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173 誰も止められない

◆ バビロニクス・ギルドルーム【スイート】 ◆


「いってらっしゃ~い」

「おう、行ってくるぜ!」

「またね~リンネちゃ~ん」

「頑張ってくるよ~」

「は~い」


 お昼寝さん達は、レイジさんがログインしてきたから地獄パーティに行っちゃった。そしたらもうね、ギルドルームが……がらーんとしちゃった。カムイちゃんがちびカムイちゃんと一緒にうとうとし始めたから、よいしょよいしょとベッドがある部屋に運び込んで寝かせておいた。

 ちびカムイちゃんはちびバビロンちゃんが面倒を見てあげるよって寄って来たから、ちびバビロンちゃん達のお部屋に連れて行ってベッドにそっと寝かせたら、ちびティスティスちゃんが布団をバサッと掛けて、サササッとちびカレンちゃんがベッドに一緒に侵入して、ちびバビロンちゃんとちびティスティスちゃんに両側から見守られながら眠りにつきました……。んん~~…………可愛い…………ッッ!! 心臓止まるかと思った。止まってるかも? あ、動いてるわ。


「ふわぁぁ……」

「千代ちゃんも眠い眠いだね~」

「んっ……少し、疲れてしまいました」

「あんなに奥義を連発したら、それはね~」

「肉体の方もですが、精神……でしょうか。かなり、負担が大きく……」

「今日はありがとう、とっても頼もしかったよ! でも、無理しすぎて千代ちゃんが倒れたらとっても悲しいから、今度からは……私達も頑張るね!」

「お役に立てて、とても嬉しゅう御座います……。撫でて頂けると」

「よしよしっ……!」

「んっ……」


 千代ちゃんがお腹いっぱいになってソファで寛いでたら……段々と、とろ~んとして来たね。これは、撫でてる内に寝るかな……?


「…………すぅ……ひゅぅ…………」

「寝ちゃった……。いつも千代ちゃん達が寝てる、静かな奥の部屋が良いかな」

「あっちにも部屋があるのか……。大豪邸だな」

「うん~。バビロニクスで一番豪華な部屋かも」

「そうなのか……」

『(σ・∀・)σ』

「ん? おにーちゃんそのモーションは? 右、左、右、左…………交換?」

『( ゜д゜ )彡そう!』

「お、久々にそのエモーション見た。もしかしてあるの忘れてた?」

『( ゜д゜ )彡そう!』

「忘れてたんだ……はい、英雄の鎧ね」


 おにーちゃんは元の鎧に戻りたくなったのね。やっぱりこっちのほうが落ち着くのかな。それにしてもそのエモーション、本当に久々に見た気がする……。エモーションの顔文字が振り向いた時に『そう!』って表示されるから、結構意思疎通が取りやすい方のエモーションなんだよね、それ。しかしまさかの、忘れてたかー……。意外なところが抜けてるなぁおにーちゃん!


『フリオニールが【鎧憑依】を発動【英雄の鎧+10】に憑依しました』

『(*´ω`*)!』

「しっくり来る? あっ、おお?」


 ああ、千代ちゃんを抱っこするのにこっちに戻りたかったのね。なるほど、フォーマルハウトだとガントレットがゴツゴツしてるし、千代ちゃんのちよももが万が一にでも傷ついたら大惨事だもんね。こういうところ、紳士だなぁ……。奥に、運んでっちゃった……。あ、戻ってきた。


『(`・ω・´)ゞ』

「ん、ありがと!」

「千代さん、かなり消耗していたな。丸一日起きないかもしれないぞ」

「え、そんなに……?!」

「オーラというんだろうか、これは誰にも言ったことがなかったのだが、我は人の周りにそういうぼんやりとしたのが見えるんだ。今日大穴に行く前よりも、ずっとずっと弱まっていた。さっき食事をしている内に濃さはかなり回復していたが、問題はそのオーラの大きさだ。濃さは食事で戻る、でも大きさは休まないと戻らない」


 ほ……ええ……。マリちゃん、そんなのが、見えるんだ……。


「ちなみに、バビロン様やリンネのオーラは見えない。他の人は全員見えたが……我はこれをあまり見たくなくてね、嫌いなんだ。死期がなんとなくわかるから」

「…………そうなんだ。辛いね、それは」


 死期……。オーラが、薄いとか、小さいとか、もう消えそうな人のオーラを見るだけでそういうのがわかるのかな……。辛い、だろうね。


「いや、でもリンネからこのグラスを貰ってからは、見たくないと思えば見えなく出来るようになったんだ。不思議だ、今まであんなに見たくなかった人混みだって、さっきはなんともなかった」


 おお? グラスって言うと、あ! もしかして【ブラインド・アイ】の効果!? あれって暗視じゃなくて、マリちゃんのそういう『視たくない』をシャットアウトすることが出来るスキルなの!?


「ああ、でも……。あの狼は恐ろしかったな……。途轍も無いオーラで、勝てっこないと思うほどに狂悪で強大なオーラだったよ。でも、勝った……信じられない気分だった。我はね、あんな恐ろしいモンスターにさえ堂々と立ち向かうリンネの従者として、第二の人生を歩むことになって……なんと、言うんだろうか……」


 お、お……? なんだ~? 言ってご覧よ、素直に言ってご覧っ!!


「着飾った言葉はよそう。リンネの従者になれて、本当に嬉しいよ。これからも……よろしく」

「ん!! よろしく! ん~~私も嬉しい!!」

「あ、こ、こら! 頭を撫でるなと……ん、まあ、悪い気は、しないが」

『(*´ω`*)』


 マリちゃんがちょっと素直になった! おおぉぉ……!! なんか、なんか心が、温かいなぁ!? うんうん、温かいなぁあ!!? ちょっとね、なんか想いが届いた感じがして、じわぁ~っと温かい感じがするわ!


「…………よぉし、じゃあこのまま、進化するか!」

「…………え、まだ、強くなるのか?」

『(*´ω`*)!』


 よぉぉし!! じゃあこのままの勢いで、マリちゃんの進化行ってみようよ! どん太より先になっちゃったけど、まああの経験値量だし、さもありなん! どれ、進化先を見せてみ!



【★★★真・マグナティクス】(無属性・人間系・中型)

・天に禁忌とされた魔界の機械と芸術の融合、その集大成をここに

・攻撃力はTEC、もしくはMAG、またはその両方の影響を大きく受けるであろう

・身に纏う装備の適性は機械系である


【★★★真・メタルハート】(無属性・人間系・中型)

・条件開放【アンロック】

・温かな人の心に触れ、温かな人の心もまた芸術の一つだと気が付いた魔界技師

・天に禁忌とされた魔界の機械に、温かな人の心を宿すことは出来るだろうか?

・攻撃力はTEC、もしくはMAG、またはその両方の影響を大きく受けるであろう

・身に纏う装備の適性は機械系である


【◆マグナティスト・プリンセス】(無属性・人間系・中型)

・条件開放【アンロック】

・研究所を、戦場を、採掘場を! ありとあらゆる場所を駆けるお転婆魔界技師

・もう彼女を誰も止められない

・攻撃力はTEC依存、一部MAGの影響を受ける

・身に纏う防具の適性は特殊系、機械系である

・アクセサリーの適性は機械系であり、装飾品系の効果は一部が発動しなくなる



 んっ!? ど、どうしよっ!?


「マリちゃんあのね」

「リンネを信じるよ」


 マリちゃん!? マリちゃん!!?? え、本気で何も聞かないつもりだ……。もう目を閉じて、黙って待ってるよこの子……。ええ、ええ~~どうしよう……。やっぱり、選びたいよねえ……? だって、シークレット職だよ!? 選びたい、じゃん!!


「……これっ!!」


 いやぁあぁあーーー選んじゃった、マグナさんごめんなさい!! もうこの子、止まらないかもしれないでーーす!!


『【アンデッド管理】から【強化】を発動、マリアンヌの【◆マグナティスト・プリンセス】への進化がリクエストされました』

『【魔神バビロン】、【冥神ティティエリィ・ティスティス】、【真理の追求者、禁断の技術者マグナ】がリクエストを許可しました。マリアンヌの進化を開始します』

『やっぱり選んだ~♡』

『やった~♡ お姉ちゃん大当たり~♡』

『……もう、止めはしないさ。ははっ!』

『マリアンヌに新たなスキルが複数セットされました』

『マリアンヌのスキルが一部統合・削除されました』

『マリアンヌのステータスが大幅に上昇しました』

『マリアンヌの【◆マグナティスト・プリンセス】への進化が完了しました』


 うおわぁあああ……!! 選んじゃったよぉ!! なんかどれを選ぶか、裏でバビロンちゃんとティスティスお姉ちゃまが賭けをやってたりしない、これ!? い、いや、その前にステータス! 見よう!



・ステータス

【名前】マリアンヌ

【レベル】1

【属性】ボス属性・無属性・人間系・中型

【性別】女性

【職業】◆マグナティスト・プリンセス

【カルマ値】-1,000

【親密度】この上なく敬愛


【HP】400,000 *1.2

【MP】250,000 *10.0

【MPP】20/20


【STR】250+50

【AGI】450+400

【TEC】1,220+1,000

【VIT】75+555

【MAG】625+400

【MND】750+400


【スキル】

【マグナティスト・プリンセス】

・機械系理解【Lv,9 (MAX,10)】

・魔導具理解【Lv,7 (MAX,10)】

・鉱石取り扱い【Lv,9 (MAX,10)】

・宝石取り扱い【Lv,8 (MAX,10)】

・材質変更【Lv,9 (MAX,10)】


・ウェポンメイカー【Lv,10 (MAX,10)】

・メイルメイカー【Lv,10 (MAX,10)】

・ユニットメイカー【Lv,10 (MAX,10)】

・幻想級魔界技師【パッシブ】

・冥神の愛し子【だ~~~いすき♡】


・クイックドローショット【MP2%】

・スナイピングショット【MP5%】

・デスペラード【MP10%】

・十字砲火【MP10%】【悪魔・不死・霊体特効】

・ステルスショット 【MPP2消費】【弾丸不可視化】


・スペシャリティジーニアスEX【スキル枠+10】【TEC+1,000、AGI・MAG・MND+400】

・誰も止められない【VIT+555】

・神美眼【MP10倍】【MP回復速度+1,000%】【魂魄透視】【危機感知】

・ブラインドアイ【神美眼一時無効化】

・力持ち【STR+50】


【装備スキル】

・チャージレーザー砲【MP20%】

・爆裂重狙撃魔導弾【MP20%】

・原初の加護【部位弱点削除】

・オートリザレクション【クールタイム10分:復活時HP25%、3秒無敵】

・ペネトレイト発生【 20 】【MP20%】



【装備】

メイン:★★GLEAM-01 ―― ★★HILDE-01

サブ:★★★TSTS-777・ラッキーショット


頭:◆ジェリンセス・グラス

体1:★★★ラヴァー・イヴ

体2:◆ジェリンセス・インナー

足:◆ジェリンセス・ブーツ

┗【特殊系防具】:4点


アクセサリー【指】:ハイシールドユニット-1【ペネトレイト 5 】

アクセサリー【腕】:ハイシールドユニット-2【ペネトレイト 5 】

アクセサリー【首】:ハイシールドユニット-3【ペネトレイト 5 】

アクセサリー【他】:ハイシールドユニット-4【ペネトレイト 5 】

┗【機械系アクセサリー】:4点



 お姉ちゃまの愛し子になってるーーーっ!? うわぁっはぁ……!!!?? 神美眼、ええ、やばぁ……!!?? やっぱり、ブラインドアイのこの効果を見る限り、多分このジェリンセスグラスの装備の条件、魔眼とか神眼とかそんなレベルのスキルがないと装備出来ないんじゃないのこれ。いや多分そうだよ、恐らく。

 戦闘スキルはまだ、そうだね。射撃系しかしてないからね。これから増えるんだよね。いや増えるのか……増えちゃうんだ……。マリちゃん、枠が35枠もあるからまだ増やせるよ、は、ははっ……! はは……!!


「マリちゃん、今日は、休もう?」

「いや、これから設計図を書く。ユニット系は5点以上着けようとすると何故か弾かれるから、4点に圧縮したいんだ。ハイシールドユニットはもっと圧縮して1点に、他のユニットを作りたい。特に今回、急激にマナを消耗する場面があった。マナを貯蓄出来るようなユニットが――――」


 やっぱり、もう誰も、マリちゃんを止めることを出来ないかもしれない……! どうしよう、あ……もう手遅れか! うん、諦めよう!! 私は、諦めた! あ、そういえばテレポート装置の話はどうなったんだろう? まずはこう、短距離から徐々にやってほしいよね、怖いし。ちょちょ~っと話を、振ってみよう。


「――そういえば、テレポート装置は? ショートテレポート装置とかから、どうかな~なんて」

「…………!!!!! いいな、ショートテレポート。なるほど、戦闘にも役に立つかもしれないな」

「え?」

『(;´∀`)?!』

「圧縮改良した小型シールドユニット、邪魔にならない小型でハイスペックなマナ補充装置、小型のショートテレポーター、他には……いやまずはこの3点だな。リンネ、ローレイに行きたいな」

「え、あ、服……」

「服? ああ……いや、もう大勢に見られたんだ、どうってことない。バビロン様達の前に出る時はあの服を着るようにすればいいんじゃないか? 開き直っていこう。服なんかより研究だ、開発したいという意欲が我を研究所へと連れて行けとうるさいんだ」


 あ、あ、マリちゃんがもう駄目です!! 暴走寸前です!! んぅうううーーー……!! いや!! 約束は守ってもらう!!


「マリちゃん!!! 約束、覚えてるよね?」

「約束…………あ」

「ちゃんと、寝ること! ご飯を食べて、お風呂も入って、身だしなみも整えること! 人として最低限の事が出来ない人に、良いものは作れません!!!」

「うっ……!?」

「約束、出来るよね? ね?!」

『(;´∀`)』

「ぜ、善処――」


 善処じゃ、駄目でーす!!


「約束!!! 絶対だから!!」

「わ、わかった! わかった、絶対! 絶対守る、約束する……お、怒らないでくれ……」

「んっ!! 約束だよ? もし破ったら……」

「破ったら……?」


 もし、破ったら…………え、どうしよう? どうしようかな……。どう――――ああ、いいこと、思いついちゃったぁ……。


「じゃじゃん!!」

「…………な、なななな、なんだ、この、これは!?」

「ハレンチメイド服です!!! これを、着て貰います!! ずっと!!!」

「ずっと!!? わかった、絶対に寝る。身だしなみも整えるしご飯も食べる。誓う、魔神様と死神様と冥神様に誓って、リンネとの約束を必ず守るよ……! だ、だからその服は、ちょっと……!」

「約束、したから……おにーちゃんも聞いたから」

「あ、ああ……あああああ…………」


 ハレンチメイド、最強の罰ゲームアバターだよ君は……。あの『誰にも止められない』状態のマリちゃんを、少しだけでも止めることが出来たんだからね!!


『スキル【最高指導者】を獲得しました』


 お、おお……? 何だこのスキル? え、まさか……誰にも止められないマリちゃんを止めたから、にょっきり生えてきたとか? ええ……?! ど、どれどれ? スキル詳細を教えてようっ!



【最高指導者】

・従者への念話でのMP消費が秒間1%まで減少する

・【王族系】【貴族系】【英雄系】またそれ以下の従者に対しての強制命令権を獲得する

・数多くの王族、貴族、英雄に立場上勝利した証



 ほえええ~~……!! 凄いスキルだこれーー!? あ、念話が秒間1%!? 今まで5%とか使ってたのに、すっごぉい!!! やぁぁ~……。これは、便利な……いやでも、あんまり強制命令権を使ったら嫌われそうだから、どうしても駄目!! って以外は使わないようにしようっと。


「よし、じゃあ約束出来た偉いマリちゃんを、ローレイに連れて行ってあげましょうっ!」

「やった……!」

『(*´ω`*)』


 それじゃ、約束が守れるであろう偉い子マリちゃんは、ローレイのマグナ研究所へとご案内~~……。あ、そういえばどん太達、どうしてるだろ? まだ沼焼いてるのかな? 後でつくねちゃんに連絡を取ってみようっと!


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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
― 新着の感想 ―
[気になる点]  しれっと、【力持ち】持ってね?
[良い点] 止まるんじゃねぇぞ…でも飯と睡眠と風呂と身だしなみはちゃんとしろ… [気になる点] >ちーちゃんのオーラ 濃さは飯食ったら回復したから生命力…?では大きさis何…? とはいえどう見ても悪影…
[良い点] お昼寝さんたちは大穴の情報を活力に地獄パーティへと旅立ち、カムイさんも夢の世界へ旅立ったか(*´ω`*)ちびカムイちゃんは……ちび三姉妹ちゃんたちの華麗なる連携でお布団に!!!!!ちびカレ…
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