こんな魔王は嫌だ……だと思いたい
一発ネタです。それに短めです。
駄々こね魔王もかわいいなぁって、はい。
それでは、どうぞ。
「ここまでだ、魔王!貴様の野望をぶっ壊す!」
勇者はそう言うと、剣を振りかざした。
「止めてくれ、殺さないでぇ。」
そう、魔王は小声で言った。
「……いや、ごめん。魔王さん。ここで弱腰にならないでください。権威もなんも無いじゃないですか。」
「だって、ボロボロなんだもーん。痛いのいーやーだぁぁぁ!」
「只の駄々っ子じゃねぇか!」
「勇者がいぢめるぅー!みんな助けてくれぇ!」
【ただしかし、相手陣の部下は誰も見向きはしてくれなかった!】
「また始まったよ、魔王様の駄々。本当に嫌っすわ。」
「勇者の言う通りだわ。権威のカケラもねぇ。」
「どうする?勇者側に寝返った方がいいんじゃね?」
「そだなー。もうこの人の下で働きたくねえ。」
部下達がそう言うもんだから、勇者は笑いを堪えるのに必死だ。
[職業変更で勇者側に移行します]
魔王の部下達が、揃って勇者側に付く。
「待って、待って!給料を倍にすっから!勇者側に行くのは辞めてくれ……」
「給料を倍に、とかじゃねぇ!こんな上司に居るのが嫌なんだよ!」
部下だった一人が、そう捨て台詞を吐いた。
……うん、ごもっともです。
▪▪▪
それから、ものの見事に魔王の部下全員が勇者側になりました。
「……では改めて。元部下の皆さん!思っていた事を吐きましょう!」
「「貴様だけは許さねえからなぁぁぁあ!」」
読んで頂き、ありがとうございました。