208 超越
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『――――人の分際でありながら禁忌の領域に手を出した愚か者よ、魔抜けとなり滅び朽ち果てるがよい』
『【極上ヘルスポーション】【極上マナポーション】を使用、MPが完全に回復しました』
「ローヴェ・フォル・アウル」
『Unknownが【Unknown】を発動、MPが完全に回復しました』
なるほど、これの行き着く先にどうしてもたどり着いて欲しくない奴が存在して、そしてこれを繰り返してると直接語りかけてきてまで妨害してくるわけね。もう視界真っ暗、私に触れてるはずのリアちゃんの姿も見えないし、応援してくれてる他の皆の姿も当然見えない。なんなら自分の姿も認識出来なくなってきた。面白いシステムだなぁ~これに恐怖して途中で辞めたら、絶対ペナルティあるよこれは。でもね、皆が私に直接ヘルスポーションとマナポーションを握らせてくれてるから、もう止まんないんだわこれが!!
『【極上ヘルスポーション】【極上マナポーション】を使用、MPが完全に回復しました』
「ローヴェ・フォル・アウル」
『Unknownが【Unknown】を発動、MPが完全に回復しました』
『何故歯向かう。人如きには過ぎた領域、身の程を知れ』
『【極上ヘルスポーション】【極上マナポーション】を使用、MPが完全に回復しました』
「ローヴェ・フォル・アウル」
『Unknownが【Unknown】を発動、MPが完全に回復しました』
『Unknownが【Unknown】を発動、UnknownのHPが完全に回復しました』
そしてここまでやってて思ったのは、この干渉はシステムメッセージによる干渉ではなくって、まず間違いなく別存在。メルティスが一番怪しいけど、どうかなぁ。確証がないからなあ~……。お、これで28段階か、大体4秒でMP0になるからヤバイわ~。
『【極上ヘルスポーション】【極上マナポーション】を使用、MPが完全に回復しました』
「ローヴェ・フォル・アウル」
『Unknownが【Unknown】を発動、MPが完全に回復しました』
『これが最後の警告だ。今すぐ、その、口を、閉ざせ!』
【死ねば治る・29段段段段】
・段段段段段段段段階進行時進行時進行時進行時進行時進進進進進進、マママママママナナナナナナナナナナが大幅に大幅大幅大幅大幅大幅大幅大幅大幅大幅大幅大幅減少すすすすす減少すすすすす減少すするるるるるるるるるるる
・秒間秒間秒間秒間秒間秒死ね死ね死ね死ねパー死ねセント今すぐにずつ死ねMP死ねが減朽ち果てよ少朽ち果てよする朽ち果てよ状態
・死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
【死ななければならない・29最後の警告警告警告警告だ警告】
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・死ななければならない
・すぐに死ね
おおお~~~すっごいホラー演出だ~~!! 凝ってる~~~!!! いいね、こういうバグみたいな挙動の警告文大好き! ここまで用意してくれると逆に嬉しくなっちゃうね!! じゃ、感謝を込めて! 最後らしいから元気よく言ってみよ~~~~よっ!!!
『【極上ヘルスポーション】【極上マナポーション】を使用、MPが完全に回復しました』
「ローヴェ!! フォル!!! アウル!!!!」
『Unknownが【Unknown】を発動、MPが完全に回復しました』
『なんて――――こと――――』
『フィルタリングシステム破損、魔神バビロンが一部スキルを――――』
お? おお? 視界が、戻る! 戻る~~ッ!!!
「――――お姉…………ちゃ…………ん? お姉ちゃん……?」
「リンネ殿!」
「リンネ!」
『きゅぅん……きゅぅ~ん…… (大丈夫? 大丈夫?)』
「リンネ様~……?」
『(*´ω`*)!』
「おっ……?」
おお~……? これは、どうなった? マナ枯渇症脱した? 禁忌を破った? どうなったんだろう? こういうときはそう、そうだね! ステータスだよ!
「大丈夫、っぽい? ちょっと、ステータスを見まーす!」
『そうね~見ておいた方が良いわね~♡』
『見た方がいい』
『ね~♡』
だよね、見たほうが良いよね。さあ、どうなったのかな? さっきみたいに爆速でマナが減ってる感じはないけど……?
・ステータス
【名前】リンネ
【レベル】113
【属性】ボス属性・不死属性・人間系・中型
【性別】女性
【職業】真・死霊術師 ◆超越者
【魔界侵食度】+1000
【HP】1/10 (常時瀕死)
【MP】191,400 *10.0
【NP】20/20
【STR】12
【AGI】12
【TEC】12+200
【VIT】12
【MAG】112+966
【MND】364+1,550
【スキル】
【特殊】
・古代神語【Lv,9 (MAX,10)】
・神通力【◆◆◆◆を扱える】【MND+1,000】
・禁忌を破る超越者【フィルタリング排除】【絶対命令権】
・ジーニアス【スキル枠+5】【TEC・MAG・MND+200】
・魔神バビロンの愛し子
┣【崇拝系最上位】【相思相愛の証】
┗【魔界侵食度最高】【MAG+100】
【真・死霊術・特殊系】
・アニメイト・フェティッシュ【特殊】
・魔界領域侵食【特殊】
・アンデッド管理【特殊】【死体安置所・20】
┣【どんどん】
┣【にゃ王様】
┣【兄貴】
┣【ちよちよ】
┣【マリちゃん】
┗【ティアちゃん】
・反魂の儀式【NP10】
・使役アンデッド憑依【NP5】【どん太】【オーレリア】【フリオニール】【姫千代】
・布装備マスタリー【MND+50×4】【MP+2,500×4】
【真・死霊術・補助妨害系】
・エレメンタルバリア【NP1】
・アビスウォーカー【特殊】【詠唱廃棄】
・ネクロフォース【MP10%】
・パーマネンス【MP30%】
・ファッシネーション【MP10%】
┣超毒発生
┣魅了系発生
┣ゾンビ化発生
┗ステータス-10%
・浮遊【MP5%】
【真・死霊術・攻撃系】
・カーススピア【MP1%】【無属性化可能】
・ランス・オブ・ヴラド【MP10%】【無属性化可能】
・魔神の大鎌【最大NPの半分を消費】
【真覚醒スキル】
・ネクロフィーバー【NPブレイク】【復活・無敵】【最終与ダメ1.5倍】【最終被ダメ半減】
【装備】
右手:◆スタッフ・オブ・バビロン ←→ ◆魔神の大鎌
左手:★★★漆黒の義手
頭:★★★覚醒・死霊術師のベール+10
体1:★★★覚醒・死霊術師の正装+12
体2:★★★覚醒・死霊術師の矜持+10
足:★★★覚醒・死霊術師のスティレットヒール+10
アクセサリー【指】:★深淵なる死の欲動・オブ・アイツ【不死属性付与】【ボス属性付与】
アクセサリー【腕】:★★★蛇神のアームレット【魔術攻撃時超毒・致死毒付与】
アクセサリー【首】:◆◆三姉妹の絆【超地獄融合】
アクセサリー【他】:◆英雄の誓い【消滅系無効】
ば、ばび、ばびろんぱんちが消えとるゥーーーー!!!??? あ、え、どうしようショックが…………ああ!? え、カルマ値じゃなくなってる。魔界侵食度? ん゛っ゛!? 職業に超越者とか増えてるんだけど!? おお、なんだこれ。なんだこれ?!
『ほら、今度は見える~?』
「…………み、見えないです」
「うっ……! さっきまでは、大丈夫だったのだが……! 目が痛い……!」
「え? ああ~……? 無理しないほうが良いんじゃない?」
「おかしい、無理をしたのはリンネのはず……!」
『そうよね~。イカれ女の方が無理したハズだから言われたくないわよね~』
「死ね死ねうるさい状態異常に負けたくなかったからね~。いやーでも、ばびろんぱんちが使えなくなっちゃったのがショック過ぎるなぁ~……」
『貸出期間は終了ってことね~。本当に使いたいなら、頑張って本気の偽物を使役しに取りに来なさいってこと~♡』
「なるほどね。じゃあ今度取りに行かなきゃだめか~」
『そういうこと』
『いつでも待ってるわよ~♡』
ん~。まあね? 本物パンチは確かに強すぎ感あったし、封印も致し方ないか~……。でも! 偽ばびぱんちのほうは、本気になった偽バビロンちゃんを使役すれば……ええ!? 使役なんて出来るのかな~……あ! また、パンチだけ貸してもらえるようになるとか! それだといいなぁ~~!!
「それにしても、神通力とか古代神語とか、超越者とか……いきなり言われても得た実感まるでないな~」
『神通力はカヨコも持ってるスキルね~。今度からは今までみたいな魔術じゃなくて、本物の言葉で魔術使うようにしなさいよ~』
「本物の言葉?」
「あの、おね――――むぐっ……!?」
「リン――――んぐっ……」
『そう。神通力は古代神術が使える。例えばカーススピア、穿てじゃなくて。ピアリス』
『ゴウスソール・アウルフォルス、これとかはネクロフォースよ♡』
『各神には専用の古代神術も存在するから~、リンネちゃんはリンネちゃんで新しい専用の神術を編み出すといいわね~♡』
「専用とかあるんだ~……。私も何か欲しいな~……。うわ、MP凄いことになってるわ……」
『まだまだ、ワタシに比べたら足元にも及ばないわね~♡ これじゃ何かを一回使ったら空っぽよ~♡』
『お姉ちゃまはもっとある』
『やだ~~♡ バラさないで~~♡ でもこれだと、ピアリスとローヴェ・フォル・アウルぐらいしか使えないんじゃないかしら~?』
『ああ、ローヴェ……。あの気持ちよくなるお遊び神術……お姉ちゃまアレ大好きよね~♡』
『料理が美味しくなるオ・マ・ジ・ナ・イ♡』
『実際美味しくなる』
『謎よね~♡』
『愛のパワーよ~♡』
うん…………うん? あれ、ちょっと待って? いい匂いする。ちょっと後ろ振り返って良い?
「…………ア゛!!!!!!!」
ばびっ……!!!♡ かれんっ……!!!♡ てぃす…………!!!♡ 耐えて私の心臓!!! いやいやいやいやいやいや。ちょっと待って? どこから? どの辺りから居たの? え、嘘でしょ?
『え~? やっと気が付いたの~?♡』
『超越者検知、すぐに来た』
『ずっと居たのよ~?♡』
「え、ご、ごめんなささささ……!?」
『いいわよ~♡ 素のリンネがいっぱい見られてますます大好きになっちゃった~♡』
え、死にたい。やり直したい。お願い時間を巻き戻して……。バビロンちゃん達が後ろで、しかもステータス画面を指さして『ほらこれとか~』ってやってた、全く違和感が無さすぎて…………アアアアアアア…………ア゛。
『やだ~♡ イカれ女が現実逃避して死にそう~~♡』
『もう喋っても良い』
「ぷ、はっ!? お姉ちゃん! 何でもっと早く気が付かないんですかー!!」
「リンネ、バビロン様達が来ていると伝えようとしたのだが……」
『黙っててもらった。ぶい~』
『面白かったからこれでいいの~~♡♡』
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…………。ア゛……。
『あ、そうそう。実は注意をしに来たのよね。リンネ~? フィルタリング機能っていうのが、異界人の健全な精神を守るために~とか言う名目でかかってたらしいのね~? それが完全に外れたから~……多分、特に天使とか。悍ましい怪物の姿に見えるようになってるでしょうから、気をつけなさ~い?』
『どうしても嫌な時、世界の管理者に頼めば良い。戻して貰える』
『それから~、こんな無茶な方法で突破して超越すると世界の管理者も思ってなかったみたいだから、他の人にはぜ~~~ったい広めちゃ、ダメよ~? 良いわね~?』
「ア゛……ハ、イ……!」
あ? え? こんなゴリ押し想定されてなかったんですか……。ええ……。ええ~……。
『世界の管理者:バビロンオンラインをお楽しみの最中、誠に申し訳ありません。この度の超越、誠におめでとうございます。しかし、本来超越コンテンツはこのような形で突破される想定になっておらず、今回のような超越方法があったことに管理者一同驚いております。今後、正しい方法での超越に誘導できるようコンテンツの改良を致します。また、プレイヤー【リンネ】様の超越取り消しは致しません。ですが、今回の件とこの方法による超越方法に関しては修正を予定しておりますので、出来ればこの件を誰にも伝えて頂きたくないという管理者一同の願いであります。どうか、今回の件の守秘を宜しくお願い致したい所存であります。また、正規の超越プレイヤーが現れるまで、プレイヤー【リンネ】様の【古代神語】【神通力】【禁忌を破る超越者】に関してはいかなる方法でも閲覧できないよう、完全な隠蔽状態にさせて頂きますことを、ご了承下さい。この度は誠に申し訳ございませんでした』
せ、世界の管理者って、誰……!? あ、運営!? 運営の予想外の方法で超越者に至ったってこと!? え、これぐらい想定しておこうよ……。禁忌、ゴリ押しで破っちゃったよ……。ん~~モヤっとする、こうなったら逆に、本来の超越方法が何だったのか知りたいわ!! 本来の超越コンテンツを探すのもまた面白そうだね! これ、多分リアちゃんもいずれ通る道でしょ? リアちゃんは正規コンテンツで超越させようね。
「今、管理者から連絡が来ました。これ正規じゃないんですか……」
『本来なら、マナの回復が絶対間に合わないから死ぬはずなのよね~』
『途中から行動不能になるはず』
『瀕死状態でも何のペナルティもない装備で突破できちゃったのね~。マナ枯渇症になったら生命力も減っちゃって瀕死になるから、指一本動かせないはずなのよ~?』
『色々と噛み合っちゃったみたいね~♡ イカれ女、無理矢理突破するんですもの~~♡ えらいっ!!』
「な、なるほど……いや、あんなメッセージ出たら普通は抵抗すると思います……!」
あ~……。本当は瀕死になって全く動けなくなるのを、瀕死ペナ回避装備でゴリ押ししてたんだ! え、ていうか瀕死になるとそんな状態になるんだ……。初めて知ったかも。あ! そういえば本当に最初の最初でスライムと死闘を繰り広げた時とか、息が上がってぼろぼろだったわ!
『世界の管理者:また、この度のお詫びと致しまして、ゲーム内で使用できるアイテムを何かしらお詫びという形で差し上げたいと思っております。希望があれば、希望通りになるかは不明ですが、今から送らせて頂きますメールに返信いただければと思います』
『メールが届きました』
「あ、え、あ、あっ……」
お、お詫び貰えるの!? え、どうしよう………………。あ、そうだぁ……閃いちゃったぁ……。これ、これだぁ……!!
『世界の管理者:ご希望承りました。それならば可能であると判断されました。今すぐに送らせて頂きます。この度は誠に申し訳御座いませんでした』
『メールが届きました』
「お、お詫び、もう来た……!!」
『あら~? 世界の管理者からお詫びが貰えたのね~? 凄いわね~♡』
「こ、これです!」
ギリギリまで使用するかどうするか迷ってたこれ……! これで、何の憂いもなく消費アイテムとして使用出来るようになった! ありがとう、運営さーーん!!!!!
『ちょ、ちょっとぉぉおお!!! イカれ女、それはダメ! お姉ちゃま、カレンちゃん! アレ、アレ取り上げて!!!』
『ん、正当な報酬。不当な財産の押収、不可』
『管理者に認められた、正式なお詫びだもの~♡ ダメよ~??』
凄い、バビロンちゃんが本気で焦ってる……! スクショスクショスクショ……ありがとう、つくねちゃん。スクショの極意を教えてくれたつくねちゃんのお陰で、今この瞬間……私のバビロンちゃんフォルダがもりもりと膨らんでいくよ!!!
「……お姉ちゃん、何貰ったんですか?」
「バビロンちゃんの秘蔵ブロマイド効果なしバージョン」
「あ……」
「…………際どい、一枚だな」
「ティアも見た――――むぎゅっ!?」
「ティア殿には、まだ早い物に御座いまする……」
『わう?』
『!!!!!(´゜д゜`)!!!!!』
ああ、正規コンテンツを踏めなかったけれど! これで、リアルにブロマイドを送って貰ってもゲーム内にブロマイドが残り続ける!! ネームカード使って盗られないようにしておこ……。こっちの効果なしバージョンは消耗してもリアルに送られてこないし、カード効果何もない、ただただ本当に効果のないブロマイド! ありがとう、ありがとう……!!!
『ちょっとぉぉぉぉ~~~~!!!!!』
『お姉ちゃん、真っ赤。可愛い』
『あら~~あらあらあら~~可愛いわね~~~♡』
「今日、死んでもいい……ありがとう……」
感謝、感謝、感謝のスクリーンショットの嵐……!!!!! あ、録画も回してます。後でお気に入りのシーンを切り抜きます。本当にありがとう…………!!!!!
悲報、リンネちゃん遂に想定外を叩き出す