『悪役令嬢だからって、甘く見ないでちょうだいっ!』シリーズ?
悪役令嬢だからって、甘く見ないでちょうだいっ!
「クオード=ミーラ嬢!」
遂にこの時がやってきましたわ。
学園の卒業パーティー、我が婚約者たる王子からの呼びかけ。
私ことクオード=ミーラは前世の記憶を持っていまして、故に見覚えがありますのよ。
前世で大好きでした乙女ゲームの、悪役令嬢を断罪するシーンですから。
そして私はその悪役令嬢。
断罪される側ですわ。
ですが私、前世の記憶が戻った時点で決めていた事がありますの。
「その先は言わないでくださいまし。私もわかっておりますわ」
それは、
「私との婚約を破棄なさるおつもりでしょう」
私自身が言ってやる、ということでしてよ。
ほら、王子は顔を真っ青にされていますの。
ふふふ、なんだか気分が盛り上がってきました。
最後の見せ場ですもの、私が主導権を握ってやりますわ。
「わかっておりますわ。殿下が聖女様と仲良くされていたことは」
「い、いや、ちょっ」
たしかにゲームとは違い、今、彼の隣に聖女はいません。
ですが私との婚約を破棄した直後に呼ぶつもりでしょう。
まあ婚約とはいえ、あくまで口約束程度のものでしたが。
「私が殿下に好意を持っていたことは確かですの」
あら、お顔を真っ赤にされて。
私なんかに好かれたことがそんなに嫌でしたのね。
私もまさか貴方に惚れてしまうだなんて、思ってもいませんでしたわ。
ゲーム内で起こしていた罪は全て避けるようにしてきましたが、王子と聖女の仲を良くするようにも努力してきましたの。
ですのに王子はこんな私に対してまでも優しくしてくださるのですもの。
乙女ならば惹かれてもおかしくありませんわ。
「けれども殿下が聖女様を選ぶのでしたら、私は応援いたしますわ」
ああ、心が痛みます。
けれどこれも、今後を平穏に過ごすため。
変に反抗して荒れた土地に身一つで棄てられるのは御免ですから。
「どうぞお幸せになっt――」
「おいっ!!」
っと、言葉が遮られてしまいましたわね。
王子、熟れたリンゴのように赤い顔で大きく肩を震わせていますわ。
やはり怒らせてしまいましたか。
「申し訳ありません、殿下。出過ぎ――」
「さっきから大人しく聞いていれば……ッ」
……相当お怒りのようですわね。
ですがきっと、私を切り棄てにくるはずですわ。
「いいか、お前の言っていることは的外れだ。偉そうにピーチクパーチク言っていたことはな……っ!」
あ、あれ?
展開が違いますわ??
「俺はお前に、正式な婚約を結ぼうと言いたかったんだよッッッ!!!」
「……………………ほえ?」
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