210 とても平和なログアウト
投稿が大変遅れました、申し訳ありません。感想と応援、いつもありがとうございます。
◆ バビロニクス・ギルドルーム【ちびちゃんズの部屋】 ◆
マリちゃんの長距離テレポーターを見るのに研究所を覗きに行ったら試作品が複数あって、どれもこれも正常に作動するけども小型化が難しいんだって。特にエネルギー源のパナシーアクリスタルが大きいから、まずこれ以下のサイズにすることが難しいって。装置も700キロもあるから私のインベントリにそのままでは入らないって気が付いたから、何個かのパーツに分けて運搬出来るように改良したんだって。
『~~ッ!』
「……んふっ」
テレポーターに関してはそもそもマグナさんが既に作ってたし、魔界では転移の魔術陣とかは結構使われてたみたいで、魔界では隣町に行く主な移動手段はテレポートなんだって。町じゃなくて坑道だったり森林地帯の近くに行きたいっていう特殊な場所へのテレポートさせるのを商売にしてる、ポータル屋って職業の人もいるんだとか。
で、ここで私は気が付きました。マナさえ足りていれば、転移先の陣を作り出す装置さえあれば動力源やらコンバーターやらなんとかかんとかって機械は必要ないのでは? と。マナが足りていない、誰でも使える長距離用大型テレポーターをわざわざ作らなくても、移動先をリンクさせた陣さえ発生させられれば私のマナで事足りるのでは? と。だって一番大きいパナシーアクリスタルの容量でもMP100万ぐらい (クリスタル内部のマナを使い切った後、私が補充したらそのぐらいだった)だったから、私のMPで足りるよね。しかもマリちゃんのMPでも足りるよね。
『~~♡』
「ん……っふぇ……」
それを言った瞬間のマリちゃんの表情、喜怒哀楽の全てが詰まってたね。最後には『どうしてもっと早く気がつけなかったんだ……』って崩れ落ちてた。マリちゃん、急に強くなったからね……まさか目の前の強大なパワーを秘めた鉱物より、自分のマナのほうが強大だとは思わなかったんだろうね……。まあ、今は立ち直ってマグナ研究所に設置した転移先と、転移の魔術陣を発生させる装置で作った陣をリンクさせる作業に移ったんだけどね。
『きゅぃぃぃ~~♡』
「やば……やば……これ、あっ……あっ……」
「いいよね……」
『~~♪』
後はそう、リアちゃん。冥神降臨の書を使って一緒に魔神降臨の書を解読したけど、やっぱりというか想像通りの内容だった。冥神降臨の書の後ろに書いてあったレシピに関してはとりあえずスクショだけで済ませておいたので、今回は複製して貰わなくてもいいやと。ローヴェ・フォル・アウル以外は特に古代神術なかったしね。
そういえば、古代神術はスキル欄に登録されないことも判明した。専用術じゃないからなのかもしれないけど、基本的には今覚えてる魔術を神通力で古代神術化出来るって感じみたい。ローヴェ・フォル・アウルに関してはスキル未満判定っぽい。気分が良くなるおまじないみたいなものなのかな、プラシーボ効果みたいな? どん太とおにーちゃんに通じてなかったのは、なんだろうね? わかんない。
『きゅぅ~……ぎゅぁ~~……』
「あ、眠い……? じゃあ、暖かくしていつもの土鍋借りて、寝ようっか」
『ぴゅぃぃ~……♡』
『……? ……♪』
「あら、みんなも遊び疲れちゃったか~……じゃ、寝ようっか」
ところでさっきから何してるかっていうと、ちびカレンちゃんの挑戦状今日はないかな~って見に来たのとヘルフロッガーの報酬を貰いに来たついでに、さっきのほにゃららじゃらしを見せてみたんですね。そしたらちびえきどにゃ様はまっしぐら、ちびカムイちゃんが続いてきて、ちびドレイクちゃんが更に突っ込んできたね。ちび三姉妹はおめめをキラキラさせてその場で目で追ってた。ちびコルダちゃんは最後にとてとて追いかけて来たね。そして乱入者、つみれドラゴン。あまりの可愛さに近くに居た保護者のつくねちゃんと一緒にショック死しそうになりながら、じゃらしを追いかけ回して遊んでたところで御座いますね。まあ、今遊び疲れてみんなおやすみモードに入ったんだけど。
「そういえば、挑戦状の報酬どうだった?」
「わっちは、キレイになあれチケット、でした……6枚も」
「やっぱりこれ従者の数多いと増えてるんだ。一部の報酬はクエストによっては増えるんだね~。私は15枚も貰った~」
「あ、大所帯ですから、ね。前の地獄パーティ会場まで飛ぶチケット、増えてないんですか?」
「あれは皆と一緒だったね~」
うとうとしてるちびちゃんズを抱っこして土鍋に詰める作業、リアルでこんな仕事があったら私これ本職にするわ。つみれちゃんが一番大きいから、つみれちゃんを取り囲むように入れてあげれば……。ほら、ちびつみれ鍋の完成よ……!! 最強。とても強い。スクショスクショ……。
「あ、もう……11時……」
「早いなぁ~……どうしよう、今日は満足したしキリが良いし、これで落ちようかな」
「わっちも、おやすみにします」
もうこんな時間だったんだ。今日特に何もやってないような気がするわ……。うみのどーくつ、超越、皆とお喋り、宝物殿で地獄パーティスキップ、じゃらしでつみれちゃんと一緒にちびちゃんズに遊んで貰った、うん…………充実した休日ライフだね。地獄パーティは月曜日になったらまた挑戦可能になるから、特にやることない時は地獄パーティに行こうかな。ちなみに今回スキップした報酬は真覚醒の証1個と、【★火紋の錫杖】って杖だけだった。なんか火属性攻撃力しかあがらない残念性能だったけど、レジェは呪物化可能だし使えるかもしれないから倉庫にぶっ込んどいた。真覚醒の証の方は12Gで出品したら30分で売れたね、ははっ……。今日だけで21Gも収入あるよぉ……。今のうちに稼げるだけ稼いじゃおうね。作成保護チケと強化保護チケも、今出品されてた適正と思える価格プラス20パーセントぐらいまで全部買い占めておいたよ。どれだけ買ったかおぼえてないけど、とりあえず5Gなくなったね。
「ん、またね~おやすみ~」
「はい、楽しかった、です。おやすみなさい」
『つくね☆がログアウトしました』
『ぎゅぇ……? ぴゅぃぃ…………』
「ん? あ、つくねちゃん寝ちゃったよ~……」
『ぎゅぁぁ~~…………しゅぴぃ…………』
つみれちゃん、つくねちゃんの気配がしなくなって一瞬だけ起きたわ。きょろきょろ見回してたから、寝ちゃったって伝えたらちょっと残念そうにしてまた寝ちゃった。愛されてるなぁ……。
「私も寝るか~……」
最近夜ふかし気味だったし、また明日は学校だし……。みんなにはもうおやすみの時間だから~って伝えてあるし、寝ちゃおう。そういえば全員ローレイ側だったけど、大丈夫かな? バビロニクスに戻りたい子とか居たんじゃ――――。
「――――おや、まだ起きていたか」
「…………ん゛っ゛!?」
マリ、ちゃん……? どうしてマリちゃんがバビロニクスに……!? あ、ドラゴン定期便使ったのかな!?
「テレポーターは無事に使えそうだ。今、隣の部屋に設置した転移陣とローレイ側の陣をリンクさせて試運転していたんだ」
「……え、ここまではどうやって? ドラゴン定期便?」
『わうっ! (来ちゃった!)』
「……と、言うことだ。いやぁ、速かった……30分ぐらいで到着したかな?」
「えっ、はやっ!?」
まさかのどん太に乗ってきたのかぁ……!!! どん太、今日はすんごい活動的じゃないの……。ローレイから走って、ここまで30分か~。どん太が日に日に爆速になってる気がする、数カ月後には世界一周して帰ってくるのに1時間とかになったりしない? 大丈夫?
「ああ、帰りはテレポートで帰るから大丈夫さ。大体我のマナの半分行かないぐらい掛かるだろうか? 千代さんの故郷までどのぐらいの距離かわからないが、パナシーアクリスタルを連結させて消費したマナの量で計算すれば、今後コスト不要で飛べるかどうか判断出来るようになるだろう」
「ほえ~~……。すっごい……」
「では、帰るよ。どん太君とリアちゃんはこっちがいいから、こっちに残るそうだよ」
「あ、うん、わかった! 気をつけてね~」
「また明日。おやすみ、リンネ」
「おやすみ~」
どん太とリアちゃんはこっちがいいから残るのね。マリちゃんは……おお、転移陣を起動させて飛んでった! どれどれ、ちゃんと所在地はマグナ研究所になってる? なってるねえ……凄いねえ……!!! ん? リアちゃん、バビロニクス内まではわかるけど、所在地不明……?
「どん太~リアちゃんは?」
『わう?』
「わかりませんって顔してるねえ、むにむに~」
『わふっわふっ…… (お顔むにむに気持ちいい~~)』
どん太のほっぺのあたり、むにっむにしておる……。あ、これクセになる……。それよりリアちゃんよ、行き先を偽装工作してまで行きたいところがあるのね。私に万が一にも見られないようにしてから行くとは、抜け目ない……! まあ状態が『高揚』になってるから大丈夫か、時には誰にも知られたくないプライベートな時間が欲しい時もあるよね。そっとしておこ。
「それじゃ私、寝ちゃうから」
『わんっ! (おやすみ! また明日!)』
「また明日ね~」
おにーちゃんと千代ちゃん、ティアちゃんは修練場か……。あの二人に追いつくには果てしない道のりだろうけど、ティアちゃん頑張ってるなぁ……。頑張り過ぎて折れたりしないように、適宜ケアしてあげようね。今日はまあ、とりあえず落ちようっと!
『ログアウト処理中です……』
『ばいば~いリンネちゃ~ん♡ バビロンちゃんのブロマイド、大切にしてね~~♡』
うんっ!! するするぅ!!! 家宝にするぅ!! おやすみぃバビロンちゃん、カレンちゃん、ティスティスお姉ちゃま~~!!! また明日~!!!