206 うみのどーくつダンジョン・14 ~どん太といっしょ~
◆ うみのどーくつダンジョン【入り口】 ◆
なんでここに来ているか、ですか? それはね、きぬちゃんがうみのどーくつダンジョンのへるほえ君を一人で倒せるって話を、どん太にしたことが原因かなぁ~。うん。
『わぅん!! (僕もやりたい!!)』
どん太が一人で討伐したいって、お願いお願いってきゅぅんきゅぅん言いまくるし、お腹を天井に向けてごろ~んして前足ひょこひょこ動かして『行きたい行きたいっ!!』って猛アピールするし……。流石にここまでされたら『じゃあ、行こうか~……?』ってなるわけで。
リアちゃん達にこの話をしたら『今日は休暇でもいいです』とか『たまにはローレイをゆっくり見て歩きたいので』とか『(*´ω`*)b』とか『テレポーターを明日の夕方までに作りたい』とかで、他の子は皆ローレイに残ってもいいよと言ってくれました……。え? ティアちゃん? 今カヨコさんが『今日は一緒にいさせてください』って、マンツーマンで色々と指導してるよ。ティアちゃんがカヨコさんのあれやこれやを吸収して、悪い子にならないといいけどねえ!!
「ほれ、着いたぞ~どん太~」
『わうっ!! (着いた~~!!)』
そんなわけで、どん太とやって参りました。うみのどーくつダンジョン、実質ソロ攻略の旅に。どん太からはキツく『ネクロフォースいらないよ!』って言われてるから、私は避けることに専念というか、アビスウォーカーでどん太の影に潜み続けてることにするね。
「準備は良いかね~? 私は何があっても手を出さないし、復活もさせないからね? 覚悟はいいね?」
『わんっっ!! (大丈夫だよ!)』
よぉし、言ったねどん太~。今のどん太であの3体を倒せるか、見せて貰おうじゃないの。そういえばこのダンジョンって途中から開始が出来るんだよね。んじゃあ今回はへるほえ君にしか用事がないんだし、スタートは7階のボス前フロアで良いか~。
「どん太~ボス前の階まで飛ぶからね~?」
『わうぅん! (いいよ!)』
『パーティリーダーからの申請を受諾……。転送カウントダウンを開始します』
『スタート階層選択:7階』
ちょっと、どん太の出来ることを今のうちに再確認しておこうか? ほれ、ステータス見せてみ?
・ステータス
【名前】どん太
【レベル】71 (MAX75)
【属性】ボス属性・不死属性・悪魔系・大型
【性別】オス
【職業】★★探究者
【カルマ値】0
【HP】788,000 *1.2
【MP】0
【闘】10
【STR】920
【AGI】1,315
【TEC】974
【VIT】1,322
【MAG】8
【MND】50
【スキル】
【究極を求める魔狼】
・斬滅
・斬滅双波【闘 1】
・徹底斬滅【闘 2】【斬撃耐性無視】
・爆滅二段掌
・剛破掌【闘 2】【打撃耐性無視】
・魔狼身弾【闘 0】
・魔狼身弾【闘 1】【強制スタン】【強制ノックバック】
・食い千切り【即死・防具破壊】
・超咆哮【範囲失神】
・魔狼咆哮撃【闘 3】【範囲大ダメージ・失神】
・金剛
・究極魔狼拳【闘 3】【超大ダメージ】
・食いしばり【HPが0になった時、10秒間HP1で耐える】【クールタイム10分】
・ドッペル【コンボ時幻影発生】
・ファントムミラージュ【闘 1】【透明化・幻影召喚】
・コントロール
・黄金の右足【右足で攻撃時クリティカル率・威力上昇】
・愛されマスコット【かわいい】
・地獄行き超特急【急加速・急旋回】
・龍滅【龍族系特効】
【覚醒スキル】
・極限化【全スキル強化】
【装備】
・補助:◆わんわんチョーカー
┣基礎攻撃力+5,000
┣ダメージカット率+20%
┗飼い主【おいで!】使用可能
・追加補助:◆◆わんぱく勲章
┣スキル【ファントムミラージュ】使用可能
┗スキル【コントロール】使用可能
さ~て、どん太君これで本当に勝てるかな~?? 勝てたら凄いなぁ……。せめて無敵3秒があれば一撃をどうにか出来そうだけど、無しでやる気だもんねぇ……。どうする気なのか、楽しみなような不安なような……。
『転送』
◆ ◆ ◆
『――――2COMBO! どん太が【剛破掌】を発動、まっさつしゃーち(Lv,111)に2,558Kダメージを与え、撃破しました。経験値 7,999,999 獲得』
『どん太ドッペルが出現しました』
『【死体安置所・2】に【まっさつしゃーち】を納棺しました』
小手調べとばかりに殴り殺すねえ、しかもクリムゾンブラスターは見てから回避するし、君の動体視力と急加速性能、イカれてない? いつの間にか強くなったねえ、どん太ぁ……。
『わうっ! (あった!)』
『(あったね~。これを潜ってボスフロアに入ればボスのところに行けるよ~)』
『わんっ! (わかった!)』
『(あ、赤い宝箱! それだけは回収するよ!)』
『わうぅん!? (食べ物!?)』
『アビスウォーカーを解除します』
あ、宝箱。しかも赤いやつだ、久々に見たね~……。食べ物は5パーセントでしか入ってないって言ったでしょ~? そんな毎回毎回出てたまるか~い。
『【★まっかなおさかなさんのソーセージ・超得用!】を獲得しました』
「うわ……出た……」
『わうん? (何が出たの~?)』
「どん太が前に食べたやつより、もっと大きいソーセージ」
『アォォォオオオオオオオーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!』
『どん太が【魔狼咆哮撃】を発動、周囲のモンスターを複数撃破しました。経験値 8 獲得』
うわぁ~出たし……出た喜びのあまり吠えたら、周りのモンスターが死んでるし……。どん太の喜びの遠吠えのせいで死んだモンスターよ、哀れ……。弱いモンスターは強いモンスターに蹂躙される定めなのか……。それにしてもこれ、でっかいなあ?! ソーセージで30キロって何よ、お米の大きい袋みたいなサイズしてるじゃん。
「倒せたら、これ丸ごとどん太にあげる」
『わうぅん!? (いいのぉ!?)』
「うん。いいよ~」
『わうわうわうわうっ、わうわうんわうぅぅん!!』
嬉しさのあまり、もはや言語にならないわうわうが出ちゃってるねえ。すっごい笑顔だし、可愛いねえ……。本当はどん太がソロで出したものなんだから、どん太が丸ごと食べる権利を持ってて当然なのに、どん太は『みんなと分けて当たり前』と思ってたんだろうね。優しくって可愛くってお利口さんだ。偉いっ! まあ倒せなくてもどん太に頑張ったで賞として全部あげるんだけどね。
「よし、じゃあ……ボス! 行こうか!」
『わぅん! (行こ!)』
それじゃあ、メインコンテンツ……行ってみようか!
◆ ボスエリア ◆
『H-A-L-L-O? Good bye! :D』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【クリムゾンブラスター】を発射、MISS……。対象が存在しません』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱排気モード】になりました』
いやぁ……。凄いわ、クリムゾンブラスターが当たるよりも、どん太の回避速度のほうが上だよ……。もしかしたら、マリちゃんの銃弾とかよりも速く動けたりしない?
『どん太が【ファントムミラージュ】を発動、どん太ファントムが出現しました。どん太が透明化しました』
おお?! わんわん勲章で使えるようになったファントムミラージュ、早速使ってるねえ……って!! これってどん太ドッペルとは別扱いなの!? 今、どん太の偽物と幻影と本物の透明どん太で、3匹いるじゃん!! しかも全員別々に動いてるし、ええ……? ええ……???
『どん太がドッペルをコントロール開始、【斬滅双波】を発動させました』
『どん太がファントムをコントロール開始、【斬滅双波】を発動させました』
『どん太が【斬滅双波】を発動しました』
ん゛っ゛!?
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)の排熱装置が全て破壊されました』
『…………GAGAGAGAGA…………!!! H-E-L-L!!!! GO TO HELL!!!! :> :> :> :> GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> : GO TO HELL!!!!!!!!! :> :> :> :>』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【熱暴走モード】になりました』
『暴走したグレートホエール号(Lv,75)が【緊急変形! 徹底抗戦モード】を発動しました』
『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,????)に変形しました!』
『ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【真・殺戮者(Lv,????)】が乱入しました!』
『ヘルホエール号(Lv,????)の高速移動に反応し、【☆4真・抹殺者(Lv,????)】が乱入しました!』
ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ゛!? 近接の方の鯱は黒いままだけど、遠距離タイプの赤鯱が金ピカピカピカじゃん! 金の鯱じゃぁん!!!? え、これは乱入してでも倒したい――――ってか、ここのボスもレアモンスター化する可能性があるの!? ええ……。
『真・殺戮者(Lv,????)が【デススクリューアタック】を発動しました』
『GYUAAAAAA!!!』
『ガァアアア!!!』
『どん太ドッペルで【魔狼身弾】を発動、相殺! どん太ドッペルで【剛破拳】を発動、黄金の右足が炸裂! クリティカル! 真・殺戮者(Lv,????)に3,445Kダメージを与え、撃破しました。経験値 12,999,998 獲得』
『【死体安置所・3】に【真・殺戮者】を納棺しました』
うっそぉ……。ドッペル単独で黒いの倒しちゃったよ……。透明化中のどん太本体は変形したへるほえ君が底に降りてきたのを追いかけ回してるわ。へるほえ君はどん太ドッペルを狙ってるのかな、これは。ところでどん太ファントムは同時進行で赤いの、ああ金色か。金色のも相手にしてたりする……?
『☆4真・抹殺者(Lv,????)が【カーネイジブラスター】を発射、ヘルホエール号(Lv,????)が500Kダメージを受け、オサカナマシンガンタレットが破壊されました』
『OH NO X<』
ファントムに向けて撃ったのが避けられて、射線上に居たへるほえ君に当たってるし……。いやーそれにしてもこれ酷いわ、初見じゃ絶対本物が見分けられないよ。見えてるのがどっちも偽物で、本体と同等の火力があって、しかもまさかのコントロールで独立して動かせるなんて。見た目も全く変わらないし、実質これどん太が3匹に増えてるようなもんじゃん。ええ……。
『ガウ!!』
『ガァ!!』
あ、どん太ドッペルとファントムが動きを変えた。カーネイジブラスターを撃った後の隙を狙ってたのね。逃げるのをやめて、二匹同時に別方向から魔狼身弾を仕掛ける気だ。どっちかの対処に追われれば、どっちか片方の攻撃を受けるってことね。凄いな、追い込み漁みたいじゃん…………ん? あれ、本体どん太くーん? 急に方向転換してどこに行くのかな――――あ。
『ガゥ!!』
『ガァウ!!』
『GYUAAAAA!!!??』
ドッペルとファントムが、攻撃を中止した! 左斜前、右斜前から迫ってくるのに対応しようとして金鯱が身構えてたのに、無駄になった! これは流石に逃げてる後ろを撃つのに、構えるわね……カーネイジブラスター。そしてカーネイジブラスターを撃つ時君は…………。
『どん太が実体化、【魔狼身弾】を発動、☆4真・抹殺者(Lv,????)に0.001Kダメージを与えました。強制ノックバックしました』
『GYAAAAA!!!!』
『ワウァアアア!!! (潰れろ~!!!)』
『どん太が【究極魔狼拳】を発動、黄金の右足が炸裂! ☆4真・抹殺者(Lv,????)に3,550Kを与え、撃破しました。経験値 288,888,885 獲得』
『どん太がレベル72になりました』
『【死体安置所・4】に【☆4真・抹殺者】を納棺しました』
隙だらけになるもんね、それを構えたら……。凄いな、意識を幻影2匹に向けさせて、本体が仕掛けに行く。かなり戦略的な戦い方が出来るようになったんだねえ、成長を……成長を感じる……!!
『GO TO HELL !!! :D』
『ヘルホエール号(Lv,????)が【ヤバイカミサイル】を一斉に発射しました』
うわ、初めて見たこの行動! ヤバイカミサイル一斉発射とかあったんだ! これは、どうする気な――――
『『『ワオォォォォォーーーーーーーン!!!!!』』』
『どん太が【魔狼咆哮撃三重奏】を発動、ヘルホエール号(Lv,????)に3,200Kダメージを与えました』
――――ダイブしてなかったらこれ、私もダメージ受けてたんじゃないかってぐらい、凄まじい咆哮なんですけど。中央に居たへるほえ君、凄まじいダメージ受けてるわ……。音の衝撃波って、威力凄いんだなぁ…………。いや凄すぎるんだけど。
『ヤバイカミサイルが破壊されました。ヘルホエール号(Lv,????)が誘爆により2,000Kダメージを受けました。ヤバイカミサイルポッドが破損しました』
『ウツボバズーカが破損しました』
『内部誘爆! 航行システムダウン!』
『火気管制システムダウン!』
『自爆システムダウン!』
『自己再生システムダウン!』
あ……。あ……。へるほえ君のいつもの脆弱性が……。
『OH...NO...OH...NO... X< X< X<』
『オーバーヒート発生!』
『メインシステムダウン!』
『補助システム起動失敗!』
『再起動失敗、行動不能…………』
『ヘルホエール号(Lv,????)がスクラップになりました』
悲報、へるほえ君は……どん太に吠えられると、死ぬ。え、いや嘘でしょ……? 本当にもう動けないの? 本気で言ってる??
『経験値 60,000,000 獲得』
『現在戦闘記録をチェック中です……。暫くお待ち下さい……』
『わぅ~……?』
『くぅ~ん……?』
『わう? わうぅん? (え? 動かなくなっちゃったよ?)』
え、死んだ。経験値貰ったんだけど。あれ、戦闘記録をチェック中? もしかしてレアモンスター化したやつが出るのは想定外の動作だったとか?
あ! 待って? 三匹とも別々の反応するの可愛いんだけど? 揃いも揃ってちょっとアホっぽいのが途轍もなくキュートなんだけど?? いや~~まさか、ファントムミラージュの方よりもコントロールのほうが強いとは、これがコストなしで使えるって……ぶっ壊れておる……。自分の幻影を自由に動かせるようになるのは強いなぁ……。ただ真似して動くだけだった今までとは、別次元の戦闘になってるよ。
『アビスウォーカーを解除します』
「どん太~~凄いねえ~~勝っちゃったの~~!! 偉い! 偉いっ!!」
『『『わふっ♡ わうぅん♡』』』
撫でてない幻影二匹まで同じ反応するの可愛いな?! 気を抜けばコントロール出来なくなるか! まあそりゃそうか~!
「誰かにこういう戦闘方法を教えて貰ったのかな~? 凄いねえ~~!」
『わう? (え?)』
「ん?」
『わうぅん……? わうぅぅん……? (ご主人も、同じようなことしてるよ……?)』
「うん…………?」
いや、私は私しか操作してませんけど? 何いってんだこいつ……。可愛い。
『わぅぅん!! (皆にアレしてコレしてって、言うでしょ!)』
「ああ~確かに? それとこれとは、違くない?」
『わうぅん!? (一緒だよ!?)』
『わうぅぅん』
『わうわう』
いや~~私は違うと思うね~。三匹揃って猛抗議してくるんじゃないよ。あ、でも……でっかいもふもふに囲まれてわうわうわうわう言われる空間、これ結構良いかも。可愛いが密になってる……! 幸せ空間……!!!
『どん太ドッペルが消滅しました』
『どん太ファントムが消滅しました』
「あ……」
『わう? (うん?)』
「なんでもない……」
『わうんわうぅぅん!! (約束!! 約束!!)』
あ、帰っちゃった。ん? 約束……ああ!! 約束してたねえ、ソーセージ!!
「これか!!」
『わうぅぅんわうぅぅ♡ きゅぅぅん♡ (ちょうだいちょうだい!!)』
「よーし、じゃあ前に教えたの出来るかな? お座り!」
『わうぅぅん!!』
「お手!」
『わうぅん!!!』
『どん太から50Kダメージを受けました』
「おわぁぁああああ――――」
どん太ァ!!! お手は、もっと優しくやらない?! バッシィン!! って地面に叩きつけられましたけどーーー!?
『きゃぅぅん!? きゅぅぅん……!! (あ!? ごめんなさい!!)』
「元気で、よろしい……!」
『わうぅん……きゅぅん……? (痛くない? 痛くない?)』
「ん! 大丈夫だ! よーしじゃあ、待て!」
『ぁぅぅううぅ…………』
まあサイズがサイズだ、嬉しくなって制御効かん時の愛情表現が過剰になるのは仕方あるまい! それよりも、どん太がしっかり芸を身に着けたほうが嬉しいね、私は!
「よし!!!」
『わぅぅううん♡ きゅぅぅきゅぅぅ……♡』
おーー行った。行ったよ、ドラム缶みたいなソーセージをもっしゃもっしゃ食べておるよ……。幸せそうだねえ……。
『戦闘情報のチェックが完了しました。ご迷惑をお掛けしました』
『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号(Lv,272)を撃破しました! MVPはどん太です。MVP報酬は【?部品(虹)】です』
『おめでとうございます! うみのどーくつダンジョン・HELLモードをクリアしました!』
『真・殺戮者の討伐を確認。ボーナスが加算されます!』
『真・抹殺者の討伐を確認。ボーナスが加算されます!』
『地獄行き海底鯨列車・ヘルホエール号の完全解体を確認。ボーナスが加算されます!』
『パーティメンバー2人によるクリア、ボーナスが加算されます!』
『ボス討伐報酬が出現しました! 全ての宝箱をお持ち帰りください』
おお、おお……。宝箱が、7個も出てる!!! しかも赤黒オーラ付きの宝箱も2個もあるじゃん! これを、実質独り占め!! え、やっぱりここ神ダンジョンだ……。きぬちゃんがソロで通ってる理由もこれならわかるわぁ……!!! どれ、赤黒オーラの宝石箱開けちゃおうぜい!!
『わんわわわ~う!!』
「あ、はいはい! ぱんぱかぱ~ん!」
『わうっ……へふっ……♡』
ぱんぱかぱ~んはちゃんとやってねって催促してきただけで、自分はまだソーセージを食べ続けるんかい! 可愛いヤツめ~……。どれ、赤黒オーラ箱1個目の中身はどうだ!
『【証ランダム箱 (HELL)】を入手しました』
『【?腕輪(黒)】を入手しました』
『【?ほうき(黒)】を入手しました』
おお~ん……? 証ランダム箱? あ、内容物は詳細から確認できるわ。勝者、王者、覇者、覇王の証のいずれかが1~20個、または真覚醒の証が1個出現……。よし、これはオークションに流そう。夢を見た人が買うよ、きっと。同盟ギルドのもってぃさんが真覚醒の証を2枚100億と110億で売ったらしいから~……30億ぐらいにしておこうかな~? 真覚醒の証の出現率は11%っていう微妙さなら、ちょっぴり夢見て買う人もいるかもしれないし。覇王の証も真覚醒とか、モンスタークラフトとかで使うらしくって高いし、最悪覇王の証が6個以上出れば元取れるよ! 流しちゃお~~♪
それより、追加で2個も装備が入ってるのすっごい珍しいね? これで1個目だよ!? いや~~嬉しいねえ~~…………!!! それじゃあ、もう1個も開けちゃおうぜ~い!
『わ――』
「ぱんぱかぱ~ん!」
『わうぅ!』
言わなくてもちゃんとやりますよ~~だ。
『【証ランダム箱 (HELL)】を2個入手しました』
『二重底! 【?本】を入手しました』
この箱も売るとして……おお、二重底だ! んで……本! いや、この文字は見たばっかりだからわかる……。読める、私にはこの本のタイトルが読める……!!!
「これは、読める……。読んだばかりだからわかる、ふ、ふ……ふはははは……!!」
『自力鑑定! 【?本】は【冥神降臨の書】でした』
――――お゛…………!!! ティスっとしたお方を、呼び出せるアイテムだぁ、やったぁ……!! これで、お姉ちゃま視点の歴史とかが見られるに違いない!!! 起動ワードのページは飛ばして、その次よ! その次――――――ん゛?!
『自力解読した凄い子には特別に、教えちゃいま~す♡』
『ティスティスお姉ちゃんの♡ かんたん! 愛情たっぷりティスティスクッキーレシピ~~♡』
『(次のページ) 昔ながらのしっかり焼いたオムライスのすゝめ♡』
『(次のページ) 今夜は~……ナポリタ~~ン♡』
お姉ちゃまの本、バビロンちゃんとは違って……お菓子とか、お料理とか、レシピ本だこれーーー!!!??? 解読が全く要らない、わざわざ古代語に現代文字でルビが振ってある……。や、優しすぎる、あ? 待って? これ使えば、バビロンちゃん降臨の書の内容がもうちょっと読めるのでは? やっぱ、お姉ちゃま、神……! お姉ちゃまありがとう……!!!
休み中は39度近く熱を出して寝込んでおりました。いつものように沢山書けずに申し訳ないです。多忙な毎日の反動が一気に来ましたね……。
【ほ・そ・く♡】
ドッペルとファントムは独立した闘ポイントを持っているわよー♡ ただし、再召喚しても満タンで出てくるわけではないから、注意が必要ね〜?