和感の正体は、これだったんだ。
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動――――』
『【絶離結界】が破壊されました!』
『あっ――――』
『百姫が八百姫を庇い、消滅しました』
「かあ、さ……ま……?」
『ふ、は、あっはははは!!! こんなに!!! こんなにあっさりと!!!!! あの百姫が!!!!! もう誰も僕に敵わない!!!!! あは、あはははは!!! あっはははははは!!!!!』
見えなかった、察知すら、何が起きたのか理解するのも……何もかもが遅れた。勝てるわけ、ないじゃん、こんなのに……本気のカーミラに勝てって言われるほうがまだ……。いや、まだ……! 千代ちゃんの目には、まだ闘志がある! 私が弱気でどうすんの!!! やれるだけ、やってやる!
『やお!!!!!』
「あっ……あっ……」
『八百姫!!!』
『麒麟(Lv,????)が【勇敢なる者の闘志】を発動、八百姫に徐々に勇気が湧き上がります』
『【シャドウダイブ】を発動、デコイの足元に隠れます』
『おっそい遅い、そんなんじゃ僕の足元にさえ及ばないよ』
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動、デコイが消滅しました』
『【ネクロレインフォース】を発動、【ステータス+300】【被ダメ時無敵3回】【無敵発動時HP-10%】になりました。【シャドウダイブ】を解除します』
『ッチ、舐めた真似を!!!』
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動、無敵効果発動! ダメージを無効化しました』
『雑魚がいくら小細工したところで!』
こいつ、かなりの力はある……! でも、完璧に使いこなせてないような、まだ付け入る隙はある! 後少し、後少しでいい! 何かチャンスを、糸口を……!
「はぁあああ!!!!」
『雑魚より弱い雑魚の子孫が、勝てるわけないだろうが!!!』
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動、姫千代に448,999Kダメージを与えました。姫千代がド根性で耐えました!』
『姫千代が【零姫式抜刀術奥義:祓魔居合斬】を発動、大妖狸ぽこんこ(Lv,????)にダメージを与えられませんでした』
『【シャドウダイブ】を発動、姫千代の影へ移動します』
「……!?」
『おっとっと、ちょっと髪の毛が切れたかなぁ? でもこれじゃ、散髪係にもなれやしないね!!!』
一定以下のダメージ無効、無敵効果ではない。もう一手、まだ行ける!!!
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動――』
『【シャドウダイブ】を解除、無敵効果発動! ダメージを無効化しました』
『鬱陶しいなぁ!!!』
『八百姫、立て! 己が役目を果たせ!!!』
「……っ!! 堅牢なりや黒鉄の、城……! 聳え立ち――」
『何をする気だ今更……クソッ! なんか厄介そうな――』
『白銀のレーナが【スナイピングストーム】を発動、ヘッドショット! 大妖狸ぽこんこ(Lv,????)に合計100Kダメージを与えました』
『あ゛……?!』
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【大爆風掌】を発動、白銀のレーナがダメージを受けませんでした。遥か彼方へ吹き飛ばされました』
レーナちゃん!? あの距離から!? でもこの隙、やおちゃんを庇う余裕が出来た! 何か、やおちゃんに何か策があるはず! 庇いきってみせる!!!
『【シャドウダイブ】を発動、八百姫の影へ移動します』
「悪しき者、邪悪なる者よ!」
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【神滅斬】を発動――』
『【シャドウダイブ】を解除、無敵効果発動! ダメージを無効化しました。ネクロレインフォースの無敵効果が消滅しました』
「……っふ!」
『あああああ!! イライラする!!』
「深き静謐の闇へ閉ざされよ!!! 無限結界牢獄!!!!!」
『八百姫が超越スキル【無限結界牢獄】を発動しました!!!』
『!? これ、は――――』
『大妖狸ぽこんこ(Lv,????)が【無限結界牢獄】に囚われました!』
これ、は……?! ぽこんこが、幾重にも重なる結界で……動けなくなってる……!!! 凄い、なんて数の結界……数十数百じゃない、もう何千何万の世界の結界が……!!!
「は、ぁ……! はぁ……はぁ……! この、結界は、半日も、耐えられません……! でも、この結界を次に使えるのは…………わかりません。いつに、なるか……」
『八百姫の【無限結界牢獄】のクールタイムは残り【359時間59分】です』
クールタイム15日!? これは、どう頑張っても一生閉じ込めておけるわけじゃ、なさそうね……。一旦、全員集合して……それから……あっ……。
「…………」
『姫千代が【◆妖刀百姫】を拾いました』
消滅……。システム上、管理出来る状態のアンデッドに出来なかったから、復活は…………。
「千代ちゃん……」
「まるで、刃が立ちませんでした。格が、違いすぎたと言えば、いいのでしょうか……」
こういう時、どうすれば良いんだろう……。どうしよう……。私に、何が出来るんだろう……。
『――――気配が、消えたと、思えば……。一時的な、封印、か……げほっ……!』
「…………ごめん、こんな状態、で」
「お昼寝さん……零姫おばあちゃん!?」
『死刻印……じゃ、出来る限り、苦しんで死ぬように、じゃと……悪趣味なたぬき、ぐっ……!!!』
『零姫の【死刻印】が【二】になりました』
「零姫、様……!」
「零姫様!!」
『これは、酷いな……。せめて少しは苦しまぬよう、我が少しばかり肩代わりしてやろう』
『麒麟(Lv,????)が【苦痛共有】を発動、零姫と苦痛を分かち合います』
『かた、じけない……っ』
お昼寝さんが、零姫おばあちゃんを背負って来たけど……。酷い、ボロボロなんて言葉じゃ生易しいぐらい、酷い……。それに……死刻印……? これは、どうやってか解呪出来ないものなの?!
「死刻印は、どうにかして――――」
『魔神の愛し子に啓示が与えられます』
『――――良く聞きなさいリンネ。死刻印は神々の領域の術、邪龍オロチが扱える古代神術だったはずのものよ。カレンが対抗術を持っているけれど、途轍もなく力を使ってしまうの…………今は、どうしてもカレンの力を削ぎたくないの。どうか、恨まないで頂戴――――』
『うむ、無理なのじゃ……。故に、儂はここへ来たのじゃ。そして奴に直接会って確信した。奴はオロチを取り込んだ……が、そのせいかオロチと同じ封印が掛かりおった。我ら一族が死なぬ限り、奴はこの島から一歩たりとも出ることは出来ぬ』
バビロンちゃんから啓示……。いつもなら、飛び跳ねて悦ぶんだけど、今は……。ごめんなさい。それに、恨んだりなんて絶対しません。私達の力不足を、バビロンちゃんやカレンちゃん達のせいになんて、絶対に。
『よいか、あのたぬきを倒す術は、一つしかない……。八百、じゃったな。召喚の力を継ぐ巫女よ』
「はい、はいっ……!」
『儂に、剛烈に、百姫、皆の魂を喚べ。奴には一人では敵わぬ、我ら一族の力を、皆の力を、ぉ……ぐっぅう……!! 力を、合わせ……て……!!!』
『ぐっ……!』
『零姫の【死刻印】が【一】になりました』
――――ぽこんこ……! 絶対に、絶対に許せない……! 許さない……!!!
『エリアメッセージ:【加賀利の戦・最終戦】に突入します。最終戦にて【大妖狸ぽこんこ】と戦う【継承者】を選択してください』
『エリアメッセージ:【継承者候補】は【<<通常>>八百姫】【<<代表>>お昼寝大好き】【<<MVP>>リンネ】【<<準MVP>>つくね】【<<戦場のエース>>白銀のレーナ】【<<特殊>>姫千代】です』
継承者……継承者は……。
「姉さま、やおは……」
「…………此方が、必ずや」
『く、ぁ……!! 仇は、我らが――――』
『信じ、ぐ、げぼっ……! ごぼっ…………ぁ、り……が……――――』
『零姫の【死刻印】が【零】になりました。絶命しました』
『麒麟(Lv,????)の【苦痛共有】が解除されました。【気絶】状態になりました』
「仇は必ず討つよ……おばあちゃん……」
「……千代ちゃん。一緒に、あいつやっつけよう。絶対、必ず……必ず、倒す!」
「…………はい!」
継承者は、千代ちゃん。そして生き残った全員。必ず、散っていった皆の無念を晴らすよ、必ず……!!!





