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215 未来への期待、目先の絶望

◆ ローレイ・2階【広場】 ◆


 あの~…………。いつの間にかギルドメンバーさんと、魔神殿のクラフト系NPCがほぼ全員集まってるんですけど~……? マグナさん達を連れてきた辺りからかな、そのうちマグナさんの助手とか教え子とかが色々集まってきて、妹のアルスちゃんが燃料とかエネルギー変換関連で興味を示して参加して来て、アルスちゃんのとこの工房の子達が更に入ってきて……。そうしたらもう、金属加工なら任せろ~~って、武器を主に作ってる六腕の鬼人アースラさんが駆けつけたり、オリビエさんも内部のデザインに興味があるとか、長期間乗るには良い家具が必要だ~~とか……もうそこからノンストップよ。


「そもそも外装甲がミスリルでは紙風船でも飛ばすようなものじゃねえか」

「ミスリル単体では強度がない。だから他の金属と混ぜて合金化するんだ」

「繋ぎ、繋ぎ、繋ぎ、繋ぎ」

「繋ぎの素材が、必要で~~っすっ!!!」

「錬金工房にいいものを置いてたりしないのか?」

「あったら使っちゃうも~~んっ! お姉ちゃんだってそうじゃ~ん!」

「だな。それもそうか」

「うひゃぁ~~凄い金額になってきてない? これ、どうするのってレベルだねぇ?」

「兆まで後1桁だな! はっはっは!!!!」

「笑い事じゃないんですけど~~」

「実際、こっちで売れるものを売り出して、欲しい物を購入して~~って続けてたら、同じお金が何回か回ってきそうですよね」

「ああ、ありそう……」

「皆様揃いも揃ってこちらで何をしていますの~~!?」

「あ、やっと来た」


 やっとペルちゃん来たわ。おっそ!!! こういうので一番張り切って色々やってくれそうなのに、もうほぼほぼ決まりそうだな~って時に来たわ! んも~~遅いんだよぉ~~!!


「――――って、話なんだよ。飛空艇を作ろうってなったの」

「楽しそうが過ぎますわ!? あ、でも大会はどうしますの? 掛かりっきりには出来ませんわよね?」

「予選は……まあ、レート5000も超えてりゃ本戦ラインっぽいし大丈夫だろ」

「えっ、そのぐらいでいいんですか?」

「レート分布は公開されてるよ~。最上位の0.01%がレート4500後半から5000以上にしかいないから、突破ラインがそこだろうって言われてるね~」

「えっ……」

「リンネちゃん5500ぐらい稼いでるんじゃいの~~??」


 6500ぐらいあるわ。え、じゃあもう良くない……? いっか……。後は本戦まで放置でいいや。


「突破できるラインだと思うので、大穴に行こうかな……」

「わたくし3000ぐらいのままですわ……!」

「採掘者セットで掘ると、追加ドロップとかするから効率良かったですよ」

「あ!!! 大穴、リンネちゃぁぁぁん…………!!!」

「そうだ、リンネちゃんあれは酷いぜ……」

「あっ……行ったんですね……ふっふっふ……」

「行ったッスよ~~!! ひどい目に遭ったッス~~!!!」

「これみよがしにレア鉱石が並んでるのはおかしいと言ったじゃないですか。赫が聞かずに採掘するのが悪いです」

「あの場所は最低ですわ!!!」


 あれはペルちゃんが悪い。脳死ぶっぱは頭悪すぎ、どん太でも待った。


「…………すぅ……すぅ…………」

「あ、ティアちゃんが……」

「難しい話が飛び交ってたから眠くなっちゃったかな~?」

「此方が部屋まで連れていきましょう」

「お、我も一緒に」

「「「マリちゃんはダメ」」」

「うっ……うぅぅ~~…………!」


 マリちゃん逃さないよ。言い出しっぺなんだから、マリちゃんがプロジェクトリーダーだよ? 当然だねえ!? そしてマリちゃんのマスターである私も当然責任者だあ……。さっきのうみのどーくつで手に入れたアイテムとかカードバインダーとか、取引可能なのは全部オークションに流したよ。前はお金なんてそこまで要らないって思ってたけど、今はあればあっただけいいね。


「掲示板で、鉱石・宝石・魔石系がオークションから消えてるのが話題になってますね……」

「ああ~ほとんど買い占めたもんねえ~」

「値上がりしますかね?」

「一旦足元を見る価格になるものの、早く売りたいって我慢できない人たちが少しずつ安く出品するから明日には元に戻るよ~」

「素材アイテムの品質に優劣がなけりゃ、値段の安さしか勝負にならねえからなぁ」

「ですね……。明日どころか、今日の深夜には戻ると思います……」

「売れるってわかればみんな大穴行くし~? みんな行くってことは供給も増える~」

「そして他にここまで大量に必要とする人はいないし、莫大な金額を用意出来ないし転売の旨味が少ない薄利多売は転売ヤーが嫌う分野だしね~」


 へえ~~……。凄いなあ、そこまで予測出来るものなんだ~……。ゲーム内で需要と供給のバランス変動がリアルタイムで見られて面白いなあ~。あ、証ランダム箱売れた~! これで後は、オークションでお気に入り登録してある冥の○○石とかのシリーズを買い漁って、シリーズ全種揃えれば『魔神晶石』『死神晶石』『冥神晶石』って出来上がるから、これをアルスちゃんにお願いして錬金融合すれば『地獄晶石』、更に『地獄の涙石』ってのを融合すれば『真地獄晶石』とアップグレード可能……なんだっけ? 成功率が確実じゃないから、とにかく数! 数が必要! 正直動力に使用するこの魔石がいっっっっちばん、お金がかかるね! 当初予定してた300億がこの魔石だけで消費されるんじゃない? 運が良ければ300以内に収まるね。


「どうしてこんなことになったんだ……」

「ほら、もう現実を受け入れなバカ弟子。空でも海でも水中でも行ける、最強の船を作るんだろ?」

「え!? そこまで言ってないぞマグナ!!!」

「どうせだからそれにしようよ~~全員でもっとお金出せば行けるって~」

『(*´ω`*)』

「自己修復というか、修理工が必要になるな。この際だから修理工のオートマタも用意すればいい」

「あ。メカちびちゃん、修理スキルつけれる。メカちびちゃんを、修理工にする?」

「あの壊れたオートマタとかのやつを修理して使ったら良いじゃねえか? ギルド倉庫にすっげー大量にあるだろ」

「おい、それを持って来い。すぐ直してやる」

「結構素材が……」

「買えばいいさ~~」

「もう出品、だいぶ戻ってますね……」


 ああ、またお金が必要になってる……!!! え、えへ……お金使うの楽しい、お金使うの楽しい……!! いっぱい使って、いっぱい作って、いっぱい稼いで、またいっぱい使える!!! 真弓も財閥を成長させてた時にこんな感覚だったのかな? 扱う数字が大きくなると、その分だけドキドキが大きくて楽しくなるね!!


「地獄パーティで、稼ぎに行きます……あ、ティアちゃんどうしよ」

「んぅ、起きてます、リンネ様ぁ~……」

「抱っこして連れ行っている途中で、起きてしまいました」

『(*´ω`*)!!』

「行きますか? 稼ぎに……!!」

『わうっ!! (強いところだ~~!!)』

「我も行く!!!」

「しまった、マリちゃんに抜け出す口実を……!!」

「リンネさんわたくしも行きます。リンネさんわたくしも行きます! リンネさん!! わたくしも!! 行きます!!!!」

「ペルちゃん大会は? レート稼ぎは?」


 ペルちゃん今日月曜日で、大会予選明日で終わりだよ? レート3000しかないんだから、ヤバイでしょ絶対。明日で稼ぎ終わりますわ~~とか余裕ぶっこいてたら稼げませんでした~とかになったら、知らないよ~??


「レートは、あ、明日……」

「ちなみに明日で予選は終わりだぜ」

「私は明日、最後の追い込みで稼ぐけど……ペルちゃんはマズいんじゃないの?」

「最悪、本戦に出られなくても――――」

「バビロンちゃんをガッカリさせたら、ペルちゃんと暫くお喋りしないから」

「行ってきます! 予選行ってきますわ! リンネさん、また今度遊びましょうね!! 絶対ですわ~~!!! 皆様御機嫌よう!!!!! 」

「…………リンネちゃん、つっよ~……」

「一撃だったな……」

「ぺるぺる、リンネによわよわ~」


 代表に選ばれてるんだからさぁ~……。まあ負けはなかったから再抽選とかされてないみたいだけど、代表に選ばれておいて出られませんでした~バビロンちゃんがガッカリ~なんてことになったら、いくらペルちゃんといえども、無言で抗議しちゃうもんね。まあそんなことをしても私のほうが耐えきれなくなって1日で諦めてお喋りするだろうけどね。


「というわけで、行ってきます。ちなみに後一枠空いてますけど……」

「どう~? 誰か行く~?」

「まだ固定組んでるままだからなあ」

「こっちもッス!」

「つくねちゃんは~?」

「わ、わっち、二枠なんで……」

「あ~そっか~」


 地獄パーティ同行者、一枠だけじゃ入りにくくて誰も来ないか~……。ん、まあしょうがないね! じゃあ今回は7人で行ってみようかな?


「じゃあ、7人で行ってきます!」

「ん、それが良いかもしれないね。また機会があったら誘ってね~、僕たちからも誘うから~」

「人数足りない時とかに、是非っ」

「そうだな。お、そうだそうだ! こいつは試作品なんだがな、陸海空のミックスプレートだ……レベル100以降でも、効果が発揮される料理だぜ。デカいのもあるぞ」

「おおぉ~~……!! ありがとうございます!」


 ハッゲさんの新作だ~~!! 真覚醒した影響で、レベル100以降でも効果が発揮される料理が作れるようになったのかな!


「こんなの見せちゃ、全員食いたくなるよな。実は全員分どころか余るぐらいあるぜ。持ってくるから待っててくれ!」

「おお、いいねぇ。お腹が減ったなぁとは思っていたんだ」

「ほとんどマリマリとお姉ちゃんとレーナっちの設計で完成してるし~、完成祈願にたべた~いっ!!」

「空腹、空腹、空腹、空腹♪」

「酒も持ってくるか!」

「もうこれは食堂に行ったほうが早いって~。食堂いこ~」

「だなっ! 行くか!!」

「せっかくだし、私達もみんなと一緒に食べてから行こっか」

『わうっ!!! (賛成!!!)』

「よい考えですね、とてもよい考えです」

「確かに、お腹が減りましたっ!」

『(*´∀`*)』


 じゃあまずはみんなで、飛空艇の完成祈願を込めて! 食堂でお食事会をしてから地獄パーティに行くとしようか~! あ、ペルちゃんにもメッセージ送っておこうっと……。うわ、返信はっや!! 来るって。


「や~や~~海を渡るのに船を通り越して、空かあ~!」

「もうドラゴン定期便で空には行ってるが、それとは違うんだよなあ。こいつは」

「ロマン」

「ワクワクするッス~! これ、複数機作るってことは……探索組で使用出来る可能性もあるってことッスか!?」

「探索組の貢献度にもよると思いま~~す」

「あ~~っ!! そ、そこは善処するッス……!!」

「魔術組と共同出資という形で、別のものを作ってもらうのもいいかもしれませんね。小型軽量化、コンパクトなものを……」

「真地獄晶石が作る分だけ必要だがな」

「あっっっ…………」


 未来の可能性が広がったり、目先の問題に絶望したり……。本当に楽しいなあ、こんなのがずっと続いたら最高…………なのに。金曜日には面倒な連中が私達の邪魔をしてくる予定がある。もうあいつら面倒だし、先に滅ぼしてきちゃダメ? いやいや、それはちょっと傲慢な発想だね。本拠地の連中が、まさか勝算もなしに宣戦布告はしてこないはず。薄っすら考えてる不安要素、懸念要素もある……。それが現実になると、かなり厳しいかもしれない。だから常に最悪の想定をして、柔軟に対処出来るように万全の準備をして挑まないとね。

 というわけで、まずは目先の問題から……。お金! お金を稼ぎに行きましょうね~! 待ってろよ~地獄パーティ! そして良いものを沢山落としてよね~~!! 期待してるんだからっ!


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