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285 大混戦

◆ 邪龍軍拠点・イの二 ◆


『混沌牛骨鬼(Lv,????)が【覇者の爆進】を発動、妖狐族の戦士・凪(Lv,190)が3,770Kダメージを受け死亡しました』

『狼獣人族の戦士・メトス(Lv,195)が【ガード】を発動、1,265Kダメージを受けました。大きくノックバックしました』

『グリモアが【ロックウォール】を発動、混沌牛骨鬼(Lv,????)が衝突し攻撃が止まりました。遮蔽物耐久値(44%/100%)』

『ぅ……! ぐがっぁ……!』

「負傷者をこっちに!!」

「あれが暴れすぎる! なんとかならないか!!」


 なんとか出来るならなんとかしてるよ、なんとか出来そうな子が真っ先にやられてどうにもならないんだよ。困った、本気で困った。まさかあんな巨体が建物に隠れて奇襲を掛けてくるとは思わなかった、本当に予想外過ぎた。一撃でつくねちゃんが瀕死に持っていかれて食いしばり系のが発動したのかな、でも残念ながらその後の妖狸兵の追撃で完全死亡になっちゃった。困ったことに後15分ぐらい戻ってこられない。

 

『クソッ!! デカければこんな雑魚ッ!!』

『油断するなガリャルド、力押しだけの巨体ではないぞ』

『わかってんだよ!! 数が多いのもムカつくんだよォ!!!』

『ガリャルドが【ドラゴニックチャージ】を発動、混沌牛骨鬼(Lv,????)に18,555Kダメージを与えました』

『混沌牛骨鬼(Lv,????)が【暴虐の槌】を発動、ガリャルドが3,901Kダメージを受けました』

『お、ぐぉ、っぐぅぅうう!!!!』


 そして更に最悪なのが、あの5メートル超の巨体が8体も居る。生半可な攻撃は全然通らないし、あのドラゴン達でさえかなり押されてる。これはどうやったら勝てるんだ……。やっぱりあのまま零姫おばあちゃまのお膝で寝てた方が良かった気がする。いや、それはあまりにも無責任過ぎるか。


「大いなるマナの輝きよ、我らの傷を癒やし給え! エナジーライトニング!』

『ごほんごほんが【エナジーライトニング】を発動、ガリャルドが完全に回復しました』

『周囲のプレイヤー・NPCが完全に回復しました』

『礼は言わねえぞッ!!!』


 同盟ギルドの魔術図書館の人たちが遊びに来てたのが運が良かった。豪雨になって帰れなくなる前に昼で仕事切り上げた会社が多かったみたいで、かなりの人数がログインしてたのが本当に運が良かった。うちのギルドはヒーラー職の人が圧倒的に少ないからね……それにしても、あの生命力変換でHPをMPにして、他の人に回復焚いて貰って完全回復、完全回復した人がまた回復焚いてループって、凄い鬼回復コンボだなぁ。頼もしいわ……。


『ええい、キリがないのう! どこかに隠れて回復しておるやつがいるぞ、これは!』

「……確かに、一体ぐらい倒れてもおかしくはない、か」

『儂が陽動する。お昼寝、必ず見つけ出して倒すのじゃぞ!』

「え、嘘、僕――――うわあ行っちゃった……」


 零姫おばあちゃま、とんでもない無理難題押し付けて行っちゃったよ~……。ん~仕方ない、味方も何人か巻き込むかもしれないけど、死にはしないはず。アレを……使うか。


『ギルド全体メッセージ:毒使うから、巻き込まれないように注意してね。激戦区は避ける』


 ん、了解のリアクションがすごいスピードで飛んでくる。とりあえず注意はした、したけど……使うのに勇気が要るなあ、これ。でも物陰に潜んでる奴を炙り出すにはこれが一番手っ取り早いし、仕方ないね! さてさて、まずは高台に登って……見つからないように、ね。


『【デッドリーポイズンボム】を発動します』

「そらっ! 出てこい!!」


 そして四方八方に投げる! 遮蔽物になってる建物の裏、小屋の中、裏、隠れられそうな場所に投げまくる! よーし退散ーー!!! 隠れろ~!!


『妖狸兵・地(Lv,244)が【致死毒】【麻痺】状態になりました』

『妖狸兵・崖(Lv,246)が【致死毒】【麻痺】状態になりました』


 こいつらじゃなさそうだなぁ……。どっちかって言うと弓でチクチクやってた連中じゃないかなこいつらは。


『マリアンヌが【チャージレーザー砲】を発動、ヘッドショット! 妖狸兵・崖(Lv,246)が即死しました!』

『妖狸兵・空(Lv,245)が【致死毒】【麻痺】状態になりました』

『妖狐族の戦士・錫音(Lv,199)が【致死毒】【麻痺】状態になりました』

『ペラーノが【ハイネスキュアー】を発動、妖狐族の戦士・錫音(Lv,199)の全ての状態異常が回復しました』

『妖狸兵――――』


 あ、ごっめ~ん……。やっぱり巻き込んじゃったわ。それでも敵の方が圧倒的に被害大きいから許してくれる? ん~~回復して回ってるような奴、居ないような気がするんだけど……。一度攻撃した相手なら、解除された時に『解除されました』って出るはずだから……。


『????が【????】を発動、妖狸兵・地(Lv,244)の全ての状態異常が回復しました』


 居た……!!! ここだ!!!


『ギルド全体メッセージ:【地図表示】今地図にマーキングした地点に回復して回ってる奴が居る!!!』

「――マリアンヌさん、あそこに居るみたいです!」

『マリアンヌが【チャージレーザー砲】を発動、カオスエンジェル(Lv,????)に6,550Kダメージを与えました』

『――――ギャァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』


 ナイスショットマリアンヌちゃ~ん……。何、カオスエンジェルって? リンネちゃん居たら何が何でもぶっ殺すような名前してらっしゃるけど。う――――なんだ、あれ……?!


『ッチ、ツギハギして作ったような天使のバケモンが居るぞ!』

『醜悪だな、生き物のパーツで天使を形作ったゴーレムか』


 ドラゴン組は随分冷静だけど、とても冷静では居られないような見た目してるよ……。見ただけで精神に多大なる悪影響を及ぼしかねない醜悪な……。背中の羽根、あれって……人間の…………いや、考えるの、やめよう。とにかくアレを倒さないと。


『ギィィィイイギャアアアアアア!!!!!』

『ガ、タ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ス、ケ、ガ、ガ、ガ、ギ――――』

『何体居るんだよ!!』

『余所見してる場合では、無いようだがな!』

『混沌牛骨鬼(Lv,????)が【覇者の爆進】を発動しました』

『ラージウスが【原初の守護】を発動、ガリャルドが無敵効果によりダメージを受けませんでした。混沌牛骨鬼(Lv,????)の攻撃が止まりました』

『うざってえ!!!』

『ガリャルドが【グラビトロンブレス】を発動スタンバイ!』


 しかも複数体居たんだ、どれもこれも微妙に容姿が違う……それに、まだ喋れるような個体も……。き、気分が悪い。早く倒そう……!!


『【クレイジーマシンガン】を発動、Weak!!! カオスエンジェル(Lv,????)に合計6,990Kダメージを与えました。【獄炎呪・5】状態になりました』

『ギギギギギ……ゴ、ゴゴゴゴゴゴ…………』

「こ、こいつ……!!」


 マズい、迂闊に接近するべきじゃなかったかもしれない!! この膨張――――まさか!!!


『カオスエンジェル(Lv,????)が【大自爆】を発動しました』


 しまっ――――!!!!?


『天狗族戦姫メイナが【仙術・口寄せの術】を発動、貴方は強制的にテレポートさせられました』

『無事ですか。危うかったですね』

「メ、メイナちゃ~~ん……」

『おそらくあれは、デロナが生み出した新しいおもちゃですね。最悪です……』


 た、助かった!? メイナちゃんのところにテレポートさせられたんだ! ふえ~~助かったぁぁぁ~~~……。しかし、デロナは混沌兵を作り出すだけじゃなかったんだ……あんな、化け物まで……。


『恐らく自爆のキッカケになったのは、火……でしょう。その拳に宿る火の力が自爆を誘発させたのかと』

「火が、弱点か……よし、なら逆に……!」

『ギルド全体メッセージ:カオスエンジェルは火属性で攻撃すると自爆する、かも。ダメージ量は必要かもしれない』

『む、一部の魔術師殿が火を使い始めたようですね……。おお、爆発しました!』

「メイナちゃんのおかげだよ~! よし、じゃあこのまま今度は反撃と」

『死灰丸(Lv,????)が【爆炎撃】を発動、カオスエンジェル(Lv,????)に12,666Kダメージを与えました。大きくノックバックしました』

『なっ……!?』


 出てきた、死灰丸……!! でも真っ先に味方を、何で――――あああああああ!!!!


『カオスエンジェル(Lv,????)が【大自爆】を発動しました』

『狼獣人族の戦士・カーラ(Lv,199)が【ガード】を発動、6,115Kダメージを受け、死亡しました』

『グリモアが【ロックウォール】を発動、【大自爆】を防御しました。遮蔽物耐久値(26%/100%)』

「うっ……! 最悪、だ……! こんなの……」

『ホウエンも、来ます……行かないと』


 用済みになったら、今度は特攻兵器にするなんて……。あまりにも卑怯だけど、恐ろしいほどに効果的だ……。あいつを、あいつの暴走を止めないと。今度は油断しない、絶対に。


『お昼寝さん!?』

「僕があいつを、殺る!」

『火の力を持つ死灰丸に、貴方では――――!!!』


 そんなのやってみなきゃ、わからないさ。獄炎呪が火無効の死灰丸に本当に通用しないか、それを今から見せてやる。それに、前にリンネちゃんが戦った時の動画を見せて貰った時から思ってたんだ。あいつと、戦ってみたいって……!!! まずはこいつを、挨拶代わりに!


『【デッドリーポイズンボム】を発動、致死毒沼地が展開されました。死灰丸(Lv,????)は【致死毒】【麻痺】に耐性があります!』

『――あぁ? んだぁ、これはァ!!! ラーラじゃねえ狼獣人族の戦士が、俺に勝てるわけがねぇだろォがァーーーー!!!!』

『死灰丸(Lv,????)が【炎狼身弾】を発動しました』

『【冥王身弾】を発動します』

『ぶっ潰れろォーーーー!!!!』


 真正面から正々堂々、やるわけないでしょ!!! この広大な毒沼は既に僕の領域だ!!!


『【ポイズンダイブ】を発動、毒沼地へ転移します』

『あァーーー!!? どこ行きやがっ』

「ここさ!!」


 僕はこの毒沼の中に自由にダイブ出来るし、転移して移動だって出来る! 後ろが取り放題なんだよ!!!


『【ポイズンダイブ】を解除、【クレイジーマシンガン】を発動、死灰丸(Lv,????)に合計2,230Kダメージを与えました。【獄炎呪・8】状態になりました』

『ッハ!! 効かねえよそんなへなちょこ殴り!!! 出直してこいっっっ!!!!』

『死灰丸が【爆炎拳】を発動しました』

『【ポイズンダイブ】を発動、毒沼地へ転移します』


 そうさ、最初は効かない。でも何度も何度も殴ってればコイツの足りない脳みそでもわかるようになる。火属性のエンチャントがされた僕の拳が、何故か火無効のお前に通用するって異常さがね!


『くそっ!! うざってえなぁ!!!』

『【ポイズンダイブ】を解除、【クレイジーマシンガン】を発動、死灰丸(Lv,????)に合計6,190Kダメージを与えました。【獄炎呪・20】状態になりました』

『ぐぼ、ぉ……! ん、だぁ……!? さっきより』

「【冥王身弾】を発動、Weak!!! 死灰丸(Lv,????)に合計6,880Kダメージを与えました。【獄炎呪・22】状態になりました』

『ガ、ハッ……!!?』

「どうした? へなちょこパンチは効かないんじゃなかったのかなぁ~~???」


 これが、獄炎呪の怖いところ。火無効で火ダメージを0パーセントにした後、獄炎呪はそこから耐性を5パーセントずつ減少させる。今のコイツは火耐性マイナス110パーセント、獄炎呪は最大で50まで付与される…………覚悟しろよ。もっと痛くなるんだからね!


『死灰丸(Lv,????)が【激昂】状態になりました』

『てめェ……!! ぶっ殺す!!!』

『波動のラーラが【灼熱の波動】を発動、Weak!!! 死灰丸(Lv,????)に5,115Kダメージを与えました』

『ぐごっ……! この、波動は……!』

『火の化身を豪語するお前が、この程度で"ぐごっ"って。どっちが、へなちょこ?』

『ぶっ殺す!! ぶっ殺す!!!!』

『殺す殺すはガキンチョでも言える! 掛かってこい、ガキンチョ!!!』

『ウォォオオオオオオオオーーーーーーーーー!!!!!!!』

『死灰丸(Lv,????)が【怒髪天】状態になりました! 攻撃力が激増、防御力が激減します!』


 おおっと、ラーラさんも来た……! 混沌牛骨鬼は、皆が止めてくれると信じてここは僕達でなんとかしないとね。行くぞ死灰丸、お前に火の恐怖を叩き込んでやる!!!



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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
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