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216 Welcome! HELL PARTY・12

 今我々は地獄パーティの第1階層にやって参りました。既にポータルは起動済みで転送されるのを待っている状態です。ちなみに結局誰も連れてきていない状態なので7人での挑戦、料理バフは【2時間の間、最終攻撃力+10%】が発生しています。ディスペルも何にも効きません、最強!!! さて、覚悟は良いですか?


『…………転送』




◆ 荒れ狂う海の船上エリア・【死の海の魔女・ローレライ戦】 ◆


『転送完了。地獄パーティへようこそ!!!』

『沈め沈め!!! 皆沈んでしまえ!!! アッハハハ!! アッハハハハハハハ!!!!!!!!』


 この地獄パーティではね、事前に準備が可能なの。ごめんね。


『にゃんだぁあああああああああああーーーーーーーーー!!!!!!!』

『オーレリアが【禍津・雷撃猫嵐(にゃんだーすとーむ)】を発動しました!! 周囲に無差別に雷の猫が落ちます!!』

『ローレライ(Lv,????)に【雷撃猫嵐(にゃんだーすとーむ)】が全て直撃しました!!! 【ずぶ濡れ】状態! Weak!!! 合計44,155Kダメージを与えました! 

『MVPはオーレリアです。おめでとうございます』

『MVP報酬は【ヴァルハラの花】です』

『地獄パーティ第一階層をクリアしました。おめでとうございます』

『荒れ狂う海が静寂を取り戻しました……』

『地獄結晶 【死の海の魔女】を【死体安置所・3】に納棺しました』

『討伐報酬は階層移動時に発生します』


 はい…………はい。


「出てくる場所が上空なんだもん、そりゃそうよ……」

『わぅぅん…… (いいのかなぁ……)』

「なんと呆気ない……」

『Σ(´∀`;)……』

「え、終わりなのか?」

「一撃! 凄い!!」


 誰に聞いてもローレライは上空スタートだった、エリアもみんな一緒で暴風雨によって初手ずぶ濡れ状態。こんなの『雷落として倒してください』って言ってるようなもんだよね。いつか再戦することがあればやろうと思ってたけど、いや~……見事に決まったわ。


『お帰りのポータルは青いポータルにお進み下さい。次のパーティへご参加の場合は赤いポータルへお進みください』

『地獄パーティ第二階層にて、主催【????】がお待ちしております。開催場所は【????】が予想されます』


 お、ランダムエリアだ。また金色のアイツが出てくるんだったらティアちゃんと追いかけっこか、どん太と追いかけっこすることになるなあ~……。今日は相手が固定メンツじゃないから、先駆者に内容リークして貰っても固定の倒し方が出来ない日だね。


「リアちゃんおつかれ~。次行こうっか~次は何が出るかな~?」

「全然疲れなかったです。何が効くかわかってれば簡単ですね」

「次は、何が出るか不明ですか」

「何がいるか不明ということもあるんだな。わかっていれば今みたいに一撃、か」

「全員が全員一撃でやれるわけじゃないだろうね。最後以外だとワーロックとかは頭一つ飛び抜けてる強さがあるから、気をつけないといけない相手もいるよ」

『わうっ! (つよいほねほね!)』

「完全に今のは事前情報と相性ということか。なるほど」


 さーて次は誰が出てくるか……。とりあえず移動して、報酬貰って準備を進めようか~。




◆ 第二階層・準備エリア ◆




『階層移動により、報酬が贈呈されます。経験値 1,300,000,000 獲得』

『クリアタイム4.2秒』

『10秒以内に撃破した為、スピードボーナスが発生しました。経験値 1,170,000,000 獲得』

『レベル114に上昇しました』

『どん太がレベル73になりました』

『オーレリアがレベル32になりました』

『フリオニールがレベル6に上昇しました』

『姫千代がレベル81に上昇しました』

『マリアンヌがレベル6に上昇しました』

『ティアラがレベル72になりました』

『宝箱が出現します。スピードボーナス、及び1人少ないことによる人数ボーナスを加算。全てお持ち帰りください』


 おお、スピードボーナスなんてあったんだ。10秒以内って、もう完全に撃退パターン組めてる人達にしか出せないタイムじゃん。ローレライ以外だと発生の早い攻撃ってのが少ないから、千代ちゃんが祓魔居合斬で一撃必殺でも取らない限り無理っぽさそうだなあ~。


「ぱんぱかぱ~ん」

「リア殿!? 確かに、特に感動もないですが!」

「早く回収して次行きましょうよ~」

「そ、そうね……」


 リアちゃん問答無用で宝箱を開けてるし!? まあもうあの時みたいな倒したーーって達成感はないからさっさと開けて次に行きたいよね。特に今回は攻略に来たんじゃなくって、金策するためにここに来てるわけだからね。前とは目的が全く違うのよ……。もう一つの目的としては、魔王フリオニールとかいう頭のおかしいボスをマリちゃんとティアちゃんに見せるため、かな。あれはね、知っておかないと……。


「ん~~……多分、死神降臨の書ではないですね」

「お、古代文字で書かれた本だ。どれどれ?」

「読めるんですか? 私は照らし合わせながらじゃないとまだ……」


 古代文字で書かれた本だね~。リアちゃんはまだ翻訳のメモ帳がないと読めないか、私はある程度覚えてるからなんとな~く読めるよ~? どれどれ、見せてみ?


「リンネ様、それ読めるんですか? 全然わからない……もにょもにょした字がいっぱい!」

「もにょもにょ……」

「確かに、もにょもにょに御座いますね……」

『(*´・ω・)(・ω・`*)』

『わうわぅ (もにょもにょ)』


 もう本自体がボロボロだからところどころ字が欠けてるところもあるけど……。このもにょもにょは、あ? これは、ん? なんだこれ……? 


「それはまさに機械の、神……。魔界にて、我が師である……なんとかに作られたが、天界がこれを天を脅かすものとし……なんとかより、これを取り上げ、作り変えられ、今では天に羽ばたき、奴らを運ぶ船となった……。奴らはあれを、空中要塞都市メルティナと呼び――――空中要塞都市メルティナについて書いてある!!」

「空中要塞都市だって……?! リンネ、それについて詳しく――――」

『――自力鑑定【機神の書】を入手しました』


 機神の書……!!!? じゃ、じゃあ、ローラちゃんが昔滅ぼしたって言ってた空中都市メルティナって、これに書いてあるのが正しかったら、まだ……!!


「お姉ちゃんマリにゃ~ん。それ後じゃ駄目ですか~~っ!!!」

「あ!!! ちょっとだけ! 5分! いや3分!」

「おにーちゃんタイマー3分! スタート!!」

『Σ(´∀`;)!!!????』

「無茶振りに御座いますね……。此方の腹時計3分のほうが正確かと」

「ちよちよタイマースタート!!!」

「3分、3分ね! アラームかけるからぁ!!」

『3分後にアラームを起動します』


 お願いみんな、3分だけ! 3分だけだから! どうしても今すぐ確認したい内容が書いてあるのっ!!!




◆ ◆ ◆



 我が師によって作られしそれは、まさに機械の神。魔界にて我が師である◆◆◆・◆◆◆◆◆によって作られたが、天界はこれを作り上げたことを何故か知っており、『天を脅かすもの』として我が師である◆◆◆・◆◆◆◆◆より、これを取り上げた。その後機神は天界に持ち去られ、天族達によって作り変えられ、今では天に羽ばたき、奴らを運ぶ巨大な船となった……。奴らはあれを、空中要塞都市メルティナと呼び、天族の偉大なる技術の集大成として見せつけるように飛行している。

 こんなことをされて、我が師が黙っているはずがない……そう思っていたが、師は全く動じる様子を見せず、それどころか毎日楽しそうにしている。私はこれが不思議でならず、師になぜなのか理由を尋ねた。


『機神のコアは起動している状態であちらに渡った。コアは金属を侵食して新たなパーツを生み出すことも可能な機械生命体だ。そして機神はマスターである私が危険に晒されたことを学習し、奴らに渡ったのだ。どういうことかわかるかね?』


 私は笑うしかなかった。機神が出来上がった情報を天界に、天族に流したのは師自身だったのだ。機神は確かに天族に渡った、しかし機神は天族のものにはなっていない。機神は今も恐らく、マスターである師を危険に晒した存在を許さぬとして、着々と反逆のための準備を進めていることだろう。そして師は最後にこうも言った。


『既に名前も決めてある。異界人によって伝えられた昔話に(なぞら)えて付けた名前だ』


 私は尋ねた。機神の名はなんと付けたのか、と。


『機神の名は、トロイ。何かキッカケがあればすぐにメルティナは食い破られるぞ』




◆ ◆ ◆




 ローラちゃん単独で滅ぼしたとは正直思えなかったけど、なるほど……。機神トロイ、天界側に渡す前提で作られた兵器だったんだ。そしてこの様子だと、機神トロイは未だに空を飛んでいる……。これは、飛空艇で行くべき場所が増えたかもしれないねえ。


「機神トロイ、か……。ところでこの読めない部分なんだが……」

「人名はちょっと難しくってね~」


 流石に古代語がある程度読めるようになったとは言え、人名はね~そこは勘弁してよマリちゃんヌ~。


「マグナのサインとそっくりだな」

「え?」

『3分経過。3分経過』

「はい! 3分に御座います!」

『Σ(´∀`;)!?』

「お姉ちゃん3分経った~~!! はいティアにゃん、私の勝ちです!」

「あ! また負けちゃった! まるばつゲーム、勝てない~……」


 リアちゃんとティアちゃんがまるばつゲームで暇をつぶしてたの可愛すぎない? いや、ごめん後ほんっと、一言二言だから待って!?


「ど、どこがそっくりって!?」

「ここ。3文字の部分がマグナの家名とそっくりな字だ」

「おねえちゃ~~~ん」

「あ゛あ゛あ゛っ! リアちゃん本当にちょっと、ちょっとだから!」

『( ー`дー´)v』

「え? なんですかおにーちゃん、その指。まさか、まだ2分って言いたいんですか!?」

『(*´∀`*)』

「あ、まだ2分だったかもしれませぬ!」

「あ~~~っ!!! ちよちよまで!!!」


 ありがとう、都合よく待ってくれるおにーちゃんタイマー、千代ちゃんタイマー……!!! 


「こんな字だったな、エクス・マグナ。これがエクス・アルス。ほら、そっくりだ」

「もしかして、トロイってことは…………エクス・エペイオス…………?」

『解読成功、人名【エクス・エペイオス】』

「ああ、初代マイスターの名がエペイオスだと言っていた。マグナの祖父の名だそうだ」


 うおぉおおぉお……っ!!! 機神作ったの、アルスちゃんとマグナさんのおじいちゃんだったんだぁ……!!?? 凄い、なんか意外なところに繋がって、謎の感動が……!!


「後でマグナさんに何か知らないか、聞いてみようね! じゃあ、これは一旦おしまい!」

「ああ。後で教えて貰おう」

「ほら、リア殿! 3分経ちましたよ!」

「ぶーーーーーー」

『(*´∀`*)』

『わうぅ~~? (もう3分なの~?)』

「3分早いねっ!」

「ぶーーーーーーーーーーーー」


 リアちゃんから大ブーイングされてる……! ほっぺ膨らませて抗議してるの可愛い……。ほっぺもちもちしちゃろ。


「ぶぇ」

「ふっ……ごめんごめん、行こうっか!」


 さあ、気を取り直して……。2階層目、行ってみようか~! あ、他のアイテムも回収――――おにーちゃんがやってたわ! 偉い! 何から何までありがとう、おにーちゃん……!!


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