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272 The Original・9

◆ 原初に続く大穴・46階層 ◆


「あ、スライム」


 もうそろそろ50階って時に、まーたスライムだ! 複数回抽選されることもあるんだ~これはラッキー! 早速掘るやつを決めて、皆でいっせーので掘らないと――――ん゛っ゛!??


「待って待ってレーナちゃん、待って? なんか違くない?」

「え? スライム…………」

『(;´∀`)……?』

「わあ、顔がついてます! フリオニールさんのそれとそっくりの!」

『(;´∀`)……!?』


 なんだこいつ……? なんでスライムに【(*´ω`*)】って顔がうっすら表示されてるの? こいつ本当にスライム? なんか、違くない……?


「えい」

『白銀のレーナが青くてヒンヤリしたアイツ(Lv,????)に55Kダメージを与えました』

「あ、違う」


 うーわうわうわ、これスライムじゃないじゃん! 顔も【。゜(゜´Д`゜)゜。】に変わってるし、こいつ絶対原初に進んだら金色のアイツ系になるやつじゃん。まさか、スライムが水になるってわかってる人をハメるための罠ってこと?!


「これ、スライムが最終的に水になるってわかってる人を引っ掛けるための罠、ですよね……?」

「たぶん、そう。とんでもないひっかけ」

『(´゜д゜`)』

「この子、スライムじゃないんですか?」

「違う違う、恐らくだけどすーーっごい厄介なモンスターになる奴だよ。ちょっと見てみたい気もするけど、今は絶対見たくない」

「絶対強い、そしてウザい」

「わあ~……」


 これは酷いわ。もしかしたら動きが遅いのも演技かもしれないから、とりあえずティアちゃんにぷちっと潰して貰おうかな。


「ティアちゃん、ぷちっと潰しといて」

「厄介さん、ぷちっとしますっ! え~いっ!!」

『オーーーノーーーーッッ!!!』

『ティアラが【スナイパーランス】を発動、青くてヒンヤリしたアイツ(Lv,????)に8,999Kダメージを与え、撃破しました。経験値 1 獲得』

『【死体安置所・10】に【青くてヒンヤリしたアイツ(Lv,????)】を納棺しました』


 うーわ喋った……。やっぱりやっつけといて正解だったわこいつ、最後の瞬間微妙に素早く移動してたもん。絶対放置したら全採掘トラップとか踏みに行ってたよ。あれ、そういえばティアちゃんがスナイパーランスを覚えてる。ゼオちゃんから教わったのかな?


「うわ喋った……」

「このフロアのは一切手を出さないで、降りよ」

「そうしよそうしよ……。ティアちゃん、スナイパーランスはゼオちゃんから教わったの~?」

「はいっ! 生きてる武器だから、戻って来るし使えると思うからって! 教わりましたっ!」

「お~いいね~…………ん?」

「どうしたんですかっ?」


 やっぱりゼオちゃんから教わったのね~~……の前に、今更だけど気がついたことがありますね? レーナちゃんの、名前!!! シリアルコードじゃなくなってる!!


「レーナちゃんの名前、変わってない!?」

「あ、やっと気がついた。そ、変えて貰った。ティスっとした神さまに」

「おおおお~~~そうなんですか……。こ、この、白銀のって……?」

「異名システム。本当はレーナ、名前に装備出来るアバターみたいな、感じ? だって。ティスっとした神さまから、貰った~」

「えええ~~~!!!」


 ずるい、私も欲しい!!! 異名私も欲しい欲しい!!! 今度絶対バビロン様におねだりする! 漆黒のリンネとか付けて貰うんだ~!!


「今度バビロン様におねだりしよ……」

「絶対まともなのじゃ……あ、なんでもない。それより、ポータルと壁に気をつけて、行こっ」

「そうですね、気をつけないと!」


 まずは注意して、とにかく50階まで行かないと! そこがスタートラインみたいなところあるからね! いや~大穴、本当油断も隙もあったもんじゃないね!




◆ ◆ ◆




『フリオニールが【極光爆滅波】を発動、Weak!!! スーパーチェストミミック(Lv,300)に14,551Kダメージを与え、撃破しました。経験値 750,000,000 獲得』

『白銀のレーナがレベル115に上昇しました。お祝いしましょう!』

「初めて見た、スーパーチェストミミック」

「お、115おめでとうございます!」

「ありがと~。撫でてもいいよ」

「えっ…………は、はい」

「ん~~~~……っ♡」


 レーナちゃんがレベル115になった~……私が133でそこまで数字的には差がないように見えるけど、このレベル18が途轍も無い量の経験値が必要で、正直1人で上げるのには限界があると思う。こうやってパーティ組んで遊べてるから良いけどね! あ、それよりレーナちゃんの撫で心地、いい……。癖になっちゃう!!! なんかゾクゾクする!!


「年下の大きい女の子に撫でられるこの感覚、癖になる」

「年上のちっちゃい女の子を撫でる感覚も癖になりそうです……」

「まんぞく。経験値も50%も増えててさいこう。あ、ギルドハウスにシークレット効果で経験値の上限突破家具、あるよね。誰が置いたんだろ、バビロン様の等身大フィギュア」

「え? 私ですけど」

「あれの隠し効果に【経験値獲得量追加+20%】が付いてるって気がついて、皆凄く喜んでた。それに気がついた瞬間、お昼寝が大慌て。完全ロック掛けて、ギルマスの許可なしで持ち出し出来ないようにしてたよ」

「ほえ~」

「ほえ~って。リンネのなのに、良いの?」

「大丈夫ですよっ! 置きっぱなしで!」

「ほえ~」


 ほえ~……。シークレット効果なんてあったんだ~……。そういえばあれ以降『ボーナス適用限界』とか『ボーナス上限』とか表示されるようになってた気がする、かも? 元の値30パーセントに上限突破プラス20パーセントの150パーセントが上限ってことなのかな? 多分、そういうことだね。


「それで、シークレット系の装備は何かしら隠し能力があるかもしれないって、話題」

「あ、なーるほど……。だから等級がシークレットなのかもですね…………。あれ? おにーちゃん、テュケーって隠し効果でモードチェンジがあるんだっけ?」

『(*´∀`*)b』

「あ、やっぱりこの説、正しいかも」

「となると、私の武器も何か隠し効果があるのかな」

「ある、かも?」


 シークレット装備には隠し能力が存在する可能性、か~……。確かにおにーちゃんのテュケーだってモードチェンジなんて隠し効果があったぐらいだし、他の装備にも何かしらの隠し効果があっても不思議じゃないよね。私の武器は、どんな隠し効果があるんだろ。いつかわかる時が来るのかな? 本気になって調べても出ない時は出ないし、出る時はひょんな事から出るし……。いつかわかるでしょ!


『50階層到達おめでとうございます。スキップポータルが解放されました。次回から50階層までスキップすることが可能です』

「お、本物の倉庫にタッチするとスキップ解放なんですね」

「そっ! これでリンネも、スキップ可能~」

「やった~!」


 これで50階までスキップ可能になるんだ~。うわ、もう1時間半近くも籠もってるんだ……。これでしっかり採掘まで吟味とかしたら倍はかかりそう。これはスキップ一択だなぁ~……。


「こんなに時間かかるなら、スキップですね~……」

「ね。ちょっと、かかりすぎ。でもいつもより収入、5倍ぐらいある」

「お金がどうしても欲しいなら、ですかね?」

「週2回だし、真剣にお金稼ぎたいなら、絶対やると思う」

「ですね、これが収入源ならですけど」

「そうじゃないなら、別に~」

「別に~ですね」


 この階層で掘った鉱石は一つもないから、とりあえず倉庫から取り出すのは~……。一応ポーションとかかな? 後は~……あ! ハッゲさんから貰ったレベル100以上でも効果が出る料理、食べておこう!


「これこれ! ハッゲさんから貰った、レベル100以上でも効果が出る料理を食べておきましょう! ボスラッシュでちょっとでも楽出来るように!」

「とてもざんねんなおしらせ。バフ、全部消える。消耗品持ち込み不可」

「えっ……」

「見て来て、あのポータル」


 え……。そ、そんな酷い……。あんまりじゃないですか……? このポータルですか……?



【The Original】 (制限レベル100~) (推奨レベル150~)

・制限:レベル100以上で入場可能です

・制限:NPCにレベル制限は適用されません

・最大4人までパーティ入場可能

・ペナルティ:戦闘中の一部召喚系スキル使用不可

 ┗パーティの該当スキル:【死体安置所系】【魔神兵召喚】

・ペナルティ:入場時全ての良性・悪性効果を解除する

・ペナルティ:消耗型回復アイテム持ち込み不可

・ペナルティ:ボス生存時、復活は1度まで使用可能

・30秒のカウントダウン後、ポータル内のメンバーがダンジョン内に転送されます



「うわぁ、本当だ……」

「攻撃アイテムは持ち込める」


 本当だ……。こ、これは酷い……。出鼻をくじかれたような気分。そっと、倉庫に戻しておこ……。


「プロップドローンは使える、持ってこ」

「そういえば、戦闘時じゃなければ召喚出来るんで、敵が居ないところなら召喚スキル使えるんですよ」

「え、嘘。あ、本当だ。スキルが表示灰色になって、ない!」

「私の召喚系とか、おにーちゃんの魔神兵召喚とかはパーティ人数超過しちゃうからダメなんですけど、人数としてカウントされない召喚ならいつでも使えるかも?」

『白銀のレーナが【空中射撃型プロップドローン】を起動しました』

『(っ’ヮ’c)!!』

「わわ、鉄の蜂さんです!!」

「出せた」


 わ~~凝ったデザインのドローンだ、これ~~!!! 手のひらサイズぐらいの蜂型兵器だ~!! このお尻についてるのが、射撃装置なのかな~?


「それ、ビーム砲」

「え、ビーム砲なんですか!?」

「んっ! 本当の名前は、ビー砲」

「ビー砲……。蜂だからですか!」

「そっ!!」

『(っ’ヮ’c)~~♪』


 凄く素早く飛び回る……。これがビーム砲撃ってくるってなると、相手からしたら鬱陶しいなんてもんじゃないね……。わ~凄い、格好いいなぁ~!!


「あ、1機しか出せない。制限されてる」

「流石に、ですか~」

「ぶ~~」

『ブゥゥーーーン…………』

『(っ’ヮ’c)!!!!』

「可愛いですっ!」

「予備で持ってく。壊れたら修理が大変だけど、強いから」

 

 あ、壊れたら修理が必要なんだ……。そっか、おにーちゃんみたいに修理スキルがないから、そりゃそうだよね。そこらへんが機械系の大変なところなんだろうなあ~……。


「じゃ、準備出来たら、行こっ!」

「行きましょうか! 準備は大丈夫?」

「大丈夫ですっ!」

『(っ’ヮ’c)!』

「大丈夫みたいです!」

「ボスラッシュ、しゅっぱーつ」

「しんこーっ!」

「おーっ!」

『(っ’ヮ’c)~~~♪』

『転送ポータルを起動しました。30秒後に【The Original】へ転送されます』


 それじゃあ本命のボスラッシュ! 行ってみよ~~!! まず初戦は何が出てくるのかな? いきなり戦闘なのかな? あ、聞いておけば良かったかも。でももうポータル起動しちゃったし時間ないし!


『転送』




◆ ◆ ◆




『この先の大部屋にて3連戦となります。準備が出来たらポータルを起動してください』

『先鋒:ミノスキング』

『中堅:極・殺戮者 & 極・抹殺者』

『大将:G(グレート)G(ギガンティック)G(ゴッド)G(ゴールド)様』


 ――――うわ出た……。うわぁ、出た…………。


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