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僕は瞬時にタイプスリップして貴女の子供として産まれる!

作者: 七瀬






僕には、ずっと憧れていた女性ひとがいた。

とても僕には、釣り合わない女性ひとだった。

彼女は僕よりも、10個以上も年上の人で、、、。

上品さの中にもちゃんと芯がある人だった。

何時も、前を向いて歩いている彼女に僕には見えたのだけど、、、?

たまに、一人で泣いている姿も僕は見ていた。

誰にも見られないように、人が居ないところでこっそりと

泣いている彼女の姿を、、、。




僕は結局、彼女に何も言えないまま、、、。

この世を去ってしまった。

何故なら? 僕は重度の病気でね!

ずっと病院のベットの上から彼女を見ていただけだ。

僕の部屋から見える彼女は、とってもステキな女性ひとだった。





・・・僕が亡くなって、どれぐらいの月日がたったのだろう?

僕は、死ぬ前に一つだけ! 【死神】にお願いをしたんだ!



『死神! どうかお願いだ! 僕の願いを1つだけ叶えてくれ!』

『・・・お前の願いだと?』

『・・・もし?彼女が子供を授かる事があるなら? 僕を彼女のお腹の

中にタイプスリップさせてほしいんだ!』

『・・・なんと!? お前は、死んでも? 彼女の傍に居たいだと!?

よかろう! 願いを叶えてやるが、1つ条件がある!!!』

『・・・“条件?”』

『その後のお前の魂は、ワシが管理する! それでもいいなら?

あの女のお腹中の中にお前をタイプスリップさせてやる! どうだ?』

『・・・あぁ、いいだろう! でも、必ず! 僕の願いを叶えてくれよ!』

『よし! いいだろう! “お前の願いを叶えてやろう!”』

『・・・・・・』





僕は、【死神】と約束をしてこの世を去った。

そして僕が死んで、3年後。

僕は、死神から呼ばれて彼女のお腹の中にタイムスリップする事に

なったんだ!



『おい? 起きろ! お前の言っていた通りお前をあの女のお腹に

タイムスリップさせてやる!』

『・・・本当か!?』

『あぁ! お前がワシに魂を売っても、愛する彼女のお腹の子に

なりたいという願いを叶えてやるんだ!』

『・・・僕は、どうしたらいいんだ!?』

『ワシが三つ数えるから、目を瞑れ! 三つ数え終わったら!

目を開けろ! そうすれば、お前は彼女のお腹の中にタイムスリップ

する事が出来る!』

『よし! 分かった! 早速、数を数えてくれ!』

『ワシに命令をするな! よし、数えるぞ、1、2、3、、、。』

『・・・・・・』






・・・僕は、ゆっくり目を開ける。

【ワァーーーーーーアアアアアア!!!】



水の中に、僕が居るぞ! 何か? おへそから何かが出ている!?

ここは? 彼女のお腹の中なのか!?



外では、お腹に居る僕に何か話しかけている。



『私の大事なBABY~♪ 可愛い~♪ 可愛い~♪ BABY~♪

早く無事に産まれてきてちょうだい~♪ 私の大事なBABY~♪

可愛い~♪ 可愛い~♪ 私のBABY~♪』



【・・・うーん? 替え歌なのか? でも、産まれてくる僕を

心から愛してくれるんだろうな~君はいい母親になるよ。】







・・・それからも。

彼女は、彼女のお腹の中に居る僕に何度も話しかけてくれた。


『おはよう! 今日も元気にママ頑張るから、あなたもママと

一緒に頑張ろうね!』



『・・・今日は? 元気がないの? お腹を蹴らないから! ママは

心配よ! 早く、あなたと会いたいわ!』



『ママね? 今日は、あなたの為に運動をしようと思うの! きっと

元気に産まれてこれるわよ!』



『今日は、元気がいいのね? お腹の中で、いっぱい運動している

みたいだわ~! ママもがんばるね!』





彼女は、たくさんお腹の中の僕に話しかけてくれる。

物凄く、君の愛情を感じるよ。

僕は、間違いなく! 君に愛させて産まれてくるんだって!

そう! 実感しているんだ!





・・・それに?

やっと、僕は待ち続けていた君と会えるんだね!

僕が恋い焦がれ、憧れていた女性ひとにもうすぐ会える!

君の嬉しそうな顔が目に浮かぶよ。





 *




とうとう僕が、君のお腹の中から産まれてきたよ。

彼女は、病院のベットで僕を産もうとしていた。



【ウギャーーーウギャーーーウギャーーー】

『お母さん! 男の子ですよ! 男の子が産まれました!』

【ウギャーーーウギャーーーウギャーーー】

『・・・やっと、会えたね? 私が貴方のママよ!』

【・・・僕は、ずっとこの時を待っていたんだ! 愛する君の元へ!】

『私の元へ産まれてきてくれてありがとう。』

【僕が、それを選んからだよ!】

【ウギャーーーウギャーーーウギャーーー】





僕は、愛する彼女の元へ無事に子供として産まれたんだ。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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