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144 新たなるメンバーと挑戦

◆ バビロニクス・ギルドルーム【スイート】 ◆


「ん~……。ふわふわだ……。ありがとう、どん太君。君はお利口さんだね」

『わうっ!! (ふわふわ、よかったでしょ!)』

「よかった……これからも、よろしく」

『わんっ! (よろしくね!)』


 マリちゃんがどん太を見た瞬間の最初一言が『ど、どうか、食べないでくれ……』でした。そしたらどん太がお腹を見せて『新しい人!? こんにちは! はじめまして!』ってやるもんだから、マリちゃんも困惑しながら挨拶を返して、徐々に距離を縮めて、今ではどん太に抱きついてもふもふ出来るぐらいまでにはなりました。よかったよかった。


『にゃぁぁ~~ん』

「わ、猫ちゃんまでいるのか……」

「あ、その子はオーレリアちゃん。オーレリア・ステラヴェルチェ」

「……王族のような名前だな。確かに、気品を感じる。毛並みも美しいし、簡単には触らせて貰えないプライドも感じる。だがなんとも、愛らしいな……撫でたい……」

「おお~。だって、リアちゃん」

『なかなか見る目がありますね~っ!』

「……こ、この子も、喋るのか」


 で、リアちゃん。猫に変身した状態で高いところから様子を見てたけど、マリちゃんにべた褒めされたのが嬉しかったのか、ひょいひょいっとどん太の頭の上に降りてきてから床に着地して、いつもの人間型のリアちゃんに戻りましたっ!


「…………変身、していたのか、したのか、どっち、かな?」

「変身していたほうですっ! 初めまして、オーレリア・ステラヴェルチェと申します! 今は滅びたステラヴェルチェ王国の末姫ですよっ!」

「こ、これはこれは。本当に王族の末裔だったとは……。マリアンヌ、元芸術家の…………今は、無職です。よろしくおねがいします」

「マグナさんの試験を突破したから、今は無職じゃなくて魔界技師だよ。ちなみにステラヴェルチェ王国はここ、今はバビロニクスとして新しく生まれ変わったの」

「作ったのはお姉ちゃんです!」

「へえ、オーレリア姫の姉君が……」

「お姉ちゃんは、本当のお姉ちゃんじゃないけど本当のお姉ちゃんよりずーーーーーーーっと大好きな、リンネお姉ちゃんです!!」

「…………マスターリンネが?」

「はいっ!」

「…………ここを?」

「はいっ!」

「…………作った?」

「そうですっ!」


 あ、マリちゃんのおめめが、ぐるぐるぐるぐるしてる……。今理解するのに時間がかかってますって表情をしておられます。リアちゃんも困惑してるマリちゃんを見てニッコニコじゃん。もう、皆の協力があって出来上がったバビロニクスなんだから、私が作ったわけじゃないのに。言い過ぎだよ~。


「もしかして、我のマスターは……。次期、神に選ばれる存在だったりするだろうか?」

「たぶん!」

「いやいや、それはないわ。神様はバビロンちゃん、カレンちゃん、ティスティスお姉ちゃまだから……」

「うん? バビロン様は魔神様だ。ティスティス様は、我に合う服を選んでくれた、巨大狙撃銃の神様だ。カレン様は……お会いしたことがないな……」

「あ、カレンちゃんはね、居るよ。そっちの部屋に」

「い、居る!?」

「ああ! ちっちゃいカレンちゃんが! 本物じゃないんだけど、妖精さんが!」

「あ、会いたい……。会っても、大丈夫だろうか?」


 あ、そっか。マリちゃんはカレンちゃんだけ会ったことがないんだったね。じゃあ本物じゃないけど、会わせてあげよう! ささ、こっちの部屋だぞマリちゃん! この――――


『ピピピ……罠感知:ちびカレンちゃん、突撃すたんばい!』


 ――――ほう。


「マリちゃん、その部屋だよ! 開けたら会えるよ、そーっと開けてね」

「あ、ああ。じゃあ、失礼し――ふぎゅっ!?」

『~~♪♪』

『Σ(´∀`;)』


 んんんん!! ん゛っ゛!!! カレンちゃんがバビロンちゃんとティスティスちゃんにぴょいっと投げられて、マリちゃんの顔面に張り付いた!! 大成功してめちゃめちゃ嬉しそうじゃん、可愛い~~~!!!!!


「な、何が……?! あ、うん……?」

「その、今顔から剥がして抱っこしてるのがちびカレンちゃん。悪戯っ子なんだよ~」

『~~♪』

『(*´ω`*)』

「悪戯が成功して嬉しいというわけか、なるほど……。ふふ、こんなに可愛らしい悪戯なら、歓迎したいものだね。よいっしょ……ふふ、可愛らしい悪戯、楽しかったよ」

『~~♪♪』


 マリちゃんも心の余裕がちょっと出て、こういう悪戯をされても大丈夫になったか~。降ろし方も撫で方も優しかったし、リアちゃんを見て撫でたいって言ってたし、もしかしたら元々猫とか飼ってたのかな? どうなんだろ。


「おや……?」

『~~! ~~♪』

「リンネ、ちびカレン様から何か頂いたのだが」

「え゛」


 え、何貰ったのマリちゃん、ちょっと見せて!?


『【ちびカレンからのちょうせんじょう! No,4】を入手しました』

「え、何貰ったんですかお姉ちゃん! 見たい見たい!」

「挑戦状……!?」

「ほう、挑戦状……」


 これは、一体どんな内容の挑戦状なの!? え、ちょっと……。開けてみよう……。


『ちょうせんじょう! ほんじつ、ダンジョンめい【うみのどーくつダンジョン】にて、【地獄行き鯨列車・ヘルホエール号】をたおしてきてね! どんなボスか、わからないときは、みんなにきこう! このちょうせんじょうは、みんなにもくばっていいよ!』

『シークレットクエスト【ちびカレンからのちょうせんじょう! No,4】を受諾しました』

「鯨列車、倒してこいって……。いや、行く予定だったけど……」


 なるほど、なるほど……! あ、これ複数回クリア出来るタイプだから、他のギルメンさんがクリアして来てもその都度報酬が貰えるっぽいね。じゃあこれは、掲示板にペタっと貼り付けていこう。お昼寝さんにもメール送っておこう~……あ?! そうだ、お昼寝さんがまだ居ない! 珍しい! こんな日もあるんだ~……。


「丁度良かったですね! いきましょーっ!」

「千代ちゃんがまだ戻ってきてないんだよね~」

「ああ、そういえばもう一人いると聞いていたね。どの様なお方なのか、早くお会いしたいね」

「ぽんぽこぽ~んです!」

「ぽ、ぽん……?」


 うんうん、じゃあ皆揃ったらうみのどーくつに行こうね。あそこは、私も低レベル時代にお世話になったところだ……。もはやあそこのしゃーちは登竜門みたいなもんよ。さあ、レッツしゃーち狩り!! まずは、そう……。そろそろ念話で呼び出したぽんぽこぽ~んが来る、はず。


「お、おまたせ致しました……」


 なるほど、ぽんぽこぽ~んを凹ませる為に、さては燃焼系姫千代式を使いましたね? あれこそチートだよ、ズルいよ~食べたものを急速消化出来るなんて。


「千代ちゃん、こちらはマリアンヌちゃん、私の元右腕に取り憑いてた元芸術の神。今は新しい芸術を求めて見習い魔界技師をやってま~す」

「ほ、ほう……? 此方は姫千代、剣術を嗜んでおりまする。趣味は――」

「いっぱい食べることですっ!」

「リ、リア殿~……!」

「食べることが好きなのか。我は、紹介の通り。マリアンヌ、マスターリンネに新しい道を教えられ、歩み始めたひよっこだ。よろしく」

「よろしくお願い致しまする」


 ん、一番すんなり顔合わせが終わったね。さて、じゃあうみのどーくつに行こうか……。あ、ペネ役どうしよう――って思ったら、そうだそうだ。おにーちゃんが幸運の守護でペネ貼れるようになったんだっけ! しかも私も被ダメ時無敵のスキルがあったね、ネクロフォース! まずは試運転がてら、慣らしに行こうか~!!


「どれ! じゃあ~全員揃ったね? どん太、お腹いっぱいか!」

『わんっ!! (元気だよ! お腹いっぱい!)』

「リアちゃんは毛並みよろしいですか!」

「は~いっ!」

「おにーちゃんはエモーションの調子はどうですか!」

『(`・ω・´)b』

「千代ちゃんはお腹いっぱいだよね?」

「え、どうして此方だけ、決めつけられているのですか!?」

「私は見えているんだよ……フッフッフ……。じゃあマリちゃん! 現地に到着してからは、おにーちゃんの背中にビッタリくっついてついてきてね!」

「え、ええ。わかりました」


 よーし、全員準備完了! それじゃあ――


「あ、の……リンネ、ちゃ~~……」

「……!?」

「あ、遊び、行く、の? わっちも、行きたいな~って……」

「行こっ!! あ、その掲示板に貼った挑戦状受けといて!」

「ああ~……! あのね、わっちだけじゃなくって……この子も」

『ぴゃ~~!』


 つ、つくねちゃん……!? え、なんですか、その超絶に可愛らしい、バスケットボールサイズの、ミニチュアドラゴンは!? 白い! くぁわぁいい!!!!


「アルビノ、ドラゴンの……。つみれです」

「名前まですっげえ可愛い……!」

『ぴゃぅ~?』

「どん太! 食べ物じゃない、可愛がる対象の子だからね!!! わかった!!!」

『わ、わんっっ!!! (わかってる、わかってるよう!?)』

「わ、わかっております」


 おかしい、今私はどん太だけに言ったはず……。どうして千代ちゃんまで反応するんだ……!? うちのパーティ、腹ペコ天下一決定戦の予選を余裕で突破できるような腹ペコ、2人も居るの怖すぎね?


『つくね☆ (Lv,96)がパーティに加入しました』

『つみれ (Lv,1)がパーティに加入しました』

「よろしくね……。あれ? つみれちゃんはメス? オス?」

「つみれは、メスです!」

「将来は、とっても可愛い子になりそうだねえ……」

「か、可愛いままで、居て欲しいなあ~~……!!」

「ね! じゃあ行くぞーっ! つくねちゃん、その挑戦状は受けた?」

「あ、はい。受けました!」


 よーし、じゃあ行こうか! 美味しそうな名前のつくねちゃんと、美味しそうな名前の真っ白なアルビノドラゴンのつみれちゃん! おー奇しくも、両方ともキャリーパーティだ。いいね、相互キャリーみたいな感じ? あ、なんか違う? まあいっか! 楽しく遊ぼうよ!!


【つみれ】(ボス属性・無属性・龍族系・小型)

小さい翼に可愛らしいフォルムの真っ白ドラゴン。種族は【?アルビノドラゴン】、等級不明。

つくねちゃんがこっそり誰も来ないスポットに灼熱石で囲って温めていたら、今日様子を見に行ったら丁度生まれていた。レベル1で、まだ何が出来るかはっきりわかっていないが、つくねちゃんの言った言葉は理解できているようで、どうやら頭は良いらしい。


追記:スキル【言語理解】があるつくねちゃんは、いろんなモンスターともお話が出来て、お友達になることが出来るぞ。ただし、テイマーのように従者の強化は出来ないから、本物のテイマーのような運用は難しい!

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本作をご覧頂き誠にありがとうございます
 宜しくお願いします!
ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました ~裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです~Amazon版
アース・スターノベル様より出版させて頂いております!
― 新着の感想 ―
[一言] うぽぽぽぽ でっかいワンちゃん、正直怖いと思うのが普通かもw いくら好きでも行き過ぎるとね、餌を大量に入れられた猫の顔になるのよ どうして犬も猫も喋るんだ、常識ってなんだ?! 知らんのか?…
[良い点] ちびちゃんずがただ可愛いだけじゃない……! クエスト報酬も期待できそう? [気になる点] もしかしてこれ、おやつの希望に応えたご褒美? 或いは、好感度を一定以上にしてるときのランダム要素?…
[一言] つみれ……つくね……そのうち肉団子とかもでてくるんかね……
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