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165 意気軒昂！

◆　バビロニクス・大穴・最下層　◆

　レイジさんがここに来た時のスクリーンショットを見た時は、こんな状態じゃなかったんだけどね。

『フリオニールが【カーネイジブラスター】を発動、メタルスパイダー(Lv,130)に9,500Kダメージを与え、撃破しました。経験値　32,500,000　獲得』

『フリオニールが【バーニアナックル】【レーザーパイル】を発動、メタルビートル(Lv,130)に4,900Kダメージを与え、撃破しました。経験値　32,500,000　獲得』

『姫千代が【牙突紫電】を発動、ジュエルイータービートル(Lv,120)に5,502Kダメージを与え、撃破しました。経験値　26,000,000　獲得』

『マリアンヌがレベル47に上昇しました』

「ふ、ふう……もう、居ないようだな……」

「…………その、ようですね」

『(；´∀｀)』

「ふ～……。宝の山だ～！！！」

『(*´ω`*)！』

　すり鉢状になってる最下層まで辿り着いた途端、いやぁ～～出てくるわ出てくるわ、巨大宝石昆虫、巨大金属昆虫達が！！　思わずギエ……！！！？？？　まで声が出て、叫んでる暇があったら殺そうって思い直して殲滅を優先したね。レベル130の奴だけなんとなーく死体安置所に入れてたけど、もう既にいっぱいで20体ぐらい溢れてるわ。15枠埋まるのがあっという間だったね～……。

　これが原因で下層の方にはプレイヤーが居なかったのかな？　誰も倒さず採掘に掛かりっきりで討伐そっちのけだったから、わいた奴がどんどん最下層の坑道にぎっしり溜まって大変なことになってたんだね。確かに、パッと見た感じ居ないし、居るか居ないかわからないモンスターを探して倒して鉱石とか宝石稼ぐより、沢山採掘してまとまった量持って帰ったほうが効率良さそうだもんね。ま、ここまで溜まってたら圧倒的にこっちのほうが効率良さそうだけど！　いっぱい狩れてラッキー！　経験値もそこそこ多いし、マリちゃんレベル上がる上がる～！　私は…………経験値が80％ぐらい増えた！　おお～。おにーちゃん？　50％ぐらい……。千代ちゃんも50％ぐらい……はは……。

『――――ニールが【★カチコチウム鉱石】を入手しました』

『【★ネバリタイト鉱石】を入手しました』

「このふざけた名前の鉱石はなんぞ……」

「なんだろうな。マグナに貸してもらった鉱物辞典には載っていなかった金属だ。いや、金属なのか……？　この、昆虫系のモンスターの体内で異常変化した金属なのだろうか」

「……刀で突いた感じですが、これは随分と硬いですが脆そうですね。逆にこちらは最初は軽く斬れそうですが、靭性があるように感じまする」

「靭性……。なんかこう、粘りがあるってこと？」

「硬すぎて伸びのない金属との繋ぎに使ってみるのも面白そうだな。バビロタイト鉱石と、ヘルシウムはどちらも超硬鉱石だが、形状を変えるのが難しい鉱石だから、これを繋ぐのに合わせて投入してみるのも面白いかもしれない。まずはインゴットに出来るだけの量が欲しいが――――おおっと、長くなりそうだ。帰ってからにしよう！」

『(；´∀｀)』

「そーだねー……！」

　危ない、マリちゃんワールドに取り込み掛けられた。ものづくりの話になると、マリちゃんは無限に世界を広げて来るからね。飲み込まれてしまうと、抜け出せなくなっちゃう！

「で、これが原初に続く大穴ダンジョンか～」

　さーてさてさて、安全も確保されましたところで！　到着しました、ここが大穴の最下層！　原初に続く大穴ダンジョンのポータルでーす！！

【原初に続く大穴】 (制限レベル100～) (推奨レベル100～）

・制限：レベル100以上で入場可能です

・制限：NPCにレベル制限は適用されません

・最大4人までパーティ入場可能

・ペナルティ：各階層、制限時間5分

・ペナルティ：各階層、覚醒スキルの使用は1名まで可能

・ペナルティ：戦闘中の召喚系スキル使用不可

・パーティの該当スキル：【ばびろんぱんち♡】【死体安置所系】【魔神兵召喚】

・特典：5の倍数階層毎に覚醒クールタイムをリセット

・毎週2度まで挑戦が可能

・30秒のカウントダウン後、ポータル内のメンバーがダンジョン内に転送されます

「…………あ、ちょっと待って？　おにーちゃんインベントリ後何キロ？　え、もう50キロしか空いてないの？」

『(；´∀｀)』

「私も40キロしかないんだけど……。どうしよ、うーん…………」

　早速行こうかなって思ったけど、うーん……。もうインベントリがパンパンに近い……。鉱石とか宝石系のアイテム重すぎるんだよね～。どうしよ、一旦帰る？　結構掛かるんだよね～ここ……。は～…………あ！！

「買うか……。買うかあ……！！」

　遂に、アレに手を出す時が来たね私も。ちょっと前にペルちゃんのことを思い出したついでにこれも思い出したよ。どこでも、倉庫……！！！

『周囲の安全を確認。いらっしゃいませ、ゴールドショップへようこそ』

「…………ふへ、ええ……！！　た、たっか……！　クレープ買えるじゃん……」

『(；´∀｀)！？』

　課金ショップ、アバターガチャチケットは1枚300円、強化アイテムガチャチケは1枚200円、他にも色んな種類の消費アイテムとか……。うわ、課金料理アイテムとか今週から売り始めてるんだ！　普通の料理アイテムと干渉するから、どっちかだけなのね……。豪華なブーストバーガー！　全ステ+50！？　2時間！！！　1個400円！！！！　おろろろろ…………。無理。

　ん！！　その点見てご覧よ、この鑑定鏡は30日間使い放題で380円！　どこでも倉庫は90日間が480円でクールタイム30分で使い放題！　鑑定鏡は街のみ使用可能、どこでも倉庫は今みたいに非戦闘中、つまりモンスターとかに狙われてない安全な状態なら使える、お荷物お届けレイヴンが迅速かつ確実に届けてくれると。しかも何より凄いのが、メンテナンス中の分はサービス延長して貰えるから、実質31日とか32日！　こっちは95日ぐらい使えるじゃん！　買おう。買っちゃお。買うでしょ。

『鑑定鏡30日間のご購入、ありがとうございました』

『どこでも倉庫サービス90日間のご購入、ありがとうございました』

　買った買った買っちゃった～～！！　スマホの料金と纏めて支払いで買っちゃった～！　スマホ連携してるとこれ気軽に買っちゃうじゃん。ヤバイ、絶対他の買わないからね。来月の支払い額がヤバイことになったらリアルで吐いちゃう。無理無理。

「ひーーー……！！　買っちゃったーーー！！！　かもーん倉庫！！」

『カ゛ァ゛！！！』

「あ、リンネからの荷物を届けてくれるカラスだ」

「この子なんだ！？　え、鳴き声が太い……」

『ドーゾ！！　ドーゾ！！　オキャクサマ！』

「喋るし……はい、どうも……」

　なかなか、独特なカラスちゃんだね……。ま、まあ。使わせてもらおう！　倉庫を！　ほれ、おにーちゃんも採掘した鉱石をここに入れておく――――

『倉庫の容量の限界に達しました。500kgから1,000kgまで永続的に拡張するには180ゴールドが必要です』

『倉庫容量を拡張しました。ご購入、ありがとうございました』

　商売が、商売が上手い……。悔しい……！　課金、課金沼にこうやってハマっていくんだ……！！！　後で倉庫整理しないと駄目だわこれ。あ、でもこの倉庫に入れれば今度からマグナ研究所にある共同倉庫からでも引き出せるから、マリちゃんが自由に倉庫を漁ってアイテム引き出せるじゃん！　マリちゃん用ってタブを作っておいて、ついでに『ご飯』のタブも作っておこう……。とりあえずマリちゃん用にシュート！！　あ、そうだ！！　引き出せるんだしついでに、地獄パーティで手に入った装備をマリちゃんに着せておこう！　仮面、服、衣類、靴！　これ、変なミスティック装備で面白い性能してるんだよね。ほぼ初期装備よりマシ……あと、これも！　【★★GLEAM-01】【★★HILDE-01】、それとサブ武器として背中で担げる【★★★TSTS-777・ラッキーショット】、後でリネームカード使ってもいいから、一時的に使っててもらお！

「マリちゃんえっとね、これとこれとこれとこれと、これと、これも、後これ！」

「わ、わ、わ、わ！？　わ！？　その箱のサイズから考えられないサイズのものが出てくるなあ！？」

「此方のお腹と同じで御座いますね」

「千代ちゃんのお腹も異空間に繋がってる？　もしかして……」

「…………どう、でしょうね」

「否定しない……！？」

『(；´∀｀)！？』

　武器の方はハンドガンがスキル【デスペラード】【十字砲火】が使用可能になるやつ、腰に下げれるホルスター付きだから手が空かないで困るとかはなさそうだし、オッケーオッケー。ライフルは肩に掛けれる紐があるからこれを…………どうしよう、マリちゃんの主張強めなマリちゃんがマ/リちゃんになって大変なことになってるんだけど……。言わなきゃ、バレないバレない……！

　後は、この【サイバーティックスナイパーセット】を……。脱がせたらマズいし、うん。こっちから強制着用権を使おう。そうしよう。

「服は、私が一瞬で着替えさせよう……」

「あ、ああ。そんなことも出来るのか。ここで脱ぐわけにもいかないからな、お願いしよう」

「そうだね！　まあ見た目は変わらないから、その服は特別だからね！　それ！」

『マリアンヌに【★★サイバーティックコンバットグラス】を装備しました』

『マリアンヌに【★★サイバーティックコンバットスーツ】を装備しました』

『マリアンヌに【★★サイバーティックコンバットアンダー】を装備しました』

『マリアンヌに【★★サイバーティックコンバットブーツ】を装備しました』

『マリアンヌが【★★GLEAM-01】【★★HILDE-01】を装備しました』

『マリアンヌが【★★★TSTS-777・ラッキーショット】を装備しました』

「ん……！　随分と、身体が軽いような……。引き締まった感じがする。意識も冴えわたるようだ。見た目は変わらないのに、不思議だ」

「その服の下に、本来の装備を重ね着してるみたいな感じかな。ほら、神様の不思議な技術ってやつだよ」

「なるほど。人智の及ばぬ領域だな……納得しよう」

　よし、じゃあマリちゃんの着けたサイバーティック装備の効果、もう一回見ておこうか。

【★★サイバーティックコンバットグラス】（冥神印・ミスティック・頭・スロットなし）

・【呪】セットで装備した時、装備成長率が0になる

・【呪】装備成長率+10,000％

・【呪】強化値+10上限

・強化値が1上がる毎に全ての能力が10％減少する

・罠感知能力+100％

・敵感知能力+100％

・ダメージカット率+5％

・頭部保護+100％【頭部弱点緩和】

　強化可能・装備登録者【マリアンヌ】・重量0.2kg

【★★サイバーティックコンバットスーツ】（冥神印・ミスティック・体1・スロットなし）

・【呪】セットで装備した時、装備成長率が0になる

・【呪】装備成長率+10,000％

・【呪】強化値+10上限

・強化値が1上がる毎に全ての能力が10％減少する

・全防御無視攻撃力+100％

・ダメージカット率+10％

・身体保護+100％【身体弱点緩和】

　強化可能・装備登録者【マリアンヌ】・重量0.7kg

【★★サイバーティックコンバットアンダー】（冥神印・ミスティック・体2・スロットなし）

・【呪】セットで装備した時、装備成長率が0になる

・【呪】装備成長率+10,000％

・【呪】強化値+10上限

・強化値が1上がる毎に全ての能力が10％減少する

・職業系ポイント回復速度+100％

・基礎攻撃力+5,000

・ダメージカット率+2％

　強化可能・装備登録者【マリアンヌ】・重量0.2kg

【★★サイバーティックコンバットブーツ】（冥神印・ミスティック・靴・スロットなし）

・【呪】セットで装備した時、装備成長率が0になる

・【呪】装備成長率+10,000％

・【呪】強化値+10上限

・強化値が1上がる毎に全ての能力が10％減少する

・クリティカルダメージ+50％

・ダメージカット率+3％

・脚部保護+100％【悪路走破】【脚部弱点緩和】

　強化可能・装備登録者【マリアンヌ】・重量0.2kg

【★★★サイバーティックセット】（解禁状態・アルティメット・4部位）

・サイバーティックシリーズの成長率が0になる

・AGI+150

・装備保護状態（破壊・変化完全耐性）

　――――何？　単品で使いたいだ？　なら、こうしてやる！　by気難しい魔界技師

　もうね、強化が要らないってのが最高。そして単品で使うと勝手に修正値が上がっちゃって効果が発揮されなくなるっていうね。いやーへそ曲がりな装備よ……。多分だけど、これを単品で使ったらこの下層に来るまでにはもう+10になってただろうね。そのぐらいの成長率の良さだと思う。

　唯一の欠点は、ダメージカット率がかなり低いところかな。合計で20％しかないから、そこだけはほぼ気休めみたいな性能。後はガッチリペネトレイトを張ってもらうしかないね。

「銃の方は、前は弾かれたが……今は大丈夫みたいだ。ふふ、これだけでも成長を感じるな」

「武器を持ってようやく始まり。ここからに御座います」

「そうだな、調子に乗らないようにしよう。慎重に、だな。ありがとう」

「いえ……これから、大変です故、頑張って……」

「あの海のような場所に行くのだろう？　わかった、気を引き締めよう」

　あ、多分あの海よりヤバイですマリちゃん。ごめんね……。よし、とりあえずアイテム整理終わり！　一応マリちゃんが前使ってたエネルギーハンドガンは、倉庫のマリちゃんタブに入れておこうかな。あ？　そういえばこれマリちゃんでもアクセス出来るよね？

「マリちゃんマリちゃん、これさ、マリちゃんでも使える？」

「ん？　この、半透明の操作盤を弄れば良いんだろう？」

「……此方には見えませぬが」

『(；´∀｀)！？』

「え……。マリちゃんだけ？　ええ～……なんでだろ。あ～技術職だからかな～？」

「なるほど。そういった技術に長けている職だと、リンネ殿の扱える物も使えるのでしょうか。仮説としては、確かに合っていそうで御座いますね」

『(´ε｀；)……』

「今度から、この我用のページを自由に扱って良いのだろうか？」

「うん。あ、お腹減ったらこれも使っていいから。お金も入れてあるから、食べたい物買ってもいいし、どん太達がお腹減って食べたいーーって物を買ってあげてもいいからね」

「わかった。大事に使おう…………ところで、これは今度からどう呼び出せばいいのだろうか？」

「マグナ研究所にもこれに似たボックスがあるから、それを開けば使える……と、思う！」

「わかった！」

　ん～千代ちゃんとおにーちゃんに扱えないのは残念だけど、でも千代ちゃんが使えたら無限に食べ物買っちゃいそうだし、食堂の余った食材処理班で今後もお腹を満たしてもらおう……。あ、そういえばドラゴン肉、また狩らないとな～。明日ペルちゃん来たら、2班とかに分けて倍の量稼ごうかな？　明日復活するかな、するといいけど……。

「それじゃ、準備はいいね！　倉庫閉じるよ！」

「此方は準備万端に御座います」

「大丈夫だよ」

『(*´ω`*)ｂ』

　よし、皆準備はいいね。倉庫閉じて、あ……倉庫持ってカラスちゃん消えた。良いシステムだこれは……。んじゃあ、いざ！　原初に続く大穴へ！　週2回行けるみたいだから、最悪もう1回行けるし！　行ってみよーー！！！