世界観設定
〇 世界観
世界の形はさまざまだ。
宇宙をそう呼ぶこともあれば、一つの星にある文化をそう呼ぶこともあるだろう。
だが、この物語は少しばかり違う。
これは、砕け散ったある世界の物語だ。
泡を思い浮かべてみよう。
泡の壁が物理法則だ。この泡のことを界と呼ぶ。
界の中に、さまざまな宇宙が存在している。世界とは一つの惑星に芽生えた文化を呼ぶ。
だから、もし宇宙船でどこか別の惑星に行き、そこで別の文明や生命体に出会ったら、それが異世界だ。
界の外にもさまざまな泡が存在する。
これを異界と呼ぶ。
かつて異界の創造神は自身が創り出した界を消滅させ、他の異界を破壊者の脅威から守り抜いた。
この脅威はすべての世界の裏側に存在する、虚無からやってくる。
その名を『蝕む者』と、誰かが呼んだ。
仲間を失い、孤独になった創造神。
その姿は、子供サイズの金色の二本足で立ち、宙に浮かぶ猫のような形をしていた。
彼は心を病み、この地球がある異界へとたどり着く。現代よりも数千年先の未来のそこで、彼は人の少女に恋をした。
平和な時間を過ごす彼らだが、そこにも蝕む者の魔の手は迫っていた。
少女は勇敢にも敵に立ち向かい、消滅させるが自身も砕け散り、時空のはざまへと分散してしまう。
創造神は愛する者を失い、悲しみの涙を流し時空のどこかにいるはずの少女のかけらを探して時間をさかのぼり、現代地球は日本へとたどり着く。
そこで彼はある存在と出会う。
その男は、すべての界を構成する大いなる意思が創り出した、蝕む者を滅する力を備えていた。
男とともに、新たなる力ある者を集め、蝕む者に対抗しようとした創造神は、ある高校に彼らを集めることにした。
集まった彼らに世界の創造講座を開き、能力の使い方を教えていた。
たまたま一人の生徒が創造神が創り出した世界に触れたとき、それは十二のかけらに砕けてしまった。
十二のかけらは宇宙の起源にまで時間を逆行してしまい、この界は現実世界と神々の世界とに別たれて存在することになる。
その力の均衡を保つのが十二のかけらたち。
それらは二つの世界の安全を担保する第三世界、エクスローと呼ばれている。